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【発明の名称】 苗の搬送装置
【発明者】 【氏名】渋谷 誠一

【氏名】北口 晶一

【要約】 【課題】農作物の移植栽培で、分離された苗を使用する移植機などにおいて、略下方向に搬送する一対の突起付ベルトの搬送終端で落下の距離を短くしかつ姿勢の乱れを防止し略水平方向に搬送方向を変える苗の搬送装置を提供する。

【解決手段】一対の弾性ローラー22,23は一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に互いに対向して設け、第3の弾性ローラー24は一対の弾性ローラー22,23の搬送終端下方に設け、一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24は側面視でその位置を交わし、第3の弾性ローラー24と水平搬送ベルト25,26は側面視でその位置を交わす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 個々の苗に分離された苗を連続的に搬送しながら略下方向から略水平方向に搬送方向を変える搬送装置において、互いに対向する一対の突起付ベルトを設け、一対の突起付ベルトはその対向面間に苗を挟んでほぼ下方向に搬送し、一対の突起付ベルトの搬送終端下方に水平搬送ベルトを設け、水平搬送ベルトはその上面に苗を載せてほぼ水平方向に搬送し、一対の突起付ベルトの搬送終端と水平搬送ベルトの搬送始端の間に回転する一対の弾性ローラーと第3の弾性ローラーを設け、一対の弾性ローラーは一対の突起付ベルトの搬送終端下方に互いに対向して設け、一対の弾性ローラーはその対向面間に苗を挟んでほぼ下方向に搬送し、第3の弾性ローラーは一対の弾性ローラーの搬送終端下方に設け、第3の弾性ローラーは水平搬送ベルトの搬送始端側に位置する一対の弾性ローラーの直下より水平搬送ベルトの搬送方向に位置し、一対の弾性ローラーと第3の弾性ローラーは側面視でその位置を交わし、第3の弾性ローラーと水平搬送ベルトは側面視でその位置を交わす苗の搬送装置。
【請求項2】 個々の苗に分離された苗を連続的に搬送しながら略水平方向から略下方向に搬送方向を変える搬送装置において、上面に苗を載せてほぼ水平方向から斜め下方向に搬送する水平傾斜搬送ベルトを設け、水平傾斜搬送ベルトの斜め下方向搬送部分に対向して突起付ベルトを設け、突起付ベルトと水平傾斜搬送ベルトの斜め下方向搬送部分とでその対向面間に苗を挟んでほぼ下方向に搬送し、突起付ベルトの搬送始端を水平傾斜搬送ベルトの水平方向搬送部分より上方とし、水平傾斜搬送ベルトの水平方向搬送部分の搬送終端上方には苗押え輪を配しない苗の搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、農作物の移植栽培で、紙筒集合育苗容器による紙筒苗のような集合苗から個々の苗に分離された苗を使用する移植機などにおいて、苗を搬送しながらその搬送方向を変える苗の搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙筒苗のような集合苗から個々の苗に分離しその苗を搬送しながらその搬送方向を変える苗の搬送装置は、実公平5−30573号または実公平7−48007号として提案されている。
【0003】この実公平5−30573号の苗の搬送装置は、苗供給コンベアの下方にその搬送方向に逆行する横送りベルトを設け、苗供給コンベアの搬送終端部と横送りベルトの搬送始端部を一対の縦送りベルトにて連設し、一対の縦送りベルトの片方を突起付ベルトとし、もう片方を突起の有しない平ベルトとし、苗供給コンベアの搬送終端部上方にスポンジローラーを設けている。
【0004】そして、苗は苗供給コンベアの搬送終端部に移送され、スポンジローラーに押さえられつつ突起付ベルトに接当して分離され、突起付ベルトと平ベルトに挟持されて下方に移送され、縦送りベルトの搬送終端部より落下して横送りベルト上に受け渡される。このとき、苗は平ベルトの回動下端近くから落下し、一対の突起付ベルトを用いた場合よりも落下の距離が短くなる。また、苗は突起付ベルトの弾性突起にのみ平ベルト側に付勢され、横送りベルトの搬送方向に向けて落下する。これを第一の従来例とする。
【0005】また実公平7−48007号の苗の搬送装置は、苗供給コンベアとその反対方向に搬送する苗選別コンベアとを上下に所要の間隔をおいて重合架設し、苗供給コンベアが送出端部より先方を外方斜め下向きに走行する傾斜走行部とし、その傾斜走行部の外方に傾斜走行部より短い傾斜コンベアが、その上端部を苗供給コンベアの送出端部とほぼ同じ高さに位置させ下端部を苗選別コンベアの受入端側の上方に位置させ、苗供給コンベアの搬送速度と同じ周速の押え輪が苗供給コンベアの送出端部の真上に軸架し、苗供給コンベアの搬送速度よりわずかに速い周速の方向転換輪が、傾斜コンベアの上端部と押え輪との間であってかつ苗供給コンベアの送出端部の円弧に対向する位置に軸架し、苗供給コンベア,傾斜走行部および傾斜コンベアの搬送速度より速い周速の苗分離輪が、傾斜コンベアの下端部と苗選別コンベアの受入端側との間であってかつ傾斜走行部の下端部に対向する位置に軸架している。
【0006】そして、苗供給コンベアにより密接列状にして供給される土付苗は、苗供給コンベアの傾斜走行部と傾斜コンベアとで密接列状のまま挟持搬送され、苗選別コンベアの受入端側上方において苗分離輪により各個に分離されて苗選別コンベアに受け入れられる。苗供給コンベアはその送出端部より先方を傾斜走行部とし、したがって、送出端部と傾斜走行部とを連続させ、しかも、傾斜コンベアの上端部と押え輪との間であって、かつ、苗供給コンベアの送出端部の円弧に対向する位置に、方向転換輪を、その周速を苗供給コンベアおよびその送出端部の搬送速度よりわずかに速く軸架しているので、その送出端部から傾斜走行部への土付苗の移行が揺動することなくスムーズに行なわれる。これを第二の従来例とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記第一の従来例による技術の、略下方向から略水平方向に搬送方向を変える搬送装置は、一対の縦送りベルトの片方を突起付ベルトとし、もう片方を突起の有しない平ベルトとし、縦送りベルトの搬送終端部より落下して横送りベルト上に受け渡されることにより、一対の突起付ベルトを用いた場合の欠点を克服しようとしている。
【0008】また第二の従来例による技術の、略下方向から略水平方向に搬送方向を変える搬送装置は、苗供給コンベアの傾斜走行部と苗分離輪により各個に分離されて苗選別コンベアに近距離において直ちに受け入れされることにより、一対の突起付ベルトを用いた場合の欠点を克服しようとしている。
【0009】これら個々の苗に分離された苗を略下方向から略水平方向に搬送方向を変える場合に、一対の突起付ベルトを用いた場合の欠点とは、落下の距離が長く勢いよく落下し、弾んで姿勢が乱れる、衝撃で土抜けの原因となるというものである。そして、一対の突起付ベルトで落下の距離を短くすると、横送りベルトまたは苗選別コンベア上の苗は突起付ベルトの弾性突起に跳ね飛ばされて姿勢が乱れるものである。
【0010】前記第一の従来例による技術の、略水平方向から略下方向に搬送方向を変える搬送装置は、苗供給コンベアの搬送終端部と横送りベルトの搬送始端部を一対の縦送りベルトにて連設し、苗供給コンベアの搬送終端部上方にスポンジローラーを設けている。そして、苗は苗供給コンベアの搬送終端部に移送され、スポンジローラーに押さえられつつ縦送りベルトの突起付ベルトに接当して分離される。
【0011】つまり、スポンジローラーは列状に結合した苗列を個々の苗に分離するもので、個々の苗に分離された苗の搬送方向を変えるものではないため、スポンジローラーを必要としている。
【0012】前記第二の従来例による技術の、略水平方向から略下方向に搬送方向を変える搬送装置は、苗供給コンベアが送出端部より先方を傾斜走行部とし、その傾斜走行部の外方に傾斜走行部より短い傾斜コンベアを、押え輪が苗供給コンベアの送出端部の真上に軸架し、方向転換輪が傾斜コンベアの上端部と押え輪との間であってかつ苗供給コンベアの送出端部の円弧に対向する位置に軸架している。そして、苗供給コンベアにより密接列状にして供給される土付苗は、その送出端部から傾斜走行部への土付苗の移行が揺動することなくスムーズに行なわれる。
【0013】つまり、押え輪と方向転換輪は列状に結合した苗列をそのまま傾斜走行部へ移行させるもので、個々の苗に分離された苗の搬送方向を変えるものではないため、押え輪と方向転換輪を必要としている。
【0014】これら個々の苗に分離された苗を略水平方向から略下方向に搬送方向を変える場合には、スポンジローラーや押え輪と方向転換輪を必要としないで搬送方向を変えることにより、余分な苗押え輪を省略できる。
【0015】本発明は、略下方向に搬送する一対の突起付ベルトの搬送終端で落下の距離を短くしかつ姿勢の乱れを防止し略水平方向に搬送方向を変える、略水平方向に搬送する搬送終端上方の余分な苗押え輪を省略して、略下方向に搬送方向を変える、苗の搬送装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による苗の搬送装置は、個々の苗に分離された苗Pを連続的に搬送しながら略下方向から略水平方向に搬送方向を変える搬送装置において、互いに対向する一対の突起付ベルト21を設け、一対の突起付ベルト21はその対向面間に苗Pを挟んでほぼ下方向に搬送し、一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に水平搬送ベルト25,26を設け、水平搬送ベルト25,26はその上面に苗Pを載せてほぼ水平方向に搬送し、一対の突起付ベルト21の搬送終端と水平搬送ベルト25,26の搬送始端の間に回転する一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24を設け、一対の弾性ローラー22,23は一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に互いに対向して設け、一対の弾性ローラー22,23はその対向面間に苗Pを挟んでほぼ下方向に搬送し、第3の弾性ローラー24は一対の弾性ローラー22,23の搬送終端下方に設け、第3の弾性ローラー24は水平搬送ベルト25,26の搬送始端側に位置する一対の弾性ローラー23の直下より水平搬送ベルト25,26の搬送方向に位置し、一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24は側面視でその位置を交わし、第3の弾性ローラー24と水平搬送ベルト25,26は側面視でその位置を交わすものである。
【0017】請求項2の発明による苗の搬送装置は、個々の苗に分離された苗Pを連続的に搬送しながら略水平方向から略下方向に搬送方向を変える搬送装置において、上面に苗Pを載せてほぼ水平方向から斜め下方向に搬送する水平傾斜搬送ベルト26,27,28を設け、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29に対向して突起付ベルト30を設け、突起付ベルト30と水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29とでその対向面間に苗Pを挟んでほぼ下方向に搬送し、突起付ベルト30の搬送始端を水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分より上方とし、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分の搬送終端上方には苗押え輪を配しないものである。
【0018】
【発明の実施の形態】請求項1の発明では、一対の突起付ベルト21の搬送終端と水平搬送ベルト25,26の搬送始端の間に回転する一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24を設け、一対の弾性ローラー22,23は一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に互いに対向して設け、一対の弾性ローラー22,23はその対向面間に苗Pを挟んでほぼ下方向に搬送するから、水平搬送ベルト25,26上の苗Pと一対の突起付ベルト21の間に一対の弾性ローラー22,23が位置し、水平搬送ベルト25,26上の苗Pに一対の突起付ベルト21の弾性突起21aは接触しない。また、一対の弾性ローラー22,23は苗Pをほぼ下方向に搬送するもので、苗Pの搬送方向はほぼ変わらないので、一対の突起付ベルト21の搬送終端から一対の弾性ローラー22,23までの高さが低くでき、苗Pの落下距離が短くなる。
【0019】また、第3の弾性ローラー24は一対の弾性ローラー22,23の搬送終端下方に設け、第3の弾性ローラー24は水平搬送ベルト25,26の搬送始端側に位置する一対の弾性ローラー23の直下より水平搬送ベルト25,26の搬送方向に位置するから、一対の弾性ローラー22,23から繰り出された苗Pは第3の弾性ローラー24に接触し、第3の弾性ローラー24により水平搬送ベルト25,26の搬送方向に付勢される。
【0020】また、一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24は側面視でその位置を交わし、第3の弾性ローラー24と水平搬送ベルト25,26は側面視でその位置を交わすから、一対の弾性ローラー22,23から水平搬送ベルト25,26までの高さが低くでき、苗Pの落下距離が短くなる。
【0021】請求項2の発明では、突起付ベルト30の搬送始端を水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分より上方とし、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分の搬送終端上方には苗押え輪を配しないから、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分に載せられて搬送終端に搬送された苗Pは突起付ベルト30の水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分より上方の部分に接触し、ほぼ下方向に搬送方向が変えられ、突起付ベルト30と水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29とで挟んでほぼ下方向に搬送する。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0023】苗として移植栽培の苗Pを示しているが、この苗Pには根部の露出した裸苗や根部が培土に覆われた土付苗が含まれる。
【0024】個々の苗に分離された苗Pとして、紙筒集合育苗容器による根部が培土に覆われた紙筒苗を示している。この紙筒集合育苗容器は、展開すると六角柱状の上下が開口した多数の紙筒を、整然と糊で貼り合わせたものである。この紙筒中に培土を詰めて播種して育苗すると苗が生長して紙筒集合苗となり、移植時には適度の連結強度を保って個々の苗Pに分離可能に整然と連結している。
【0025】そして、分離された個々の紙筒集合育苗容器による苗Pは培土が紙筒に包まれているが、勢いよく落下して衝撃を与えると培土が抜けて根傷みを発生させたり、その抜けた土がベルトに付着したりして、その処理のための取り扱いが困難である。
【0026】つぎに、個々の苗に分離された苗Pを連続的に搬送しながらその方向を変える苗の搬送装置を装備した、四条を一度に本圃に移植する四畦用の移植機について説明する。
【0027】図1において、1は機枠であり、機枠1は平面視が略長方形の枠体を成していて、図示しないトラクターに取り付けられて牽引され進行する。そして、機枠1の上方には上部枠2を設け、上部枠2の上方左右および中央には苗載台3を設け、機枠1の下方左右には一対の接地輪4を設け、接地輪4は圃面に接地していて機枠1の進行により回転して装置の動力を供給する。
【0028】苗載台3の下方の上部枠2に四組の苗分離装置10を設け、苗分離装置10は供給された紙筒集合苗を自動的に個々の苗Pに分離して離間し、機枠1上に左右に長い苗選別整列装置枠5を設け、苗選別整列装置枠5上に四組の苗選別整列装置20を設ける。苗選別整列装置20は、分離され離間した苗Pから苗選別装置31により葉の生えていない不良苗を除去し、苗整列装置32により間隔の不揃いになった苗P列を一旦密着整列させた後、所定間隔毎に苗Pを植付装置40に受け渡す。
【0029】苗選別整列装置20と圃面の間に四組の植付装置40を設け、植付装置40は一対の弾性円盤によるもので、苗選別整列装置20から横向き状態で受け渡された苗Pを立垂状態として四条を一度に圃場に植え付ける。
【0030】つぎに、個々の苗に分離された苗Pを連続的に搬送しながら略下方向から略水平方向に搬送方向を変える搬送装置について説明する。
【0031】苗分離装置10と苗選別整列装置20の間に一対の突起付ベルト21を略垂直方向に設け、一対の突起付ベルト21は苗分離装置10によりほぼ立垂状態で分離され離間した苗Pを、ほぼ垂直面内で横向き状態に連続的に転向させ、横向き状態でほぼ下方向に搬送し、その搬送終端で苗選別整列装置20に受け渡す。
【0032】一対の突起付ベルト21は苗分離装置10の傾斜に沿って設けられ、その傾斜角度は実施例では垂直方向から7.5度となっているが、一対の突起付ベルト21についてはその説明の都合上、その傾斜角度は無視して説明する。一対の突起付ベルト21は互いに対向し、その対向面は搬送終端では互いに下方向に同一周速で回行し、その対向面間に苗Pを挟んで搬送終端では下方向に搬送する。
【0033】一対の突起付ベルト21は柔らかいゴムから成り、一対の突起付ベルト21には表面の幅方向の両端部に苗Pの紙筒直径より狭い等間隔に配列された翼片状の多数の弾性突起21aを設け、一対の突起付ベルト21はその対向面間の弾性突起21aにより苗Pの紙筒中間部の上下を挟んで搬送する。
【0034】一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に略水平方向に水平搬送ベルト25および水平搬送ベルトとしての水平傾斜搬送ベルト26を設け、水平搬送ベルト25,26は同一周速で回行し、その上面に苗Pを載せてほぼ水平方向に搬送する。水平搬送ベルト25は苗Pの紙筒上部を支持し、水平傾斜搬送ベルト26は苗Pの紙筒下部を支持し、水平搬送ベルト25は苗選別装置31までの長さでその先は欠落した選別空間となっていて、選別空間に対応して苗選別装置31のベルトが苗Pの葉身を挟持して搬送することにより、葉身の無いあるいは短い不良苗を落下させて除去する。
【0035】一対の突起付ベルト21の搬送終端と水平搬送ベルト25,26の搬送始端の間に回転するスポンジ状の一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24を設ける。
【0036】一対の弾性ローラー22,23は一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に互いに対向して設け、その対向面は苗Pの紙筒直径より狭く互いに下方向に同一周速で回転し、一対の弾性ローラー22,23はその対向面間に苗Pを挟んでほぼ下方向に搬送する。一対の弾性ローラー22,23は各々二個設けられ苗Pの紙筒上部と下部を支持し、その苗Pに接する位置は一対の突起付ベルト21の弾性突起21aとほぼ一致し、背面視で弾性突起21aの先端の回動円弧と一対の弾性ローラー22,23の外周はほぼ接する程度に接近させる。
【0037】第3の弾性ローラー24は一対の弾性ローラー22,23の搬送終端下方に設け、弾性ローラー22と第3の弾性ローラー24の対向面は苗Pの紙筒直径より広くする。第3の弾性ローラー24は背面視で水平搬送ベルト25,26の搬送始端側に位置する弾性ローラー23の直下より水平搬送ベルト25,26の搬送方向に位置し、弾性ローラー23と同一方向に同一周速で回転し、苗Pの紙筒中間部を支持する。
【0038】一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24は側面視でその位置を交わし、つまり一対の弾性ローラー22,23は苗Pの紙筒上部と下部を支持し第3の弾性ローラー24は苗Pの紙筒中間部を支持することにより、背面視で弾性ローラー23と第3の弾性ローラー24は重なり合っている。
【0039】第3の弾性ローラー24と水平搬送ベルト25,26は側面視でその位置を交わし、つまり第3の弾性ローラー24は苗Pの紙筒中間部を支持し水平搬送ベルト25,26は紙筒上部と下部を支持することにより、背面視で第3の弾性ローラー24と水平搬送ベルト25,26は重なり合っている。
【0040】つぎに、個々の苗に分離された苗Pを連続的に搬送しながら略水平方向から略下方向に搬送方向を変える搬送装置について説明する。
【0041】前記水平傾斜搬送ベルト26は上面に苗Pを載せてほぼ水平方向から斜め下方向に搬送し、前記水平搬送ベルト25の延長線上には選別空間を挟んで水平傾斜搬送ベルト28を、水平傾斜搬送ベルト26と水平傾斜搬送ベルト28の間に水平傾斜搬送ベルト27を設け、水平傾斜搬送ベルト27,28も上面に苗Pを載せてほぼ水平方向から斜め下方向に搬送する。水平傾斜搬送ベルト26は苗Pの紙筒下部を支持し、水平傾斜搬送ベルト27は苗Pの紙筒中間部を支持し、水平傾斜搬送ベルト28は苗Pの紙筒上部を支持する。
【0042】これら水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分の搬送終端は同一とし、その先の斜め下方向に搬送する部分は同一面に形成され、これを斜め下方向搬送部分29とする。
【0043】水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29に対向して突起付ベルト30を設け、その対向面は互いに下方向に同一周速で回行し、突起付ベルト30と水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29とでその対向面間に苗Pを挟んでほぼ下方向に搬送する。
【0044】突起付ベルト30は柔らかいゴムから成り、突起付ベルト30には表面の幅方向の両端部に苗Pの紙筒直径より狭い等間隔に配列された翼片状の多数の弾性突起30aを設け、突起付ベルト30は下方向搬送部分29との対向面間の弾性突起30aにより苗Pの紙筒中間部の上下を挟んで搬送する。
【0045】突起付ベルト30の上部側である搬送始端を、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分より上方に突出させる。そして、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分に載せられて搬送終端に搬送された苗Pが、突起付ベルト30の上方に突出した部分に接触する位置とする。
【0046】なお、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分の搬送終端上方には、その間で苗Pを押さえる苗押え輪などを配しない。
【0047】つぎに、苗の搬送装置の作動をその効果とともに説明する。
【0048】移植機に供給された紙筒集合苗は、苗分離装置10により個々の苗に分離され離間した苗Pとなり、一対の突起付ベルト21に挟まれて横向き状態でほぼ下方向に搬送される。
【0049】一対の突起付ベルト21の搬送終端に達した苗Pは、一対の弾性ローラー22,23の上に落下し受け渡される。
【0050】このとき、一対の弾性ローラー22,23は一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に互いに対向して設け、一対の弾性ローラー22,23はその対向面間に苗Pを挟んでほぼ下方向に搬送し、一対の弾性ローラー22,23は苗Pをほぼ下方向に搬送するもので、苗Pの搬送方向はほぼ変わらないので、一対の突起付ベルト21の搬送終端から一対の弾性ローラー22,23までの高さが低くできるから、苗Pの落下距離が短くなり、苗Pが弾んで姿勢が乱れたり、落下の衝撃で苗Pが傷んだりすることがない。
【0051】一対の弾性ローラー22,23に受け渡された苗Pは、一対の弾性ローラー22,23に挟まれてほぼ下方向に搬送され、第3の弾性ローラー24の上に落下し受け渡される。
【0052】第3の弾性ローラー24の上に落下した苗Pは、弾性ローラー22に拘束されることなく、落下方向をほぼ下方向からほぼ水平方向に変えて水平搬送ベルト25,26の搬送始端側の上に落下し受け渡される。
【0053】このとき、第3の弾性ローラー24は一対の弾性ローラー22,23の搬送終端下方に設け、第3の弾性ローラー24は水平搬送ベルト25,26の搬送始端側に位置する一対の弾性ローラー23の直下より水平搬送ベルト25,26の搬送方向に位置し、一対の弾性ローラー22,23から繰り出された苗Pは第3の弾性ローラー24に接触し、第3の弾性ローラー24により水平搬送ベルト25,26の搬送方向に付勢されるから、ほぼ下方向への落下が軽減され、苗Pが弾んで姿勢が乱れたり、落下の衝撃で苗Pが傷んだりすることがない。
【0054】また、一対の弾性ローラー22,23と第3の弾性ローラー24は側面視でその位置を交わし、第3の弾性ローラー24と水平搬送ベルト25,26は側面視でその位置を交わし、一対の弾性ローラー22,23から水平搬送ベルト25,26までの高さが低くできるから、苗Pの落下距離が短くなり、苗Pが弾んで姿勢が乱れたり、落下の衝撃で苗Pが傷んだりすることがない。
【0055】水平搬送ベルト25,26の搬送始端側に受け渡された苗Pは、そのままほぼ水平方向に搬送され、水平傾斜搬送ベルト26に苗Pの紙筒下部を支持されたまま苗選別装置31により不良苗を除去される。
【0056】このとき、一対の突起付ベルト21の搬送終端と水平搬送ベルト25,26の搬送始端の間に回転する一対の弾性ローラー22,23を設け、一対の弾性ローラー22,23は一対の突起付ベルト21の搬送終端下方に互いに対向して設け、水平搬送ベルト25,26上の苗Pと一対の突起付ベルト21の間に一対の弾性ローラー22,23が位置し、水平搬送ベルト25,26上の苗Pに一対の突起付ベルト21の弾性突起21aは接触しないから、水平搬送ベルト25,26上の苗Pが一対の突起付ベルト21の弾性突起21aに跳ね飛ばされて姿勢が乱れることがない。
【0057】苗選別装置31により不良苗を除去され良苗のみの間隔が不揃いになり離間した苗Pは、引き続き水平傾斜搬送ベルト26に苗Pの紙筒下部を支持され、水平傾斜搬送ベルト27,28に苗Pの紙筒中間部と上部を受け渡される。
【0058】水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分の搬送終端に達した苗Pは、突起付ベルト30によりほぼ下方向に搬送方向が変えられ、突起付ベルト30と水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29とに挟まれてほぼ下方向に搬送される。
【0059】このとき、突起付ベルト30の搬送始端を水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分より上方とし、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分の搬送終端上方には苗押え輪を配しないので、水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分に載せられて搬送終端に搬送された苗Pは突起付ベルト30の水平傾斜搬送ベルト26,27,28の水平方向搬送部分より上方の部分に接触し、ほぼ下方向に搬送方向が変えられ、突起付ベルト30と水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29とで挟んでほぼ下方向に搬送するから、余分な苗押え輪を省略してコストが削減される。
【0060】突起付ベルト30と水平傾斜搬送ベルト26,27,28の斜め下方向搬送部分29の搬送終端に達した苗Pは、苗整列装置32の上に落下し受け渡される。
【0061】苗整列装置32に受け渡された苗Pは、密着整列された後、所定間隔毎に植付装置40に受け渡され圃場に植え付けられる。
【0062】以上の実施例では、苗Pとして紙筒集合育苗容器による紙筒集合苗のものを示したが、育苗培地そのものが育苗容器を形成している無機物繊維や高分子化合物によるものでも、育苗容器から取り出された個々の苗でも、個々の苗に分離されているものであれば良い。
【0063】また、一対の突起付ベルト21として翼片状の多数の弾性突起21aを設けた例を示したが、一対の突起付ベルト21の突起は円錐形やブラシ状としても良い。
【0064】また、第3の弾性ローラー24が一対の弾性ローラー22,23や水平搬送ベルト25,26の内側で側面視のその位置を交わす例を示したが、第3の弾性ローラー24が外側でその位置を交わすようにしても良い。
【0065】また、突起付ベルト30として翼片状の多数の弾性突起30aを設けた例を示したが、突起付ベルト30の突起は円錐形やブラシ状としても良い。
【0066】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、一対の突起付ベルトの搬送終端と水平搬送ベルトの搬送始端の間に回転する一対の弾性ローラーを設け、一対の弾性ローラーは一対の突起付ベルトの搬送終端下方に互いに対向して設け、水平搬送ベルト上の苗と一対の突起付ベルトの間に一対の弾性ローラーが位置し、水平搬送ベルト上の苗に一対の突起付ベルトの弾性突起は接触しないから、水平搬送ベルト上の苗が一対の突起付ベルトの弾性突起に跳ね飛ばされて姿勢が乱れることがない。
【0067】また、一対の弾性ローラーは一対の突起付ベルトの搬送終端下方に互いに対向して設け、一対の弾性ローラーはその対向面間に苗を挟んでほぼ下方向に搬送し、一対の弾性ローラーは苗をほぼ下方向に搬送するもので、苗の搬送方向はほぼ変わらないので、一対の突起付ベルトの搬送終端から一対の弾性ローラーまでの高さが低くできるから、苗の落下距離が短くなり、苗が弾んで姿勢が乱れたり、落下の衝撃で苗が傷んだりすることがない。
【0068】また、第3の弾性ローラーは一対の弾性ローラーの搬送終端下方に設け、第3の弾性ローラーは水平搬送ベルトの搬送始端側に位置する一対の弾性ローラーの直下より水平搬送ベルトの搬送方向に位置し、一対の弾性ローラーから繰り出された苗は第3の弾性ローラーに接触し、第3の弾性ローラーにより水平搬送ベルトの搬送方向に付勢されるから、ほぼ下方向への落下が軽減され、苗が弾んで姿勢が乱れたり、落下の衝撃で苗が傷んだりすることがない。
【0069】また、一対の弾性ローラーと第3の弾性ローラーは側面視でその位置を交わし、第3の弾性ローラーと水平搬送ベルトは側面視でその位置を交わし、一対の弾性ローラーから水平搬送ベルトまでの高さが低くできるから、苗の落下距離が短くなり、苗が弾んで姿勢が乱れたり、落下の衝撃で苗が傷んだりすることがない。
【0070】請求項2の発明によれば、突起付ベルトの搬送始端を水平傾斜搬送ベルトの水平方向搬送部分より上方とし、水平傾斜搬送ベルトの水平方向搬送部分の搬送終端上方には苗押え輪を配しないので、水平傾斜搬送ベルトの水平方向搬送部分に載せられて搬送終端に搬送された苗は突起付ベルトの水平傾斜搬送ベルトの水平方向搬送部分より上方の部分に接触し、ほぼ下方向に搬送方向が変えられ、突起付ベルトと水平傾斜搬送ベルトの斜め下方向搬送部分とで挟んでほぼ下方向に搬送するから、余分な苗押え輪を省略してコストが削減される。
【出願人】 【識別番号】000137063
【氏名又は名称】株式会社ホクエイ
【出願日】 平成11年7月23日(1999.7.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−28910(P2001−28910A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−209451