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【発明の名称】 車軸型作業機
【発明者】 【氏名】金尾 洋平

【氏名】三木 輝正

【要約】 【課題】走行車軸に装着した回転作業具の作動による機体のダッシングを抑止しながら仕上がり状態良好に対地作業でき、走行車軸に走行車輪を装着して走行する際の安全性も確保される車軸型作業機を得る。

【解決手段】走行車軸に、回転作業具とそれとは背反に回転駆動されるダッシュ抑止具とを同軸心に支承装設して、回転作業具の作動による機体ダッシングを回転するダッシュ抑止具で抑止するようになし、回転作業具を取外した走行車軸に走行車輪を装着して走行する際にはダッシュ抑止具の外方を着脱自在な固装カバ−で被包するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ミッションケ−ス(2)の下部に支承横設する走行車軸(10)に、回転作業具(A)とその回転方向とは反対方向に回転駆動されるダッシュ抑止具(B)とを同軸心に支承装設して、回転作業具(A)の回転作動による機体ダッシュをダッシュ抑止具(B)によって抑止するようになし、回転作業具(A)を取外した走行車軸(10)に走行車輪を装着して走行する際には前記ダッシュ抑止具(B)の外方を着脱自在な固装カバ−(22)によって被包するようにしたことを特徴とする車軸型作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、走行車軸に装着する回転作業具でもって機体を推進しながら対地作業し、路上走行時などには回転作業具を取外した走行車軸に走行車輪を装着して走行する車軸型作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車軸型作業機で対地作業する際には走行車軸に装着した回転作業具によって機体を推進しながら対地作業するのであるが、この種の車軸型作業機は小型軽量な特性があることから、回転作業具の作動による機体のダッシング現象が殊に生じ易い傾向があるので、機体のダッシングを機体後尾部に装着する抵抗棒の抵抗作用でもって抑止するのが一般的になっている(例えば、特開昭59−153669号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機体後尾部に装着する抵抗棒の抵抗作用によって機体のダッシシングを抑止する従来のダッシュ抑止手段は、構造簡略な利点はあるけれども、操縦者が人為的に抵抗棒を圃場に押し付ける所作をすることによって付与抵抗を加減しなければならないから、付与抵抗力の加減具合が難しく、また、操縦者の負担も大きい上に、抵抗棒が作業後の圃場を進んでそれに草藁などが絡むために作業の仕上がり状態が著しく不整になるといった問題が生じる。
【0004】そこで、抵抗棒によるダッシユ抑止手段において生ずる上記の問題を解消するため、ダッシュ抑止手段を回転作業具に対し背反に回転する駆動抵抗具で構成して、回転作業具に対する駆動抵抗具の背反回転がもたらす相殺作用でもって機体のダッシングを抑止するように構成することが思考されるが、ダッシュ抑止手段を回転駆動抵抗具にすれば全体構造が複雑になって、小型軽量かつ低廉であるという車軸型作業機の特性が大きく損なわれるうえに、走行車軸に走行車輪を装着して走行する運行時には回転駆動抵抗具が周囲の他物に触れて自身或いは他物を損傷させるような事態が生起し易いといった別の問題が生ずる。
【0005】本発明は、ダッシュ抑止手段を回転駆動抵抗具で構成して、抵抗棒によるダッシユ抑止手段の問題点を解消するものでありながら、車軸型作業機の小型軽量かつ低廉であるという特性を大きく損なわせることがなく、また、走行車軸に走行車輪を装着して走行する際の安全性も確保されるようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、上記の課題を達成するため、ミッションケ−ス(2)の下部に支承横設する走行車軸(10)に、回転作業具(A)とその回転方向とは反対方向に回転駆動されるダッシュ抑止具(B)とを同軸心に支承装設して、回転作業具(A)の回転作動による機体ダッシュをダッシュ抑止具(B)によって抑止するようになし、回転作業具(A)を取外した走行車軸(10)に走行車輪を装着して走行する際には前記ダッシュ抑止具(B)の外方を着脱自在な固装カバ−(22)によって被包するようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、図1は本発明による車軸型作業機の側面図、図2は同じく車軸型作業機の正面図、図3は要部の伝動断面図である。
【0008】図1〜図3において、(1)はエンジン、(2)はミッションケ−ス、(3)はフェンダ、(4)は操縦ハンドル、(5)はバンパ−、(6)は後部ヒッチであり、これらによって車軸型作業機の機体が構成されている。また、(7)はスロットルレバ−、(8)はクラッチレバ−である。
【0009】エンジン(1)は、ミッションケ−ス(2)の上部に直装され、その出力部がメインクラッチ(遠心クラッチ等)を介してミッションケ−ス(2)に収容する走行伝動機構(9)に連動連結されており、走行伝動機構(9)は、ミッションケ−ス(2)の下部に水平横向きに軸受装設されている走行車軸(10)を回転駆動するようになっている。
【0010】走行車軸(10)は、ミッションケ−ス(2)から左右に突出して設けられ、その突出部に回転作業具(A)が着脱自在に取り付けられ、該回転作業具(A)によって機体を推進しながら対地作業が行われるのであるが、図示された回転作業具(A)は、走行車軸(10)に嵌装楔着する筒軸(11)の外周に適宜形状の耕耘爪(12)を配置し、且つ、筒軸(11)の外端部に作業深度設定用のゲ−ジホイル(13)を設けて構成されている。
【0011】しかして、回転作業具(A)によって機体を推進しつつ対地作業が行われる場合には、回転作業具(A)の作動により機体がダッシュされる傾向を生じるので、その機体ダッシュを抑止するために、本発明にあっては、回転作業具(A)に対して反対方向に回転駆動されるダッシュ抑止具(B)が設けられているのであって、その具体的な一例が図3に示されている。
【0012】図3において、ダッシユ抑止具(B)は、走行車軸(10)を中心部に貫通してミッションケ−ス(2)の横脇部に固装される基体(14)と、基体(14)の外側に対向位置して走行車軸(10)に自由回転状態に軸受支持される外体(15)と、基体(14)および外体(15)によって形成されるケ−ス内部に収容組成される逆転駆動機構と、前記外体(15)の外周に取り付けられるダッシュ抑止用耕耘爪(16)とで構成されている。
【0013】前記逆転駆動機構は、走行車軸(10)に固定される駆動ギア(17)と、それに噛合するアイドルギア(18)と、アイドルギア(18)に噛合する中間ギア(19)と、中間ギア(19)に噛合して走行車軸に遊転支持される最終ギア(20)とで構成され、最終ギア(20)が外体(15)に形設されている受動ギア(21)に噛合されて、外体(15)、つまり、それに装着されているダッシュ抑止用耕耘爪(16)を、回転作業具(A)の耕耘爪(12)に対して反対方向に回転駆動するものとなっている。
【0014】なお、回転作業具(A)とダッシュ抑止具(B)とは、回転作業具(A)による機体推進力をダッシュ抑止具(B)による推進阻止力よりも大に設定して、ダッシュ抑止具(B)でもって機体のダッシュを抑止しながら回転作業具(A)によって適正に機体が推進されるような関係にして設けられるのであり、具体的には、回転作業具(A)の作業幅をダッシュ抑止具(B)の作業幅より大きくする、回転作業具(A)の耕耘爪(12)とダッシュ抑止具(B)の耕耘爪(16)の形状を異ならせる、あるいは回転作業具(A)に対してダッシュ抑止具(B)の回転を遅く設定するなどの適宜手段によって回転作業具(A)による機体推進力>ダッシュ抑止具(B)による推進抑止力の関係を現出するものである。
【0015】また、実施例に示した車軸型作業機は、走行車軸への伝動系にサイドクラッチを有しないタイプのものとなっているが、本発明は、走行車軸への伝動系にサイドクラッチを有するタイプの車軸型作業機に適用できることは当然であり、さらに、走行車軸への伝動系が前後進切り換え可能に構成されるものにも適用できるのであって、その場合には、回転作業具およびダッシュ抑止具に装着する耕耘爪を正逆両用のものにすればよい。
【0016】そして、ダッシュ抑止具(B)を回転駆動する逆転駆動機構は、図3に示した具体例のものに限定されるものではなく、要は、回転作業具(A)に対してダッシュ抑止具(B)を反対向きに駆動できるものであれば他にいかように変形構成されても差し支えない。
【0017】図3中の(22)は、ダッシュ抑止具(b)の外方を被包するように装着固定することができる着脱自在のカバ−であり、該カバ−(22)は、回転作業具(A)を取外した走行車軸(10)に走行車輪(図示省略)を装備して路上走行するときなどに、耕耘爪(16)を取外したダッシュ抑止具(B)を覆うものである。
【0018】
【発明の効果】本発明による車軸型作業機においては、走行車軸(10)に装着された回転作業具(A)によって対地作業を行いつつ機体が推進される際に、回転作業具(A)に対して背反に回転するダッシュ抑止具(B)が、回転作業具(A)の作動によって機体がダッシュされようとするのを適正に抑止するので、小型軽量な車軸型作業機であるにも拘らず機体ダッシュのない良好な対地作業が行われ、抵抗棒によらないので操縦者が人為的に抵抗棒を圃場に押し付ける調整所作が不要になって操縦者負担が軽減され、抵抗棒が作業後の圃場を進行してそれに草藁などが絡むようなこともないから仕上がり状態良好に対地作業できる。
【0019】さらに、回転作業具(A)と、同具(A)の回転方向とは背反方向に回転駆動されるダッシュ抑止具(B)を共に走行車軸(10)に同軸心に支承装設し、回転作業具(A)を取外した走行車軸(10)に走行車輪を装着して走行する際には前記ダッシュ抑止具(B)の外方を着脱自在な固装カバ−(22)によって被包するようにしてあるので、回転駆動抑止具を備えながらもそれが比較的簡潔コンパクトに纏まることとなって車軸型作業機の小型軽量かつ低廉であるという特性を大きく損なわせることがなく、また、走行車軸に走行車輪を装着して走行する際の安全性も確保される。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成5年7月2日(1993.7.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−269002(P2001−269002A)
【公開日】 平成13年10月2日(2001.10.2)
【出願番号】 特願2001−63445(P2001−63445)