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【発明の名称】 移植機の苗供給装置
【発明者】 【氏名】渋谷 誠一

【要約】 【課題】農作物の移植栽培で、個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗を使用する移植機において、集合苗から個々の苗に分離する分離装置への苗供給装置に関し、先行する集合苗に追い付かせるための操作を軽減しかつ簡単とした供給装置を提供する。

【解決手段】植付時には前部コンベア31の回転と後部コンベア40の回転が連動し、苗補給時には後部コンベア40を前部コンベア31以上に回転でき、後部コンベア40には苗補給時に後部コンベア40を回転させるレバー45を設け、レバー45は往復回動し、レバー45には後部コンベア40を回転させる方向に連動し逆方向は空転する一方向クラッチ46を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗を移動させて分離装置により個々の苗に分離する苗供給装置において、集合苗を載せて縦方向に移動させる縦移動機構を設け、縦移動機構は前部コンベアと後部コンベアを直列に一方向クラッチで連結して構成し、植付時には前部コンベアの回転と後部コンベアの回転が連動し、苗補給時には後部コンベアを前部コンベア以上に回転でき、後部コンベアには苗補給時に後部コンベアを回転させるレバーを設け、レバーは往復回動し、レバーには後部コンベアを回転させる方向に連動し逆方向は空転する一方向クラッチを設けた移植機の苗供給装置。
【請求項2】 植付時に前部コンベアの移動距離より後部コンベアの移動距離が多くなるよう連動回転する請求項1記載の移植機の苗供給装置。
【請求項3】 個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗を移動させて分離装置により個々の苗に分離する苗供給装置において、集合苗を載せて縦方向に間欠的に移動させる縦移動機構を設け、分離装置の左右には集合苗の縦移動方向の位置を規制する一対の苗規制体を設け、苗規制体は一対のリンク機構により集合苗の縦移動方向に進退し、苗規制体の一対のリンク機構には集合苗が縦移動する最終縦移動位置を規制するストッパーを各々設け、各々のストッパー位置を同時に調整できるストッパー調整機構を設けた移植機の苗供給装置。
【請求項4】 個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗を移動させて分離装置により個々の苗に分離する苗供給装置において、集合苗を載せて横方向に往復移動させる横移動機構を設け、横移動機構上には集合苗を載せて縦方向に間欠的に移動させる縦移動機構を設け、横移動機構には上部枠に固定された横移動駆動機構とレール上を往復移動する横移動機構枠を設け、横移動駆動機構と横移動機構枠を所定の負荷以上で切断する安全機構で連結した移植機の苗供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作物の移植栽培で、個々の苗に分離可能に整然と連結した紙筒集合育苗容器による紙筒苗のような集合苗を使用する移植機において、集合苗から個々の苗に分離する分離装置への苗供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】縦移動機構の苗補給時には後部コンベアを前部コンベア以上に回転できるものとして、実公平2−36330号公報には、前部コンベアと後部コンベアを直列に一方向クラッチまたは電磁クラッチで連結して構成し、後部コンベアには苗補給時に後部コンベアを回転させるハンドルを設けたもが提案されている。この苗供給装置では、縦移動機構上への苗補給は移植機の運行を停止してから、ハンドルを回しながら行うものとされている。
【0003】また同じく、縦移動機構の苗補給時には後部コンベアを前部コンベア以上に回転できるものとして、特許第2537452号公報には、後部コンベアを細い幅で複数列とし、後部コンベアの上面は苗運搬容器の底面に開けた穴を通って集合苗の底面を支持し、後部コンベアのハンドルを回して先行する集合苗に追い付かせるもが提案されている。この苗供給装置では、集合苗の補給は苗運搬容器を後部コンベア上に載せるだけであるから、移植機の進行を止める必要が無いとされている。
【0004】また、集合苗の縦移動方向の位置を規制する一対の苗規制体を設けたものとして、特許第2892608号公報には、一対のリンク機構により集合苗の縦移動方向に進退し、苗規制体は集合苗が縦移動するときその縦移動方向へは自由に進退し、集合苗の縦移動により押されて苗規制体が退くものが提案されている。この苗供給装置では、集合苗が縦移動する最終縦移動位置を規制するリンク機構のストッパーを片側のリンクにのみ設けて調整できるようにしている。
【0005】また、個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗を移動させて分離装置により個々の苗に分離する苗供給装置として、特公平6−75442号公報には、集合苗を載せて横方向に往復移動させる横移動機構を設け、横移動機構上には集合苗を載せて縦方向に間欠的に移動させる縦移動機構を設けたものが提案されている。この苗供給装置では、横移動機構は無端交差状の円筒カム(送りネジ)が刻まれた軸により連続的に往復移動するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術の、ハンドルを回して縦移動機構の苗補給時に後部コンベアを前部コンベア以上に回転できるものでは、苗補給時に移植機の運行を停止するのでは、特に多条を植え付ける移植機では同時に補給できないので頻繁に停止しなければならず、植付能率の低下をまねく。そこで、苗補給時にも移植機の運行を停止しないで、高能率を実現する方法が要望される。
【0007】集合苗の補給は苗運搬容器を後部コンベア上に載せるだけとした従来の技術では、移植機の運行中に苗補給をすることは可能となったが、先行する集合苗に追い付かせるためにハンドルを回すことが難しかった。つまり、移植機の運行中は圃場の凹凸により機体が揺れ、作業者が不安定な体勢の中で小さいハンドルをその円軌跡に沿って回すことは無理がある。
【0008】また、前記集合苗の縦移動方向の位置を規制する一対の苗規制体を設けたものでは、集合苗の縦移動により押されて苗規制体が退き、集合苗が縦移動する最終縦移動位置を規制する苗規制体の位置は調節の必要があるため、リンク機構のストッパーを片側のリンクにのみ設けて調整できるようにしている。しかし、集合苗の縦移動により苗規制体が押され、徐々に苗規制体の変形によりストッパーの無い側のリンクが余計に回転し、苗規制体が斜めになりそれに集合苗も倣い、正常に苗が分離されないことがある。
【0009】つまり、苗規制体を一対のリンク機構により集合苗の縦移動方向に進退させるため、構造的に重かったり移動機構に抵抗が有るとその進退に影響する。また、ストッパーを両側のリンクに別々に設けて調整できるようにすると、同じように両ストッパーを調節することは至難となり、結局、苗規制体が斜めになる。また、一対のリンク機構を同一に回転するよう連結棒で連結することも考えられるが、連結棒で緩みなく重くならないように連結することは無理がある。
【0010】また、前記集合苗を載せて横方向に往復移動させる横移動機構を設けたものでは、不慮の事故により苗運搬容器を落として挟み込み、横移動機構を破損することがあった。作業者が倒れ込んだ場合に横移動機構の移動を停止する必要がある。
【0011】本発明は、以上のような問題点を解決し、先行する集合苗に追い付かせるための操作を軽減しかつ簡単とし、苗規制体が変形することなく簡単に調整でき、横移動機構が不慮の事故に際して停止する移植機の苗供給装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の移植機の苗供給装置は、個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗Pを移動させて分離装置70により個々の苗に分離する苗供給装置10において、集合苗Pを載せて縦方向に移動させる縦移動機構30を設け、縦移動機構30は前部コンベア31と後部コンベア40を直列に一方向クラッチ34で連結して構成し、植付時には前部コンベア31の回転と後部コンベア40の回転が連動し、苗補給時には後部コンベア40を前部コンベア31以上に回転でき、後部コンベア40には苗補給時に後部コンベア40を回転させるレバー45を設け、レバー45は往復回動し、レバー45には後部コンベア40を回転させる方向に連動し逆方向は空転する一方向クラッチ46を設けたものである。
【0013】請求項2の発明の移植機の苗供給装置は、植付時に前部コンベア31の移動距離より後部コンベア40の移動距離が多くなるよう連動回転するものである。
【0014】請求項3の発明の移植機の苗供給装置は、個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗Pを移動させて分離装置70により個々の苗に分離する苗供給装置10において、集合苗Pを載せて縦方向に間欠的に移動させる縦移動機構30を設け、分離装置70の左右には集合苗Pの縦移動方向の位置を規制する一対の苗規制体50を設け、苗規制体50は一対のリンク62機構により集合苗の縦移動方向に進退し、苗規制体50の一対のリンク62機構には集合苗Pが縦移動する最終縦移動位置を規制するストッパー63を各々設け、各々のストッパー63位置を同時に調整できるストッパー調整機構64を設けたものである。
【0015】請求項4の発明の移植機の苗供給装置は、個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗Pを移動させて分離装置70により個々の苗に分離する苗供給装置10において、集合苗Pを載せて横方向に往復移動させる横移動機構20を設け、横移動機構20上には集合苗Pを載せて縦方向に間欠的に移動させる縦移動機構30を設け、横移動機構20には上部枠2に固定された横移動駆動機構21とレール11上を往復移動する横移動機構枠22を設け、横移動駆動機構21と横移動機構枠22を所定の負荷以上で切断する安全機構23で連結したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1の発明では、後部コンベア40には苗補給時に後部コンベア40を回転させるレバー45を設け、レバー45は往復回動し、レバー45には後部コンベア40を回転させる方向に連動し逆方向は空転する一方向クラッチ46を設けたから、レバー45を往復回動するだけで先行する集合苗Pに追い付く。
【0017】請求項2の発明では、植付時に前部コンベア31の移動距離より後部コンベア40の移動距離が多くなるよう連動回転するから、先行する集合苗Pと補給した集合苗Pとの隙間がわずかな場合はレバー45を操作することなく先行する集合苗Pに追い付く。
【0018】請求項3の発明では、苗規制体50の一対のリンク62機構には集合苗Pが縦移動する最終縦移動位置を規制するストッパー63を各々設け、各々のストッパー63位置を同時に調整できるストッパー調整機構64を設けたから、各々のストッパー63によりリンク62が規制され、またストッパー63位置も容易に調整できる。
【0019】請求項4の発明では、横移動機構20には上部枠2に固定された横移動駆動機構21とレール11上を往復移動する横移動機構枠22を設け、横移動駆動機構21と横移動機構枠22を所定の負荷以上で切断する安全機構23で連結したから、横移動機構20の不慮の事故に際して安全機構23が切断する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0021】個々の苗に分離可能に整然と連結した集合苗Pとして、紙筒集合育苗容器による紙筒苗を示している。この紙筒集合育苗容器は、展開すると六角柱状の上下が開口した紙筒を、整然と水溶性糊で貼り合わせたものである。この紙筒中に培土を詰めて播種して育苗すると苗が生長して紙筒苗の集合苗Pとなり、水溶性糊は灌水により徐々に溶けて無くなり、紙筒は腐敗の進行により徐々に互いに結合し、移植時には適度の連結強度を保つようになっている。紙筒苗の集合苗Pは平面視で長方形を成しており、その長辺に沿って紙筒が一列状に並んだ苗列となっている。
【0022】つぎに、この紙筒集合育苗容器による集合苗Pを苗コンテナCに載せて供給し、分離装置70により個々の苗に分離し、苗選別整列装置80により不良苗を除去して整列させ、植付装置90により4条を一度に本圃に移植する移植機について説明する。
【0023】図1において、1は機枠であり、機枠1は平面視が略長方形の枠体を成していて、図示しないトラクターに取り付けられて牽引され進行する。そして、機枠1の上方には上部枠2を設け、上部枠2の上方左右および中央には苗載台3を設ける。機枠1の下方左右には一対の接地輪4を設け、接地輪4は圃面に接地していて機枠1の進行により回転して装置の動力を供給する。
【0024】機枠1と上部枠2の間に苗選別整列装置80を設け、苗選別整列装置80は苗選別整列装置枠81に支持され、苗選別整列装置枠81上で苗載台3の下方の上部枠2に分離装置70を設け、苗選別整列装置80と圃面の間には植付装置90を設ける。分離装置70に対向する上部枠2上に苗供給装置10を設け、苗供給装置10には苗載台3に載置した苗コンテナCに収納された集合苗Pを供給する。
【0025】次に、分離装置70に集合苗Pを供給する苗供給装置10について説明する。
【0026】苗供給装置10には、集合苗Pを載せて横方向に往復移動させる横移動機構20と、横移動機構20上で集合苗Pを載せて縦方向に間欠的に移動させる縦移動機構30を設ける。
【0027】横移動機構20は、上部枠2上の一対のレール11と、レール11上をその長手方向に往復移動する横移動機構枠22と、横移動機構枠22の下方で一対のレール11の間の上部枠2に固定されレール11と平行に設けた横移動駆動機構21とからなる。
【0028】横移動機構枠22は一対のレール11上に設け、横移動機構枠22のレール11に対応する四方の下面にはレール11の長手方向に回転するガイドローラー12を設ける。また、横移動駆動機構21には往溝と復溝とが無端交叉状に形成した円筒カム24(送りネジ)を設け、円筒カム24には円筒カム24を内包するコマ受け25を設け、コマ受け25にはコマ受け25に規制され円筒カム24の溝にはまり込むコマ26を設ける。これにより、円筒カム24が回転するとコマ受け25が円筒カム24に沿って連続的に往復移動する。
【0029】コマ受け25にはコマ受け連結板27が固定され、横移動機構枠22から安全機構としての安全ボルト23が設けられ、安全ボルト23には容易に切断するよう円筒状の溝が刻まれ、安全ボルト23がコマ受け連結板27に設けた穴に挿し込まれ連結される。
【0030】これにより、横移動駆動機構21が横移動機構枠22に連結され、横移動駆動機構21の円筒カム24が接地輪4により駆動されることにより横移動機構枠22がレール11の長手方向に連続的に往復移動し、横移動駆動機構21と横移動機構枠22を所定の負荷以上で切断するようになっている。
【0031】横移動機構20の横移動機構枠22には、横移動機構20の移動方向と直交する方向に移動する縦移動機構30を設ける。そして、横移動機構枠22は分離装置70に向かってやや低くなるよう傾斜して設けられ、横移動機構枠22から縦移動機構30としての前部コンベア31と後部コンベア40を直列に配置し、前部コンベア31と後部コンベア40上には集合苗Pを載せて横移動機構20の移動端で横移動機構20の移動方向と直交しかつ分離装置70方向に間欠的に移動させる。
【0032】前部コンベア31は分離装置70側に設けられ、横移動機構枠22から平行に駆動プーリー32と遊動プーリー33を設け、駆動プーリー32と遊動プーリー33の間に前部コンベア31を掛け渡す。後部コンベア40は苗コンテナC供給側に設けられ、横移動機構枠22から平行に複数列の駆動プーリー41と遊動プーリー42を設け、駆動プーリー41と遊動プーリー42の間に複数列の後部コンベア40を掛け渡す。駆動プーリー41と遊動プーリー42の間には後部コンベア40の上部裏面に接するローラ43を設ける。
【0033】前部コンベア31の駆動プーリー32には、横移動機構枠22が横方向に移動し、その移動端でのみ横移動駆動機構21のカム機構28により回転が伝導されるようにし、横移動機構20の移動端で集合苗Pの苗列の一列分よりやや多く前部コンベア31移動させるように駆動プーリー32を回転させる。
【0034】前部コンベア31の駆動プーリー32の片側軸端には一方向クラッチ34がはめ込まれ、一方向クラッチ34にスプロケットホィール35がかぶせられ、後部コンベア40の駆動プーリー41にはめ込まれたスプロケットホィール44を設け、スプロケットホィール35とスプロケットホィール44をチェーン36で連結する。一方向クラッチ34は片側の回転方向には噛み合って回転を伝えるが、反対の回転方向には空転して回転を伝えないもので、自転車のフリーホィールに代表されるようなものである。
【0035】これにより、縦移動機構30は前部コンベア31と後部コンベア40を一方向クラッチ34で連結して構成し、植付時には前部コンベア31の間欠回転と後部コンベア40の間欠回転が連動し、苗補給時には後部コンベア40を前部コンベア31以上に、つまり前部コンベア31が止まったままでも回転できる。
【0036】前部コンベア31のスプロケットホィール35より後部コンベア40のスプロケットホィール44の歯数を小さくし、前部コンベア31の駆動プーリー32より後部コンベア40の駆動プーリー41の径を大きくし、またはいずれかにより、植付時に前部コンベア31の移動距離より後部コンベア40の移動距離が多くなるよう連動回転する。
【0037】後部コンベア40の駆動プーリー41の片側軸端にはめ込んで、苗補給時に後部コンベア40を回転させるレバー45を設ける。レバー45は所定角度だけ往復回動し、レバー45と駆動プーリー41の間には後部コンベア40を回転させる方向に連動し逆方向は空転する一方向クラッチ46を設ける。
【0038】レバー45には戻しバネ47を設け、回動させたレバー45が自動的に所定位置に戻るようにする。前部コンベア31の間欠回転と後部コンベア40の間欠回転が連動して回転するとき、一方向クラッチ46によりレバー45は回動しない。レバー45は市販の手動工具であるラチェツトレンチを応用したもので、一方向クラッチ46は切替えレバーにより回動方向を反対とすることができ、補給した集合苗Pを降ろすときにも使用できる。
【0039】縦移動機構30の前部コンベア31の移動方向前方で、横移動機構20の横移動機構枠22の往復移動の中心に分離装置70を設け、分離装置70は一対の互いの対向面が集合苗Pから遠ざかる方向に回転する弾性体の分離ローラー71であり、分離装置70の左右には集合苗Pの縦移動方向の位置を規制する一対の苗規制体50を設ける。
【0040】上部枠2から苗載台3の間に苗規制体支持枠61を設け、苗規制体支持枠61から一対のリンク62機構を介して苗規制体50を設ける。
【0041】苗規制体50は、横移動機構20の移動方向に長く分離装置70の左右に設け、その集合苗P側の面は前部コンベア31の搬送終端とほぼ同じ位置とし、集合苗Pの縦移動方向のほぼ苗列の一列分の範囲を進退し、集合苗Pが縦移動するとき一対のリンク62機構によりその縦移動方向へは自由に進退し、集合苗Pの縦移動により押されて苗規制体50が退く。
【0042】苗規制体50には苗規制体枠51を設け、苗規制体枠51の両端に略垂直方向に長いプーリー52,53を設け、プーリー52,53の間にベルト54を掛け渡す。ベルト54の集合苗P側の裏面には苗規制体枠51が接して案内していて、ベルト54が集合苗Pに押されても撓まない。ベルト54の下端は前部コンベア31の上面よりやや高くし上端は集合苗Pの上面よりやや低くする。左右一対のベルト54の内方の端部間は、集合苗Pの分離装置70としての一対の分離ローラー71が納まる間隔を開けておく。
【0043】ベルト54の集合苗P側の面に係合突起55を設け、横移動機構枠22の左右上方に一対のベルト駆動枠37を設け、係合突起55は苗規制体50の進退する方向には自由に進退でき横移動機構枠22の移動方向には共に移動するようベルト駆動枠37に係止される。そして、横移動機構20の横移動機構枠22が往復移動するとベルト駆動枠37と係合突起55を介してベルト54の集合苗P側の面は横移動機構20の移動に対応して同じ方向に往復移動する。
【0044】苗規制体支持枠61には苗規制体50の左右一対のリンク62機構を設ける。苗規制体支持枠61と苗規制体枠51の上下面の間に一対の平行リンク機構であるリンク62を自由に回転するよう設け、同じ長さの一対のリンク62は前部コンベア31による集合苗Pの縦移動方向にのみ回動し、集合苗Pが縦移動するときその縦移動方向のみは苗規制体枠51が自由に平行に進退する。
【0045】リンク62は側面視で略コの字状をなし平面視で略Lの字状をなし、その略Lの字状中間部が苗規制体支持枠61に止められ、一端が苗規制体枠51の上下面に止められ、反対側端と苗規制体支持枠61の間にバネ65を設ける。バネ65はリンク62を回動するよう付勢し、その方向はリンク62の苗規制体枠51側が前部コンベア31に向かう方向とし、苗規制体50を集合苗P側に付勢する。
【0046】バネ65は苗規制体50が自然と集合苗P側に進むだけの弱いものとし、バネ65は集合苗Pが縦移動するときの苗規制体50の自由な進退を妨げず、苗規制体50は集合苗Pの縦移動により押されて退き、苗規制体50が集合苗Pに接当しなくなったときバネ65により集合苗P側に進んで戻る。
【0047】リンク62の略コの字状中間部には略水平方向の丸い孔である規制孔62aが開けられ、苗規制体支持枠61からストッパー調整機構64が設けられ、ストッパー調整機構64には一対のリンク62に対応するストッパー63を各々設け、ストッパー63は規制孔62aにはまり込んでいる。規制孔62aの左右幅はストッパー63の左右幅より大とし、その余裕の分だけリンク62は自由に回動し、苗規制体枠51は集合苗Pの縦移動方向のほぼ苗列の一列分の範囲を進退する。
【0048】集合苗Pが縦移動する最終縦移動位置を規制する、つまり苗規制体50が退いたときの位置は、リンク62の規制孔62aの苗規制体枠51に止められた側がストッパー63に接して規制された位置となる。苗規制体50が進んだときの位置は、規制孔62aの反対側がストッパー63に接して規制された位置となる。
【0049】ストッパー調整機構64は水平方向に長い棒状で、苗規制体枠51には水平方向に移動可能に係止され、ストッパー調整機構64の一端と苗規制体枠51の間に調整ボルト66を設け、調整ボルト66を回すとストッパー調整機構64は水平方向に移動する。
【0050】ストッパー調整機構64にはストッパー63を略水平方向に突出して各々設け、ストッパー63は円筒形状でストッパー調整機構64に固定され、各々のリンク62に対応する間隔でストッパー63を設け、ストッパー63はストッパー63の規制孔62aにはまり込んでいる。これにより、ストッパー調整機構64の調整ボルト66を回すことにより各々のストッパー63位置を同時に調整できる。
【0051】苗規制体50が退いたときの位置は、集合苗Pの分離される苗列と分離装置70の分離ローラー71との位置に関係し、分離ローラー71がベルト54の集合苗P側の面から集合苗P側に突出する距離を実施例では約6mmとしているが、分離しずらい集合苗Pのときその距離を長くする必要があるが、調整ボルト46を回すことによりその距離を調整する。
【0052】集合苗Pは立垂状態で後部コンベア40および前部コンベア31上に載せられ、横移動機構枠22の往復移動により共に移動し、分離される苗列が一対の分離ローラー71に順次接することにより連続的に個々の苗に分離され、分離された苗は一対の分離ローラー71に挾まれて繰り出される。集合苗Pの分離される苗列一列を全て分離し終えると前部コンベア31が間歇回行し、新たな苗列の分離が開始される。
【0053】一対の分離ローラー71から繰り出された苗は苗選別整列装置80に受け渡され、苗選別整列装置80は分離された個々の苗を載せて転送しつつ選別整列させるもので、複数の横搬送ベルトを水平方向に連ねて設けた苗選別部と、苗を載せたベルトを増減速して密着整列させる苗整列部を設ける。そして、苗選別整列装置80は所定間隔ごとに苗を植付装置90に受け渡す。
【0054】植付装置90は一対の弾性円盤91によるもので、苗選別整列装置80と植付装置90の間は一対の伸縮自在な縦搬送ベルト92で連結し、縦搬送ベルト92は苗選別整列装置80から横向き状態で受け渡された苗を挾持して下方に転送して弾性円盤91に受け渡し、弾性円盤91は苗を立垂状態として圃面に植え付ける。
【0055】つぎに、作動を説明する。
【0056】移植作業開始時には、横移動機構20の横移動機構枠22は所定のその移動端とし、苗コンテナCに収納された集合苗Pを後部コンベア40上に載せ、前部コンベア31と後部コンベア40を共に回行させて集合苗Pを前部コンベア31上に移載し、さらに回行させてその集合苗Pの最前列の分離される苗列が苗規制体50のベルト54を押しやり退いた位置とし分離ローラー71に接するまで送り込む。また、集合苗Pに接しないもう一方の苗規制体50はバネ65により集合苗P側に進んでいる。
【0057】移植機を進行させると接地輪4により横移動駆動機構21などが駆動され、横移動機構枠22が横方向に移動すると集合苗Pが移動し、ベルト54の集合苗P側の面が移動し、分離ローラー71などが回転する。集合苗Pの最前列の分離される苗列は分離ローラー71により個々の苗に分離され、弾性円盤91により圃面に植え付けられる。
【0058】横移動機構枠22の移動により、分離される苗列に後続する苗列は分離される苗列が順次分離されるにしたがい出現し、後続する苗列には分離される苗列が接当している苗規制体50(図4の右側)とは別の集合苗P側に進み出た苗規制体50(図4の左側)が接する。横移動機構枠22が移動端に近付き、集合苗Pの最前列の分離される苗列の分離が全て終ると、分離される苗列に接当していた苗規制体50はバネ65により集合苗P側に進み出る。
【0059】横移動機構枠22が移動端に達すると、前部コンベア31は集合苗Pの苗列の一列分よりやや多く回行し、前部コンベア31上に載せられた集合苗Pが縦に移動して苗規制体50を押しやり退いた位置とする。なお、集合苗Pは前部コンベア31により苗列の一列分より多く移送されようとするが、集合苗Pは苗規制体50のベルト54に接当しそれ以上進めないので、集合苗Pの底面と前部コンベア31の間で滑って苗列の一列分のみしか移送されない。
【0060】このとき、苗規制体50の一対のリンク62機構には集合苗Pが縦移動する最終縦移動位置を規制するストッパー63を各々設け、各々のストッパー63によりリンク62が規制されるから、リンク62が余計に回転することはなく、苗規制体50が変形することなく常に正常に苗が分離される。また、各々のストッパー63位置を同時に調整できるストッパー調整機構64を設け、ストッパー63位置も容易に調整できるから、最適な分離状態となるよう苗規制体50を容易に調整できる。
【0061】次に、横移動機構枠22は今までと反対方向に集合苗Pを横移動させて次の苗列の分離が開始される。このとき、苗規制体50の分離される苗列に対応する方と後続する苗列に対応する方は左右交代している。さらに、横移動機構枠22の反対側の移動端でも同様に前部コンベア31が集合苗Pを間欠移動させ、苗規制体50が進退し、連続的に個々の苗に分離される。
【0062】続いて後部コンベア40上に集合苗Pが無くなると、空になった苗運搬容器Cを後部コンベア40上から取り除き、再び集合苗Pを載せた苗運搬容器Cを後部コンベア40上に載せる。後部コンベア40の上面は苗運搬容器Cの底面に開けた穴を通って集合苗Pの底面を支持し、集合苗Pは苗運搬容器Cから後部コンベア40に受け渡される。
【0063】このとき、植付時に前部コンベア31の移動距離より後部コンベア40の移動距離が多くなるよう連動回転し、先行する集合苗Pと補給した集合苗Pとの隙間がわずかな場合はレバー45を操作することなく先行する集合苗Pに追い付くから、苗補給に伴う操作が軽減され、移植作業が高能率となる。
【0064】そして、苗補給が遅れ、先行する集合苗Pと補給した集合苗Pとの隙間が広い場合は、レバー45を往復回動して後部コンベア40のみを回行させ、先行する整列苗Pに追い付かせる。
【0065】このとき、後部コンベア40には苗補給時に後部コンベア40を回転させるレバー45を設け、レバー45は往復回動し、レバー45には後部コンベア40を回転させる方向に連動し逆方向は空転する一方向クラッチ46を設け、レバー45を往復回動するだけで先行する集合苗Pに追い付くから、苗補給に伴う操作が軽減され、移植作業が高能率となる。
【0066】なお、移植作業中に不慮の事故により、苗運搬容器を落として挟み込んだり、作業者が倒れ込んだりすることも有りうる。
【0067】このとき、横移動機構20には上部枠2に固定された横移動駆動機構21とレール11上を往復移動する横移動機構枠22を設け、横移動駆動機構21と横移動機構枠22を所定の負荷以上で切断する安全ボルト23で連結し、横移動機構20の不慮の事故に際して安全ボルト23が切断して停止するから、横移動機構20を破損したり作業者に危険が及ぶことなく安全である。
【0068】以上の実施例では、集合苗Pとして紙筒集合育苗容器による紙筒苗を示したが、土壌そのものを所定形状に固めたものや、育苗培地そのものが整然と連結している無機物繊維や高分子化合物によるものでも、個々の苗に分離可能に整然と連結されているものであれば良い。
【0069】また、分離装置70として一対の分離ローラー71によるものを示したが、分離装置70は針によるものなど個々の苗に分離するものであれば良い。
【0070】また、苗規制体50が一対のリンク62機構の回動により進退するものを示したが、一対のリンク62機構は直線往復運動のリニアガイドのように集合苗Pの縦移動を妨げずに進退できるものであれば良い。
【0071】また、安全機構として安全ボルト23が切断するものを示したが、安全機構は横移動駆動機構と横移動機構枠の連結を切断するものであれば良く、バネにより破損すること無く復帰できるようにしても良い。
【0072】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、後部コンベアには苗補給時に後部コンベアを回転させるレバーを設け、レバーは往復回動し、レバーには後部コンベアを回転させる方向に連動し逆方向は空転する一方向クラッチを設け、レバーを往復回動するだけで先行する集合苗に追い付くから、苗補給に伴う操作が軽減され、移植作業が高能率となる。
【0073】請求項2の発明によれば、植付時に前部コンベアの移動距離より後部コンベアの移動距離が多くなるよう連動回転し、先行する集合苗と補給した集合苗との隙間がわずかな場合はレバーを操作することなく先行する集合苗に追い付くから、苗補給に伴う操作が軽減され、移植作業が高能率となる。
【0074】請求項3の発明によれば、苗規制体の一対のリンク機構には集合苗が縦移動する最終縦移動位置を規制するストッパーを各々設け、各々のストッパーによりリンクが規制されるから、リンクが余計に回転することはなく、苗規制体が変形することなく常に正常に苗が分離される。
【0075】また、各々のストッパー位置を同時に調整できるストッパー調整機構を設け、ストッパー位置も容易に調整できるから、最適な分離状態となるよう苗規制体を容易に調整できる。
【0076】請求項4の発明によれば、横移動機構には上部枠に固定された横移動駆動機構とレール上を往復移動する横移動機構枠を設け、横移動駆動機構と横移動機構枠を所定の負荷以上で切断する安全機構で連結し、横移動機構の不慮の事故に際して安全機構が切断して停止するから、横移動機構を破損したり作業者に危険が及ぶことなく安全である。
【出願人】 【識別番号】000137063
【氏名又は名称】株式会社ホクエイ
【出願日】 平成11年7月8日(1999.7.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−16918(P2001−16918A)
【公開日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願番号】 特願平11−193872