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【発明の名称】 コンプレッションロッド用加圧調整装置
【発明者】 【氏名】安倉 敏行

【氏名】長屋 克成

【氏名】藤原 昇

【要約】 【課題】ロータリ作業機の後部に設けられた整地板を加圧調整するためのコンプレッションロッド用加圧調整装置のうち特にバネストッパーを改良する。

【解決手段】バネストッパー12は、コンプレッションロッド10の周方向に2分割された係合部材をバネ部材により周方向に弾性移動可能に連繋し、長さ方向対向面に、バネストッパー12の係合部材と嵌合する嵌合凹部を多数形成し、係合部材を嵌合凹部に嵌合させた状態では加圧バネ11を位置決めし、周方向に回動して係合部材の嵌合凹部への嵌合を解除すると、コンプレッションロッドの長さ方向に沿って摺動自在となる。バネストッパー12は、2分割された係合部材をバネ線材により連繋し、係合部材にバネ線材の先端部を嵌挿・係止する固定溝を設けた。バネストッパーの係合部材に、コンプレッションロッドに沿って移動する端部に位置してガイド鍔を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリ作業機の後部に設けられ、整地板を加圧調整するためのコンプレッションロッド、加圧バネ及びバネストッパーを有するコンプレッションロッド用加圧調整装置において、前記バネストッパーは、コンプレッションロッドの周方向に2分割されたリング状の係合部材をバネ部材により周方向に弾性移動可能に連繋し、コンプレッションロッドの長さ方向対向面に、前記バネストッパーの係合部材と嵌合する嵌合凹部を間隔をおいて多数形成したことを特徴とするコンプレッションロッド用加圧調整装置。
【請求項2】 前記バネストッパーは、コンプレッションロッドに嵌挿して係合部材を嵌合凹部に嵌合させた状態では加圧バネを位置決めし、周方向に回動して係合部材の嵌合凹部への嵌合を解除すると、コンプレッションロッドの長さ方向に沿って摺動自在となることを特徴とする請求項1記載のコンプレッションロッド用加圧調整装置。
【請求項3】 前記コンプレッションロッドとバネストッパーは、同一軸線上にあることを特徴とする請求項1又は2記載のコンプレッションロッド用加圧調整装置。
【請求項4】 前記バネストッパーは、2分割された係合部材をバネ線材により連繋し、係合部材にバネ線材の先端部を嵌挿・係止する固定溝を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のコンプレッションロッド用加圧調整装置。
【請求項5】 前記バネストッパーの係合部材に、コンプレッションロッドに沿って移動する端部に位置してガイド鍔を設けたことを特徴とする請求項1、2,3又は4記載のコンプレッションロッド用加圧調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ作業機の後部に設けられた整地板を加圧調整するためのコンプレッションロッド、加圧バネ及びバネストッパーを有するコンプレッションロッド用加圧調整装置に関し、特にバネストッパーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ロータリ作業機の後部に設けられ、整地板を加圧調整するためのコンプレッションロッド、加圧バネ及びバネストッパーを有するコンプレッションロッド用加圧調整装置が周知である。例えば、「加圧調整装置が、断面が長楕円形をした棒と、この棒に所定間隔をあけて設けられた複数個の係止溝と、棒に巻回された一連のスプリングとからなり、スプリングの係止部が複数の係止溝のいずれか1つに係合することによりスプリングの加圧力が調整され、スプリングの巻回し終端部より離れた中間部位に係止溝に係止し得る係止部を形成した」構成が、実開昭64−52403号公報に開示されている。
【0003】また、「コンプレッションロッドの軸方向に位置をずらせて設けられた複数のピン孔に選択的に合致するピン挿通孔を有し、コンプレッションロッドにスライド自在に嵌合してコンプレッションロッドに外装されたコイルバネの端部を支持するバネ受けと、U字状に屈曲してその一端部がバネ受けのピン挿通孔及びコンプレッションロッドのピン孔に進退自在に挿入され、他端部がバネ受けに設けたガイド孔にスライド自在に嵌合する係止ピンと、該係止ピンの他端部に外装されて係止ピンの一端部をピン挿通孔及びピン孔に対し挿入方向に付勢する圧縮コイルバネとを備えてなる」構成が、実用新案登録第2508370号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術のうち前者のものは、操作性はほぼ良好であるが、スプリングからなる係止部の外部への張り出し量が大きいため、この張り出し部に多のものが接して外力が掛かりやすく、係止部が回動しやすくなって、棒に巻回されたスプリングの係止が不確実になる、という問題点があった。また、上記先行技術の後者のものは、操作の確実性は十分であるが、係止ピンの取付けスペースが大きくなり、構造が複雑でコスト高になる、という問題点があった。さらに、従来、一般的に行われている,コンプレッションロッドに巻回されたスプリングの係止をピンの抜き差しにより行ってバネ圧を調節するものでは、ピンの抜き差しが面倒なうえ、ピンを紛失しやすい、という問題点があった。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、バネストッパーの取付けスペースが小さく、また、コンプレッションロッドから外側への張り出し量が小さく、操作が簡単で、かつバネ圧調整が確実に行え、しかも、構造が比較的簡単でコスト高になることがなく、ピンの紛失の恐れもないバネストッパーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、A.ロータリ作業機の後部に設けられ、整地板を加圧調整するためのコンプレッションロッド、加圧バネ及びバネストッパーを有するコンプレッションロッド用加圧調整装置において、前記バネストッパーは、コンプレッションロッドの周方向に2分割されたリング状の係合部材をバネ部材により周方向に弾性移動可能に連繋し、コンプレッションロッドの長さ方向対向面に、前記バネストッパーの係合部材と嵌合する嵌合凹部を間隔をおいて多数形成したことを特徴としている。
【0007】B.前記バネストッパーは、コンプレッションロッドに嵌挿して係合部材を嵌合凹部に嵌合させた状態では加圧バネを位置決めし、周方向に回動して係合部材の嵌合凹部への嵌合を解除すると、コンプレッションロッドの長さ方向に沿って摺動自在となることを特徴としている。
C.コンプレッションロッドとバネストッパーは、同一軸線上にあることを特徴としている。
【0008】D.前記バネストッパーは、2分割された係合部材をバネ線材により連繋し、係合部材にバネ線材の先端部を嵌挿・係止する固定溝を設けたことを特徴としている。
E.前記バネストッパーの係合部材に、コンプレッションロッドに沿って移動する端部に位置してガイド鍔を設けたことを特徴としている。
【0009】
【作用】上記の構成により本発明のコンプレッションロッド用加圧調整装置は、以下の作用を行う。
■.上記A.及びB.の構成により、バネストッパーの係合部材をコンプレッションロッドの嵌合凹部に嵌合させると、バネストッパーは確実に位置決めされて加圧バネを所定位置に支持する。また、バネストッパーを周方向に回動して係合部材の嵌合凹部への嵌合を解除すると、バネストッパーはコンプレッションロッドの長さ方向に摺動自在となり、所望位置まで移動させて周方向に回動させて係合部材を嵌合凹部に嵌合させ、加圧バネのバネ圧を所望圧に調整する。
【0010】■.上記C.ないしE.の構成により、バネストッパーのコンプレッションロッドの長さ方向に沿った摺動がスムーズに行われる。また、係合部材のバネ線材による連繋が容易に行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して具体的に説明する。図2において、符号1は従来周知のものと同様のロータリ耕耘作業機であり、その前部に設けたロアーリンク連結部2及びトップリンク連結部3を介して、図示しないトラクタの後部に3点リンク連結機構により昇降可能に連結される。このロータリ耕耘作業機1は、トラクタに対してほぼ自動的に着脱され、トラクタのPTO軸から、ユニバーサルジョイント、伝動シャフト等を介して、伝動フレームを兼ねる本体フレーム4の前側中央部に設けられた変速ギヤボックスから前方に突出する入力軸5に動力が伝達される。
【0012】ギヤボックスから左右両側に上記本体フレーム4が延び、その一側端に伝動ケース6、他側端に支持フレーム(図示せず)のそれぞれ上端部が固設され、それぞれ垂下している。この伝動ケース6と支持フレームの下端部間に、耕耘機能を有する周知の作業ロ−タ7が軸架されている。作業ロ−タ7の上方は、本体フレーム4に支持されたシールドカバー8により覆われており、このシールドカバー8の後端部に、整地板9の先端部が上下回動自在に枢支されている。この整地板9の上側には、該整地板9の作業面への加圧力を調整するための、コンプレッションロッド10、加圧バネ11及びバネストッパー12を有するコンプレッションロッド用加圧調整装置13が設けられている。その詳細を図1及び図3ないし図6に示す。
【0013】上記コンプレッションロッド10は、その先端部を本体フレーム4に対して枢支軸14を介して上下回動自在に枢支し、後端部を整地板9に取付けられた摺動支持部材15に対して前後摺動可能に支持している。そして、コンプレッションロッド10には、その長さ方向対向面に、前記バネストッパー12の係合部材17に形成した嵌合突起17aと嵌合して係止し、または離間してバネストッパー12がコンプレッションロッド10の軸方向に摺動可能とする嵌合凹部16を、所定間隔をおいて多数形成している。
【0014】上記バネストッパー12は、コンプレッションロッド10の周方向に2分割されたリング状の係合部材17,17を、バネ線材からなるバネ部材18により周方向に弾性移動可能に連繋している。また、バネストッパー12は、コンプレッションロッド10に嵌挿して係合部材17の嵌合突起17aを嵌合凹部16に嵌合させた状態では加圧バネ11の先端部を位置決めし、周方向に回動させて係合部材17の嵌合突起17aの嵌合凹部16への嵌合を解除すると、バネストッパー12はコンプレッションロッド10の長さ方向に沿って摺動自在となるのであり、バネストッパー12を所望の位置まで移動させて周方向に回動することにより、係合部材17の嵌合突起17aが嵌合凹部16と嵌合してその位置に固定され、加圧バネ11のバネ圧を所望圧に調整する。
【0015】また、コンプレッションロッド10とバネストッパー12は、同一軸線上にあるので、バネストッパー12をコンプレッションロッド10の長さ方向に沿って摺動させるとき、無理なく摺動させることができる。さらに、バネストッパー12のコンプレッションロッド10に対する移動をよりスムーズに行わせるために、係合部材17の移動端部に位置してガイド鍔20を設けている。また、バネストッパー12には、2分割された係合部材17をバネ線材18により連繋するとき、バネ線材18の先端部を嵌挿・係止する固定溝19を係合部材17に形成している。
【0016】ロータリ耕耘作業機1の前部左右両側には、対をなすゲージホイール21が、上下調節保持機構22に支持されて設けられている。なお、図示しないが、ロータリ耕耘作業機1を所定姿勢に保持するスタンドを、スタンドホルダーを介して着脱可能に設けてもよいものである。また、作業ロ−タ7は代掻ロータ、砕土ロータにしてもよいものである。
【0017】こような構成のロータリ耕耘作業機1においては、耕耘整地作業を行うときは、トラクタに3点リンク機構を介してロアーリンク連結部2及びトップリンク連結部3が装着され、圃場に導入されて耕耘整地作業を行う。ロータリ耕耘作業機1は、トラクタから入力軸5に動力を受け、ギヤボックスで変速されて本体フレーム4から伝動ケース6に伝達され、作業ロ−タ7を所定方向に回転駆動して耕耘・整地作業を行う。作業ロ−タ7により耕耘された土壌は、シールドカバー8から整地板9側に放てきされ、整地板9により整地均平される。
【0018】整地板9では、コンプレッションロッド用加圧調整装置13が設けられているので、作業ロ−タ7により耕耘されて後方に放てきされた土壌を、土壌水分や土質によって加圧力を調整して最良の整地均平作業が行われるようにする。コンプレッションロッド用加圧調整装置13の調整は、バネストッパー12を持って周方向に回動させると、係合部材17の嵌合突起17aの嵌合凹部16への嵌合が解除され、バネストッパー12はコンプレッションロッド10の長さ方向に沿って摺動可能となる。そして、バネストッパー12を加圧バネ11の先端部と共にコンプレッションロッド10に沿って移動させて所望位置で移動を停止し、バネストッパー12を周方向に回動させると、係合部材17の嵌合突起17aが嵌合凹部16に嵌合し加圧バネ11の先端部を位置決めして整地板9の加圧力が調整される。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンプレッションロッド用加圧調整装置によれば、以下の効果を奏することができる。
【0020】■.バネストッパーは、コンプレッションロッドの周方向に2分割されたリング状の係合部材をバネ部材により周方向に弾性移動可能に連繋し、コンプレッションロッドの長さ方向対向面に、前記バネストッパーの係合部材と嵌合する嵌合凹部を間隔をおいて多数形成したので、バネストッパーの係合部材をコンプレッションロッドの嵌合凹部に嵌合させると、バネストッパーは確実に位置決めされて加圧バネを所定位置に支持することができる。また、バネストッパーを周方向に回動して係合部材の嵌合凹部への嵌合を解除すると、バネストッパーはコンプレッションロッドの長さ方向に摺動自在となり、所望位置まで移動させて周方向に回動させて係合部材を嵌合凹部に嵌合させ、加圧バネのバネ圧を所望圧に調整することができる。
【0021】■.バネストッパーは、コンプレッションロッドに嵌挿して係合部材を嵌合凹部に嵌合させた状態では加圧バネを位置決めし、周方向に回動して係合部材の嵌合凹部への嵌合を解除すると、コンプレッションロッドの長さ方向に沿って摺動自在となるので、バネストッパーの径を小さく構成でき、取付けスペースを小さくでき、操作性も良好である。
■.コンプレッションロッドとバネストッパーは、同一軸線上にあるので、バネストッパーをコンプレッションロッドの長さ方向に沿ってスムーズに摺動させることができる。
【0022】■.バネストッパーは、2分割された係合部材をバネ線材により連繋し、係合部材にバネ線材の先端部を嵌挿・係止する固定溝を設けたので、係合部材のバネ線材による連繋を容易に行うことができる。
■.バネストッパーの係合部材に、コンプレッションロッドに沿って移動する端部に位置してガイド鍔を設けたので、バネストッパーのコンプレッションロッドの長さ方向に沿った摺動をスムーズに行うことができる。
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2001−340004(P2001−340004A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−162561(P2000−162561)