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【発明の名称】 耕耘爪ホルダ
【発明者】 【氏名】佐野 茂樹

【要約】 【課題】耕耘爪を任意の位置に取り付けるように調整・固定することができ、それによって、耕耘筒体又は耕耘軸体の形状に関係なく共通の耕耘爪を使用することを可能にする耕耘爪ホルダを提供すること。

【解決手段】耕耘筒体又は耕耘軸体の耕耘爪取付部に取り付けられるホルダ本体と、上記ホルダ本体に対して上記耕耘筒体又は耕耘軸体に応じた任意の位置に調整・固定されるホルダ部と、を具備したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕耘筒体又は耕耘軸体の耕耘爪取付部に取り付けられるホルダ本体と、上記ホルダ本体に対して上記耕耘筒体又は耕耘軸体に応じた任意の位置に調整・固定されるホルダ部と、を具備したことを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項2】 請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対して上記耕耘筒体又は耕耘軸体に応じた任意の角度に調整されて固定されるものであることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項3】 請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対して上記耕耘筒体又は耕耘軸体に応じた任意の突出位置に調整されて固定されるものであることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項4】 請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対してその取付角度を調整可能な状態で取り付けられていることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項5】 請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対してその突出位置を調整可能な状態で取り付けられていることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項6】 請求項1〜請求項5の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は略U字状をなしていて、上記ホルダ本体に対して該U字の開放側を閉じるような向きで取り付けられ、ホルダ本体との間に耕耘爪の基部を収容する空間を形成するものであることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項7】 請求項1〜請求項5の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記耕耘筒体又は耕耘軸体の軸方向に沿った方向から耕耘爪の基部を受け入れるタイプであり、その際、ホルダ部と耕耘爪基部の係合構造により耕耘爪の軸方向に直交する方向への抜けを防止するように構成されていることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項8】 請求項6記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ本体と上記ホルダ部は上記耕耘爪を挟んだ状態で締結具によって締結・固定されるものであり、その際、上記耕耘爪の先端部が湾曲している方向と反対側の面から締め付けて、耕耘刃を上記ホルダ本体とホルダ部の間であって湾曲している方向と反対側に押し付けた状態で締結・固定するものであることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項9】 請求項1〜請求項8の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ本体は回転方向前方から後方に向かって幅狭に形成された蹴り部を備えていて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体が回転して耕耘する際上記蹴り部によって地面を蹴りながら推進力を発揮するようにしたことを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項10】 請求項9記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記蹴り部は基部に設けられ所定幅の横長部と、該横長部の中央部より先端に向けて略三角形状に延長された延長部とから構成されていることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項11】 請求項1〜請求項10の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体はその横断面形状が三角形又は略三角形であることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項12】 請求項1〜請求項10の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体はその横断面形状が四角形又は略四角形であることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【請求項13】 請求項1〜請求項10の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体はその横断面形状が六角形又は略六角形であることを特徴とする耕耘爪ホルダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、耕耘機の耕耘筒体又は耕耘軸体に耕耘爪を取り付けるための耕耘爪ホルダに係り、特に、耕耘筒体又は耕耘軸体の形状等が変わっても共通の耕耘爪を使用することができるように工夫したものに関する。
【0002】
【従来の技術】耕耘機は、例えば、図29に示すような構成になっている。まず、耕耘機本体301があり、この耕耘機本体301にはエンジン303が搭載されている。又、上記耕耘機本体301には、耕耘軸305が取り付けられていて、この耕耘軸305の左右両側には作業機307、307がそれぞれ取り付けられている。尚、図29では片側の作業機307のみを示している。
【0003】上記作業機307は、横断面形状が略三角形をなす耕耘筒体309と、この耕耘筒体309の耕耘爪取付面309aに取り付けられた複数枚の耕耘爪311等から構成されている。そして、上記耕耘軸305には、回転伝達機構313を介してエンジン303側からの回転が伝達され、それによって、左右の作業機307、307が回転して所望の耕耘を行うものである。
【0004】上記耕耘機本体301には操作部315が延長されていて、この操作部315にはエンジン303からの回転の伝達をオン・オフするためのクラッチレバー317と、エンジン303の回転数を調整するスロットルレバ(図示せず)が取り付けられている。
【0005】次に、上記耕耘爪311の耕耘筒体309に対する取付構造について説明する。図30乃至図32に示すように、まず、耕耘筒体309の各耕耘爪取付面309aには、耕耘爪ホルダ319が適所に取り付けられている。この耕耘爪ホルダ319は、袋状をなしていて、その内周部は耕耘爪311の基部に合致した形状に予め形成されている。そして、耕耘爪311の基部を上記耕耘爪ホルダ319に差し込んで、ボルト321、ナット323、ワッシャ325によって締結・固定するものである。
【0006】又、図30乃至図32で示したのは、耕耘筒体309の横断面形状が略三角形をなすタイプのものであるが、耕耘筒体309の形状としては、図33及び図34に示すように、六角形をなすものもあり、この場合にも既に述べた構成と同様の構成になっている。尚、図33及び図34中、図30乃至図32で示した部材と同様の部材には同一の符号を付して示しその説明は省略する。
【0007】又、耕耘爪311の取付構造として別のタイプのものを図35乃至図37に示す。まず、図35に示すタイプのものは、耕耘爪ホルダ319が板状をなしていて、そこに耕耘爪311を露出した状態で取り付けるようにしている。この場合には、2箇所において、ボルト321、ナット323、ワッシャ325によって固定するものである。
【0008】又、図36に示すのは、耕耘筒体309の形状が六角形であり、又、耕耘爪311の基部において、二箇所に長孔331、331を形成したものである。したがって、上記長孔331、331の長手方向の範囲内において耕耘爪311の取付位置を調整することができ、それによって、耕耘爪311の突出位置の調整が可能になるものである。
【0009】又、図37に示すものについても、耕耘爪311側に二箇所において長孔331、331を形成し、これら長孔331、331の予め設けられた3箇所の固定位置の内の任意の位置にて耕耘爪311を固定できるようにしたものである。これによって、耕耘爪311の突出位置を三段階にわたって調整できるようになっているものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によると次のような問題があった。図29乃至図37に示したように、従来の耕耘機にあっては、耕耘爪311を耕耘爪ホルダ319を介して耕耘筒体309に取り付けて略放射状に張り出す構成になっている。一方、耕耘筒体309としては、その横断面形状が略三角形をなすもの、或いは、略六角形をなすもの、又、図示しなかったが、四角形をなすもの等様々な形状のものがある。その際、各耕耘爪取付面309aに対する耕耘爪311の取付状態は、耕耘筒体309の形状によって異なっている。つまり、耕耘筒体309の形状が変わることにより、耕耘爪311の耕耘爪取付面309aに対する取付角度が異なってくるものである。
【0011】又、耕耘筒体309の各耕耘爪ホルダ319をみてみると、これは、耕耘筒体309の形状によって特に変更しているものではない。そのため、耕耘爪311の取付角度を変える場合には、耕耘爪311自体の形状を変える必要がある。そこで、従来においては、耕耘筒体309の形状に応じて、そこに取り付けられて使用される耕耘爪311の形状が予め決定されており、つまり、横断面形状が三角形をなす耕耘筒体309に取り付けられて使用される耕耘爪311、横断面形状が四角形をなす耕耘筒体309に取り付けられて使用される耕耘爪311、横断面形状が略六角形をなす耕耘筒体309に取り付けられて使用される耕耘爪311は、それぞれ固有の形状になっているものである。
【0012】したがって、まず、耕耘筒体309の形状によって固有の形状の耕耘爪311を複数種類用意しなければならず、保管・管理が面倒であるという問題があった。すなわち、通常、農場等においては作業目的に応じて複数種類の耕耘筒体309を使い分けている。例えば、深く耕耘したい場合には三角形の耕耘筒体309を使用し、浅く耕耘したい場合には六角形の耕耘筒体309を使用するものである。したがって、それぞれの耕耘筒体309に対応した異なる形状の耕耘爪311を別々に保管・管理する必要があるものである。又、耕耘爪311の形状が耕耘筒体309の形状に応じて異なっているとはいっても、これを見分けることは容易なことではなく、例えば、ある耕耘筒体309に取り付けられている複数枚の耕耘爪311の内任意の耕耘爪311を新しい耕耘爪311と交換するような場合に、別の種類の耕耘爪311(別の形状の耕耘筒体309に対応した耕耘爪311)を誤って取り付けてしまうようなことがある。このような場合には、耕耘作業を効率良く行うことはできず、作業効率が低下してしまうことになる。
【0013】本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、耕耘爪を任意の位置に取り付けるように調整・固定することができ、それによって、耕耘筒体又は耕耘軸体の形状に関係なく共通の耕耘爪を使用することを可能にする耕耘爪ホルダを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による耕耘爪ホルダは、耕耘筒体又は耕耘軸体の耕耘爪取付部に取り付けられるホルダ本体と、上記ホルダ本体に対して上記耕耘筒体又は耕耘軸体に応じた任意の位置に調整・固定されるホルダ部と、を具備したことを特徴とするものである。又、請求項2による耕耘爪ホルダは、請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対して上記耕耘筒体又は耕耘軸体に応じた任意の角度に調整されて固定されるものであることを特徴とするものである。又、請求項3による耕耘爪ホルダは、請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対して上記耕耘筒体又は耕耘軸体に応じた任意の突出位置に調整されて固定されるものであることを特徴とするものである。又、請求項4による耕耘爪ホルダは、請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対してその取付角度を調整可能な状態で取り付けられていることを特徴とするものである。又、請求項5による耕耘爪ホルダは、請求項1記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記ホルダ本体に対してその突出位置を調整可能な状態で取り付けられていることを特徴とするものである。又、請求項6による耕耘爪ホルダは、請求項1〜請求項5の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は略U字状をなしていて、上記ホルダ本体に対して該U字の開放側を閉じるような向きで取り付けられ、ホルダ本体との間に耕耘爪の基部を収容する空間を形成するものであることを特徴とするものである。又、請求項7による耕耘爪ホルダは、請求項1〜請求項5の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ部は上記耕耘筒体又は耕耘軸体の軸方向に沿った方向から耕耘爪の基部を受け入れるタイプであり、その際、ホルダ部と耕耘爪基部の係合構造により耕耘爪の軸方向に直交する方向への抜けを防止するように構成されていることを特徴とするものである。又、請求項8による耕耘爪ホルダは、請求項6記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ本体と上記ホルダ部は上記耕耘爪を挟んだ状態で締結具によって締結・固定されるものであり、その際、上記耕耘爪の先端部が湾曲している方向と反対側の面から締め付けて、耕耘刃を上記ホルダ本体とホルダ部の間であって湾曲している方向と反対側に押し付けた状態で締結・固定するものであることを特徴とするものである。又、請求項9による耕耘爪ホルダは、請求項1〜請求項8の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記ホルダ本体は回転方向前方から後方に向かって幅狭に形成された蹴り部を備えていて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体が回転して耕耘する際上記蹴り部によって地面を蹴りながら推進力を発揮するようにしたことを特徴とするものである。又、請求項10による耕耘爪ホルダは、請求項9記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記蹴り部は基部に設けられ所定幅の横長部と、該横長部の中央部より先端に向けて略三角形状に延長された延長部とから構成されていることを特徴とするものである。又、請求項11による耕耘爪ホルダは、請求項1〜請求項10の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体はその横断面形状が三角形又は略三角形であることを特徴とするものである。又、請求項12による耕耘爪ホルダは、請求項1〜請求項10の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体はその横断面形状が四角形又は略四角形であることを特徴とするものである。又、請求項13による耕耘爪ホルダは、請求項1〜請求項10の何れかに記載の耕耘爪ホルダにおいて、上記耕耘筒体又は耕耘軸体はその横断面形状が六角形又は略六角形であることを特徴とするものである。
【0015】すなわち、本願発明による耕耘爪ホルダの場合には、耕耘筒体又は耕耘軸体の耕耘爪取付部に取付・固定されるホルダ本体に対してホルダ部を任意の位置に調整・固定されるように配置し、これらホルダ本体とホルダ部とによって耕耘爪を取り付けるようにしたものである。よって、耕耘筒体又は耕耘軸体によって(例えば、その形状に応じて)ホルダ部のホルダ本体に対する固定位置を調整すれば、そこに取り付けられる耕耘爪は耕耘筒体又は耕耘軸体の種類に関係なく共通の形状のものとすることができる。又、ホルダ部をホルダ本体に対して調整する場合に、耕耘筒体又は耕耘軸体の種類によって決定される角度を調整することが考えられる。すなわち、略放射状に張り出した状態で取り付けられる耕耘爪は、耕耘筒体又は耕耘軸体の種類によって(例えば、形状によって)耕耘筒体又は耕耘軸体の耕耘爪取付部に対する角度が異なり、それをホルダ部によって調整するものである。そして、ホルダ部を調整・固定することにより、そこに取り付けられる耕耘爪についてはこれを共通化することが可能となる。又、ホルダ部をホルダ本体に対して調整する場合に、耕耘筒体又は耕耘軸体に対する突出位置(略放射方向に対する突出位置)を調整することが考えられる。又、ホルダ部をホルダ本体に対して調整・固定する場合に、調整された位置に、例えば、溶接により固定する場合もあるが、これを適宜変更・調整できるように構成することも考えられる。すなわち、同じ耕耘筒体又は耕耘軸体であっても、耕耘爪の取付角度や略放射方向への突出位置を調整したい場合があるからである。又、ホルダ本体とホルダ部の構成としては様々なものが考えられるが、上記ホルダ部は略U字状をなしていて、上記ホルダ本体に対して該U字の開放側を閉じるような向きで取り付けることが考えられる。この場合には、ホルダ本体とホルダ部とによって形成された袋内に耕耘爪の基部を差し込むことになる。又、上記ホルダ部を上記耕耘筒体又は耕耘軸体の軸方向に沿った方向から耕耘爪の基部を受け入れるタイプとし、その際、ホルダ部と耕耘爪基部の係合構造により耕耘爪の軸方向に直交する方向への抜けを防止するように構成することが考えられる。又、ホルダ部を略U字状とする場合において、ホルダ本体と上記ホルダ部は上記耕耘爪を挟んだ状態で締結具によって締結・固定されるものであり、その際、上記耕耘爪の先端部が湾曲している方向と反対側の面から締め付けて、耕耘刃を上記ホルダ本体とホルダ部の間であって湾曲している方向と反対側に押し付けた状態で締結・固定するものとすることが考えられる。耕耘爪は耕耘時に湾曲している側から反対側に向けて大きな力を受けることになり、その際、上記のような締結構造を採用することにより、耕耘爪の支持がより強固なものとなる。又、ホルダ本体に蹴り部を設け、耕耘時蹴り部によって地面を蹴るように構成することが考えられる。この場合には、それによって、推進力を得ることができる。その際、上記蹴り部を基部に設けられ所定幅の横長部と、該横長部の中央部より先端に向けて略三角形状に延長された延長部とから構成することが考えられ、それによって、蹴り機能を基部に集中させて必要以上の蹴り作用を抑制すると共に藁屑や草等の絡み防止をより効果的なものとすることができる。又、耕耘筒体の形状としては様々なものが考えられ、例えば、その横断面形状が三角形又は略三角形、その横断面形状が四角形又は略四角形、その横断面形状が六角形又は略六角形であることが考えられる。尚、それら以外の形状であっても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図11を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態による耕耘爪ホルダ1に耕耘爪3を取り付けた状態を示す斜視図であり、図2は同上の正面図であり、図3は同上の背面図であり、図4は耕耘爪ホルダ1を構成する各部品の構成を示す図である。上記耕耘爪ホルダ1は、まず、ホルダ本体5を備えている。このホルダ本体5は、円弧状に形成されると共に一方に向かってその幅を狭くした略三角形状に形成された円弧状板体7と、この円弧状板体7の中心線上に立設された縦板体9とから構成されている。上記円弧状板体7は、耕耘時に地面を蹴るように作用するものであり、それによって、推進力を得るものである。又、円弧状板体7は回転方向前方から後方に向かって略三角形状に形成されているので、藁屑や草等が絡み難い構成になっている。
【0017】又、上記縦板体9にはホルダ部11が取り付けられている。このホルダ部11は略U字状をなしていて、底壁13と、この底壁13の両端より立設された側壁15、17とから構成されている。上記ホルダ部11は底壁13を縦板体9側に位置させた状態で取り付けられている。又、図4に示すように、上記縦板体9には比較的大きな貫通孔19が形成されている。一方、ホルダ部11側には上記貫通孔19に比べて小さな貫通孔21が形成されている。そして、耕耘爪3は上記ホルダ部11にその基部が嵌め込まれていて、ボルト23、ナット25、ワッシャ27によって取付・固定されている。
【0018】上記ホルダ本体7と上記ホルダ部11についてさらに説明する。まず、ホルダ部11は、耕耘筒体31の形状、例えば、六角形、三角形、四角形等に応じてホルダ本体7の縦板9に対する位置が予め決定され、その決定された位置に溶接により固定される。具体的にみてみると、まず、耕耘筒体31の横断面形状が三角形をなす場合をみてみると、図5に示すような状態となる。つまり、ホルダ部11とホルダ本体7の縦板体9とのなす角度(α)が図中耕耘爪3の後方に形成される状態となり、耕耘爪3が寝た状態で取り付けられることになる。これに対して、図6に示すように、耕耘筒体31の横断面形状が四角形の場合をみてみると、ホルダ部11とホルダ本体7の縦板体9とのなす角度(α)が、図中耕耘爪3の先端側に僅かに形成され(略水平)、上記三角形の場合に対して僅かに起きた状態で取り付けられている。さらに、耕耘筒体31の横断面形状が六角形の場合をみてみると、図7に示すように、ホルダ部11とホルダ本体7の縦板体9とのなす角度(α)が、図中耕耘爪3の先端側に比較的大きな値に設定されていて、上記四角形の場合よりもさらに起きた状態で取り付けられることになる。
【0019】このように、ホルダ部11をホルダ本体7の縦板体9に対して予め所定の角度(α)で位置調整を行うと共に溶接により固定しておくものである。したがって、そのホルダ部11に差し込まれて固定される耕耘爪3としては、耕耘筒体31の形状に関係なく全く同じ形状のものを使用することができる。つまり、耕耘爪3の共通化を図ることができるものである。従来の場合には、耕耘筒体31の形状が変わっても、同じ耕耘爪ホルダが取り付けられていたために、耕耘爪の形状を耕耘筒体31の形状に対応した固有の形状にしていた。これに対して、この実施の形態の場合には、耕耘筒体31によって、ホルダ部11の取付状態を調整・固定しておくようにしたので、そこに取り付けられる耕耘爪3としては、全て同じ形状のものでよくなったものである。
【0020】次に、様々な形状の耕耘筒体31に適用した場合について説明する。まず、図8は横断面形状が六角形をなす耕耘筒体31の場合である。次に、図9は横断面形状が略六角形をなしていると共に各辺が傾斜していて角部が斜め方向に鋭角状に突出した耕耘筒体31の場合である。次に、図10は横断面形状が四角形をなす耕耘筒体31の場合である。そして、図11は横断面形状が略三角形をなす耕耘筒体31の場合である。これら各形状の耕耘筒体31においては、耕耘爪ホルダ1のホルダ部11が所定の角度、すなわち、耕耘筒体31の形状に応じた所定の角度で調整・固定されている。そして、そこに取り付けられている耕耘爪3は何れも同じ形状をなすものである。
【0021】以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。まず、耕耘筒体31の形状に関係なく共通の耕耘爪3を使用することが可能になった。これは、耕耘爪ホルダ1において、ホルダ部11をホルダ本体5の縦板体9に対して、耕耘筒体31の形状に応じて所定の角度で調整して溶接により固定するようにしたからである。つまり、耕耘筒体31の形状に起因した固有の取付角度についてはこれをホルダ部11側にて調整するようにしたものであり、それによって、そこに取り付けられる耕耘爪3についてはこれを共通化することができたものである。よって、異なる形状の耕耘筒体31を複数種類備える場合においても、耕耘爪3については1種類のみを保管・管理すれば良く、したがって、製造が容易になって製造コストが低減することはもとより、保管・管理が容易になった。つまり、異なる形状の耕耘爪3を個々に保管・管理する必要がなくなったものである。又、任意の形状の耕耘筒体31に取り付けられている耕耘爪3を交換する場合において、従来のように別の種類の耕耘爪3を取り付けてしまうといったこともなくなるものである。これは、耕耘爪3自体が共通化されていて、何れの耕耘爪3を取り付けても問題ないからである。したがって、従来のように異なる種類の耕耘爪3を取り付けて耕耘効率が低下してしまうといった不具合をなくすことができる。又、この実施の形態におけるホルダ本体5の円弧状板体7によって耕耘時に推進力を得ることができると共に、該円弧状板体7は回転方向後方に向かってその幅を狭くした三角形状に形成されているので、藁屑や草等はそのまま後方に押しやられることになり、藁屑や草等の絡みを防止することができる。通常、作業機の内周側は回転速度が遅くて藁屑や草等が絡み易く、外周側は回転速度が速いので比較的絡み難い。その点、上記構成を採用することによりそのような絡みを効果的に防止できる。又、地面を蹴ることにより作業機全体を浮上させる効果もあり、それによって、抵抗を軽減させて効率を高めることができ、燃費を向上させることができる。又、この実施の形態の場合には、耕耘爪3がホルダ部11に対して露出した状態で取り付けられていて弾性変形し易い状態になっているので、耕耘時に適度に弾性変形し、それによって、耕耘時の衝撃を吸収して耕耘爪3自体の破損を防止することができる。
【0022】次に、図12乃至図14を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。前記第1の実施の形態の場合には、ホルダ本体5の円弧状板体7において、その中心線上に縦板体9が立設されている構成になっていたが、この第2の実施の形態の場合には、縦板体9を境にして片側の円弧状板体7の部分を削除した構成になっている。その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。このような構成であっても前記第1の実施の形態の場合と略同様の効果を奏することができる。
【0023】次に、図15乃至図18を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。この場合には、まず、ホルダ本体5を縦板体9のみから構成し、且つ、そこに調整・固定されるホルダ部41を略逆U字状に構成したものである。すなわち、ホルダ部41を上壁43と一対の側壁45、47とから構成している。このホルダ部41を上記縦板体9に対してU字の開放側を閉じるような向きで取り付け、ホルダ部41と縦板体9とによって、耕耘爪3の基部を差し込む空間を形成するようにしたものである。その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。このような構成であっても前記第1の実施の形態の場合と略同様の効果を奏することができる。
【0024】次に、図19を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。この場合には、前記第1の実施の形態において、まず、ホルダ部11側に一対の突起51、53を設ける。一方、耕耘爪3の基部において凹部3a、3bを設ける。そして、上記突起51、53に凹部3a、3bを係合させるものである。このように構成することにより、耕耘爪3の耕耘筒体31軸方向に直交する方向への不用意な抜けを防止することができる。尚、耕耘爪3の抜けを防止するための係合構造としては、様々な構造が考えられるものである。
【0025】次に、図20及び図21を参照して本発明の第5の実施の形態を説明する。この実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態の構成において、ホルダ部11の取付位置を調整可能に構成したものである。すなわち、前記第1の実施の形態の場合には、ホルダ部11を耕耘筒体31の形状に応じた所定の角度にて調整して、例えば、溶接により予め固定するものとした。これに対して、この実施の形態の場合には、一旦固定した後であってもこれを適宜調整できるようにしたものである。
【0026】まず、耕耘爪3の基部には貫通孔73が形成されており、ホルダ部11の中心位置には貫通孔75が形成されており、縦板体9には上記貫通孔73、75よりも大径の貫通孔77が形成されている。これら貫通孔73、75、77にボルト23を通して、ワッシャ27を介してナット25を螺合させる。又、ホルダ部11側には左右に雌ねじ孔61、63が形成されていると共に、縦板体9側には対応する位置に上記雌ねじ孔61、63よりも大径の貫通孔65、67が形成されている。そして、上記貫通孔65、67にねじ部材69、71を通し、上記雌ねじ孔61、63に螺合させるものである。
【0027】上記縦板体9は耕耘筒体31の耕耘爪取付面31aに溶接により固定されている。これに対して、ホルダ部11は縦板体9に対して移動可能に取り付けられている。そして、ホルダ部11を縦板体9に対して任意の角度で位置決めし、ねじ部材69、71を雌ねじ孔61、63に螺合させる。尚、角度の調整可能な範囲は、雌ねじ孔61、63より大径に形成された貫通孔65、67の径の範囲内である。又、貫通孔77も貫通孔73、75より大径に形成されているので、上記角度調整が許容される。
【0028】このように、ホルダ部11を耕耘筒体31の形状に応じた所定の角度に溶接により固定するのではなく、調整可能にしたのは、同じ耕耘筒体31においても、耕耘深さ等を変更するために、耕耘爪3の角度を調整したい場合があるからである。
【0029】又、この第5の実施の形態において、縦板体9に形成される貫通孔77、65、67を略放射方向に沿って長い長孔とすることにより、ホルダ部11を略放射方向に沿った突出方向に位置調整できるようになり、それによって、耕耘爪3の先端突出位置の調整が可能になる。これは、次のような場合に必要となる。すなわち、径の異なる耕耘筒体31、31を連結して使用する場合には、そのままでは、耕耘爪3の先端突出位置が異なってしまう。そこで、例えば、径の小さな耕耘筒体31側において、ホルダ部11を略放射方向に所定量だけ突出させ、それによって、耕耘爪3の先端突出位置を略放射方向外側に移動させ、径の大きな耕耘筒体31に取り付けられている耕耘爪3の先端突出位置に一致させるものである。
【0030】次に、図22を参照して本発明の第6の実施の形態を説明する。この場合にも、径が異なる別の種類の耕耘筒体31、31、31を連結する場合を例に挙げて示すものである。まず、図22(a)に示すように、径が大きな2個の耕耘筒体31、31の間に径が小さな耕耘筒体31を介挿して連結する。そして、図22(b)に示すように、径が大きな耕耘筒体31側においては、耕耘爪ホルダ1のホルダ部11をより内側に位置調整して固定する。これに対して、図22(c)に示すように、径が小さな耕耘筒体31側においては、耕耘爪ホルダ1のホルダ部11をより外側に位置調整して固定する。このように構成することより、全く同じ耕耘爪3を取り付けた場合に、各耕耘爪3のその突出位置を揃えることができる。
【0031】次に、図23乃至図25を参照して本発明の第7の実施の形態を説明する。この実施の形態の場合には、まず、ホルダ本体5の円弧状板体7に特徴がある。すなわち、この円弧状板体7は、その基部に設けられ略長方形をなす横長部7aと、この横長部7aの中央部に設けられ略三角形状に延長された延長部7bとから構成されている。この内、横長部7aは主に耕耘時に地面を蹴る作用をなすものであり、延長部7bは蹴り作用も備えてはいるが、主に掘り起こされた藁屑や草等が絡みつくことがないように回転方向後方に円滑に押しやる機能を発揮する。つまり、延長部7bの範囲を比較的狭いものとして(例えば、第1の実施の形態の場合に比べて)蹴り機能を基部に集中させて過度の蹴りを抑制し、それによって、耕耘筒31の必要以上の浮上を防止すると共に、藁屑や草等の絡み防止をより効果的に行うためである。
【0032】又、この実施の形態の場合には、ボルト23、ナット25、ワッシャ27の位置を前記各実施の形態とは逆向きにしている。つまり、耕耘爪3の先端部が湾曲している側からボルト23を差し込んで、反対側からワッシャ27を介してナット25を螺合させるようにしている。それによって、締結時に耕耘爪3がホルダ本体5の縦板体9側に押し寄せられた状態で締結・固定され、図24に示すように、ホルダ部11側との間には僅かな隙間81が形成された状態となる。又、ボルト23の頭部はホルダ部41の貫通孔21がボルト23の頭部と同じ形状に形成されているので、それによって、回り止めがなされている。又、締結・固定する場合には、まず、ボルト23を差し込んで反対側よりワッシャ27を通し、ナット25を螺合させていくことにより締め付けていくものである。
【0033】そもそも、縦板体9とホルダ部11とによって形成される空間の大きさは耕耘爪3の厚みに対して僅かに大きく設定している。したがって、締結・固定時には耕耘爪3が何れかの側に寄った状態となるわけであるが、その際、縦板体9側に積極的に押し付けて密着させることにより、耕耘時における支持をより強固なもとすることができる。つまり、図23中矢印aで示すように、耕耘時には耕耘爪3に対して湾曲している側から反対側に向かって力が作用する。その際、耕耘爪3が縦板体9に対して密着していることにより、その支持が確実なものとなるものである。因みに、反対側、すなわち、耕耘爪3の先端部が湾曲している側から締め付けた場合には、耕耘爪3がホルダ部11側、つまり、耕耘爪3の先端部が湾曲している側に密着した状態となり、縦板体9との間に隙間が形成されることになる。その状態で耕耘時に力が作用すると、隙間が存在するために耕耘刃3を充分に支持することができないことになる。その場合には耕耘刃3の肉厚を厚くすることにより対処することになるが(例えば、耕耘刃3の肉厚を基部にいくにしたがって徐々に厚くすることが行われている)、この実施の形態によればそのような必要はなく、耕耘刃3の肉厚を先端から基部に至るまで同じとすることができ、例えば、平板によって耕耘刃3を製造することができる。
【0034】次に、図26乃至図28を参照して本発明の第8の実施の形態を説明する。この実施の形態は、前記第2の実施の形態における円弧状板体9の形状を変えると共に、前記第7の実施の形態の場合のように、ボルト23、ナット25、ワッシャ27の向きを反対にしたものである。まず、円弧状板体9については蹴り機能を主にその基部に集中させるべく、先端部側の幅を小さくしている。これによって、過度の蹴りをなくすようにしている。ボルト23、ナット25、ワッシャ27の向きを反対にしたのは前記第7の実施の形態の場合と同じである。したがって、前記第7の実施の形態の場合と略同様の効果を奏することができる。
【0035】尚、本発明は前記第1〜第8の実施の形態に限定されるものではない。まず、耕耘筒体の形状としては図示したもの以外に様々なものが考えられ、何れのものに対しても適用可能である。又、耕耘筒体だけでなく耕耘軸体であっても適用可能である。要は、ホルダ本体に対してホルダ部を任意の位置に調整・固定し、それによって、例えば、耕耘筒体又は耕耘軸体の形状に起因した固有の取付状態を実現し、耕耘爪についてはこれを共通化する構成であればよく、よって、ホルダ本体、ホルダ部の構成についてはこれを特に限定するものではない。又、耕耘爪の形状等についてもこれを特に限定するものではない。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による耕耘爪ホルダによると、耕耘筒体又は耕耘軸体の形状に関係なく共通の耕耘爪を使用することが可能になった。これは、耕耘筒体又は耕耘軸体に応じて、ホルダ部のホルダ本体に対する取付位置を調整・固定するようにしたからであり、そこに取り付けられる耕耘爪についてはこれを共通化したからである。したがって、異なる形状の耕耘筒体又は耕耘軸体を複数種類備える場合においても耕耘爪については1種類のみを保管・管理すればよく保管・管理が容易になった。又、任意の形状の耕耘筒体又は耕耘軸体に取り付けられている耕耘爪を交換する場合において、従来のように別の種類の耕耘爪を取り付けてしまうといったこともなくなる。これは、耕耘爪自体が共通化されていて、何れの耕耘爪を取り付けても問題ないからである。したがって、異なる種類の耕耘爪を取り付けて耕耘効率が低下してしまうといったことをなくすことができる。又、耕耘爪の先端部が湾曲している側と反対側から締め付けて耕耘爪をその方向に押し付けた状態で締結・固定することにより、耕耘時における支持がより強固なものとなる。又、ホルダ本体に蹴り部を設けた場合には耕耘時にそれによって地面を蹴り推進力を得ることができる。又、蹴り部を回転方向後方に向かって幅が狭くなるように形成することにより、藁屑や草等の絡みを防止することができる。又、蹴り部による蹴り機能を基部に集中させて過度の蹴りを抑制することにより、耕耘筒体の不必要な浮上を防止することができる。又、耕耘爪を耕耘筒体又は耕耘軸体の軸方向に沿った方向からホルダ部に取り付ける場合において、両者間に係合構造を設けることにより耕耘爪の上記軸方向に直交する方向への抜けを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】594037198
【氏名又は名称】佐野 茂樹
【出願日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【代理人】 【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
【公開番号】 特開2001−275406(P2001−275406A)
【公開日】 平成13年10月9日(2001.10.9)
【出願番号】 特願2000−102444(P2000−102444)