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【発明の名称】 耕耘・施肥・畝成形方法及び装置
【発明者】 【氏名】北村 祐二

【氏名】森田 繁

【要約】 【課題】ロータリで耕耘した耕土を成形する前に施肥して畝の全体に均一な肥料効果を長期間に亘って維持する。

【解決手段】ロータリ耕耘部(18)の後部に畝成形具(5)を装着し、前記ロータリ耕耘部(18)の後方でかつ畝成形具(5)による畝成形完了する前の耕土中に施肥する施肥手段(42)を備えている耕耘・施肥・畝成形装置であって、前記施肥手段(42)は、畝(D1)の高さ方向における深・浅位置に、施肥物(50)の排出部(42B)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリ耕耘部(18)により耕耘した耕土を畝成形具(5)で押し固めて畝成形完了する前の耕土中に施肥するようにした耕耘・施肥・畝成形方法において、前記耕土中の施肥を、畝(D1)の高さ方向における深・浅位置にそれぞれ施肥した後、畝成形具(5)で耕土を押し固めることを特徴とする耕耘・施肥・畝成形方法。
【請求項2】 深・浅位置にそれぞれ施肥した施肥物(50)を、畝(D1)の幅方向に拡散してから耕土を畝成形具(5)で押し固めることを特徴とする請求項1に記載の耕耘・施肥・畝成形方法。
【請求項3】 ロータリ耕耘部(18)の後部に畝成形具(5)を装着し、前記ロータリ耕耘部(18)の後方でかつ畝成形具(5)による畝成形完了する前の耕土中に施肥する施肥手段(42)を備えている耕耘・施肥・畝成形装置において、前記施肥手段(42)は、畝(D1)の高さ方向における深・浅位置に、施肥物(50)の排出部(42B)を備えていることを特徴とする耕耘・施肥・畝成形装置。
【請求項4】前記施肥手段(42)における排出部(42B)のそれぞれの後方に、これら排出部(42B)から排出した施肥物(50)を畝幅方向に拡散するそれぞれの拡散手段(43)を排出部(42B)のそれぞれに前後で対応して備えていることを特徴とする請求項3に記載の耕耘・施肥・畝成形装置。
【請求項5】前記拡散手段(43)のそれぞれは棒材を曲成して構成されており、該棒材の後方延伸端が深い位置になるに従って順次後方に位置されていることを特徴とする請求項4に記載の耕耘・施肥・畝成形装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耕耘・施肥・畝成形方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】稲作後、すなわち稲を収穫した後の圃場を畑作に利用すれば圃場の効率化が期待できて農業経営上有利である。しかし、稲作後の圃場には稲株、ワラ屑等があり、特に、稲株を耕起して畝に混在させるとその畝に苗を移植するとき稲株が移植障害となるだけでなく、苗の活着及び成長に悪い影響を与え、特に、粘土質圃場ではその傾向が顕著であった。
【0003】そこで従来では、ロータリ耕耘機を用いてまず第1段として荒耕し作業を行い、第2段として砕土耕耘を行い、その後、畝成形具をロータリ耕耘部の直後に取付けるとともにロータリ耕耘部の爪はプラウ爪(畝盛爪)に交換して都合3段階(3工程)で畝を造成して畑作に利用していた。これでは時間がかかりすぎることから、1日での作業ができないこともあるし、作業途中に雨に遭遇すれば作業中断となって最初から作業を行うという無駄があった。
【0004】更に、重要な技術上の課題として、荒耕し作業では耕土は大塊となり、稲株は細分化されないことから、次工程の砕土耕耘を実施しても大塊耕土および稲株は多少は細かくはなるものの爪による投てき作用を受けて団塊となり、これでは畝の土構造は所謂荒目構造となって移植作業が困難となっていた。そこで、稲作から畑作に転換するとき、耕起・砕土・成形を一挙に行う複合作業機が特開平10−98901号公報で提案されている(従来例の1)。この公報で開示の複合作業機では、ロータリ耕耘部の前方に施肥をしてこの施肥とともに耕起していた。
【0005】しかし、これでは施肥量(散布量)が膨大となり、また経時変化として肥料の流出があって施肥効果を維持でき難いという課題があった。そこで、特開平11−127605号公報で開示の技術が提案されている(従来例の2)。すなわち、この従来技術は、「耕耘装置の後部に畦立器を装着し、該耕耘装置により耕耘して盛り上げた土を、前記畦立器により所定形状の畦に成形可能な畦立作業機において、畦が成形完了される前に、前記盛り上げた部分の土中に向けて施肥する施肥ノズルを備えた、ことを特徴とする畦立作業機。」および「耕耘装置により耕耘した土を盛り上げ、該盛り上げた部分の土中に施肥ノズルにて施肥し、畦立器は前記施肥ノズルによって土中に形成された軌跡空間を後方から押し固めて、所定形状の畦を成形完了するようにした、ことを特徴とする畦立て方法。」であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例の2においては、施肥ノズルがひとつ具備されているに過ぎないから、次のような課題があった。該ノズルからの施肥を飛行中乃至圧縮前の耕土中に行うことから、目詰り等が起り難いが、万一ノズルが目詰りすると施肥ができず作業が中断となる。施肥ノズルからの施肥形態はほぼ条状であった畝の深・浅位置に拘らず、一ヶ所の条状であることから、薬効が強いと肥料枯のおそれがあるし、一方、苗が成長すると逆に肥料不足を招くおそれがあった。
【0007】そこで本発明は、前述した従来例の2における有用性を満した上で、その課題を解決したことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロータリ耕耘部18により耕耘した耕土を畝成形具5で押し固めて畝成形完了する前の耕土中に施肥するようにした耕耘・施肥・畝成形方法において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に係る方法は、前記耕土中の施肥を、畝D1の高さ方向における深・浅位置にそれぞれ施肥した後、畝成形具5で耕土を押し固めることを特徴とするものである。
【0009】このように施肥を、畝D1の深・浅位置としていることから、作物の成育・成長に応じて適正な施肥効果を、減肥したにも拘らず維持でき、また、施肥後に畝成形具5にて耕土を押し固めているから、肥料の流出を防止できる。ここで、施肥とは、肥料・土壌改良剤等を土中に埋め込むように施す作業をいう(以下同じ)。請求項2に係る方法は、前述の請求項1において、深・浅位置にそれぞれ施肥した施肥物50を、畝D1の幅方向に拡散してから耕土を畝成形具5で押し固めることを特徴とするものである。
【0010】このように施肥を、畝D1の深・浅位置に行いこれを畝D1の幅方向に拡散することから、畝D1の深さ方向及び幅方向の全体に亘っての施肥となって作物の生育は良好となって収穫量が多くなるのである。更に、本発明は、ロータリ耕耘部18の後部に畝成形具5を装着し、前記ロータリ耕耘部18の後方でかつ畝成形具5による畝成形完了する前の耕土中に施肥する施肥手段42を備えている耕耘・施肥・畝成形装置において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。
【0011】すなわち、請求項3に係る装置の発明は、前記施肥手段42は、畝D1の高さ方向における深・浅位置に、施肥物50の排出部42Bを備えていることを特徴とするものである。このような構成を採用したことにより、請求項1に係る方法を、簡易な複合作業機で実施できるし、施肥手段42は、耕土中(飛散している又は押し固められてない柔い耕土)にあることから、抵抗も少なく、これ故、肥料等の目詰りを防止するのである。
【0012】請求項4に係る装置は、前述の請求項3において、前記施肥手段42における排出部42Bのそれぞれの後方に、これら排出部42Bから排出した施肥物50を畝幅方向に拡散するそれぞれの拡散手段43を排出部42Bのそれぞれに前後で対応して備えていることを特徴とするものであり、これによって、畝D1の耕土中に全体に亘っての施肥を均一にできるのである。前述の請求項4において、前記拡散手段43のそれぞれは棒材を曲成して構成されており、該棒材の後方延伸端が深い位置になるに従って順次後方に位置されていることが推奨される(請求項5)。
【0013】このように構成したことにより、畝D1の深い位置(畝上面若しくは作付け面からの上下長さをいう)ほど拡散を作用させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1(1)(2)に示した基本形態において、耕耘・施肥・畝成形装置(複合作業機)1は、ロータリ耕耘機2の後方に畝成形具5を装着して主構成されている。ロータリ耕耘機2は、爪軸15に耕耘爪17を植設してなるロータリ耕耘部18とカバー装置19とを備え、ロータリ耕耘部18が矢示A方向に回転駆動されることによって、耕耘爪17で圃場Dを縦切り耕起して耕土は反転部で後方に投てきすることで砕土されるようになっている。
【0015】畝成形具5は、上板36と左右の側板35とを備えて構成されており、耕耘爪17によって耕起されかつ飛行(投てき)されてきた耕土を押し固めることによって、図1(2)の展開図で示すように、例えば、ほぼ台形状の畝D1を成形可能である。ロータリ耕耘部18の後方でかつ畝成形具5による畝成形完了する前の耕土中に、肥料・土壌改良剤(液状、ペースト状、粉粒等)等の施肥物50を施肥する施肥手段42が備えられており、該施肥手段42は、図1では省略している肥料タンクの繰出し部に連通接続されている導管42Aと、タンク内の施肥物50を導管42Aを介して流下させ、この施肥物50を畝D1の高さ方向における深・浅位置に排出する排出部42Bとを備えて構成され、図では、この排出部42Bは3段構成とされている。
【0016】導管42Aは、図2および図3で示すように、例えば薄肉鋼管で作成されていて、カバー装置19の後部又は畝成形具5の上板前部等を上下方向に貫通しており、例えば75°前後の後下り傾斜状として延伸されることで、耕土等との抵抗を少なくしており、最下端には例えば45°前後の上向傾斜に横断切削することで排出部42Bとされ、この最下段の排出部42Bからの上方に例えば45mm前後の間隔をおいてノズルパイプを導管後面に溶接等にて連通固着することで図では3段の排出部42Bを構成しており、排出部42Bおよび拡散手段43の上下間隔は、畝上面D2から例えばキャベツ等を移植するときは50mm前後の間隔Hとされている。
【0017】拡散手段43は、導管42Aの途中に基盤42Cを左右の帯板42Dを介して固着し、この基盤42Cに重ね合した支持板43Aをボルト等の締結具43Bを介して着脱自在に取付け、支持板43Aに側面視逆L形の支持棒43Cを固着し、この支持棒43Cを導管42Aと平行関係をもたせて該導管42Aの後方で相対させて延伸しており、支持棒43Cには棒材を曲成してなる拡散具43Dを上下の間隔をおいて水平面上で後方に延伸して備えている。すなわち、施肥手段42における排出部42Bのそれぞれの後方に、これら排出部42Bから排出した施肥物50を畝幅方向に拡散するそれぞれの拡散具43Dを、前記排出部42Bのそれぞれに前後で対応して備えており、拡散具43Dは平面視でV字形となるように棒材を曲成して構成されており、該棒材の後方延伸端が深い位置になるに従って順次後方に位置されている。
【0018】拡散具43Dにおける曲成部43Eを支持棒43Cに押し当てて溶接等で固着しており、拡散具43Dの左右の棒部分が後方拡大状として水平面上で後方に延伸されて施肥物50を左右に拡散するようにされている。3個(3本)の拡散具43Dはそれぞれ同形同大であるが、支持棒43Cが導管42Aと平行の後下り傾斜であることから、各拡散具43Dの後方延伸端が深い位置になるに従って順次後方に位置しているのである。なお、支持棒43Cおよび拡散具43Dは、中実棒材・パイプ材等で構成されており、この両者および導管42Aはその外表面にテフロン(登録商標)加工等の摩擦軽減用の被膜を形成することが有利となる。
【0019】また、施肥手段42の排出部42Bおよび拡散手段43の拡散具Dはそれぞれ単一とすることもできるが、図示のように上下に2段以上として列設することで、畝D1の高さ方向において薬効作用を行うことができ有利であるし、また、図1(2)で示すように、施肥手段42と拡散手段43を一組として左右方向(幅方向)に並設することによって畝全体に亘る均一な施肥ができることから有利である。図4〜図6を参照すると、前述した構成の施肥手段42および拡散手段43を備えた装置1の具体的実施形態が示してあり、図6で示すように装置1は、トラクタTの後部にリンク機構R、本例では三点リンクを介して昇降自在に装着されるロータリ耕耘機2に、畝成形具5を装着して構成されている。
【0020】前記ロータリ耕耘機2の機枠3は、中央のギヤケース11から左右にサポートアーム12を突設し、一方のサポートアーム12の外端にサイドフレーム13を固定し、他方のサポートアーム12の外端に伝動ケース14を固定して、正背面視において略門形に構成されている。サイドフレーム13と伝動ケース14との下部間には爪軸15が回転自在に支持され、この爪軸15上に爪取付ブラケット16を介して多数本のナタ爪17が取り付けられ、これによってロータリ耕耘部18が構成されている。
【0021】ナタ爪17は、刃身部117に弯曲した刃縁217を形成して草等の絡みを普通爪より少なくしているとともに刃身部117の先端は反転部317とされている。すなわち、図4の矢示A方向(ダウンカット)に爪軸15を回転駆動することで刃縁217で稲株E、ワラ屑等を有する圃場Dを縦切り耕起して耕土は反転部317で後方へ投てきするものである。すなわち、本発明の実施の形態では、前記爪軸15のナタ爪17のうち、左右両側部位のナタ爪17L,17Rはその反転部317L,317Rが耕土を畝成形具5の中央部に移動する内向爪配列とし、左右両側部位間のナタ爪17はその反転部317が内向と外向が混在した爪配列とし、走行速度を遅くかつ爪軸15の回転を増速しての耕起作業をし、その耕土を畝成形具5の前部における集土部5Aを介して土盛状にした状態で畝成形具5で締め上げて畝D1を耕起直後に成形するものである。
【0022】具体的には、例えば700〜900mmの畝幅L1で高さHが300mm、肩幅L2が150mmの畝D1を造成するには、ロータリ耕耘部18の耕耘幅は全幅が1500mmでそのうち左右両側部位L3はそれぞれ250mmとされ、中央部位L4は1000mmとされ、左右部位L3のそれぞれにナタ爪17L,17Rが約8本装備され、全爪数は通常36本のところを例えば48本に増量しているのであり、これによって、耕起機会を増やすとともに、ナタ爪17による飛行土の砕土機会を増やしているのである。
【0023】なお、ロータリ耕耘機2がサイドドライブ形であるときには、爪軸15の両端を軸受具15A,15Bで回転自在に支架していることから、軸受具15A,15Bの相当部位での耕耘は、屈曲爪17A,17Bとすることで防止している。更に、伝動ケース14内には駆動スプロケット14Aと従動スプロケット14Bに亘ってチェーン14Cを巻掛けることにより巻掛伝動体114が内蔵されているが、スプロケット14Aの歯数を通常11個のところを本例では12個とし、一方、スプロケット14Bの歯数が通常14個のところ本例では13個とすることにより、爪軸15の回転速度を1〜2割程度増速しており、ここに、爪軸増速回転手段214を構成しており、この手段214は、伝動ケース14のカバーを取外してスプロケットを交換することで交換自在である。
【0024】19は耕耘部18を覆うべく機枠3に取り付けられたカバー装置で、耕耘部18の上方を覆う主カバー19A、主カバー19Aの後部に枢支連結されていて耕耘部18の後方を覆う後部カバー19B、耕耘部18の側方を覆う側部カバー19C、耕耘部18の後側方を覆う後側部カバー19D等を有しており、前記後部カバー19Bは後下部が畝成形具5に載置されており、このカバー装置19に耕土が衝突することによっても砕土作用を行う。前記左右各サポートアーム12の中途部には、前後に突出した取り付けブラケット21が固定され、この取り付けブラケット21の前部にはロアーリンク連結ピン22が設けられ、後部には支持部材8が上下揺動可能に枢支連結されている。
【0025】左右各支持部材8は側面視くの字形状の帯板で形成されており、前後方向中途部が横部材で互いに連結されることもあり、左右一対の後端間にツールバー23が連結されている。このツールバー23の左右両端にガード部材7としてのゲージ輪が取り付けられている。ゲージ輪は輪体7Aと支柱7Bとを有し、輪体7Aはサイドフレーム13及び伝動ケース14の略軌道上を転動するように配置されるが、支柱7Bはツールバー23に対して位置調整可能にしておくことが好ましい。
【0026】ツールバー23又は支持部材8とギヤケース11上に固定のトップマスト24との間には、ツールバー23の高さ、すなわち、耕深調整をするための高さ調整手段25が設けられている。左右各サポートアーム12の中途部の取り付けブラケット21より外側部に枢支具27が固定され、この左右枢支具27には左右一対の平行リンク4の前部が枢支ピン28を介して連結され、平行リンク4はサポートアーム12から若干後下向きに傾斜して配置されている。
【0027】左右各平行リンク4は大小2本の六角パイプをテレスコピック状に嵌合し、伸縮長さ調整自在になっており、長さ調整をした後に長さ決めピン29で固定する。この平行リンク4の後部は嵌合体30にピン連結されており、この嵌合体30は四角パイプ製の中間支持バー31に相対位置調整可能に嵌合固定されている。前記中間支持バー31から後下向きに連結体32を突出し、その後端に後支持バー33が取り付けられ、この後支持バー33に畝成形具5が取り付けられていて、ロータリ耕耘部18の直後に備えられる。前記連結体32は、中間支持バー31と後支持バー33とに固着の板材をボルト連結して形成しており、一方の板材にはボルト挿通用の円弧孔32Aが形成されていて、屈曲可能にされている。
【0028】前記畝成形具5はこの前部に左右方向に張出た案内板5B,5Cを介して耕土を中央に移動する集土部5Aを備え、土盛された耕土の左右側面を成形する左右側板35と、畝の上面を成形する中央の上板36とを有して畝D1を締め上げ成形するものであり、それぞれは支持棒を介して後支持バー33に左右位置調整自在にかつ上下位置調整自在に取り付けられており、ロータリ耕耘機2の耕幅より狭い畝を形成するように設定され、また、成形する畝の幅及び高さを調整できるようになっている。
【0029】特に、上板36の支持棒36Aは、緩衝用バネ36Bと弾下用バネ36Cを有して土盛りされた耕土の頂面を適度に押付けて締め上げており、後部カバー19Bは、ロータリ耕耘部18からの飛行耕土が外方に逃げるのを防止しつつ砕土して集土部5Aに落下するようにされている。前記左右枢支具27の少なくとも一方には、機枠3に対する平行リンク4の角度を固定するために保持手段6を設けている。この保持手段6は保持ピン37を枢支具27に形成した孔38と平行リンク4とに貫通するように構成され、孔38は平行リンク4を左右に揺動した位置に位置決めすべく形成されているとともに平行リンク4を中央位置で位置決めする孔を形成して本図示例ではロータリ耕耘部18の直後で畝成形具5をオフセットすることなく中央に位置決めして耕耘・砕土・成形が一挙に可能とされている。
【0030】畝成形装置1をトラクタTに装着したロータリ耕耘機2に、平行リンク4を揺動して畝成形具5を左右一方にオフセット(変位)させ、ゲージ輪7を接地させて、例えば水田後の圃場を畑に耕すために、耕耘しながら平畝、高畝又は平高畝等を形成していく場合には、トラクタTが畦際に達したとき、畝成形装置1を持ち上げながら旋回し、その際に、保持手段6を一旦解除して、左右一対の平行リンク4を逆方向に揺動して変位させ、畝成形具5の左右位置を変更して再び保持手段6を作用させ、そして、既に形成した畝に隣接するように、次のロータリ耕耘機2の耕幅より狭い畝を形成することができ、この場合の狭畝は耕幅の半分から4分の3程度であり、隣接畝を形成するときには、先の畝を形成したときに耕耘しながらも畝とならなかった部分を耕耘するので、2度耕耘される部分が生じ、稲作後の残株が多い圃場では、その残株を粉砕(切削)しながら畝成形ができる。
【0031】トラクタTが枕地で旋回するとき、畝形成具5をオフセットしたとき、オフセットせずにタンデムに備えたいずれの場合においても畝成形具5が畦に衝突しそうになっても、それより外側方でかつ前後方向でオーバラップしたガード部材(ゲージ輪)7が位置するので、畝成形具5が畦に直接衝突するということが防止される。支持部材8の中途部は山形状に屈曲形成されて平行リンク4から上に離れているため、平行リンク4を揺動しても、平行リンク4や中間支持バー31が支持部材8と干渉するのが回避される。
【0032】上記において、トラクタTの走行速度、ロータリ耕耘機2による遅速走行しながらの耕起作業は、ナタ爪17が稲株Eに対して複数回、例えば4〜5回程度の切削を付与するものとされ、増速手段214はこのように設定され、稲株Eを細分化して畝D1に埋設するのであり、圃場にワラ屑があるときにはこれも畝D1に埋設する。図6を参照すると、ロータリ耕耘機2には施肥タンク40が装着され、このタンク40からの施肥物50は導管43Aを介してロータリ耕耘部18と成形具5との間の飛行耕土中に排出部42Bを介して放出され、拡散具43Dによって幅方向に拡散されて成形具5によって押し固められ、この畝成形具5の直後に、野菜移植機41を後続装備することによって、耕起・砕土・施肥・成形・移植の作業を一挙(一工程)にできる。
【0033】なお、図6において41Aは植付カップを示し、畝D1に上下動作で苗Bを移植する。また、施肥器40はトラクタTの前部に装備することもでき、これによると、例えば枕地での旋回とか路上走行中においてロータリ耕耘機2等を持上げることから、前後重量バランスの点で有利となる。なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、支持部材8の後部に支柱7Bのみを設けて、又は畝成形具5の左右外側方を覆う板材を設けてガード部材7としてもよく、平行リンク4を揺動する駆動機構は他の構成でもよい。
【0034】また、ロータリ耕耘機2は歩行形であってもよくロータリ耕耘部18の駆動方式は、センタードライブであっても良いし、畝成形具5にマルチフィルムの繰出し手段を設けることができ、移植機41はキャベツ、レタス等の野菜の移植の他、苗に代えて種子を条播き、バラ播きするものでも良い。更に、畝成形具5とゲージ輪7はこれを独立させて畝D1の高さ調整を容易としているが、これらは独立させなくとも良い。また、畝成形具5の集土部5Aはロータリ耕耘部18の回転軌跡に沿う円弧形(図4参照)として耕耘部18に近づけ、前後長をできるだけ短くし、後部カバー19Bにて耕土の外方逃げを防止しているが、耕耘部18より後方に離れて畝成形具5を備えても良い。
【0035】また、トラクタTによる走行速度は遅速(0.74km/h)とされているが、これは走行用ミッションにて遅速操作する等その遅速手段は任意であり、圃場の土質に応じて(粘土質では遅く、砂質土ではやや早く)の適正な速度で行うことが有利である。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば肥料の使用量を節約しても畝全体に亘って均一な肥料効果を長期間に亘って維持できて収穫量を増大できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年6月14日(2000.6.14)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2001−352804(P2001−352804A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−178966(P2000−178966)