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【発明の名称】 耕耘ロータリ装置のハンガーロッド支持構造
【発明者】 【氏名】滝沢 哲也

【氏名】大髭 正敏

【要約】 【課題】トラクタに付設する耕耘ロータリにおいて、リヤカバーをロックするためのブラケットと、ハンガーロッドを支持する支持部材の間で騒音が発生していた。

【解決手段】耕耘ロータリ6の耕耘カバー13後部にリヤカバー14を設け、該耕耘カバー13とリヤカバー14の間を連結するハンガーロッド18の下部をリヤカバー14に取り付け、ハンガーロッド18の上部を耕耘カバー13に固設したロッドステー19の端部に支持する構成であって、該ロッドステー19端部にハンガーロッド18を上下方向にスライド及び回動自在に支持する支持部材24と、ハンガーロッド18の上方向の動きを規制するリヤカバーロックのためのブラケット20とを配置し、前記支持部材24とブラケット20の間に、略C型の合成樹脂により構成したスペーサ25を介装した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕耘ロータリの耕耘カバー後部にリヤカバーを設け、該耕耘カバーとリヤカバーの間を連結するハンガーロッドの下部をリヤカバーに取り付け、ハンガーロッドの上部を耕耘カバーに固設したロッドステーの端部に支持する構成であって、該ロッドステー端部にハンガーロッドを上下方向にスライド及び回動自在に支持する支持部材と、ハンガーロッドの上方向の動きを規制するリヤカバーロックのためのブラケットとを配置し、前記支持部材とブラケットとの間に、略C型の合成樹脂により構成したスペーサを介装したことを特徴とする耕耘ロータリ装置のハンガーロッド支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタに付設する耕耘ロータリにおける、リヤカバーに設けられたハンガーロッドを上下方向摺動自在に支持し、ガタの低減及び動きを円滑にするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタに付設する耕耘ロータリにおいて、該耕耘ロータリの耕耘カバー内部に耕耘爪を具備し、該耕耘カバーの後部に回動自在に枢支したリヤカバーを、土寄せ作業時や耕耘ロータリ着脱時にスタンドとして利用する等においてリヤカバーを下方に回動した状態で固定する為のリヤカバーロック機構に関する技術は公知となっており、例えば特開平4−4801号に示す如くである。従来は図6、図7に示すように、耕耘カバー上に設けたロッドステー19の上部に、リヤカバーをロックするためのブラケット20及び支持部材24’が配置されており、該支持部材24’の両側に突出したピン24a’・24a’によりブラケット20を枢支し、ロッドステー19の側面でE形止め輪により抜け止めしていた。そして、支持部材24’にハンガーロッド18を挿入していた。
【0003】こうしてリヤカバーをロックするために遠隔操作レバーを操作すると、ワイヤ23が引っ張られて、ロッドステー19上部に連設されたブラケット20を回動することで、該ブラケット20がハンガーロッド18の上方延長上に位置し(20’)、ハンガーロッド18の上昇スライドを規制し、該ハンガーロッド18に連設されたリヤカバーが下方に回動した位置で固定される構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リヤカバーロックブラケットは解除用のバネ21によって押圧されているが、支持部材24’は耕耘作業時にハンガーロッド18が動く、このハンガーロッド18の上下動にともない、該ハンガーロッド18の上部を支持した支持部材24’も動き、ロッドステー19とブラケット20との間のガタによるカチャ音の発生が問題となっていた。また、耕耘作業時はリヤカバーは上下に回動するために、該リヤカバーに連設されたハンガーロッド18も上下動し、支持部材24’は回転することになり、該支持部材24’とロッドステー19とブラケット20の接触部では摩耗が発生する。この摩耗を減少するには支持部材を摩擦抵抗の小さい合成樹脂で構成する方法もあるが、強度的に弱く、衝撃等により破損してしまう問題があった。
【0005】更に、リヤカバーをロック状態にしたとき、リヤカバーの下方から上方に向けて大きな負荷がかかった場合、ブラケット20が、ハンガーロッド18に押し上げられて、変形してしまう場合があった。こうなるとブラケット20と支持部材24’との摩擦抵抗が増大し、ブラケット20の円滑な動きが損なわれ、ワイヤのキンクが発生してしまうのである。そこで、ブラケットの変形を少なくするために、ハンガーロッド上部及びブラケットとの接触部を特殊な形状にしたり、ブラケットに補強板を設けて剛性を上げる方法があるがコストアップの要因となっいた。以上の問題に臨み、本発明は、カチャ音等の騒音を低減し、ブラケットの動きを円滑にできる支持構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1に記載の如く、耕耘ロータリの耕耘カバー後部にリヤカバーを設け、該耕耘カバーとリヤカバーの間を連結するハンガーロッドの下部をリヤカバーに取り付け、ハンガーロッドの上部を耕耘カバーに固設したロッドステーの端部に支持する構成であって、該ロッドステー端部にハンガーロッドを上下方向にスライド及び回動自在に支持する支持部材と、ハンガーロッドの上方向の動きを規制するリヤカバーロックのためのブラケットとを配置し、前記支持部材とブラケットとの間に、略C型の合成樹脂により構成したスペーサを介装した。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態である実施例について説明する。図1は本発明のハンガーロッド支持構造を採用した耕耘ロータリ6を装備したトラクタ5の後部側面図、図2は同じく平面図である。図3はハンガーロッド上支持部の側面図、図4は同じく後面図、図5はスペーサの正面図である。
【0008】図1、図2を用いて本発明のハンガーロッド支持構造を採用したトラクタ5に付設した耕耘ロータリ6について全体的な構成から説明する。トラクタ5後部に作業機装着装置を介して耕耘ロータリ6を装着しており、該トラクタ5後部のミッションケース後面より突出したPTO軸からユニバーサルジョイント9を介して耕耘ロータリ6のギヤボックス8の入力軸に動力が伝達される。該ギヤボックス8内で回動方向が変えられ、メインビームにより耕耘チェーンケース10に動力が伝達され、耕耘爪11を植設した耕耘爪軸12を回動する。該耕耘爪11の回動軌跡の周囲上方には耕耘カバー13とリヤカバー14が連設され、耕耘カバー13の後端に枢支軸15を介してリヤカバー14を回転自在に枢支している。耕耘カバー13は略爪軸12を中心に前後回動可能に構成されて、ハンドル16を回動することによって前後に回動して、耕深に合わせて位置調整する構造になっている。
【0009】前記リヤカバー14の両側にはステー17・17が突設され、該ステー17・17にハンガーロッド18の下部が枢支されている。一方、前記耕耘カバー13の後部上の左右両側にロッドステー19・19が後斜め上方に突設され、該ロッドステー19・19の上端にブラケット20・20が回動可能に支持され、前記ハンガーロッド18・18の上部が後述する本発明の支持構造によって回動・摺動自在に支持されている。該ハンガーロッド18・18には図示しないバネが外嵌されてリヤカバー14を下方に回動するように付勢している。
【0010】また、耕耘ロータリ6のギヤボックス8上に設けられた左右アッパーアーム26R・26Lの前部上は作業機装着装置のトップリンク後部が枢支され、アッパーアーム26R・26Lの後部上にはデプスフレーム31との間で間隔を調整するハンドル32が介装されている。そして、該アッパーアーム26R・26Lにレバー軸36が貫通して枢支され、該レバー軸36の左端には遠隔操作レバー27が固設され、該遠隔操作レバー27とアッパーアーム26Lの間には解除位置とロック位置に保持するためのバネが介装され、左右アッパーアーム26R・26L間の該レバー軸36上にはアームを介してワイヤ23が連結されている。
【0011】次に、図3乃至図5を用いて本発明に係るハンガーロッド支持構造について詳しく説明する。前記ハンガーロッド18の上部は支持部材(コマ)24に支持されており、該支持部材24は角パイプまたは丸パイプに構成されて、前記ハンガーロッド18を軸心部に挿入して軸心方向に摺動自在に支持し、該ハンガーロッド18の上端部にはリング状のストッパー18aが固設されて抜け止めされている。そして、支持部材24の左右両側面に枢支穴が穿設されて、断面視コ字状のブラケット20とともに、枢支ピン46・46により回動自在に枢支されている。該枢支ピン46・46はロッドステー19に両側から挿入して溶接固定している。
【0012】該ブラケット20は断面視略コ字状に構成して、開放側の一端から延設してストッパーを兼用する係止片20aが外側に折り曲げて形成され、該係止片20aとロッドステー19の上面に固設したステー22の間に付勢バネ21が係止され、ブラケット20をロック解除方向に回動するように付勢している。なお、前記ステー22は前記ワイヤ23のアウタ受けも兼ねている。該ブラケット20の他端には前記ワイヤ23の他端を連結する取付部20bが延出して設けられている。また、該ブラケット20の閉塞側がハンガーロッド18の上端を押さえるロック部20cとしている。そして、前記取付部20bの前面がブラケット20ロック時の前方への回動したときにロッドステー19の前面に当接して回動が規制される。
【0013】このような構成において、土寄せ作業や耕耘ロータリ着脱時にスタンドとして利用する時には、耕耘ロータリ6を上昇させて、リヤカバー14をその自重により下方に回動した状態とし、ハンガーロッド18も下方へ摺動した状態となる。このとき、ハンガーロッド18の上端はブラケット20を前方へ回動できる状態となっているので、遠隔操作レバー27を前方へ回動するとワイヤ23が引っ張られ、該ワイヤ23の後端部に係止されたブラケット20が回動しロック部20cがハンガーロッド18の上方まで回動される。この位置がリヤカバーロック位置となり、該ハンガーロッド18の上下動は前記ブラケット20のロック部20cにより規制され、ハンガーロッド18は上昇できずリヤカバー14は下方へ回動した位置でロックされ、耕耘ロータリ6を下降して前進することで土寄せができ、また、下降したままとすることでスタンドとして利用できる。
【0014】次に、前記ロック状態を解除する場合には、耕耘ロータリ6を上昇させて、遠隔操作レバー27を後方に倒すと、その位置でスプリングによって後方へ回動した位置で維持され、ブラケット20は付勢バネ21による付勢力で同時に後方へ回動され、ハンガーロッド18はブラケット20による規制が外れ上方へ摺動自在となり、リヤカバー14のロックが解除されることになる。
【0015】そして、本発明のスペーサ25・25が前記ブラケット20と支持部材24の間に介装されている。該スペーサ25は耐摩耗性に優れ、自己潤滑性も有する合成樹脂で摩擦抵抗が小さくなるように構成され、図5に示すように、略C状に構成され、該スペーサ25の開口部の幅Bは枢支ピン46の直径Aよりも小さく構成して、脱落しないようにしている。また、板厚tはブラケット20と支持部材24の間の隙間Cよりも僅かに大きく構成しており、ブラケット20が有する弾性により広げてスペーサ25・25をブラケット20と支持部材24の間に挿入して枢支ピン46に係合させ、ブラケット20の弾性力によりスペーサ25を介して支持部材24を挟持している。
【0016】このような構成において、耕耘作業時には、リヤカバー14は上下に回動し、この回動によってハンガーロッド18も上下動する。従来ではスペーサ25を設けていなかったために、ハンガーロッド18を上下摺動自在に支持する支持部材24はフリー状態となっており、この上下動するときにガタによりカチャ音(騒音)が発生する。詳しくは、左右方向に支持部材24が動く場合にはブラケット20と干渉し、上下方向に支持部材24が動く場合には枢支ピン46と干渉して騒音が発生する。
【0017】ところが、本発明のようにスペーサ25・25をブラケット20と支持部材24の間に介装することによって、支持部材24は左右方向に動く隙間がなくなり、上下方向は付勢バネ21によって押されたブラケット20がスペーサ25・25を介して支持部材24を挟持するので、支持部材24は動くことができず、騒音が抑えられるのである。また、リヤカバーロック操作時においては、ブラケット20がスペーサ25と接触しているので、ブラケット20の回動は円滑に行なわれる。そして、リヤカバーロック状態の時には、リヤカバー14に上方向の大きな負荷がかかった場合でも、ブラケット20が変形するが支持部材24と直接接触せず、スペーサ25を介しているため、スペーサ25がその変形を吸収して、スペーサ25自身が潤滑性を有しているため、ブラケット20と支持部材24との間の摩擦抵抗が大きくなることを防止している。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、請求項1に記載の如く、耕耘ロータリの耕耘カバー後部にリヤカバーを設け、該耕耘カバーとリヤカバーの間を連結するハンガーロッドの下部をリヤカバーに取り付け、ハンガーロッドの上部を耕耘カバーに固設したロッドステーの端部に支持する構成であって、該ロッドステー端部にハンガーロッドを上下方向にスライド及び回動自在に支持する支持部材と、ハンガーロッドの上方向の動きを規制するリヤカバーロックのためのブラケットとを配置し、前記支持部材とブラケットの間に、略C型の合成樹脂により構成したスペーサを介装したので、ロッドステーのハンガーロッド支持部の強度を落とすことなく、ブラケットと支持部材の間のガタをなくすことができて、カチャ音等の騒音を低減することができるようになり、リヤカバーロック操作時においては、スペーサによってブラケットを円滑に回動できるようになった。また、スペーサはC型に構成されているので、組み込みが容易にできるようになり、劣化や破損等の場合には交換も容易にできる。また、スペーサは構造が簡単で安価に構成できて、設計変更も要することなく騒音を低下できる。
【出願人】 【識別番号】000198330
【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−352802(P2001−352802A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−173866(P2000−173866)