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【発明の名称】 水田作業機
【発明者】 【氏名】木村 浩人

【要約】 【課題】操作構造の簡素化並びに製造コストの削減を図りながらも、直進植え作業時に適した作業状態と回り植え作業時に適した作業状態とを現出できるようにするとともに、操作性の向上を図れるようにする。

【解決手段】中立復帰型の操作具31を一方の第1操作位置F1に操作すると作業装置4が作動状態に切り換わり、操作具31を一方の第2操作位置F2に操作すると、その操作方向に対応する一方の保持機構29による一方の線引きマーカ26の格納保持を解除してその線引きマーカ26の作用姿勢への切り換えを許容し、操作具31を他方の第1操作位置R1に操作すると作業装置4が作動状態に切り換わり、操作具31を他方の第2操作位置R2に操作すると、その操作方向に対応する他方の保持機構29による他方の線引きマーカ26の格納保持を解除してその線引きマーカ26の作用姿勢への切り換えを許容するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結し、先端が圃場に突入して次回の走行基準線を形成する作用姿勢と、先端が圃場から離間する格納姿勢とに姿勢切り換え可能な左右の線引きマーカ、及び、各線引きマーカを前記格納姿勢で保持する左右の保持機構を備えた水田作業機であって、前記走行機体の搭乗運転部に中立復帰型の操作具を装備し、該操作具を一方の第1操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わり、前記操作具を一方の第2操作位置に操作すると、その操作方向に対応する一方の保持機構による一方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該一方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容し、前記操作具を他方の第1操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わり、前記操作具を他方の第2操作位置に操作すると、その操作方向に対応する他方の保持機構による他方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該他方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容するように構成してある水田作業機。
【請求項2】 走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結し、先端が圃場に突入して次回の走行基準線を形成する作用姿勢と、先端が圃場から離間する格納姿勢とに姿勢切り換え可能な左右の線引きマーカ、及び、各線引きマーカを前記格納姿勢で保持する左右の保持機構を備えた水田作業機であって、前記走行機体の搭乗運転部に中立復帰型の操作具を装備し、該操作具を一方の第1操作位置に操作すると、その操作方向に対応する一方の保持機構による一方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該一方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容し、前記操作具を一方の第2操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わり、前記操作具を他方の第1操作位置に操作すると、その操作方向に対応する他方の保持機構による他方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該他方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容し、前記操作具を他方の第2操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わるように構成してある水田作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結し、先端が圃場に突入して次回の走行基準線を形成する作用姿勢と、先端が圃場から離間する格納姿勢とに姿勢切り換え可能な左右の線引きマーカ、及び、各線引きマーカを前記格納姿勢で保持する左右の保持機構を備えた水田作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような水田作業機の一例である田植機においては、例えば、特開平9−294427号公報で開示されているように、保持機構による線引きマーカの格納姿勢での保持を継続させたまま作業装置を作動状態に切り換えるための専用の操作具と、保持機構による対応する線引きマーカの格納姿勢での保持を解除して作用姿勢への切り換えを許容した状態で作業装置を作動状態に切り換えるための専用の操作具とを装備していた。
【0003】ちなみに、前者の操作具は、植え付け作業終了間際の次回の走行基準線を圃場に形成する必要のない回り植え作業時などに適した作業状態を現出する際に使用されるものであり、後者の操作具は、次回の走行基準線を圃場に形成する必要のある通常の直進植え作業時に適した作業状態を現出する際に使用されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】つまり、上記の従来技術によると、回り植え作業用と直進植え作業用の2つの操作具を装備することから、操作構造が複雑化するとともに製造コストが嵩む不都合を招くようになっていた。
【0005】しかも、直進植え作業用の操作具を機能させるためには先に回り植え作業用の操作具を自動位置まで操作する必要があることから、操作性の面で改善の余地があった。
【0006】又、直進植え作業用の操作具と回り植え作業用の操作具とを装備した場合であっても、それらの操作では、作業装置を非作動状態としたままで保持機構による対応する線引きマーカの格納姿勢での保持を解除して作用姿勢への切り換えを許容する、といった植え付け作業前に回り植え作業経路を確保するのに適した走行状態を現出することはできないことから、それらの操作でその状態を現出できるようにすることが望まれていた。
【0007】本発明の第1の目的は、操作構造の簡素化並びに製造コストの削減を図りながらも、直進植え作業時に適した作業状態と回り植え作業時に適した作業状態とを現出できるようにするとともに、操作性の向上を図れるようにすることにあり、第2の目的は、操作構造の簡素化並びに製造コストの削減を図りながらも、植え付け作業前の回り植え作業経路の確保に適した走行状態を現出できるようにするとともに、操作性の向上を図れるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔構成〕上記第1の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結し、先端が圃場に突入して次回の走行基準線を形成する作用姿勢と、先端が圃場から離間する格納姿勢とに姿勢切り換え可能な左右の線引きマーカ、及び、各線引きマーカを前記格納姿勢で保持する左右の保持機構を備えた水田作業機において、前記走行機体の搭乗運転部に中立復帰型の操作具を装備し、該操作具を一方の第1操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わり、前記操作具を一方の第2操作位置に操作すると、その操作方向に対応する一方の保持機構による一方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該一方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容し、前記操作具を他方の第1操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わり、前記操作具を他方の第2操作位置に操作すると、その操作方向に対応する他方の保持機構による他方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該他方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容するように構成した。
【0009】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、操作具を一方又は他方の第1操作位置に操作することで、保持機構による線引きマーカの格納姿勢での保持を継続させたまま作業装置を作動状態に切り換える、といった次回の走行基準線を圃場に形成する必要のない回り植え作業時などに適した作業状態を現出することができ、その後、その操作具を一方又は他方の第2操作位置まで操作することで、作業装置を作動状態に切り換えた状態で保持機構による対応する線引きマーカの格納姿勢での保持を解除する、といった次回の走行基準線を圃場に形成する必要のある通常の直進植え作業時に適した作業状態を現出することができるようになる。
【0010】つまり、単一の操作具を装備し、その操作具を作業装置駆動系や保持機構に連係させるだけの簡単な構造でありながら、回り植え作業時などに適した作業状態と直進植え作業時に適した作業状態とを現出できるようになる。
【0011】又、それらの現出を単一の操作具の操作で行えることから、直進植え作業の操作具と回り植え作業の操作具とを装備した前述の従来技術のように、直進植え作業の操作具を機能させるためにと回り植え作業の操作具を操作する、といった煩わしい操作を行う必要がない。
【0012】〔効果〕従って、操作構造の簡素化並びに製造コストの削減を図りながらも、直進植え作業時に適した作業状態と回り植え作業時に適した作業状態とを現出できる上に、操作性の面で有利にすることができるようになった。
【0013】〔構成〕上記第2の目的を達成するため、本発明のうちの請求項2記載の発明では、走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結し、先端が圃場に突入して次回の走行基準線を形成する作用姿勢と、先端が圃場から離間する格納姿勢とに姿勢切り換え可能な左右の線引きマーカ、及び、各線引きマーカを前記格納姿勢で保持する左右の保持機構を備えた水田作業機において、前記走行機体の搭乗運転部に中立復帰型の操作具を装備し、該操作具を一方の第1操作位置に操作すると、その操作方向に対応する一方の保持機構による一方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該一方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容し、前記操作具を一方の第2操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わり、前記操作具を他方の第1操作位置に操作すると、その操作方向に対応する他方の保持機構による他方の線引きマーカの前記格納姿勢での保持を解除して該他方の線引きマーカの前記作用姿勢への姿勢切り換えを許容し、前記操作具を他方の第2操作位置に操作すると前記作業装置が作動状態に切り換わるように構成した。
【0014】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、操作具を一方又は他方の第1操作位置に操作することで、作業装置を非作動状態としたままで保持機構による対応する線引きマーカの格納姿勢での保持を解除して作用姿勢への切り換えを許容する、といった植え付け作業前の回り植え作業経路の確保に適した走行状態を現出することができ、その後、その操作具を一方又は他方の第2操作位置まで操作することで、保持機構による対応する線引きマーカの格納姿勢での保持を解除した状態で作業装置を作動状態に切り換える、といった次回の走行基準線を圃場に形成する必要のある通常の直進植え作業時に適した作業状態を現出することができるようになる。
【0015】つまり、単一の操作具を装備し、その操作具を作業装置駆動系や保持機構に連係させるだけの簡単な構造でありながら、植え付け作業前の回り植え作業経路の確保に適した走行状態と直進植え作業時に適した作業状態とを現出できるようになる。
【0016】又、それらの現出を単一の操作具の操作で行えることから、それらの現出をそれぞれ専用の操作具の操作で行う場合に比較して、操作性の面で有利にすることができるようになる。
【0017】〔効果〕従って、操作構造の簡素化並びに製造コストの削減を図りながらも、直進植え作業時に適した作業状態と植え付け作業前の回り植え作業経路の確保に適した走行状態とを現出できる上に、操作性の面で有利にすることができるようになった。
【0018】
【発明の実施の形態】図1には水田作業機の一例である乗用型田植機の全体側面が示されており、この乗用型田植機は、乗用型の走行機体1の後部に、油圧シリンダ2の作動で昇降揺動するリンク機構3を介して作業装置の一例である苗植付装置4を連結し、かつ、作業装置の一例である施肥装置5を搭載することによってミッドマウント施肥仕様に構成されている。
【0019】走行機体1は、エンジン6からの動力を、伝動軸7、静油圧式無段変速装置8、及びギヤ式伝動装置9、などを介して、左右の前輪10及び後輪11に走行用動力として伝達する四輪駆動形式に構成され、その中央部には、左右の前輪10を操向操作するステアリングホイール12や運転座席13などを備えた搭乗運転部14が形成されている。
【0020】苗植付装置4は、機体の走行に伴って整地フロート15が苗植え付け箇所を前もって整地する一方で、ギヤ式伝動装置9からの作業用動力がフィードケース16に伝達され、そのフィードケース16からの分配動力で、苗載台17が左右方向に一定ストロークで往復駆動されるとともに、複数のロータリ式の植付機構18が、苗載台17の下端から苗を所定量ずつ取り出して圃場に植え付ける植え付け作動を行うように構成されている。
【0021】施肥装置5は、機体の走行に伴って整地フロート15に装備された作溝器19が施肥溝を形成する一方で、ギヤ式伝動装置9からの作業用動力で複数の繰出機構20が肥料ホッパ21内の肥料を所定量ずつ繰り出し、電動ファン22の作動で各繰出機構20にて繰り出された肥料を案内ホース23を介して対応する作溝器19に向けて圧送することで、圃場における植え付け苗の横側方箇所に肥料を埋没させるように構成されている。
【0022】図1及び図2に示すように、苗植付装置4において、各整地フロート15は、左右向きのフロート支点軸24から後下方に向けて延設された複数の支持アーム25のうちの対応するものに横向きの軸芯P1周りに上下揺動可能に支持されている。
【0023】走行機体1には、左右一対の線引きマーカ26が、その先端が圃場に突入して次回の走行基準線を形成する作用姿勢と、その先端が圃場から離間して走行機体1に近接する格納姿勢とに、軸芯P2周りに姿勢切り換え可能に装備されている。
【0024】左右の線引きマーカ26は、苗植付装置4の所定の上限位置への上昇に連動してそれぞれに連係された操作ワイヤ27が引き込み操作されることで、バネ28の付勢に抗して格納姿勢に切り換えられ、格納姿勢においては、対応する操作ワイヤ27に連係された左右の保持機構29の作用で、苗植付装置4の下降操作にかかわらず格納姿勢で保持されるようになっている。又、各保持機構29に対応する電磁シリンダ30の作動で各保持機構29による格納姿勢での保持が選択的に解除されることによって作用姿勢への姿勢切り換えが許容され、その解除状態で苗植付装置4を所定の作業高さ位置である植え付け位置まで下降させる下降操作が行われる、もしくは、苗植付装置4を植え付け位置まで下降させる際にその解除状態が選択的に現出されることによって、選択解除された側の線引きマーカ26がバネ28の付勢で作用姿勢に切り換えられるようになっている。
【0025】苗植付装置4の昇降は、ステアリングホイール12の右下方に配備された中立復帰型の操作具の一例である十字揺動式の操作レバー31の操作に基づいて、走行機体1に搭載されたマイクロプロセッサなどからなる制御装置32が、油圧シリンダ2に対する作動油の流動状態を切り換える電磁切換弁33の作動を制御することで行えるようになっている。
【0026】図2に示すように、操作レバー31は、その上方の第1操作位置U1への操作が第1スイッチS1によって検出され、その上方の第2操作位置U2への操作が第2スイッチS2によって検出され、その下方の第1操作位置D1への操作が第3スイッチS3によって検出され、その下方の第2操作位置D2への操作が第4スイッチS4によって検出され、その前方の第1操作位置F1への操作が第5スイッチS5によって検出され、その前方の第2操作位置F2への操作が第6スイッチS6によって検出され、その後方の第1操作位置R1への操作が第7スイッチS7によって検出され、その後方の第2操作位置R2への操作が第8スイッチS8によって検出され、各スイッチS1〜S8は、それぞれの検出情報を制御装置32に出力するようになっている。
【0027】又、制御装置32には、左右中央に位置する整地フロート(以下センサフロートと略称する)15に、その軸芯P1周りでの上下揺動角を検出するように装備された回転式のポテンショメータからなるフロートセンサ34や、苗植付装置4の所定の上限位置への到達を検出する上限スイッチSuなどからの検出情報も入力され、制御装置32は、それらの検出情報に基づいて、各保持機構29に対する電磁シリンダ30や、苗植付装置4及び施肥装置5への伝動を断続可能な植付クラッチ35を切り換え操作するクラッチモータ36などの作動をも制御するように構成されている。
【0028】図3に基づいて制御装置32の制御作動について説明すると、制御装置32は、操作レバー31の上方の第1操作位置U1への操作が第1スイッチS1にて検出されると、電磁切換弁33を油圧シリンダ2に作動油を供給する供給状態に切り換えて油圧シリンダ2を短縮させることで苗植付装置4を上昇させ、その操作位置U1に操作レバー31が維持されて第1スイッチS1による検出が継続されている間は、電磁切換弁33を供給状態に維持することで苗植付装置4の上昇を継続させ、その操作が解除されて第1スイッチS1にて操作レバー31が検出されなくなると、電磁切換弁33を油圧シリンダ2に対する作動油の流動を停止させる停止状態に切り換えて油圧シリンダ2を停止させることで苗植付装置4を任意の上昇位置に停止させるようになっている。
【0029】又、操作レバー31の上方の第2操作位置U2への操作が第2スイッチS2にて検出されると、電磁切換弁33を供給状態に切り換えて油圧シリンダ2を短縮させることで苗植付装置4を上昇させ、その操作が解除されて第2スイッチS2にて操作レバー31が検出されなくなっても、電磁切換弁33を供給状態に維持することで苗植付装置4の上昇を継続させ、上限スイッチSuにて苗植付装置4の所定の上限位置への到達が検出されると、電磁切換弁33を停止状態に切り換えて油圧シリンダ2を停止させることで苗植付装置4を上限位置に停止させるようになっている。
【0030】逆に、操作レバー31の下方の第1操作位置D1への操作が第3スイッチS3にて検出されると、電磁切換弁33を油圧シリンダ2から作動油を排出させる排出状態に切り換えて油圧シリンダ2を伸長させることで苗植付装置4を下降させ、その操作位置D1に操作レバー31が維持されて第3スイッチS3による検出が継続されている間は、電磁切換弁33を排出状態に維持することで苗植付装置4の下降を継続させ、その操作が解除されて第3スイッチS3にて操作レバー31が検出されなくなると、電磁切換弁33を停止状態に切り換えて油圧シリンダ2を停止させることで苗植付装置4を任意の下降位置に停止させるようになっている。
【0031】又、操作レバー31の下方の第2操作位置D2への操作が第4スイッチS4にて検出されると、電磁切換弁33を排出状態に切り換えて油圧シリンダ2を伸長させることで苗植付装置4を下降させ、その操作が解除されて第3スイッチS3にて操作レバー31が検出されなくなっても、電磁切換弁33を排出状態に維持することで苗植付装置4の下降を継続させ、フロートセンサ34にてセンサフロート15が基準姿勢に復帰する苗植付装置4の植え付け位置への到達が検出されると、電磁切換弁33を停止状態に切り換えて油圧シリンダ2を停止させることで苗植付装置4を植え付け位置に停止させるようになっている。尚、この状態において、機体の走行に伴ってセンサフロート15が上下揺動して基準姿勢から外れると、そのときのフロートセンサ34からの検出情報に基づいて電磁切換弁33の作動を制御することで、センサフロート15が基準姿勢に復帰するように苗植付装置4を昇降させるようになっており、これによって、圃場泥面の起伏の変化にかかわらず苗植付装置4を植え付け位置に維持できるようになっている。
【0032】苗植付装置4が植え付け位置に位置する状態において、操作レバー31の前方の第1操作位置F1への操作が第5スイッチS5にて検出される、又は、操作レバー31の後方の第1操作位置R1への操作が第7スイッチS7にて検出されると、クラッチモータ36を作動させて植付クラッチ35を伝動切り状態から伝動入り状態に切り換えて苗植付装置4及び施肥装置5を作動させることで、線引きマーカ26を格納した次回の走行基準線を圃場に形成しない回り植え作業時などに適した作業状態を現出するようになっている。
【0033】又、操作レバー31の前方の第2操作位置F2への操作が第6スイッチS6にて検出されると、左側の線引きマーカ26を格納姿勢で保持する保持機構29に対する電磁シリンダ30を作動させて、左側の線引きマーカ26の作用姿勢への切り換えを許容するようになり、これに伴って左側の線引きマーカ26が作用姿勢に切り換わることから、次回の走行基準線を機体左側の圃場に形成する直線植え作業時に適した作業状態を現出するようになっている。
【0034】逆に、操作レバー31の後方の第2操作位置R2への操作が第8スイッチS8にて検出されると、右側の線引きマーカ26を格納姿勢で保持する保持機構29に対する電磁シリンダ30を作動させて、右側の線引きマーカ26の作用姿勢への切り換えを許容するようになり、これに伴って右側の線引きマーカ26が作用姿勢に切り換わることから、次回の走行基準線を機体右側の圃場に形成する直線植え作業時に適した作業状態を現出するようになっている。
【0035】尚、これらの作業状態においても、制御装置32は、フロートセンサ34からの検出情報に基づく苗植付装置4の昇降制御を行うことから、圃場泥面の起伏の変化にかかわらず苗植付装置4を植え付け位置に維持することができ、もって、予め設定された植え付け深さでの苗の植え付けを安定して行えるようになっている。
【0036】そして、これらの作業状態において、操作レバー31の上方の第1操作位置U1又は第2操作位置U2への操作が第1スイッチS1又は第2スイッチS2にて検出されると、それぞれの検出に基づいた苗植付装置4の上昇操作状態を現出するとともに、クラッチモータ36を作動させて植付クラッチ35を伝動入り状態から伝動切り状態に切り換えて、苗植付装置4による苗の植え付けと施肥装置5による施肥とを停止させる非作業状態を現出するようになっている。
【0037】つまり、単一の操作レバー31を装備するものでありながら、その操作レバー31を前方の第1操作位置F1又は後方の第1操作位置R1に操作することで、回り植え作業時などに適した作業状態を現出することができ、又、操作レバー31を前方の第2操作位置F2又は後方の第2操作位置R2に操作することで、直線植え作業時に適した作業状態を現出することができるようになっている。
【0038】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。
■ 図4に示すように、苗植付装置4が植え付け位置に位置する状態において、操作レバー31の前方の第1操作位置F1への操作が第5スイッチS5にて検出されると、左側の線引きマーカ26が作用姿勢に切り換わるようにして、植え付け作業前の回り植え作業経路の確保に適した左回り走行状態を現出し、操作レバー31の前方の第2操作位置F2への操作が第6スイッチS6にて検出されると、次回の走行基準線を機体左側の圃場に形成する直線植え作業時に適した作業状態を現出し、逆に、操作レバー31の後方の第1操作位置R1への操作が第7スイッチS7にて検出されると、右側の線引きマーカ26が作用姿勢に切り換わるようにして、植え付け作業前の回り植え作業経路の確保に適した右回り走行状態を現出し、操作レバー31の後方の第2操作位置R2への操作が第8スイッチS8にて検出されると、次回の走行基準線を機体右側の圃場に形成する直線植え作業時に適した作業状態を現出するようにしてもよい。
■ 操作具31の配設位置としては種々の変更が可能であり、例えば運転座席13の横側方に配設するようにしてもよい。
■ 水田作業機としては直播機や除草機などであってもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−275410(P2001−275410A)
【公開日】 平成13年10月9日(2001.10.9)
【出願番号】 特願2000−98656(P2000−98656)