| 【発明の名称】 |
防除作業機のブ−ム水平制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】水津 清明
【氏名】重松 文雄
【氏名】長井 博
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| 【要約】 |
【課題】従来、防除ブ−ムの水平制御装置は、防除作業機の高速化が進むにつれて、作動タイミングが遅れ、適確に水平制御ができない課題があった。
【解決手段】本発明は、その課題を解決するため、つぎの解決手段を講じたもので、車幅より両側に張り出して延長した防除ブ−ム2を、車体1に枢着した支軸3を回動支点として回動可能にアクチュエ−タ4に接続して設けた。制御手段5は、前記防除ブ−ム2の左右方向の傾斜度を計測する検出手段6と、前記車体1の進行方向前方の地面形状を検出する検出手段7と車速の検出手段8とに接続して設けた。前記制御手段5は、各検出手段6、7、8から入力される検出情報に基づいて防除ブ−ム2の左右傾斜の予測値を算出して、前記アクチュエ−タ4に制御信号を出力できる構成とした防除作業機のブ−ム水平制御装置とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体1に、車幅より両側に張り出して延長した防除ブ−ム2を、前後方向の支軸3によって支持して設け、該防除ブ−ム2は、前記支軸3を回動支点として回動可能にアクチュエ−タ4に接続して設け、該アクチュエ−タ4は、水平制御用の制御手段5に接続して設け、該制御手段5は、前記防除ブ−ム2の左右方向の傾斜度を計測する検出手段6と、前記走行車体1の進行方向前方の地面形状を検出する検出手段7と車速の検出手段8とに接続して設け、前記制御手段5は、各検出手段6、7、8から入力される検出情報に基づいて防除ブ−ム2の左右傾斜の予測値を算出して、前記アクチュエ−タ4に制御信号を出力できる構成とした防除作業機のブ−ム水平制御装置。 【請求項2】制御手段5は、走行車体1の操舵角度が設定値を越えると、アクチュエ−タ4に対して予測制御の制御信号を出力しない構成とした請求項1記載の防除作業機のブ−ム水平制御装置。 【請求項3】制御手段5は、防除ブ−ム2の水平制御作動中に、上下に回動できる許容範囲を、前記防除ブ−ム2が上昇した位置にあるときは下降位置にあるときよりも広範囲に設定した請求項1又は請求項2記載の防除作業機のブ−ム水平制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、防除作業機のブ−ム水平制御装置に関するもので、農業機械の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来から車幅より両側に防除ブ−ムを張り出して構成した防除作業機は、傾斜センサや角速度センサによる検出情報に基づいて、防除ブ−ムの水平制御を行なう技術が公開されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来の水平制御装置は、トラクタの前部に装着されている防除ブ−ムの左右方向への傾斜が発生した後、その傾斜度を計測してコントロ−ラに入力する構成であった。したがって、防除ブ−ムは、制御作動がタイミング的にずれて遅れが生じ、適確に水平制御ができない課題があった。特に、近年のように、防除作業機の高速化が進むと、従来の水平制御装置では、数秒後にトラクタが通過する前方地面の形状変化(高さ、段差等)に対応することができず、実作業上、大きな課題となっている。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。まず、請求項1の発明は、走行車体1に、車幅より両側に張り出して延長した防除ブ−ム2を、前後方向の支軸3によって支持して設け、該防除ブ−ム2は、前記支軸3を回動支点として回動可能にアクチュエ−タ4に接続して設け、該アクチュエ−タ4は、水平制御用の制御手段5に接続して設け、該制御手段5は、前記防除ブ−ム2の左右方向の傾斜度を計測する検出手段6と、前記走行車体1の進行方向前方の地面形状を検出する検出手段7と車速の検出手段8とに接続して設け、前記制御手段5は、各検出手段6、7、8から入力される検出情報に基づいて防除ブ−ム2の左右傾斜の予測値を算出して、前記アクチュエ−タ4に制御信号を出力できる構成とした防除作業機のブ−ム水平制御装置としている。 【0005】つぎに、請求項2の発明は、制御手段5は、走行車体1の操舵角度が設定値を越えると、アクチュエ−タ4に対して予測制御の制御信号を出力しない構成とした請求項1記載の防除作業機のブ−ム水平制御装置としている。つぎに、請求項3の発明は、制御手段5は、防除ブ−ム2の水平制御作動中に、上下に回動できる許容範囲を、前記防除ブ−ム2が上昇した位置にあるときは下降位置にあるときより広範囲に設定した請求項1又は請求項2記載の防除作業機のブ−ム水平制御装置としたものである。 【0006】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成されているから、予測制御を可能とし、防除ブ−ムを圃場面に応じて適確に水平制御しながら防除作業を行なうことができる特徴を有する。又、本発明に係る防除作業機は、操舵操作によりトラクタの進行方向を変更すると、自動的に予測制御を中断でき、更に、防除ブ−ムを、高さに応じて制御作動の許容範囲を設定(制限)することにより、安全に作業ができる利点もある。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、トラクタ10は、図4および図5に示すように、走行車体1の前部と後部とにそれぞれ左右一対の前輪11と後輪12とを軸架して設け、車体1上の中間部には操縦座席13を、その前側にハンドル14を設けて構成している。そして、操作パネル15は、前記ハンドル14の周辺に配置し、後述する制御手段5を立ち上げる自動スイッチ16等を設けて構成している。そして、エンジン17は、前記ハンドル14の前側にあるボンネットカバ−18によって覆われたエンジンル−ムに内装しており、回転各部を伝動する構成としている。 【0008】そして、走行車体1の操舵機構は、具体的には図示しないが、前輪操舵機構と後輪操舵機構とが前記ハンドル14に接続して設けられ、前輪操舵モ−ドと四輪操舵モ−ドとのいずれ一方を選択して切換え操舵操作ができる構成としている。つぎに、防除装置について説明する。 【0009】まず、溶液タンク20は、樹脂を素材として成形加工されており、単体での持ち運びが楽にできるように比較的軽く構成されている。そして、溶液タンク20は、図4の平面で示すように、操縦座席13の左右両側から背後を囲んで着脱可能に取り付けられ、限られた狭いスペ−スに極力多量の噴霧用の薬液が充填できるように構成されている。そして、送液ホ−ス21は、基端部を送液ポンプや調圧装置を介して前記溶液タンク20に連通して設けられ、先端部を車体1の前部に設けている防除ブ−ム2に連通して薬液を圧送できる構成になっている。 【0010】そして、防除ブ−ム2は、図2、図4および図5に示すように、車体1の前部に平行リンク機構からなる昇降装置22に中央防除ブ−ム2aが設けられ、この中央防除ブ−ム2aの左右両側に斜め後方上側に折り畳み自由に枢着して連結した左右防除ブ−ム2b、2cの3本から構成している。そして、防除ブ−ム2は、前述のとおり、中央防除ブ−ム2aと左右防除ブ−ム2b、2cとにそれぞれ3本の送液ホ−ス21が延長して接続され、所定間隔をごとに噴霧ノズル23を配設して防除作業ができる構成としている。なお、前記昇降装置22は、昇降シリンダ22aにストロ−クセンサ32を並設して昇降位置(作動長)をフィ−ドバックする構成としている。 【0011】なお、本明細書における「左」「右」の表現は、トラクタ10の前進方向に向かって見た位置を記載している。そして、防除ブ−ム2は、図2の正面図に示すように、上述した3本のブ−ム2a、2b、2cを横一直線に伸ばして一本の状態にすると、走行車体1の車幅より両外側に張り出し、一度の走行で広い範囲の防除作業ができる構成となっている。そして、防除ブ−ム2は、その真中に位置する中央防除ブ−ム2aの中心部が、前記昇降装置22の前側に前後方向に設けられた支軸3に回動自由に軸架され、全体がその支軸3を回動支点にして左右が上下方向に回動する構成としている。 【0012】そして、アクチュエ−タ4は、図3に示すように、油圧の作動油によって伸縮する制御シリンダ24であって、一方を支軸3に連結した制御ア−ム25に枢着連結し、他方を前記昇降装置22を構成する機枠に連結して設けている。そして、アクチュエ−タ4は、図3に示すように、後述する制御手段5から出力される制御信号に基づいて切替え作動する制御バルブ26が一体に設けられ、このバルブの切り替えによって油圧ポンプ側から供給される作動油によって伸縮制御される構成としている。 【0013】なお、27はストロ−クセンサであって、上記アクチュエ−タ4に並設して、その作動長をフィ−ドバックする構成としている。そして、実施例では、左右両側の防除ブ−ム2b、2cは、中央に位置する中央防除ブ−ム2aの両側端部との折曲部に、それぞれ電動シリンダ28(左28a、右28b)が装備され、折り曲げ操作ができる構成になっている。そして、左右両側の防除ブ−ム2b、2cは、防除作業中には中央に位置する防除ブ−ム2aに沿って横方向に直線状に延長した状態に伸ばして噴霧幅を広くすることができ、非作業中には、図4および図5に示すように、車体1に沿わせて後方に折り曲げて、車幅を狭くして路上走行が有利にできる構成になっている。 【0014】そして、電動シリンダ28は、左右ブ−ム開閉スイッチ29の手動操作で伸縮作動し、防除ブ−ム2b、2cの開閉操作ができる構成としている。なお、実施例の場合、左右単体で、又は、左右同時に開閉操作ができる。つぎに、マイクロコンピュ−タを利用した制御手段5(以下、「コントロ−ラ5」とよぶ)について、図1に基づいて説明する。 【0015】まず、コントロ−ラ5は、制御プログラムや基準デ−タ等を内蔵したメモリを有するマイクロコンピュ−タの演算制御部であって、算術、論理および比較演算等を行なう構成となっている。そして、コントロ−ラ5は、入力側に、自動スイッチ16と、傾斜センサ6(「検出手段6」に相当する)と、対地高さセンサ(左)(右)7a、7b(「検出手段7」に相当する)と、相対角度センサ30と、車速センサ8(「検出手段8」に相当する)と、前輪操舵角センサ31と、ストロ−クセンサ27と、昇降シリンダ22aのストロ−クセンサ32と、左右ブ−ム開閉スイッチ29とをそれぞれ接続して各情報を入力する構成としている。そして、コントロ−ラ5は、出力側に、アクチュエ−タ4と、左電動シリンダ28aと、右電動シリンダ28bとをそれぞれ接続している。 【0016】そして、コントロ−ラ5は、上記した各センサやスイッチから情報が入力されることになるが、その前に、まず、自動スイッチ16をON操作して、マイクロコンピュ−タを制御可能な状態に立ち上げ、防除ブ−ム2の水平制御を行いながら防除作業ができる構成としている。 【0017】以上の構成において、傾斜センサ6は、図2に示すように、防除ブ−ム2に装着してその傾斜度を計測する構成している。そして、対地高さセンサ(左)(右)7a、7bは、図2に示すように、超音波を利用した発信器と受信器とを一組として構成した検出装置であって、トラクタ10の前部低位置に装備して進行方向前方(左右)の地表面の形状(高さ)を検出する構成としている。そして、相対角度センサ30は、支軸3の回転角度を計測するポテンショメ−タであって、走行車体1と防除ブ−ム2との相対的な関係角度を計測する構成としている。そして、車速センサ8は、図示は省略したがトラクタ10の走行ミッション装置に設け、車速を計測する構成としている。 【0018】そして、前輪操舵角センサ31は、ハンドル操作に基づいて操向される前輪11の操舵角(切れ角)を計測するため、ベルクランクに設けたポテンショメ−タである。そして、ストロ−クセンサ32は、昇降シリンダ22aの作動長を計測し、昇降装置22の高さ位置を検出する構成としている。そして、ストロ−クセンサ27は、前述したとおりアクチュエ−タ4である制御シリンダ24の作動長を計測する構成としている。 【0019】つぎに、その作用について説明する。まず、防除作業を行なうにあたり、予め、調合した薬液を溶液タンク20に充填して走行車体1に搭載し、つぎに、エンジン17を始動すると共に、自動スイッチ16をON操作してコントロ−ラ5を作動状態に立ち上げる。そして、防除ブ−ム2は、左右ブ−ム開閉スイッチ29を操作してコントロ−ラ5を介して左右電動シリンダ28a、28bを作動して、左右防除ブ−ム2b、2cを中央防除ブ−ム2aと一直線状になって沿うように車幅より外側に広げて、走行車体1の前部に広い防除幅が取れるように準備する。それと同時に、昇降装置22は、対象となる作物の葉茎の丈に応じて高さ調節をして噴霧高さを設定する。なお、噴霧高さは、噴霧作業中に対象とする作物の丈に応じて、昇降シリンダ22aを利用して行なうことが多い。 【0020】以上のように準備が完了すると、トラクタ10は、エンジン17から機体の回転各部を駆動しながら前進させて、防除作業を開始する。すると、薬液は、駆動されている送液ポンプによって吸引され、溶液タンク20から調圧装置に達する。そして、薬液は、バルブを開くと送液ホ−ス21を圧送されて前部の防除ブ−ム2に達して各噴霧ノズル23から作物に噴霧される。 【0021】このような防除作業中に、コントロ−ラ5は、図6に示すフロ−チャ−トにしたがって制御を行なうことになる。まず、コントロ−ラ5は、防除ブ−ム2の傾斜度が傾斜センサ6から検出情報として入力され、これに基づいて演算した制御信号を制御バルブ26に出力してバルブ切替え操作が行なわれ、アクチュエ−タ4を制御操作する。したがって、制御シリンダ24は、上記のようにして送り込まれた作動油によって伸縮作動して制御ア−ム25を制御操作する。すると、防除ブ−ム2は、上記制御ア−ム25に押し引きされ、支軸3を回動支点にして左右が上下に回動して水平制御が行われる。 【0022】このように、通常の水平制御が行われているとき、対地高さセンサ7a、7bは、トラクタ10の進行方向前方の地面に超音波を照射して反射波を得て、左右両側の地面形状(地面の高さ)を検出し、その検出情報がコントロ−ラ5に入力している。そして、コントロ−ラ5は、上記検出情報に基づいてテ−ブルデ−タと対比しながら演算して、予測値(θ1)を求める。 【0023】そして、コントロ−ラ5は、車速センサ8から入力されているトラクタ10の車速から距離を計測して、トラクタ10が位置に達すると傾斜センサ6の検出値(θ2)と上記予測値(θ1)とから、予測制御値(θ3=θ1−θ2)を算出してアクチュエ−タ4に制御信号を出力する。このようにして、コントロ−ラ5は、傾斜センサ6のみによって通常の水平制御を行い、対地高さセンサ7a、7bと車速センサ8とが加わって水平制御の予測値を求めて予測制御を行なうことができる。 【0024】そして、コントロ−ラ5は、上記予測制御の途中で前輪操舵角センサ31から入力される検出情報が、予め設定している操舵角度を越えると、アクチュエ−タ4に対して予測制御の制御信号を出力せず、傾斜センサ6の検出情報に基づく通常の制御に変わることになる。 【0025】更に、コントロ−ラ5は、二つのストロ−クセンサ27、32からそれぞれ情報が入力されているが、昇降装置22が予め設定した高さ位置より低くなると制御幅を制限して安全を確保し、逆に、高くなると必要とする充分な制御幅の制御信号を出力することになる。 【0026】そして、コントロ−ラ5は、角速度センサを併設して防除ブ−ム2の振動を計測できる構成にした場合には、基準値以上の振動になると、制御速度を減速して散布作業の作業性を維持することができる。以上述べたように、本発明の実施例は、予測制御を可能とし、防除ブ−ム2a、2b、2cを圃場面の形状(高さ)に応じて適確に水平制御しながら防除作業を行なうことができるものであり、更に、予測制御の過程で走行車体1を操舵操作により進路変更すると、自動的に予測制御を中断して通常の水平制御に戻ることができる。そして、防除ブ−ムは、高さに応じて制御作動の許容範囲を設定(制限)することにより、低い位置で制御作動しても作物に接触する等の障害が発生せず、安全に作業ができる利点もある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月29日(2000.3.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−275409(P2001−275409A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月9日(2001.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−90960(P2000−90960) |
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