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【発明の名称】 連結器
【発明者】 【氏名】浅見 稔

【要約】 【課題】複数の作業機を連結可能とすることにより作業の効率化を図り、また、連結された各作業機を昇降することができ、さらに、振動による影響を緩和し、作業機による安定した作業を可能とすることができる連結器を提供すること。

【解決手段】ピボットヒッチ1およびドローバーヒッチ17の各連結手段を別々に設け、それぞれに異なる種類の作業機である例えばレイキとローラとを連結する。ピボットヒッチ1は、回動可能な回動プレート5を有し、回動プレート5の回動により、振動を吸収、緩和する。また、ピボットヒッチ1に連結されるレイキの駆動軸35は、ドローバーヒッチ17に設けられたチェーン23と等辺山形鋼22との間を通るように配置されている。ドローバーヒッチ17は、牽引機の昇降駆動源に接続されており、ドローバーヒッチ17でそれに連結されたローラを昇降した際、チェーン23が駆動軸35に係合し、レイキも同時に昇降することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機を連結するための作業機連結部を有する第1の連結片と、前記第1の連結片の少なくとも一部を地面に対して略垂直方向に変位可能に保持する第2の連結片と、前記第2の連結片を、前記作業機を牽引する牽引機に固定する固定手段とを有することを特徴とする連結器。
【請求項2】 作業機を連結するための第1の作業機連結部を有する第1の連結手段と、作業機を連結するための第2の作業機連結部を有し、前記第2の作業機連結部に連結された作業機を昇降可能とする昇降機構を備えた第2の連結手段とを有することを特徴とする連結器。
【請求項3】 前記第2の作業機連結部は、長尺部材の長手方向略中央部に設けられた孔で構成される請求項2に記載の連結器。
【請求項4】 前記長尺部材は、回動可能に支持されている請求項3に記載の連結器。
【請求項5】 前記第2の作業機連結部の昇降に伴い、前記第1の作業機連結部に連結された作業機を昇降させることが可能なよう構成された連動昇降手段を有する請求項2ないし4のいずれかに記載の連結器。
【請求項6】 前記連動昇降手段は、前記第2の連結手段に取り付けられ、前記第1の作業機連結部に連結された作業機の一部に係合する係合部材で構成される請求項5に記載の連結器。
【請求項7】 前記第1の連結手段は、前記第1の作業機連結部を有する第1の連結片と、前記第1の連結片の少なくとも一部を地面に対して略垂直方向に変位可能に保持する第2の連結片と、前記第2の連結片を、前記作業機を牽引する牽引機に固定する固定手段とを有するものである請求項2ないし6のいずれかに記載の連結器。
【請求項8】 前記第1の連結片の高さ位置を調整する位置調整手段を有する請求項1または7に記載の連結器。
【請求項9】 前記第2の作業機連結部またはその近傍に、前記第2の作業機連結部を補強する補強部材が設けられている請求項2ないし7のいずれかに記載の連結器。
【請求項10】 前記作業機は、整地作業を行なうための作業機である請求項1ないし9のいずれかに記載の連結器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレイキやローラ等の被牽引物(作業機)とトラクタ等の牽引機とを連結する連結器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、野球場、ゴルフ場、校庭等のグランドの圧縮をほぐしてグランドコンディションを整える整地機が知られている。この整地機は、牽引機である例えばトラクタと、被牽引物(作業機)であるレイキ(地面ほぐし用作業機)やローラ(転圧用作業機)とを連結器を介して連結することで構成されている。
【0003】作業機としては、作業目的に応じた付け替えを行う牽引型の作業機と、例えばレイキとローラとを一体的に形成したもののように、複数の作業機を一体化することで付け替え作業を不要とした一体型の作業機とが知られている。
【0004】牽引型の作業機が連結されるトラクタの後尾部には、該後尾部から地面に対して平行に突出するように設けられた固定ヒッチと呼ばれるアーム状の連結器が設けられており、牽引型の作業機は、この固定ヒッチを介してトラクタに連結されるようになっている。そして、牽引型の作業機を移動する場合は、レイキあるいはローラが地面と接触した状態のままトラクタで牽引して移動するようになっている。
【0005】これに対して、一体型の作業機が連結されるトラクタの後尾部には、3点ヒッチと呼ばれる昇降機能を有する連結器が設けられている。この3点ヒッチは、一体型の作業機を左右から回転自在に挟持する一対のロワーリンクと、各一端が各ロワーリンクにそれぞれ接続され、各他端がトラクタ側に設けられた昇降駆動源にそれぞれ接続された一対のリフトアームとで構成されている。そして、一体型の作業機を移動する場合は、各リフトアームにより各ロワーリンクを介して一体型の作業機を吊り上げ、一体型の作業機を地面から離間させた状態で移動するようになっている。
【0006】しかし、牽引型の作業機が連結されるトラクタに設けられる固定ヒッチ(連結器)は、連結された牽引型の作業機を左右方向(地面に対して平行方向)に移動させることは可能であるが、上下方向(地面に対して垂直方向)に対しては移動困難な構造となっている。このため、整地作業中に、地面に凹凸があると、この地面の凹凸に応じてトラクタ(または作業機)が上下方向に振動し、この振動が固定ヒッチを介して作業機に直に伝達され、地面に対する作業機の接地面積や接地圧が変化し、地面を均一な状態に整備することが困難となるという問題があった。
【0007】また、固定ヒッチには複数の作業機を連結することができないため、例えばレイキで地面のほぐし作業を行った後に、このレイキを取り外し、次にローラを取り付けて地面の転圧作業を行うというように、作業目的に応じた作業機の付け替え作業を必要とする。そのため、作業工程が複雑となり、手間がかかる上、作業時間が長くなるという問題があった。
【0008】また、固定ヒッチは、3点ヒッチのように連結された作業機を吊り上げることができないため、作業機を移動する場合は、作業機が地面と接触した状態のままトラクタで牽引して移動するようになり、よって、非作業時の移動に多大な制約を受けるという問題があった。
【0009】一方、一体型の作業機が連結されるトラクタに設けられる3点ヒッチ(連結器)は、複数の一体化された作業機を連結可能であるが、作業機を移動させる際には、一体化された作業機全体を同時に吊り上げることとなるため、その吊り上げ総重量は、各作業機の重量が加算され、重いものとなる。
【0010】一体型の作業機は、例えばレイキと転圧用のローラとが一体化されたものであるが、3点ヒッチでは、吊り上げ総重量に限界があり、レイキおよびローラの総重量がこの吊り上げ総重量の限界内に収まるように、レイキおよびローラの各重量を考慮する必要がある。このため、レイキと一体化するローラとしては軽量のものを選択せざるを得なかった。従って、ローラが軽量なことから、十分な圧力で地面を転圧することができないという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複数の作業機を連結可能とすることにより作業の効率化を図り、また、連結された各作業機を昇降することができ、さらに、振動による影響を緩和し、作業機による安定した作業を可能とすることができる連結器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0013】(1) 作業機を連結するための作業機連結部を有する第1の連結片と、前記第1の連結片の少なくとも一部を地面に対して略垂直方向に変位可能に保持する第2の連結片と、前記第2の連結片を、前記作業機を牽引する牽引機に固定する固定手段とを有することを特徴とする連結器。
【0014】(2) 作業機を連結するための第1の作業機連結部を有する第1の連結手段と、作業機を連結するための第2の作業機連結部を有し、前記第2の作業機連結部に連結された作業機を昇降可能とする昇降機構を備えた第2の連結手段とを有することを特徴とする連結器。
【0015】(3) 前記第2の作業機連結部は、長尺部材の長手方向略中央部に設けられた孔で構成される上記(2)に記載の連結器。
【0016】(4) 前記長尺部材は、回動可能に支持されている上記(3)に記載の連結器。
【0017】(5) 前記第2の作業機連結部の昇降に伴い、前記第1の作業機連結部に連結された作業機を昇降させることが可能なよう構成された連動昇降手段を有する上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の連結器。
【0018】(6) 前記連動昇降手段は、前記第2の連結手段に取り付けられ、前記第1の作業機連結部に連結された作業機の一部に係合する係合部材で構成される上記(5)に記載の連結器。
【0019】(7) 前記第1の連結手段は、前記第1の作業機連結部を有する第1の連結片と、前記第1の連結片の少なくとも一部を地面に対して略垂直方向に変位可能に保持する第2の連結片と、前記第2の連結片を、前記作業機を牽引する牽引機に固定する固定手段とを有するものである上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の連結器。
【0020】(8) 前記第1の連結片の高さ位置を調整する位置調整手段を有する上記(1)または(7)に記載の連結器。
【0021】(9) 前記第2の作業機連結部またはその近傍に、前記第2の作業機連結部を補強する補強部材が設けられている上記(2)ないし(7)のいずれかに記載の連結器。
【0022】(10) 前記作業機は、整地作業を行なうための作業機である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の連結器。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の連結器を添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】本実施形態の連結器は、第1の連結手段であるピボットヒッチと、第2の連結手段であるドローバーヒッチとを有している。図1は、第1の連結手段であるピボットヒッチの分解斜視図、図2は、ピボットヒッチの斜視図、図3は、第2の連結手段であるドローバーヒッチの分解斜視図、図4は、ピボットヒッチとドローバーヒッチとが設けられた状態を示すトラクタの後尾部分の斜視図である。以下、これらの構成について詳述する。
【0025】なお、以下の説明では、牽引機(トラクタ)の走行方向前方を「前」、走行方向後方を「後」として説明する。
【0026】[ピボットヒッチ]図1および図2に示すように、ピボットヒッチ1は、牽引機であるトラクタ(図示せず)の後尾部に固定して設けられた固定ヒッチ2の下部に固定して設けられる方形板状の固定プレート3と、この固定プレート3と略同形状で略同じ大きさの被固定プレート(第2の連結片)4と、例えばレイキ等の作業機を連結するためのクレビスピン用孔(第1の作業機連結部)5aを備え、被固定プレート4に対して回動可能に設置された回動プレート5とを有している。
【0027】固定ヒッチ2は、前端がトラクタ側に固定された牽引アーム6と、この牽引アームの後端に固定して設けられた略「コ」の字状の牽引部7とを有している。前記固定プレート3は、上側略1/3程度の部分を、牽引部7と牽引アーム6との接続部の下部に溶接することで固定されている。従って、この固定プレート3は、固定ヒッチ2の牽引部7と一体的に設けられていることとなる。
【0028】固定プレート3および被固定プレート4には、固定プレート3および被固定プレート4の地面に対して水平方向に設けられた2つを一対とする螺子孔8が設けられている。固定プレート3および被固定プレート4は、この一対の螺子孔8を介してボルト9、ワッシャ10および図示しないナットにより螺子止めされるようになっている。
【0029】また、固定プレート3および被固定プレート4には、この一対の螺子孔8が、地面に対して垂直方向に沿って複数対設けられている。このため、螺子止めを行う一対の螺子孔8を選択することで、固定プレート3に対し固定する被固定プレート4の高さを調整することが可能となっている。
【0030】後述するように、この被固定プレート4には、回動プレート5を介して作業機が連結されるのであるが、ピボットヒッチ1は、固定プレート3に対する被固定プレート4の高さ方向の位置を調整することができるため、当該ピボットヒッチ1に連結される作業機の高さ位置(牽引高さ)を調整することができる。
【0031】被固定プレート4の下側の両端部には、該被固定プレート4が固定プレート3に螺子止めされた際に、地面に対して水平方向の貫通孔11aを形成する一対のガイドパイプ11が設けられている。また、回動プレート5の前端部には、前記各ガイドパイプ11の間隔と略同じ長さの貫通孔12aを有するガイドパイプ12が設けられている。
【0032】この被固定プレート4に回動プレート5を接続する場合、まず、回動プレート5のガイドパイプ12を、被固定プレート4の各ガイドパイプ11の間隙部に挿入する。これにより、被固定プレート4の各ガイドパイプ11の貫通孔11aと、回動プレート5のガイドパイプ12の貫通孔12aとが接続され、一連の貫通孔(一連貫通孔)が形成される。
【0033】次に、この一連貫通孔に対して、該一連貫通孔の径よりも若干小さめの外径を有する円柱状ピボットシャフト13を挿入すると共に、このピボットシャフト13の外径よりも若干多きめの内径の貫通孔14aを有する各ガイドワッシャ14を、その側面が被固定プレート4の各ガイドパイプ11にそれぞれ当接するように、ピボットシャフト13に挿入する。
【0034】このピボットシャフト13の両端部には、径方向に沿って貫通形成された割りピン用孔13aがそれぞれ設けられており、前記被固定プレート4の各ガイドパイプ11にそれぞれ当接するように設けられた各ガイドワッシャ14がピボットシャフト13から抜け落ちないように、各割りピン用孔13aに割りピン15を挿入して各ガイドワッシャ14を固定する。これにより、回動プレート5が被固定プレート4に対して回動可能に設置される。回動プレート5は、その前端部が地面に対して略垂直方向に変位するように、ピボットシャフト13を回動中心として回動する。
【0035】このように固定ヒッチ2に対して固定プレート3、被固定プレート4および回動プレート5を取り付けた状態が図2に示されている。例えばレイキのような作業機は、回動プレート5に設けられたクレビスピン用孔5aを介してクレビスピン(図示せず)により連結されることとなる。
【0036】前述したように、回動プレート5は、被固定プレート4に取り付けられた際に、その前端部が地面に対して垂直方向に変位するように回転自在となっている。このため、この回動プレート5を介してレイキ等の作業機を連結することにより、地面の凹凸に応じてトラクタまたは作業機が上下方向に振動しても、この振動に応じて回動プレート5の回転により吸収され、緩和される。これにより、例えばトラクタの上下振動が作業機に直接伝達され、作業機が上下動するという不都合が防止され、よって、レイキ等の作業機を安定した状態で稼働させ、地面を均一な理想の状態に整備することができる。
【0037】また、位置調整手段として、固定プレート3と被固定プレート4には、複数対の螺子孔8が設けられており、この螺子孔8を選択して固定プレート3に被固定プレート4を固定することで、回動プレート5およびそれに連結される作業機の高さ位置(牽引高さ)を調整することができる。このため、作業機の条件や整備する地面の状態に応じて牽引高さを簡単に調整することができ、地面をより理想の状態に整備することができる。
【0038】[ドローバーヒッチ]本実施形態の連結器は、前記ピボットヒッチ1と共に、第2の連結手段としてドローバーヒッチ17が設けられている。ドローバーヒッチ17は、図3および図4に示すように、トラクタに搭載された昇降駆動源(図示せず)に接続された一対のリフトロッド20と、これら各リフトロッド20に回動自在に連結された一対のロワーリンク21と、これら各ロワーリンク21の両端部に回動自在に支持された長尺部材である等辺山形鋼22(不等辺山形鋼や、円柱,楕円柱,三角柱,角柱でも可)とを有しており、さらに、連動昇降手段として、等辺山形鋼22の両端部に、その両端部がそれぞれ引っ掛けられように設けられたチェーン(係合部材)23を有している。
【0039】各リフトロッド20の下端側(ロワーリンク21と接続される側)には、支持部材(フォーク)24がそれぞれ固定されている。これら各支持部材24は、一対の支持片24aを有し、支持部材24全体で略「U」字状または「コ」字状をなすように形成されている。各支持片24aの先端部分には、同じ高さ位置に貫通孔24bが設けられている。
【0040】各ロワーリンク21は、それぞれ長板状の金属部材で形成されており、それらの前端側が、トラクタの後尾部に回動自在に接続されている。また、各ロワーリンク21の後端部には、等辺山形鋼22を回動自在に支持するための球面軸受け21aがそれぞれ設けられている。また、各ロワーリンク21には、その長手方向に沿って複数の位置調整用孔21bがそれぞれ設けられている。
【0041】各リフトロッド20と各ロワーリンク21とは、リフトロッド20の各支持片24a間にロワーリンク21を挿入し、各支持片24aの各貫通孔24bの位置と、ロワーリンク21の所望の位置調整用孔21bの位置とを合わせて一連の貫通孔を形成し、この貫通孔に対し接続ピン25を挿入することでこれらが回動自在に接続される。
【0042】この場合、ロワーリンク21に形成された複数の(図示の例では3対)の位置調整用孔21bのなかから用いる位置調整用孔21bを選択することにより、ロワーリンク21の昇降条件を設定することができる。すなわち、前方側の位置調整用孔21bを選択した場合には、ロワーリンク21の回動角度(昇降の最大高さ)を大きく設定することができ、逆に、後方側の位置調整用孔21bを選択した場合には、ロワーリンク21の回動角度(昇降の最大高さ)は前記よりも小さくなるが、より重量の大きいものを持ち上げる(吊り上げる)ことができる。
【0043】等辺山形鋼22は、例えば鋼材のような金属材料よりなる長板状のプレートを、その長手方向の中心線に沿って折り曲げた形状であり、2枚の長板状のプレート22a、22bが直角に配置されて形成されている。一方のプレート22aの略々中央部には、所定の長さの補強用プレート26が溶接されている。この補強用プレート26の中央部には、該補強用プレート26を介して一方のプレート22aまで貫通するクレビスピン用孔(第2の作業機連結部)27が設けられている。このクレビスピン用孔27には、例えばローラのような作業機が連結される。
【0044】また、等辺山形鋼22の両端部には、該等辺山形鋼22の長手方向に沿って突出するように一対のシャフト28が溶接されている。各シャフト28の先端近傍には、該シャフト28の径方向に沿ってシャフトロックピン用孔28aが設けられている。このシャフトロックピン用孔28aには、シャフトロックピン30が挿入される。
【0045】チェーン23は、ピボットヒッチ1に連結されたレイキの一部(駆動軸35)に係合する係合部材である。このチェーン23は、等辺山形鋼22に接続された際に、ある程度のたわみを生ずるような長さとされており、その両端部には、それぞれ、等辺山形鋼22に設けられた各シャフト28の外径よりも若干大きめの内径を有するシャフト用孔29aが設けられた接続プレート29が溶接されている。なお、係合部材は、チェーン23に限らず、例えば、ベルト、ロープ、ワイヤー、あるいはフックを有する部材などであってもよい。
【0046】ロワーリンク21に等辺山形鋼22およびチェーン23を接続する場合、まず、チェーン23の各接続プレート29に設けられた各シャフト用孔29aに、等辺山形鋼22の両端部に設けられた各シャフト28を挿入する。これにより、チェーン23は、等辺山形鋼22に対し、ある程度のたわみを持ってぶら下がった状態となる。
【0047】次に、この状態で等辺山形鋼22の各シャフト28を、ロワーリンク21の内側から各球面軸受け21aにそれぞれ挿入すると共に、各球面軸受け21aから各ロワーリンク21の外側に突出した各シャフト28のシャフトロックピン用孔28aにシャフトロックピン30をそれぞれ挿入する。
【0048】これにより、等辺山形鋼22およびチェーン23は、各ロワーリンク21の後端部に挟持されるように、各シャフト28を回転軸として回動自在に保持される。そして、当該ドローバーヒッチ17がトラクタの昇降駆動源に接続されることとなる。
【0049】このドローバーヒッチ17および前述のピボットヒッチ1をトラクタの後尾部に設けた様子が図4に示されている。本実施形態の連結器に、異なる2種の作業機、すなわちレイキおよびローラを連結する場合について、図4を参照しつつ以下に説明する。
【0050】まず、ピボットヒッチ1の回動プレート5に設けられたクレビスピン用孔5aとレイキの牽引部とをクレビスピンで連結する。この際、レイキが備えるタイン付きのロータを回転させるための駆動軸35がドローバーヒッチ17のチェーン23に掛かるように、すなわち駆動軸35が、等辺山形鋼22とチェーン23との間を通るように、ピボットヒッチ1にレイキを連結する。
【0051】次に、ピボットヒッチ1に連結されたレイキの後方にもう一方の作業機であるローラを位置させ、ドローバーヒッチ17の等辺山形鋼22および補強用プレート26に設けられたクレビスピン用孔27とローラの牽引部とをクレビスピンで連結する。これにより、ドローバーヒッチ17に対してローラが連結される。
【0052】このような状態で、レイキおよびローラがそれぞれトラクタの後尾部に連結され、これらを同じに牽引することができるようになる。特に、レイキおよびローラのいずれか一方または双方を作動させながら、牽引することができる。
【0053】また、レイキおよびローラは、それぞれ、トラクタに搭載された昇降駆動源に接続されたこととなる。より詳しくは、ローラは、ドローバーヒッチ17を介して昇降駆動源と接続され、一方、レイキは、その駆動軸35がドローバーヒッチ17のチェーン23に係合することで、間接的に昇降駆動源と接続されたこととなる。
【0054】これにより、昇降駆動源を駆動して各ロワーリンク21をその後端部が上昇するように回動し、レイキおよびローラを吊り上げる(上昇させる)ことができる。レイキおよびローラを吊り上げた状態(地面から離間させた状態)で、トラクタを走行させてそれらを所望の場所に移動し、この場所でレイキおよびローラを降ろして整地作業を行うことができる。また、整地作業が終了後も、同様に、レイキおよびローラを吊り上げ、その状態(地面から離間させた状態)で、それらを所望の場所へ移動することができる。
【0055】レイキおよびローラを吊り上げる動作を詳述すると、トラクタに搭載された昇降駆動源の駆動力(上昇方向への力)は、各リフトロッド20を介して各ロワーリンク21に伝達され、該各ロワーリンク21が、その前端側を中心として回動し、各ロワーリンク21の後端部が上昇する。これにより、両ロワーリンク21の後端部に設置された等辺山形鋼22が持ち上げられ、これに追従して等辺山形鋼22に接続されているローラが吊り上げられることとなる。
【0056】ここで、前述したように、ローラの前方に位置するレイキは、その駆動軸35が等辺山形鋼22とチェーン23との間を通るように、ピボットヒッチ1と連結されている。このため、前記各ロワーリンク21の回動により等辺山形鋼22が持ち上げられると、等辺山形鋼22に接続されているチェーン23およびこれに係合している駆動軸35も持ち上げられ、その結果、レイキも吊り上げられることとなる。
【0057】このように、ドローバーヒッチ17を持ち上げる駆動制御を行なうことで、レイキおよびローラの双方をほぼ同じに吊り上げることができ、レイキおよびローラの双方を地面から離間させることができる。この状態でトラクタを走行すれば、作業機の地面に対する接地抵抗なく、容易に所望の場所までレイキおよびローラを移動することができる。
【0058】また、このように、レイキおよびローラを吊り上げた状態で所望の場所まで移動させた後には、このレイキおよびローラを降ろすように昇降駆動源を駆動制御する。昇降駆動源の駆動力(下降方向への力)は、各リフトロッド20を介して各ロワーリンク21に伝達され、該各ロワーリンク21が、その前端側を中心として回動し、各ロワーリンク21の後端部が下降する。これにより、両ロワーリンク21の後端部に設置された等辺山形鋼22が下降し、これに追従して等辺山形鋼22に接続されているローラが下降して地面と接触する。
【0059】また、このようにロワーリンク21が回動して等辺山形鋼22が下降すると、等辺山形鋼22に接続されているチェーン23およびこれに係合している駆動軸35も下降し、その結果、レイキも下降する。これにより、ローラが地面に降ろされると共に、チェーン23で吊り上げられていたレイキも地面に降ろされることとなる。そして、レイキおよびローラを地面に降ろした後には、レイキにより地面をほぐしながらローラで転圧するなど、用途の異なる2種類の作業機を同時に使用して整地作業を行うこととなる。
【0060】以上の説明から明らかなように、本実施形態の連結器は、例えば、ピボットヒッチ1にレイキを連結し、ドローバーヒッチ17にローラを連結するなどのように、各ヒッチ1、17に対してそれぞれ別々に異なる作業機(同種の作業機でもよい)を連結することができる。このため、用途の異なる2種類の作業機を同時に使用することができ、効率的かつ短時間での整地作業が可能となる。
【0061】また、2種類の作業機を同時に使用することができるため、レイキとローラの付け替え作業が不要となり、整地作業に伴う負担軽減、時間の節約を図ることができる。
【0062】また、各ヒッチ1、17に対してそれぞれ別個の作業機を連結できるようになっているため、各作業機の重さ、長さ、形状等にかかる制限が緩和される。そのため、使用する各作業機の選択の自由度が広がり、より適正で効率的な整地作業が可能となる。
【0063】また、ピボットヒッチ1の回動プレート5は、地面に対して垂直方向に変位可能となっているため、地面の凹凸等により生じる振動を回動プレート5の変位(回動)により吸収、緩和することができる。このため、作業機の振動が抑制され、作業機を安定した状態で稼働させることができるので、地面をより均一で理想的な状態に整備することができる。
【0064】また、位置調整手段を設けたこと、すなわちピボットヒッチ1の固定プレート3と被固定プレート4とに設けられた複数対の螺子孔8から所望の螺子孔8を選択して固定プレート3に被固定プレート4を固定することで、回動プレート5に連結される作業機の高さ位置(牽引高さ)を調整することができるようにしたため、作業機の種類や条件、整備する地面の状態等に応じて、作業機の牽引高さを簡単に調整することができ、よって、より適正な(理想的な)状態に地面を整備することができる。
【0065】また、このような位置調整手段の設置は、ピボットヒッチ1に連結する作業機の種類や条件(仕様)等の選択の幅を拡げることにも貢献する。
【0066】また、ドローバーヒッチ17により、等辺山形鋼22に接続されている作業機を昇降させることができると共に、これと連動して、ピボットヒッチ1に接続された作業機をもチェーン23の係合により昇降させることができるため、各作業機を地面から離間させた状態で、抵抗なくかつ容易に、所望の場所まで移動することができ、またその場所から作業を開始することができる。
【0067】なお、本発明では、両作業機のうちの一方または双方を接地させたままトラクターにより牽引して移動させてもよい。例えば、ピボットヒッチ1にレイキを連結すると共にドローバーヒッチ17にローラを連結し、レイキの駆動軸35が等辺山形鋼22とチェーン23との間を通らないようにセットすれば、ドローバーヒッチ17に連結されたローラのみを昇降させることができる。このように、本実施形態の連結器では、ピボットヒッチ1に連結された作業機を昇降させるか否かを選択することができる。
【0068】さらに、本発明では、ピボットヒッチ1とドローバーヒッチ17のいずれか一方にのみ作業機を連結して用いることもできる。
【0069】このようなことから、本発明の連結器は、ドローバーヒッチ17に例えば重量の重いローラを連結して使用することができる。それは、ドローバーヒッチ17により当該ローラのみを昇降させることが可能だからである。このため、この重量の重いローラで地面を十分大きい転圧力で転圧することができ、地面をより理想的な状態に整備することができる。
【0070】さらに、等辺山形鋼22のクレビスピン用孔27が設けられている部分は、補強用プレート26により補強されているため、作業機の牽引時や昇降時にこのクレビスピン用孔27の部分が破損する不都合を防止することができ、より重量の重い作業機を昇降させることができるとともに、連結器の耐久性の向上を図ることができる。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、第1の連結片の少なくとも一部が変位可能となっているため、地面の凹凸などが原因で生じる振動を吸収、緩和することができ、作業機による安定した作業を行なうことができ、地面の整地等の作業をより適正に行なうことができる。
【0072】また、本発明によれば、異なる2種の作業機を連結し、牽引することができるので、作業機の付け替え作業を不要とすることができること等から、作業工程の省略化、作業時間の短縮化等が図れ、作業の効率を向上することができる。
【0073】また、連結する2種の作業機の組み合わせを自由に選択することができ、作業の自由度やバリエーションが拡大する。
【0074】また、連動昇降手段を設けた場合には、連結された複数の作業機をそれぞれ昇降させることができる。そのため、作業前または作業後等における作業機の移動の際に、両作業機を地面から離間させて移動することができる。
【0075】また、転圧力の大きい(=重量の重い)ローラを連結することも可能となり、この重量の重いローラで地面を十分に転圧することができるので、地面をより適正に整備することができる。
【出願人】 【識別番号】591278161
【氏名又は名称】東興産業株式会社
【出願日】 平成12年5月26日(2000.5.26)
【代理人】 【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉 (外1名)
【公開番号】 特開2001−333605(P2001−333605A)
【公開日】 平成13年12月4日(2001.12.4)
【出願番号】 特願2000−156793(P2000−156793)