| 【発明の名称】 |
苗の転向搬送装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渋谷 誠一
|
| 【要約】 |
【課題】農作物の移植栽培で、苗を搬送して転向する転向搬送装置に関し、一対のベルトの受入端または送出端における回動方向の面内の屈曲転向搬送をガイドレールによらず、装置自体を小さくできる苗の転向搬送装置を提供する。
【解決手段】一対のベルト21,22のいずれか片側の受入端または送出端のプーリー26,27に対向して複数列のローラー41,42,43,44を設け、そのローラー41,42,43,44と受入端または送出端のベルト21の対接面間にて苗Paを挾み、一対のベルト21,22と複数列のローラー41,42,43,44とにより2方向に苗Paを転向させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分離された苗を連続的に搬送しながら転向させる転向搬送装置において、互いに対向する一対のベルトを設け、一対のベルトはその対接面間にて苗を挾んで搬送し、一対のベルトは苗の搬送側の面内で屈曲し、一対のベルトは互いに平行でない受入端と送出端のプーリーの間に掛け渡され、一対のベルトの走行側面にガイドレールを設け、一対のベルトはガイドレールに沿って走行することによりその屈曲を維持され、一対のベルトのいずれか片側の受入端または送出端のプーリーに対向して複数列のローラーを設け、そのローラーと受入端または送出端のベルトの対接面間にて苗を挾み、一対のベルトと複数列のローラーとにより2方向に苗を転向させる苗の転向搬送装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、農作物の移植栽培で、個々の苗に分離可能に連結した紙筒集合育苗容器による紙筒苗のような集合した苗を使用する移植機などにおいて、集合苗から個々の苗に分離された苗を搬送しながら例えば立垂状態から横向き状態に変える、苗を搬送して転向する転向搬送装置に関する。 【0002】 【従来の技術】紙筒苗のような集合苗から個々の苗に分離された苗を搬送しながら立垂状態から横向き状態に転向する装置は、特開平7−241106号または特許第2899222号として提案されている。 【0003】この転向搬送装置は一対のベルトからなり、一対のベルトはその対接面間にて苗を挾み、一対のベルトの幅方向の中央部にのみ芯体を設け、一対のベルトがその幅方向に容易に屈曲でき、一対のベルトはその受入端における回動方向の面である水平方向とその受入端における回動方向の面に垂直方向で一対のベルトの幅方向の2方向に屈曲していて、一対のベルトの両走行側面にガイドレールを設け、一対のベルトには両走行側面に突出した多数のピンを設け、一対のベルトはピンがガイドレールの溝にはまり込んで走行することによりその屈曲を維持され、苗を転向搬送させるものである。 【0004】また、一対のベルトの水平方向への屈曲部の内側にベルトを案内する案内ローラーを設け、ピンがガイドレールの溝に強く接しないようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術の、一対のベルトにより水平方向と垂直方向の2方向に屈曲させるものでは、水平方向に屈曲する部分の内側にベルトを案内する案内ローラーを設け、ガイドレールの損耗を防止しようとしている。しかし、水平方向屈曲部分の外側を走行するベルトの内側を走行する(搬送側)ベルトに対向する搬送側屈曲部は、その内側を苗が通過するためベルトを案内するローラーを設けることができない。そのため、ピンがガイドレールの溝に強く接してガイドレールの損耗を早くしていた。 【0006】また、水平方向屈曲部分では、内側を走行するベルトの往復走行部の厚みと、内側を走行するベルトの屈曲中心側を走行する(戻り側)ベルトの屈曲半径とにより、実際に苗が搬送される屈曲半径が大きく、転向搬送装置自体が大きくなって、集合苗の保留部を大きくできないという制限があった。 【0007】本発明は、一対のベルトの受入端または送出端における回動方向の面内の屈曲転向搬送をガイドレールによらず、装置自体を小さくできる苗の転向搬送装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の苗の転向搬送装置は、分離された苗Paを連続的に搬送しながら転向させる転向搬送装置20において、互いに対向する一対のベルト21,22を設け、一対のベルト21,22はその対接面間にて苗Paを挾んで搬送し、一対のベルト21,22は苗Paの搬送側の面内で屈曲し、一対のベルト21,22は互いに平行でない受入端と送出端のプーリー26,27の間に掛け渡され、一対のベルト21,22の走行側面にガイドレール31,32,33,34を設け、一対のベルトはガイドレール31,32,33,34に沿って走行することによりその屈曲を維持され、一対のベルト21,22のいずれか片側の受入端または送出端のプーリー26,27に対向して複数列のローラー41,42,43,44を設け、そのローラー41,42,43,44と受入端または送出端のベルト21の対接面間にて苗Paを挾み、一対のベルト21,22と複数列のローラー41,42,43,44とにより2方向に苗Paを転向させるものである。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明では、一対のベルト21,22のいずれか片側の受入端または送出端のプーリー26,27に対向して複数列のローラー41,42,43,44を設け、そのローラー41,42,43,44と受入端または送出端のベルト21の対接面間にて苗Paを挾み、一対のベルト21,22と複数列のローラー41,42,43,44とにより2方向に苗Paを転向させるから、一対のベルト21,22は受入端と送出端でプーリー26,27に巻き掛けられ回動方向の面内に屈曲するが、ガイドレール31,32,33,34は回動方向の面内の屈曲は維持しない。 【0010】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。 【0011】苗として移植栽培の苗Paを示しているが、この苗Paには根部の露出した裸苗や根部が培土に覆われた土付苗が含まれ、向きを変える処理を必要とする方向性のある苗に関するものが含まれる。 【0012】分離された苗Paとして、紙筒集合育苗容器による根部が培土に覆われた紙筒苗を示している。この紙筒集合育苗容器は、展開すると六角柱状の上下が開口した多数の紙筒を、整然と糊で貼り合わせたものである。この紙筒中に培土を詰めて播種して育苗すると苗が生長して紙筒集合苗Pとなり、移植時には適度の連結強度を保って個々の苗Paに分離可能に整然と連結している。 【0013】当然のことながら、苗Paは葉部を上方とし、根部を下方として生長し、本圃に植え付けるときにも同様に植え付ける。そのため、苗Paを本圃に植え付ける移植においても、その方向性を失うことなく処理する必要がある。 【0014】そして、分離された個々の紙筒苗Paは培土が紙筒に包まれているが、受け渡しをしてつかみ替えると培土が抜けて根傷みを発生させたり、その抜けた土がベルトに付着したりして、その処理のための取り扱いが困難である。 【0015】つぎに、分離された苗Paを自動的に横向き状態に搬送しながら転向する転向搬送装置20を装備し、苗選別整列装置50により不良苗を除去して整列させ、植付装置60により4条を一度に本圃に移植する移植機について説明する。 【0016】図1において、1は機枠であり、機枠1は平面視が略長方形の枠体を成していて、図示しないトラクターに取り付けられて牽引され進行する。そして、機枠1の上方には上部枠2を設け、上部枠2の上方左右および中央には苗載台3を設け、苗載台3の下方の上部枠2に苗分離装置10を設ける。機枠1の下方左右には一対の接地輪4を設け、接地輪4は圃面に接地していて機枠1の進行により回転して装置の動力を供給する。 【0017】転向搬送装置20は、苗分離装置10と苗選別整列装置50の間に設け、苗分離装置10によりほぼ立垂状態で分離された苗Paを、ほぼ水平面内で搬送方向を変え、ほぼ垂直面内で横向き状態に連続的に転向させ、転向搬送装置20の搬送終端から苗選別整列装置50に受け渡す。 【0018】苗分離装置10には往復移動する横移動機構枠12と、横移動機構枠12の下方に横移動機構枠12を往復移動させる横移動駆動機構11を設け、横移動駆動機構11が接地輪4により駆動されることにより横移動機構枠12が連続的に移植機の進行方向前後に往復移動する。横移動機構枠12は転向搬送装置20に向かってやや低くなるよう傾斜して設けられ、横移動機構枠12にコンベア13を設け、コンベア13は集合苗Pを載せて横移動機構枠12の移動端で移植機の進行方向左右の転向搬送装置20方向に間欠的に移動させる。 【0019】コンベア13の移動方向前方で、横移動機構枠12の往復移動の中心に一対の分離ローラー14を設け、分離ローラー14は互いの対向面が集合苗Pから遠ざかる方向に回転する弾性体の上下三段のローラーであり、一対の分離ローラー14の左右には集合苗Pの移動方向の位置を規制する一対の苗規制体15を設ける。 【0020】集合苗Pは立垂状態でコンベア13上に載せられ、横移動機構枠12の往復移動により共に移動し、一対の分離ローラー14に順次接することにより連続的に個々の苗Paに分離され、分離された苗Paは一対の分離ローラー14に挾まれて繰り出され、転向搬送装置20に受け渡される。集合苗Pの一列を全て分離し終えると苗供給ベルト13が間歇回行し、新たな苗列の分離が開始される。 【0021】転向搬送装置20は横移動機構枠12の傾斜に沿って設けられ、その傾斜角度は実施例では7.5度となっているが、転向搬送装置20についてはその説明の都合上、その傾斜角度は無視して説明する。 【0022】転向搬送装置20には互いに対向する一対のベルト21,22を設け、一対のベルト21,22は柔らかいゴムから成り、一対のベルト21,22の表面の幅方向の両端部には苗Paの紙筒直径より狭い等間隔に配列された多数の弾性突起24を設け、一対のベルト21,22はその対接面間にて弾性突起24により苗Paの紙筒の中間部を挾んで搬送する。ベルト21の受入端の上下の弾性突起24は上下三段の分離ローラー14の間にはまり込んでいる。 【0023】ベルト21,22には、等間隔に平行に配列された多数の鋼製の細長いピン23を設ける。ピン23の先端部はベルト21,22の走行方向の両側面から突出し、中間部はベルト21,22のゴムに埋め込まれている。またベルト21,22には、幅方向の中央部にのみ帆布の芯体25が入っていて、周方向には伸びないが、幅方向にはピン23と共に容易に屈曲できる。 【0024】一対のベルト21,22は、苗選別整列装置50から上方に突出した受入端のプーリー26と、苗選別整列装置50から移植機の進行方向後方に突出した送出端のプーリー27との間に掛け渡され、プーリー26とプーリー27は互いに平行でない、90度の角度で直交している。一対のベルト21,22は、その対接面間の距離が一定で同一方向に同一速度で進行するようにプーリー26,27により互いに反対方向に回行される。 【0025】一対のベルト21,22は、受入端である苗分離装置10の分離ローラー14から移植機の進行方向後方に直線的に伸び、続いて一対のベルト21,22は苗Paの搬送側の面内で屈曲し、つまり受入端における回動方向の面に垂直な方向である垂直下方向に幅方向で円弧状に屈曲していて苗Paを横向き状態に転向させ、さらに下方に直線的に伸びた下端が搬送終端の送出端となっている。 【0026】一対のベルト21,22の戻り側は、上記搬送側の外側に沿っており、ベルト21の戻り側が苗分離装置10の苗規制体15に沿っている。 【0027】一対のベルト21,22の両走行側面には、ベルト21,22の屈曲に対応したガイドレール31,32,33,34を設け、ガイドレール31,32,33,34のベルト21,22に面する側にはベルト21,22の走行方向に沿ってピン23の太さよりやや幅の広い溝35が刻まれている。 【0028】受入端における上下のガイドレール31,32およびガイドレール33,34は一対の支持枠36によりベルト21,22の幅よりやや広い所定間隔に保持され、溝35底の間もピン23の長さよりやや広く保持され、ガイドレール31,33は支持脚37により苗選別整列装置50に固定されている。そしてその溝35にピン23がはまり込んで摺動走行し、ベルト21,22の前記対接面間の距離が一定な所定の屈曲状態が維持される。 【0029】一対のベルト21,22の送出端のプーリー27に水平方向に対向して一対のローラー38を設け、ローラー38は自由に回転しバネ39によりプーリー27方向に付勢され、プーリー27の中心とローラー38の中心を結ぶ線上でベルト21,22は両者に接し、プーリー27とローラー38とでベルト21,22を挟み込んで回行させる。 【0030】一対のベルト21,22のいずれか片側の受入端または送出端のプーリー26,27(実施例では苗分離装置10側のベルト21の受入端のプーリー26)に対向して複数列のローラー41,42,43,44を設ける。 【0031】ローラー41,42,43,44は、苗選別整列装置50から上方に突出し回転する軸45,46,47,48の上部に上下二段にはめ込まれる。分離ローラー14側のローラー41は上下三段の分離ローラー14の間にはまり込んでいて、ベルト22側のローラー48はベルト22の弾性突起24を上下に交わしており、ローラー41,42,43,44も互いに上下に交わしている。 【0032】ローラー41,42,43,44は、平面視でベルト21の受入端のプーリー26を中心として円弧状に配列され、プーリー26に巻き掛けられたベルト21の弾性突起24の先端とローラー41,42,43,44の間を狭くし、ローラー41,42,43,44の周速と弾性突起24の先端の速度をほぼ同じとし、ローラー41,42,43,44と受入端のベルト21の対接面間にて苗Paを挾み、搬送しながら転向させる。 【0033】これにより転向搬送装置20は、複数列のローラー41,42,43,44とベルト21とにより水平方向で搬送方向を転向し、一対のベルト21,22により垂直方向で搬送方向を転向して苗の姿勢を立垂状態から横向き状態に変え、2方向に苗Paを転向させる。 【0034】一対のベルト21,22の搬送終端の下方から苗選別整列装置50としての横搬送ベルトを水平方向に連ねて設け、転向搬送装置20の搬送終端から受け渡された横向き状態の苗Paを搬送する。苗選別整列装置50では、苗Paの葉の生えていない欠株苗を除去し、間隔の不揃になった苗Pa列を一旦密着整列させた後、所定間隔毎に苗Paを植付装置60に受け渡す。 【0035】植付装置60は一対の弾性円盤によるもので、苗選別整列装置50から横向き状態で受け渡された苗Paを立垂状態として圃面に植え付ける。 【0036】つぎに、転向搬送装置の作動を説明する。 【0037】一対の分離ローラー14により立垂状態のまま繰り出された苗Paは、そのまま直ちに落下することなくローラー41,42,43,44と受入端のベルト21に受け渡される。受け渡された苗Paは紙筒の中間部をその対接面間のローラー41,42,43,44と弾性突起24により挾まれて搬送しながら転向され、一対のベルト21,22に受け渡される。 【0038】一対のベルト21,22はそのピン23がガイドレール31,32,33,34の溝35にはまり込んで摺動走行し、ベルト21,22は垂直方向に屈曲して苗Paを転向させ苗の姿勢を立垂状態から横向き状態に変え、苗選別整列装置50に受け渡す。一対のベルト21,22の垂直下方への屈曲部では、一対のベルト21,22は幅方向中央部は芯体25により周方向には伸びないが、幅方向側部は周方向に伸縮して、一対のベルト21,22の幅方向である垂直方向に容易に屈曲する。 【0039】一対のベルト21,22に挾まれた苗Paは、その始端部から終端部までつかみ換えられることなく中間部を挾まれたまま連続的に搬送され転向される。 【0040】このとき、ベルト21受入端のプーリー26に対向して複数列のローラー41,42,43,44を設け、そのローラー41,42,43,44と受入端のベルト21の対接面間にて苗Paを挾み、一対のベルト21,22と複数列のローラー41,42,43,44とにより2方向に苗Paを転向させ、一対のベルト21,22は受入端と送出端でプーリー26,27に巻き掛けられ回動方向の面内に屈曲するが、ガイドレール31,32,33,34は回動方向の面内の屈曲は維持しないから、ガイドレール31,32,33,34の損耗をまねくこと無く、装置自体を小さくして配置の自由度を大きくする。 【0041】以上の実施例では、苗Paとして紙筒集合育苗容器による集合苗Pのものを示したが、育苗培地そのものが育苗容器を形成している無機物繊維や高分子化合物によるものでも、育苗容器から取り出された個々の苗でも、個々の苗に分離されているものであれば良い。 【0042】また、ベルト21の受入端のプーリー26に対向して複数列のローラー41,42,43,44を設けた例を示したが、送出端のプーリー27対向して設けても良いし、両方の側に設けて3方向に苗を転向させても良い。 【0043】また、一対のベルト21,22が垂直下方向に屈曲していて苗Paを転向させる例を示したが、一対のベルト21,22は苗Paの搬送側の面内で屈曲していれば良く、水平方向や上方向に屈曲しても良い。 【0044】 【発明の効果】本発明によれば、一対のベルトのいずれか片側の受入端または送出端のプーリーに対向して複数列のローラーを設け、そのローラーと受入端または送出端のベルトの対接面間にて苗を挾み、一対のベルトと複数列のローラーとにより2方向に苗を転向させ、一対のベルトは受入端と送出端でプーリーに巻き掛けられ回動方向の面内に屈曲するが、ガイドレールは回動方向の面内の屈曲は維持しないから、ガイドレールの損耗をまねくこと無く、装置自体を小さくして配置の自由度を大きくする。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000137063 【氏名又は名称】株式会社ホクエイ
|
| 【出願日】 |
平成11年7月12日(1999.7.12) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−16916(P2001−16916A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月23日(2001.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−198123 |
|