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【発明の名称】 作業用走行車
【発明者】 【氏名】遠藤 豊春

【氏名】野島 辰彦

【氏名】田中 武二

【氏名】宇山 昌樹

【氏名】田村 智志

【氏名】木村 重治

【氏名】門脇 隆志

【要約】 【課題】リフトアーム軸の一端面近傍位置に、リフトアーム角を検出するリフトアーム角センサを設けた作業用走行車において、リフトアーム角センサの外側方に工具が入るスペースが無いものでも、リフトアーム角センサの検出値調整を可能にする。

【解決手段】走行機体1に連結される作業部3を、機体後部に設けられるリフトアーム5の上下回動に基づいて昇降させると共に、リフトアーム5と一体的に回動するリフトアーム軸6の一端面近傍位置に、リフトアーム角を検出するリフトアーム角センサ10を設けたものにおいて、前記リフトアーム軸6の一端面に、リフトアーム角センサ10のセンサアーム10bに係合する係合プレート12を設けるにあたり、該係合プレート12を、リフトアーム軸6の一端面に位置調整自在に設け、該位置調整に基づいてリフトアーム角センサ10の検出値調整を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に連結される作業部を、機体後部に設けられるリフトアームの上下回動に基づいて昇降させると共に、リフトアームと一体的に回動するリフトアーム軸の一端面近傍位置に、リフトアーム角を検出するリフトアーム角センサを設けた作業用走行車において、前記リフトアーム軸の一端面に、リフトアーム角センサのセンサアームに係合する係合部材を設けるにあたり、該係合部材を、リフトアーム軸の一端面に位置調整自在に設け、該位置調整に基づいてリフトアーム角センサの検出値調整を行うことを特徴とする作業用走行車。
【請求項2】 請求項1において、リフトアーム軸の一端面軸芯位置に、係合部材を回動自在に支持するピンを突設する一方、係合部材に、ピンを中心とする円弧状の長孔を形成し、該長孔を貫通してリフトアーム軸に螺入する単一のボルトで係合部材を固定したことを特徴とする作業用走行車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の作業用走行車の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トラクタ等の作業用走行車では、走行機体に連結される作業部を、機体後部に設けられるリフトアームの上下回動に基づいて昇降させるが、作業部の対機高さを自動的に制御するポジション制御等の制御手段を備えるものでは、リフトアーム軸の一端面近傍位置に、リフトアーム角を検出するリフトアーム角センサが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の様なものでは、リフトアーム角センサの検出角と、実際のリフトアーム角とを一致させるべく、リフトアーム角センサの検出値調整を行う必要がある。そこで従来では、リフトアーム角センサの取付位置調整に基づいてリフトアーム角センサの検出値調整を行っていたが、リフトアーム角センサの外側方にスペースが無いものでは、工具が入らずにセンサ取付ネジの回し操作が困難な場合があり、また通常、リフトアーム角センサは、複数のセンサ取付ネジで固定されているため、位置調整に際して作業工数が多くなる不都合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、走行機体に連結される作業部を、機体後部に設けられるリフトアームの上下回動に基づいて昇降させると共に、リフトアームと一体的に回動するリフトアーム軸の一端面近傍位置に、リフトアーム角を検出するリフトアーム角センサを設けた作業用走行車において、前記リフトアーム軸の一端面に、リフトアーム角センサのセンサアームに係合する係合部材を設けるにあたり、該係合部材を、リフトアーム軸の一端面に位置調整自在に設け、該位置調整に基づいてリフトアーム角センサの検出値調整を行うことを特徴とするものである。つまり、リフトアーム軸側に設けられる係合部材を位置調整自在にしたため、リフトアーム角センサの外側方に工具が入るスペースが無いものでも、リフトアーム角センサの検出値を調整することができる。また、リフトアーム軸の一端面軸芯位置に、係合部材を回動自在に支持するピンを突設する一方、係合部材に、ピンを中心とする円弧状の長孔を形成し、該長孔を貫通してリフトアーム軸に螺入する単一のボルトで係合部材を固定したことを特徴とするものである。つまり、リフトアーム軸の軸芯を中心として係合部材を回動位置調整するため、位置調整時にセンサ軸との芯ズレが生じる不都合がなく、しかも、単一のボルト操作のみで位置調整を行うことができるため、複数のセンサ取付ネジを回し操作していた従来に比して調整作業を簡略化することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1はトラクタの走行機体であって、該走行機体1の後方には、昇降リンク機構2を介してロータリ等の作業部3が装着されている。そして、作業部3は、リフトロッド4を介して昇降リンク機構2を吊持するリフトアーム5の上下回動に基づいて昇降するが、これらの基本構成は従来通りである。
【0006】6は前記リフトアーム5の回動支点となるリフトアーム軸であって、該リフトアーム軸6は、機体後部に設けられる油圧ケース7の後端部に左右方向を向いて貫通状に軸支されると共に、油圧ケース7から突出した軸両端部でリフトアーム5を一体的に支持している。そして、油圧ケース7には、リフトアーム軸6を油圧動力で回動させるリフトシリンダ8が内装されており、該リフトシリンダ8の伸縮に伴ってリフトアーム5が上下回動するようになっている。
【0007】9は前記油圧ケース7の側面部に設けられる第一センサブラケットであって、該第一センサブラケット9は、油圧ケース7のリフトアーム前方近傍位置に固定される固定板部9aと、該固定板部9aから外側方に立ち上がる立上り板部9bと、該立上り板部9bの先端から後方に延出するセンサ取付板部9cとを備えるべく平面視クランク状に折曲形成されている。そして、前記センサ取付板部9cは、リフトアーム軸6の一端面に所定間隔を存して対向するが、センサ取付板部9cとリフトアーム軸6との間の間隙Kにあっては、その上方、後方および下方が開放している。
【0008】10は前記センサ取付板部9cの外側面に一対のネジ11を用いて取付けられるリフトアーム角センサ(ポジション制御用ポテンショメータ)であって、該リフトアーム角センサ10のセンサ軸10aは、センサ取付板部9cに形成されるセンサ軸貫通孔9dを介してリフトアーム軸6の一端面を臨むと共に、その先端部にはセンサアーム10bが一体的に取付けられている。そして、センサアーム10bは、リフトアーム軸6の一端面に取付けられる係合プレート(係合部材)12の係合爪12aに対して弾性的に係合するため、リフトアーム軸6の回動に追随しつつ、その回動変位をリフトアーム角センサ10に入力するようになっている。
【0009】13は前記リフトアーム軸6の一端面軸芯位置に突設されるピン13にであって、該ピン13は、前記係合プレート12に形成されるピン貫通孔12bを貫通して、係合プレート12をリフトアーム軸芯回りに回動自在に支持している。また、14は係合プレート12をリフトアーム軸6の一端面に固定する単一のボルトであって、該ボルト14は、係合プレート12に形成される取付孔12cを貫通すると共に、リフトアーム軸6に形成されるボルト孔6aに螺入することで係合プレート12を固定するが、前記取付孔12cは、ピン13を中心とする円弧状の長孔に形成されており、そのため、前記間隙Kの後方からスパナを挿入してボルト14を弛めれば、ピン13を中心として係合プレート12の回動位置を調整することができるようになっている。即ち、前記リフトアーム軸6の一端面に、リフトアーム角センサ10のセンサアーム10bに係合する係合プレート12を設けるにあたり、該係合プレート12を、リフトアーム軸6の一端面に位置調整自在に設けているため、該位置調整に基づいてリフトアーム角センサ10の検出値調整を行うことができ、その結果、リフトアーム角センサ10の外側方に工具が入るスペースが無いものでも、リフトアーム角センサ10の検出値を調整することが可能になる。また、リフトアーム軸6の軸芯を中心として係合プレート12を回動位置調整するため、位置調整時にセンサ軸10aとの芯ズレが生じる不都合がなく、しかも、単一のボルト操作のみで位置調整を行うことができるため、複数のセンサ取付ネジ11を回し操作していた従来に比して調整作業を簡略化することができるようになっている。
【0010】また、15は作業部3側に設けられる耕深センサ等の作業部センサ16を接続するためのセンサ接続カプラであって、該センサ接続カプラ15は、前記リフトアーム角センサ10の上方および後方を覆うように第一センサブラケット9に一体的に設けられるカバー部材17の後端側下端部に取付けられている。そして、この取付位置は、リフトアーム5の下限側方位置であるため、センサ接続カプラ15に接続された作業部側配線がリフトアーム5に接触したり、或いは巻き込まれて断線する不都合を回避することができ、しかも、第一センサブラケット9には、リフトアーム5の下限下方位置で作業部側配線をガイドするガイドロッド18が突設されているため、作業部側配線がリフトアーム5に接触する可能性をさらに低下させることができるようになっている。
【0011】19は前記リフトアーム角センサ10の前方近傍位置に設けられる水平センサ(作業部水平制御用)であって、該水平センサ19は、油圧ケース7の側面に設けられる第二センサブラケット20のセンサ取付板部20aに取付けられるが、本実施形態では、センサ取付板部20aの上方重合位置に防振部21を介してセンサ取付プレート22を設け、該センサ取付プレート22に水平センサ19を取付けているため、機体振動や加速度によるセンサ信号の変動を可及的に回避して水平センサ19の精度を高めることができるようになっている。また、前記防振部21は、センサ取付プレート22のボルト貫通孔に装着されるグロメット(防振材)23と、該グロメット23およびセンサ取付部20aを貫通してナット止めされるボルト24と、該ボルト24の螺入量を規制するカラー24aとで構成されているため、構造を簡略化して安価に構成できる利点がある。
【0012】また、25はクラッチハウジング26に設けられるエンジン回転センサ(電磁ピックアップセンサ)であって、該エンジン回転センサ25は、クラッチハウジング26に内装されるフライホイール27の外周面に所定間隔を存して対向し、該フライホイール27の外周部に所定ピッチで形成される凸面(リングギヤ)を検出するようになっている。つまり、エンジンに直結されるフライホイール27の回転を電磁ピックアップ方式で検出するため、オルタネータ出力に基づいてエンジン回転を検出していた従来の様に、エンジンとオルタネータとを連結するファンベルトの摩耗や弛みに起因する検出誤差を排除することができるようになっている。
【0013】叙述の如く構成されたものにおいて、走行機体1に連結される作業部3を、機体後部に設けられるリフトアーム5の上下回動に基づいて昇降させると共に、リフトアーム5と一体的に回動するリフトアーム軸6の一端面近傍位置に、リフトアーム角を検出するリフトアーム角センサ10を設けたものであるが、前記リフトアーム軸6の一端面に、リフトアーム角センサ10のセンサアーム10bに係合する係合プレート12を設けるにあたり、該係合プレート12を、リフトアーム軸6の一端面に位置調整自在に設け、該位置調整に基づいてリフトアーム角センサ10の検出値調整を行うようにしたため、リフトアーム角センサ10の外側方に工具が入るスペースが無いものでも、リフトアーム角センサ10の検出値を調整することができる。
【0014】また、リフトアーム軸6の一端面軸芯位置に、係合プレート12を回動自在に支持するピン13を突設する一方、係合プレート12に、ピン13を中心とする円弧状の長孔である取付孔12cを形成し、該取付孔12cを貫通してリフトアーム軸6に螺入する単一のボルト14で係合プレート12を固定したため、係合プレート12の位置調整時にセンサ軸10aとの芯ズレが生じる不都合がなく、しかも、単一のボルト操作のみで位置調整を行うことができるため、複数のセンサ取付ネジ11を回し操作していた従来に比して調整作業を簡略化することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成12年6月16日(2000.6.16)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2001−352806(P2001−352806A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−181530(P2000−181530)