| 【発明の名称】 |
農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】神谷 寿
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| 【要約】 |
【課題】ミッドシップ型農作業機における座席位置が高くなり過ぎないようにする。
【解決手段】走行部2の後方に農作業部4が装着される農作業機1において、前記走行部機体における側面視で前輪7と後輪8の間に位置する前後中央部に、シリンダヘッドがエンジン中心よりも前側に向いたバーチカルエンジン12を搭載し、該エンジンの上側に操縦座席40を設置すると共に、該エンジンの前方にステアリング軸33を設け、エンジン12を覆うフード52とステアリング軸を覆うカバー50との間に人が歩行可能な水平状のステップフロア45を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行部の後方に農作業部が装着される農作業機において、前記走行部機体における側面視で前輪と後輪の間に位置する前後中央部に、シリンダヘッドがエンジン中心よりも前側に向いたバーチカルエンジンを搭載し、該エンジンの上側に操縦座席を設置すると共に、該エンジンの前方にステアリング軸を設け、エンジンを覆うフードとステアリング軸を覆うカバーとの間に人が歩行可能な水平状のステップフロアを設けたことを特徴とする農作業機。 【請求項2】 エンジンは2気筒で、その両シリンダが左右対称に配置されている請求項1に記載の農作業機。 【請求項3】 エンジンの出力軸を下向きに突出させ、該出力軸からエンジンの左右一側方に設けた伝動ケースを経由してトランスミッションへ動力を伝達する伝動構成とし、前記エンジンを機体の左右中心よりも前記伝動ケースと反対側に偏位して設けた請求項1又は2に記載の農作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、田植機等の乗用農作業機における走行部機体の構成に関する。 【0002】 【従来の技術】走行部機体の側面視で前輪と後輪の間に位置する前後中央部にエンジンを搭載し、該エンジンの上側に操縦座席を設置した、いわゆるミッドシップ型農作業機が知られている。従来、この種のミッドシップ型農作業機には、V型2気筒エンジンを縦向きに搭載していた。このため、座席位置が高くなり、機体のバランスが悪いという問題があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ミッドシップ型農作業機において、エンジン等のメンテナンス性を損なうことなく、座席位置があまり高くならない走行部機体の構成にすることを課題としている。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる農作業機は、走行部の後方に農作業部が装着される農作業機において、前記走行部機体における側面視で前輪と後輪の間に位置する前後中央部に、シリンダヘッドがエンジン中心よりも前側に向いたバーチカルエンジンを搭載し、該エンジンの上側に操縦座席を設置すると共に、該エンジンの前方にステアリング軸を設け、エンジンを覆うフードとステアリング軸を覆うカバーとの間に人が歩行可能な水平状のステップフロアを設けたことを特徴としている。 【0005】エンジンをシリンダが水平になったバーチカルエンジンとすることで、エンジン高が低くなり、その上側に設置される座席位置も低くすることができる。また、バーチカルエンジンのシリンダヘッドがエンジン中心よりも前側に向く状態で搭載すると、ステップフロアを外してエンジンの主にシリンダヘッド部分のメンテナンスを行う場合に、走行部後方の作業部が邪魔にならない。 【0006】特に、バーチカルエンジンが2気筒である場合は、両シリンダを左右対称に配置しておくと、走行部機体の左右バランスがよい好ましい構成となる。 【0007】また、バーチカルエンジンを搭載した本発明の作業機については、エンジンの出力軸を下向きに突出させ、該出力軸からエンジンの左右一側方に設けた伝動ケースを経由してトランスミッションへ動力を伝達する伝動構成とし、前記エンジンを機体の左右中心よりも前記伝動ケースと反対側に偏位して設けるのがよい。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態として、農作業機の一種である乗用田植機について説明する。この乗用田植機1は、走行部としての走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して農作業部としての6条植え植付部4が昇降可能に装着されている。植付部4は公知の構成であるので、説明を省略する。また、走行車体2の左右前部には、予備苗載枠5,5が設けられている。 【0009】走行車体2は、各左右一対の前輪7,7及び後輪8,8を備えた四輪駆動車両で、機体の前部に配したミッションケース10の背面部から後方に延ばして設けたメインフレーム11の上にエンジン12が搭載されている。エンジン12の回転動力は、前進及び後進のいずれにも変速可能な油圧式無段変速装置13を経由してミッションケース10内のトランスミッションに伝達され、そこから前輪7,7、後輪8,8、及び植付部4の各駆動部に伝達される。 【0010】エンジン12は空冷2気筒のバーチカルエンジンで、シリンダヘッド12a,12aを斜め前方に向けて左右対称に設けられている。このエンジン12は、該エンジンの左側方に設けられたカウンタケース15との重量バランスをとるため、機体の左右中心C.L.よりも若干右側に偏位させて配置してある。両シリンダヘッド12a,12aの間のエンジン本体前側には、エアクリーナ16とキャブレータ17が設けられている。その前方にはマフラー18が設けられている。また、エンジン本体右側にはセルモータ20とレクチファイヤ21が設けられ、左側にはオイルフィルタ22が設けられている。さらに、エンジン12の右側方には、燃料タンク23が設けられている。 【0011】エンジン出力軸12bは下向きに突出しており、該エンジン出力軸から前記カウンタケース15の入力軸15aへ伝動ベルト25を介して動力を伝達する。カウンタケース15の出力軸15bはエンジン側に向けて水平に突出している。そして、このカウンタ出力軸15bから、伝動ベルト26を介して前記油圧式無段変速装置13の入力軸13aへ動力を伝達すると共に、伝動ベルト27を介してジェネレータ28の駆動軸へ動力を伝達する。植付部4以外の作業部、例えば代掻装置、耕起装置等を走行車体2の後方に装着する場合には、図4において鎖線を示すように、走行車体2の後部に伝動ケース30を設け、カウンタ出力軸15bからこの伝動ケース30に伝動ベルト31を介して動力を伝達する。 【0012】このように、シリンダヘッドを斜め前方に向けたV型2気筒のバーチカルエンジンを搭載することにより、エンジン高を低く抑えることができ、機体の低重心化が図れる。また、エンジンの周辺機器類を、電装、燃料関係はエンジンの右側、伝動関係はエンジンの左側というように左右に分けて配置してあるので、左右の重量バランスがよく、メンテナンスを行いやすい。 【0013】前輪7,7を操向するステアリング装置のステアリング軸33が、ミッションケース10の前部を上下に貫通して設けられている。ステアリング軸33は、ステアリングハンドル34の操作量に比例して回動する。ステアリング軸33の周囲には、下記の各種レバー等の操作機構が設けられている。35は主変速を切り替えるチェンジレバー、36は油圧式無段変速装置13を操作する変速レバー、37は植付部4を作動状態から非作動状態に切り替えるリフトレバーである。 【0014】ステアリングハンドル34後方のエンジン上側には、操縦座席40が設けられている。この座席40は、後述するエンジンフード52の上に設置されている。座席40の左右両側には、下記のレバーが設けられている。41は植付部4への伝動の入切と植付部4の昇降を行うための植付昇降レバー、42は主変速が後進になると自動的に植付部4を上昇させるか否かを切り替えるバックリフト入切レバー、43は昇降制御の感度を調節する感度調節レバーである。 【0015】前記ステアリング軸33及び操作機構が収容されている部分と前記エンジン12が収容されている部分とを除く車台の上側には、水平状で上を人が歩行可能なステップフロア45が設けられている。このステップフロア45は前後に2分割されていて、両者45A,45Bの分割部が左右の予備苗載枠ステー47,47と連結された横フレーム48の上に位置するようになっている。後ステップフロア45Bには、レバー41,42,43の基部を覆うレバーカバー部45a,45bが一体に形成されているが、このレバーカバー部のレバーガイドは内側に開放している。 【0016】ステアリング軸33及び操作機構は、フロントカバー50Fとリヤカバー50Lとからなるステアリングカバー50で囲われている。このステアリングカバー50は、該カバー内の図示しないステアリングポストに、下端縁部が前ステップフロア45Aの上に載った状態で着脱可能に取り付けられている。着脱は工具類を使用せずに行える。 【0017】また、エンジン12の上部はエンジンフード52で覆われている。このエンジンフード52は、前端下部に設けた取付軸53をメインフレーム11から上に突設した支持フレーム54の上端部に設けた受け具55,55に係合させることにより、前記取付軸53を支点にして回動自在に取り付けられている。取付状態では、エンジンフード52の下端縁部が後ステップフロア45Bの上に載った状態となっている。取付軸53を支点にしてエンジンフード52を上側に所定角度回動すると、取付軸53と受け具55との係合が外れ、エンジンフード52を取り外せる。 【0018】エンジン12及びその周辺機器のメンテナンスを行うときには、前ステップフロア45Aは取り付けたままにして、エンジンフード52と後ステップフロア45Bだけを外せばよい。後ステップフロア45Bに対しエンジンフード52が別個に外せるので、これらの取り外しは容易である。また、エンジンフード52を外すと、レバー41,42,43を内側に倒せるので、後ステップフロア45Bを取り外す際にレバーと干渉するのを防止できる。 【0019】座席40の右側に設けられた植付昇降レバー41は、レバー軸50回りに前後に回動操作するようになっていて、「上げ」「固定」「自動」「植付」の各操作位置を有している。外周部に4つの凹部が形成された位置決めカム51が植付昇降レバー41と一体に取り付けられており、植付昇降レバー41をいずれかの操作位置に操作すると、その操作位置に相当する凹部に位置決めローラ52が嵌り込み、植付昇降レバー41がその位置で安定するようになっている。なお、位置決めローラ52は回動自在なローラアーム53に支持され、テンションスプリング54によって位置決めカム51の側に付勢されている。植付昇降レバー41はどの操作位置でも上端が座席40上面よりも上に突出しないように設けられているので、人が座席40に出入りする際に、誤って植付昇降レバー41を脚で引っ掛けることがない。 【0020】植付昇降レバー41は、連結ロッド55を介して後方の連動アーム56と連結されている。連結アーム56と一体回動するように作動アーム57が設けられ、この作動アーム57の先端部に軸支したローラ58が、植付部昇降用油圧バルブ59を駆動する油圧アーム60のローラ当接面に当接している。油圧アーム60のローラ当接面には段差が設けられており、作動アーム57の回動位置つまり植付昇降レバー41の操作位置に応じて油圧アーム60が回動し、油圧バルブ59のスプール59aを出入りさせる。植付昇降レバー41を「固定」に操作すると油圧バルブ59が中立の状態になり、「上げ」に操作すると植付部4を上昇させる側に油圧バルブ59が切り替わり、「自動」もしくは「植付」に操作すると植付部4を下降させる側に油圧バルブ59が切り替わる。 【0021】また、油圧バルブ59のスプール59aには、油圧アーム60とは別に、植付部4の対地高さ検出用フロートと連動する図示しない自動昇降アームが当接している。これにより、植付部4の対地高さの変化に応じて、植付部4を常に一定高さに保つように油圧バルブ59を切り替える。この植付部自動昇降制御の感度は感度調節レバー43で調節することができる。 【0022】さらに、植付クラッチ操作用クラッチピン62に係合する植付クラッチアーム63が、植付クラッチワイヤ64を介して、作動アーム57の中間部とつながっている。これにより、植付昇降レバー41が「自動」もしくは「植付」に操作されているときは、クラッチピン62が押し込まれて植付クラッチが入になる。「上げ」もしくは「固定」に操作されているときは、スプリング65によってクラッチピン62が戻されて植付クラッチが切になる。 【0023】前記ローラアーム53はバックリフトワイヤ67を介してチェンジレバー35とつながっており、主変速がバックになると、位置決めローラ52が位置決めカム51から離れる側にローラアーム53が回動する。すると、位置決めローラ52による規制が解除されるので、植付昇降レバー41はバックリフトスプリング68に引っ張られて「上げ」位置まで回動し、植付部4が自動的に上昇する。 【0024】バックリフト入切レバー42は、上記バックリフト機能を入切するためのレバーであって、植付昇降レバー41と同じレバー軸50に設けられている。このバックリフト入切レバー42の下端部にバックリフトワイヤ67のアウタが支持されていて、バックリフト入切レバー42が「入」にあるときは、バックリフトワイヤ67とローラアーム53の位置関係が適正に保たれ、上記バックリフト機能がはたらく状態となっている。ところが、バックリフト入切レバー42を「切」にすると、バックリフトワイヤ67の支点が後方へ移動し、ワイヤのインナが緩むので、ローラアーム53がテンションスプリング54に引っ張られて位置決めローラ52が位置決めカム51の凹部に嵌り込んだ状態に固定される。このため、植付昇降レバー41を動かすことができなくなり、主変速がバックになっても植付部4が上昇しないようになる。 【0025】このように、油圧昇降機構の操作部と作動部を前後に分けて配置することにより、構成が簡略となり、組立、メンテンスの容易化、低コスト化がなされている。また、植付昇降レバー41及びバックリフト入切レバー42を座席40の右側近傍のオペレータにとって最も操作しやすい位置に配置することが可能となり、操作性が向上させることができる。 【0026】 【発明の効果】以上に説明から明らかなように、本発明にかかる農作業機は、走行部機体の前後中央部に搭載するエンジンをシリンダヘッドがエンジン中心よりも前側に向いたバーチカルエンジンとすることにより、エンジンの上に設置される操縦座席40の位置を低くすることができ、低重心化が図れるとともに、シリンダヘッドの周囲にスペースを確保することができるので、フロアステップを外すことによりエンジンのメンテナンスを容易に行えるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月16日(1999.7.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開2001−28914(P2001−28914A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−203808 |
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