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【発明の名称】 農作業用台車
【発明者】 【氏名】長島 正

【氏名】小野 敏通

【氏名】岩岡 百合江

【氏名】金坂 菜穂子

【氏名】竹内 和江

【要約】 【課題】ハウス栽培のイチゴの収穫等に用いるに適し、往復の作業が可能で、全体のサイズを大きくしなくても、荷台を広く取り得る農作業用台車を提供すること。

【解決手段】農作業用台車1は、畝間路を走行する走行車輪20,21を前後に備えると共に前後の走行車輪20,21の中間に座席取付部22を備え、相互に実質的に平行な一対の細長い走行部10a,10bと、該一対の走行部が走行する二つの畝間路の間の畝を跨ぐように幅方向Bに延び、該一対の走行部10a,10bをつないだ荷台支持部30と、一対の走行部10a,10bの座席取付部のうちの一方の座席取付部22aに近接し他方の座席取付部22bから幅方向Bに離間した位置L1と他方の座席取付部22bに近接し一方の座席取付部22aから幅方向Bに離間した位置L2との間で、幅方向Bに位置調整可能に荷台支持部30に取付けられた荷台と60を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 畝間路を走行する走行車輪を前後に備えると共に前後の走行車輪の中間に座席取付部を備え、相互に実質的に平行な一対の細長い走行部と、該一対の走行部が走行する二つの畝間路の間の畝を跨ぐように幅方向に延び、該一対の走行部をつないだ荷台支持部と、一対の走行部の座席取付部のうちの一方の座席取付部に近接し他方の座席取付部から幅方向に離間した位置と他方の座席取付部に近接し一方の座席取付部から幅方向に離間した位置との間で、幅方向に位置調整可能に荷台支持部に取付けられた荷台とを有する農作業用台車。
【請求項2】 座席が取外し可能に座席取付部のうちの少なくとも一方に取付けられている請求項1に記載の農作業用台車。
【請求項3】 荷台が幅方向に並進可能に荷台支持部に取付けられている請求項1又は2に記載の農作業用台車。
【請求項4】 荷台支持部が、折畳み可能に構成されている請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の農作業用台車。
【請求項5】 荷台支持部は、一対の走行部のうちの一方の走行部の前後の車輪が走行可能に地上に載置された際他方の走行部の前後の車輪が上向きになるように、前後方向に延びた回転軸線のまわりで相対回転可能な二つの部分からなる請求項4に記載の農作業用台車。
【請求項6】 荷台支持部が、一対の走行部の幅方向に向合った端部をつなぐべく前後方向に対してほぼ垂直な面内に位置する前側及び後側のフレーム部と、この二つのフレーム部を幅方向の中央部において連結すべく前後方向に延びた連結フレーム部とを有する請求項1から5までのいずれか一つの項に記載の農作業用台車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作業用台車に係り、より詳しくは、例えば、イチゴ等の農作物の収穫作業などに用いられるに適した農業用台車に係る。
【0002】
【従来の技術】従来知られているイチゴの収穫作業用台車(以下では「イチゴ収穫台車」ともいう)100は、図7に示したように、平行な一対の細長い走行部104,104すなわち104a,104bを有する(二つの走行部やその部品などを区別するときは、104a,104bのように、添字「a」,「b」を付し、総称するときは、「104」のように添字をつけないで示す)。走行部104aは、畝間路すなわち畝の間の通路を走行する走行車輪101a,102aを前後に備えると共に、前後方向Aに関して走行車輪101a,102aの間に座席103aを備える。同様に、走行部104bは、畝間路を走行する走行車輪101b,102bを前後に備えると共に、前後方向Aに関して走行車輪101b,102bの間に座席103bを備える。なお、走行部104aの座席103aに腰掛けてイチゴの収穫作業を行なう場合、前は、向きA1であり、走行部104bの座席103bに腰掛けてイチゴの収穫作業を行なう場合、前は、A1とは反対の向きA2である。
【0003】イチゴ収穫台車100は、更に、一対の走行部104a,104bが走行する畝間路の間の畝を跨いで延び、該一対の走行部104a,104bをつなぐ荷台105を有する。荷台105は、一方の走行部104aの座席の後端から幅方向Bに延びた一方の幅方向延在部106aと、該延在部106aの延在端107aに一致する一端108aからA,B方向に対して斜めに、即ち斜め前方に、延びた斜行横断部109と、斜行横断部109の延在端108bに一致する端部107bから幅方向Bに延びた他方の幅方向延在部106bとを有する。荷台105は、走行部104aの後端から一体的に立上がった一方の荷台支持部110aと、走行部104bの後端から一体的に立上った他方の荷台支持部110bとによって、その両端の幅方向延在部106a,106bで、支持されている。
【0004】このイチゴ収穫台車100では、収穫作業者が、一方の座席103aに腰掛けた状態で、座席103aの両側の畝の手前側にあるイチゴを収穫しながら、足で蹴ってA1方向に進行し、次に、他方の座席103bに腰掛け直した状態で、座席103bの両側の畝の手前側にあるイチゴを収穫しながら、足で蹴ってA2方向に進行する。収穫されたイチゴは、荷台105上に載置したコンテナないしケースに収穫と同時に収容していく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この収穫作業用台車100の場合、荷台105が実際上固定されているので、作業者が座席103a及び座席103bのいずれの側にも腰掛け得るように作業者の腰掛けるスペースを空けると共に作業者の収穫作業の邪魔にならないようにすべく、荷台105の各部における実質的な幅(B方向長さ又は延在方向に直角な方向の長さ)を幅方向の両側において小さくせざるを得ない。また、荷台105の載置面積を極力大きくすると共に荷台105を荷台支持部110(110a,110b)により十分な強度で支持し得るようにするためには、荷台105を、走行部104a,104bの夫々の後端部まで延在させ且つ前後方向Aにある程度の長さを確保する必要があるから、台車100の前後方向の長さが大きくなり易い。また、荷台105を斜行させつつ十分な剛性を荷台105に付与するためには、荷台105を比較的剛性の高い太い素材で形成する必要があり、重量が大きくなり易い。その結果、該荷台105を支持する荷台支持部110や該支持部110及び荷台105を支持する走行部104をも比較的剛性の高い太い素材で形成せざるを得ない。従って、台車100は、全体として比較的大型にならざるを得ず、且つ比較的重くならざるを得ない。
【0006】なお、イチゴ収穫台車として、もっぱら幅方向の一方の側に腰掛けるようにしたものは、種々提案されているけれども(例えば、実開平6‐46421号公報や特開平10−309116号公報など)、これらの台車では、畝の一端から他端まで作業をする毎に台車を次の畝に移動させる必要があり、手間がかかるだけでなく移動頻度が高く煩雑である。
【0007】本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、往復の作業が可能で、全体のサイズを大きくすることなくしても、荷台を広く取り得る農作業用台車を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の農作業用台車は、上記目的を達成すべく、畝間路を走行する走行車輪を前後に備えると共に前後の走行車輪の中間に座席取付部を備え、相互に実質的に平行な一対の細長い走行部と、該一対の走行部が走行する二つの畝間路の間の畝を跨ぐように幅方向に延び、該一対の走行部をつないだ荷台支持部と、一対の走行部の座席取付部のうちの一方の座席取付部に近接し他方の座席取付部から幅方向に離間した位置と他方の座席取付部に近接し一方の座席取付部から幅方向に離間した位置との間で、幅方向に位置調整可能に荷台支持部に取付けられた荷台とを有する。
【0009】本発明の農作業用台車では、「畝間路を走行する走行車輪を前後に備えると共に前後の走行車輪の中間に座席取付部を備え、相互に実質的に平行な一対の細長い走行部」が設けられているから、収穫や草取りなどの作業をする際、一対の走行部が畝を跨いで畝間路に沿って位置するように台車を配置し、畝を挟んで位置する一対の走行部のうちの一方の走行部の座席取付部のところに腰掛けて畝の延在方向の例えば一端から他端まで一の向きに台車を進めながら該一方の走行部の例えば両側の畝のうち該一方の走行部に近接する領域について作業を行ない、次に、一対の走行部のうちの他方の走行部の座席取付部のところに腰掛け直して畝の延在方向の例えば他端から一端まで前記一の向きとは反対の向きに台車を進めながら該他方の走行部の例えば両側の畝のうち該他方の走行部に近接する領域について作業を行ない得る。
【0010】しかも、本発明の農作業用台車では、「一対の走行部の座席取付部のうちの一方の座席取付部に近接し他方の座席取付部から幅方向に離間した位置と他方の座席取付部に近接し一方の座席取付部から幅方向に離間した位置との間で、幅方向に位置調整可能に荷台支持部に取付けられた荷台」が設けられているから、一対の走行部のうちの一方の走行部の座席取付部のところに腰掛けて作業をする場合には、荷台を他方の座席取付部に近接し一方の座席取付部から幅方向に離間した位置に位置調整しておくことにより、該一方の座席取付部のまわりに作業者が腰掛けるスペース及び作業をするスペースを確保し得、他方の走行部の座席取付部のところに腰掛けて作業をする場合には、荷台を一方の座席取付部に近接し他方の座席取付部から幅方向に離間した位置に移動・位置調整しておくことにより、該他方の座席取付部のまわりに作業者が腰掛けるスペース及び作業をするスペースを確保し得る。その結果、作業者が、一方及び他方の座席取付部のところの両方に腰掛けて作業するスペースを確保し得るにもかかわらず、荷台が固定されている場合に同様なスペースを幅方向の両側に確保しようとするときと比較して、荷台の幅を大きく即ち荷台を広くし得る。従って、荷台上に並設配置可能なコンテナないしケースの数を多くしたり荷台上に配置されるコンテナないしケースの大きさ(広さ)を大きくすることが可能になる。その結果、例えば、収穫作業の場合、収穫と同時に収穫物を例えば粗選別してコンテナの上に又はコンテナ内の所望領域に区分けして配置することが可能になる。
【0011】また、本発明の農作業用台車では、荷台が幅方向に位置調整可能であるから、図7に示した従来の台車と比較した場合、荷台の面積を同程度にとろうとして作業者が腰掛ける領域の後に荷台を延ばしたりする必要がないから、台車の前後方向の長さを最小限にすることが可能になる。なお、台車の前後方向の長さが比較的長くてもよい場合には、所望ならば、作業者が腰掛ける領域の後に荷台の一部を形成しておいてもよく、その場合には、図7に示した従来の台車よりも荷台を広くし得ることになる。
【0012】この明細書において、畝間路とは、並んで実際上並設される畝の間の通路をいい、畝の両側の通路ないし溝に対応する。従って、最も端の畝であって隣接する畝がない場合における通路も含む。また、「前」や「後」は、台車の進行方向をいい、「前後方向」は、畝や畝間路の延在方向及び走行部の延在方向に一致する。また、「幅方向」は、畝の幅方向で、台車の一対の走行部をつなぐ方向に一致し、典型的には、畝の延在方向に対して直角で、また典型的には、走行部の延在方向に対して直角である。
【0013】台車の幅方向の両端に位置する一対の走行部は、台車の進行を可能にする走行車輪を有する。一対の走行部は、典型的には、向きが反対で同一構造且つ同一形状である。従って、台車の「前」及び「後」は、座席取付部を利用する側の走行部に依存する相対的なものである。但し、走行部が他の必要条件を満たす限り、一対の走行部の構造や形状は、異なっていてもよい。
【0014】走行部は、走行車輪を前後に有する。但し、少なくとも一方の走行部が、前側及び後側の走行車輪以外に、更に別の車輪を、前後の走行車輪を結ぶ直線に沿って又は該直線からズレた位置に備えていてもよい。
【0015】走行部は、前後の車輪の中間に座席取付部を有する。ここで、「中間」とは、前後方向に関して前後の車輪の間の位置をいう。座席取付部は、典型的には、前側走行車輪よりも後側走行車輪に近いところに位置するけれども、場合によっては、前側及び後側走行車輪から等距離のところでも、後側走行車輪よりも前側走行車輪に近いところに位置していてもよい。座席取付部は、典型的には、座席のうちの取付け部分の形状と相補的形状の被取付け部分を有するけれども、座席が取付けられ得る構造ないし形状であれば、どのようなものでもよい。
【0016】走行部は、典型的には、前側及び後側走行車輪を支えるべく前後方向に延びた側部フレームを有する。この側部フレームは、典型的には、前後方向に直線状に水平に延び、その側部フレームに、座席取付部が形成されている。但し、所望ならば、側部フレームが水平な直線状である代わりに、上下に湾曲したり折れ曲がっていても、また場合によっては、左右(幅方向)に湾曲したり折れ曲っていても、三角形等の如き平面的な拡がりを有するように、複数のフレーム部分からなっていてもよい。その場合、座席取付部は、上下方向の高い位置若しくは低い位置にあっても中間的な高さの位置にあってもよく、幅方向の外側若しくは内側又は幅方向中央で前後の車輪をつなぐ直線上の位置にあってもよい。
【0017】なお、前後の走行車輪の間隔は、一定でも可変でもよい。後者の場合(側部フレームがあるときには)、例えば、側部フレームの長さを調整可能にしておいても、側部フレームに対する走行車輪の前後方向の取付け位置を調整可能にしておいてもよい。
【0018】座席取付部には、座席が取り付けられる。座席は、典型的には、取外し可能に座席取付部に取付けられる。但し、所望ならば、座席が、実際上取外し不可能に座席取付部に取付けられていてもよい。座席は、その高さが調整可能に座席取付部に取付けられても、座席取付部に対して一定の高さに装着されるようにしておいてもよい。前者の場合、座席の座席取付部に対する高さが調整可能であっても、座席が取り付けられる座席取付部の地面(車輪の下端)からの高さが調整可能であってもよい。座席は、前後の向きがある形態でも、前後ろの向きがない形態でもよい。
【0019】座席は、典型的には、作業者が該座席に腰掛けた状態で、足で地面を蹴って台車を前進させ得るように、足が地面に着くような高さを有する。但し、例えば、電池駆動のモータのような動力を利用して台車を動かす場合には、座席の高さは、より高くてもよい。
【0020】なお、座席の高さは、基本的には、作業者が座席に腰掛けた状態で、隣接する畝にある農作物の収穫や手入れを行なうに都合のよい高さに設定される。従って、畝の表面の高さ(畝間路に対する畝の表面の高さ)と畝の表面に対する農作物の被作業部位(例えばイチゴが垂れ下がって着果する部位)までの高さや手入れを行なうべき部位の高さを考慮して、座席の高さを決めればよい。台車による作業対象となる農作物の典型的な例は、イチゴなどであるけれども、葉物の野菜や実をとるタイプの野菜や果実など他のものでもよく、例えば園芸用の花などでもよい。また、手入れとしては、葉や茎の剪定や間引きや雑草の除去等どのような作業でもよい。同一の農作物でもその生育時期により高さが異なり得るから、それに応じて座席の高さを調整するようにしてもよい。なお、座席の高さは、基本的には、畝間路に対する畝の高さである。従って、走行車輪のサイズの増減で補償し難いような場合には、農作物の生育に支障がない限り、所望ならば、台車を用いた作業を楽に行ない得るように、当該農作物の育成のための通常のときと比較して、畝間路に対する畝の高さを高く又は低くすべく、畝間路の車輪走行路部分を低く掘り下げたり高くしたりしてもよい。
【0021】なお、本発明の農作業用台車は、例えば、ビニールハウスなどのハウス栽培や温室栽培などに利用可能なように、小型化され得るけれども、畝間路を形成し得る限り、露地栽培の農作物の収穫や手入れ等に用いてもよい。
【0022】一対の走行部に関して、「実質上平行」とは、畝間路が平行であることにより少なくとも、一対の走行部の夫々が畝間路に沿って進行する際、走行部が実際上畝間路に沿って位置し畝上に大きく出っ張ることがないことをいい、各走行部の走行車輪を結ぶ方向が厳密に平行でなくても、また走行部の一部が幅方向外側や内側に張出して場合によっては全体として畝間路に対して斜めに延在しているように見えてもよい。但し、典型的には、一対の走行部の夫々は、通常は直線状で且つ平行な対応する畝間路に沿ってほぼ直線状に延在する。その結果、走行部は、相互に平行である。
【0023】荷台支持部は、一対の走行部が走行する二つの畝間路の間の畝を跨ぐように幅方向に延びて該一対の走行部をつないでいる。従って、荷台支持部は、一対の走行部を連結固定する役割と、この連結固定機能に伴う剛性によってその荷台を支持する役割とを有する。
【0024】荷台支持部は、畝を跨ぎ得るように、前又は後ろから見て、典型的には、逆U字状の形状を有する。即ち、荷台支持部は、典型的には、走行部のところ(畝間路のところ)で走行部から上に延びた第一及び第二の(例えば、前側及び後側の)上下方向側部フレーム部と、上下方向側部フレーム部の上端部から畝を跨ぐように幅方向に延びた第一及び第二の(例えば前側及び後側の)幅方向(横方向)フレーム部と、畝間路のところ(走行部のところ)で幅方向フレーム部の延在端部から下方に走行部まで延びたもう一つの第一及び第二の(前側及び後側の)上下方向側部フレーム部とを有する。なお、上下方向側部フレーム部は、その一部又は大半が、走行部の一部分であってもよく、その場合、荷台支持部は、上下方向側部フレーム部を実際上全く若しくはほとんど有しないか、短い上下方向側部フレーム部を有することになる。荷台支持部を構成する前側及び後側のフレーム部は、所望の剛性を備えるように、典型的には、少なくとも一本の前後方向連結フレーム部により連結されている。なお、前後方向の連結フレームは、荷台を移動させた場合に、幅方向の両端の走行部に作業者が腰掛けて作業するスペースを空け得るように、台車の幅方向の両端近傍からある程度離れたところ、典型的には幅方向の中央部に設けられる。
【0025】荷台支持部は、荷台を支持し、典型的には、該荷台上に農作業の成果物(収穫作業であれば収穫物、剪定や間引きや草取りなどであれば取除いた物)が収納されるコンテナないしケース又はカゴなどが載置される。従って、荷台支持部の高さは、典型的には、座席に腰掛けた作業者が、農作業に伴って、畝から取った成果物を直ちに荷台に載置したコンテナ等に入れ易い高さに選択ないし設定される。但し、所望ならば、例えば、荷台支持部に、荷台を吊り下げてその荷台上に成果物収納ケース等を載置したり、荷台支持部で支持した荷台に成果物収納ケース等を吊り下げたりしてもよく、その場合、荷台支持部は、ケースなどが作業に適した高さになるようにより高い高さに設定される。なお、荷台支持部は、典型的には、その高さが調整可能なように、構成される。
【0026】荷台支持部の幅は、典型的には、一対の走行部間の畝の幅よりも作業者の足の幅の二倍程度大きく、典型的には、一条の畝の幅及び一条の畝間路の幅の和と同程度である。但し、何らかの理由で、畝の幅を比較的小さくとるような場合には、複数条の畝を一度に跨ぐような幅を有していてもよい。なお、荷台支持部は、典型的には、その幅も調整可能に構成される。
【0027】荷台は、一対の走行部の座席取付部のうちの一方の座席取付部に近接し他方の座席取付部から幅方向に離間した位置と他方の座席取付部に近接し一方の座席取付部から幅方向に離間した位置との間で、幅方向に位置調整可能に荷台支持部に取付けられている。荷台の荷台支持部に対する幅方向位置の調整は、典型的には、荷台を荷台支持部に対して幅方向に並進可能にすることにより、実現され、並進は、典型的には、実際上摺動による。但し、所望ならば、荷台がローラの如き転動機構などのような他の手段を介して荷台支持部に対して並進可能であってもよく、また、荷台が荷台支持部に対して並進される代わりに、回転ないし揺動されて荷台支持部に対する荷台の位置が調整され得るようになっていてもよい。回転ないし揺動の軸線は、ほぼ鉛直な軸線でもほぼ水平な前後方向の軸線でもよい。また、場合によっては、荷台を荷台支持部に取付られた状態のまま可動とする代わりに、荷台を荷台支持部に対して着脱可能に構成すると共に、荷台支持部のうちの幅方向にみて異なる複数の部位のうちのいずれかの部位に荷台支持部を選択的にとりつけ得るようにして、荷台の荷台支持部に対する幅方向の位置を調整可能にしておいてもよい。
【0028】農作業用台車は、そのままの形態で持ち運ばれてもよいけれども、典型的には、台車を運ぶ際に台車全体がより小型化され得るように折畳み可能である。この折畳みは、典型的には、最もサイズが大きい荷台支持部を他の部分の変形を要しないようにその前後方向に延びた軸線のまわりで二つ折りなどの形で折畳み可能にすることにより実現される。
【0029】この場合、両側の走行部が近接するように荷台支持部を折畳むように構成しておいてもよいけれども、典型的には、一対の走行部のうちの一方の走行部の前後の車輪が走行可能に地上に載置された際他方の走行部の前後の車輪が上向きになるように、荷台支持部を、前後方向に延びた回転軸線のまわりで相対回転可能な二つの部分から構成する。これによって、一方の走行部をその前後の車輪が走行可能に地上に載置した状態で、上向きになった車輪を備えた走行部を保持しつつ、台車を移動させることが可能になる。すなわち、この状態では、農作業用台車の幅を、その通常使用時の幅の半分程度に小さくすることが可能になり、例えば、幅が比較的狭いハウスの出入口等でも、台車を持ち上げることなく、台車の走行車輪の転動機能を利用しつつ台車を押して又は引いて台車を移動させ得る。その結果、台車を用いる場合でも、女性や年配者のような比較的非力な人でも、最初から最後まで一人で農作業を行なうこと即ち省力化が可能である。なお、この場合、相対回転軸は、実際上固定されていても可動でもよい。後者の場合、例えば、荷台支持部のうち相対回転可能とすべき一方の部分例えば大径管状部の端部近傍の周壁の直径方向に対向する部分に該管状部の延在方向に延びた一対のスロット状の溝を形成しておくと共に、大径管状部と他方の部分(小径管状部)との間に一端側の直径方向延在ピン状部で大径管状部の溝に係合し他端側の直径方向延在ピン状部において小径管状部の先端近傍に該ピン状部の軸線のまわりで回転可能に係合したリンク部材を設けておき、両方の管状部の嵌合が解除されるまで溝に沿ってピン状部を引出した後、一端側及び他端側の直径方向延在ピン状部のまわりで、相対回動させるようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明による好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて、説明する。
【0031】
【実施例】図1から5には、本発明による好ましい一実施例の農作業用台車としてのイチゴ収穫台車1が示されており、図6には、イチゴ収穫台車1を用いて作業を行なうハウス90内の畝91の平面配置ないし構成(鉛直断面については図3参照)が示されている。このイチゴ収穫台車1は、ハウス栽培のイチゴ等の収穫などに用いられるに適したものであるけれども、収穫作業以外の作業に用いられても、イチゴ以外の農作物に対する作業に用いられても、露地栽培などのようにハウス栽培以外のものに対する作業に用いられてもよい。以下の例では、イチゴのハウス栽培の場合の一例のサイズを具体的に示しているけれども、台車1の各部のサイズは、作業者を含めた種々の作業環境に応じて調整又は変更すればよい。
【0032】図1の側面図、図2の平面図、図3の正面図、及び図4の斜視図からわかるとおり、イチゴ収穫台車1は、幅方向Bの両端に走行部10,10(区別するときには一方に10aの如く添字aをつけ、他方に10bの如く添字bをつけて示す、他の部材ないし部位などについても同様、但し、走行部10の場合には、作業者が右側の走行部10aに位置するときには例えばA1方向に進行し、左側の走行部に位置するときには反対の向きA2に進行するから、前後も逆転するので、台車1については「前」及び「後」は相対的なものである)を有し、二つの走行部10a,10bは、荷台支持部30で連結されている。荷台支持部30には、荷台60がB1,B2方向に並進移動可能に取付けられており、荷台60には、図2において想像線95で示したようなコンテナ(入れ物)ないしケースが配置される。この台車1は、例えば、前後方向Aの長さが115cm程度、幅方向Bの長さが100cm程度〜120cm程度の範囲内で可変、荷台60までの高さが56cm程度〜72cm程度の範囲内で可変であり、荷台60の幅(幅方向Bの長さ)は50cm程度である。但し、台車1のこれらのサイズは、畝91の幅(横断面が図3に示したように台形であるときは底辺が例えば80cm程度で頂辺が例えば70cm程度)、畝間路(例えば30cm程度)92に対する畝91の高さ(例えば30cm程度〜40cm程度)や作物の作付け部位(例えば、通常幅の畝の幅方向の各端部から20cm程度の範囲に夫々一列に配列)背丈や着果部位(畝の頂面よりも10cm程度〜20cm程度下のところで畝の傾斜側面に沿って着果)、作業者の座高や身長や肩幅や脚部の長さ等に応じて、適宜調整又は変更され得る。
【0033】走行部10は、前後方向Aに延びた四角な鋼管製の側部水平フレーム11と、該側部水平フレーム11の両端12,13から該フレーム11に対して直角に上下に延びた円筒状鋼管製の側部鉛直(上下方向)フレーム14,15と、側部鉛直フレーム14,15の下端部16,17から幅方向外向きB1に水平に延びた走行車輪支持軸18,19と、走行車輪支持軸18,19に回転自在に支持された前後の走行車輪20,21と、前側及び後側走行車輪20,21の間で前側走行車輪20よりも後側走行車輪21に近いところにおいて、側部水平フレーム11から上向きに突出した円筒状鋼管製の座席取付部22とを有する。座席取付部22には、座席構造体23の座席本体部24から下向きに延びた鋼製で円柱状の装着係合部25が上下方向Vに摺動可能に嵌合され、鋼管22に螺合された止ネジ部を備えた止め具26で固定されている。座席本体部24の高さを調整しない場合止め具26は不要で、座席本体部24は、例えば、40cm程度〜42cm程度の範囲内の所望の一定の高さに設定される(以下では止めネジ26を用いず高さ調整を行なわない例を中心に説明する)。なお、図2において、想像線Dで示した領域は、座席24に作業者が腰掛けた場合に作業者の体が占有する領域である。車輪20,21の外周面の前端から後端までの前後方向Aの最大距離は、例えば115cm程度であり、車輪20,21の中心軸線間のA方向の間隔は例えば85cm程度、車輪20,21の直径は例えば31cm程度である。
【0034】各フレーム11,14,15は、座席24に腰掛ける作業者の荷重や荷台60に載置される収穫物などの荷重や台車1の走行時の負荷などに耐えてその形状を維持し得る限り、その材質や太さや断面形状などは適宜変更され得、例えば、鋼製の代わりに、アルミニウム合金製など他の材料からなっていてもよい。但し、台車1は、全体として、最小限の材料で軽く形成することも可能であるから、材料コストを最小限にすべく安価な鋼製等であってもよい。以下に説明する他の荷重支持構造部材についても同様に、典型的には、丸形や角形の鋼管及びその溶接接合体からなる。
【0035】従って、走行部10の前後の車輪20,21は側部水平フレーム11に沿ってA方向に一直線に並んでおり、且つ図3や図4からわかるように、地上付近では、走行車輪20,21と側部水平フレーム11の幅とを加えた程度の小さい幅で細長い形状をしている。また、左右の側部水平フレーム11b,11aは相互に平行で、左右の走行部10b,10aも実際上相互に平行である。
【0036】右側及び左側の走行部10a,10bは、畝91を跨ぐように構成された荷台支持部30により、連結されている(図3)。荷台支持部30は、A1方向に関して前側に位置する前側フレーム40とA1方向に関して後側に位置する後側フレーム50と前側及び後側フレーム40、50を連結する連結フレーム31とを有する。ここで、前側及び後側フレーム40,50は、夫々、台車1がA1方向に進行するとき前及び後になる側のフレームで、台車1がA2方向に進行するときには、後側フレーム50が前になり前側フレーム40が後になって、前後が逆転する。前後のフレーム40,50間のA方向の距離は、例えば、85cm程度である。
【0037】前側フレーム40と後側フレーム50とは、台車1のA方向の中点を通りA方向に対して垂直な(仮想的な)平面に関して鏡映対称な形状であり、以下では、主として前側フレーム40について説明するけれども、その説明は、前後関係を除いて、実際上後側フレーム50についてもそのまま当てはまる。従って、前側フレーム40の構成部品や部位に対応する後側フレーム50の構成部品や部位については、最初の「4」の代わりに「5」を用いる点を除いて、実際上同一の符号で表す。
【0038】前側フレーム40は、図1に示したように、小径下端部41が右側走行部10aの前側の筒状の上下方向フレーム部14aにC方向に摺動可能に嵌合されて止ネジ部27aにより固定された第一の上下方向フレーム部42と、図3及び図4に示したように、上下方向フレーム部42の上端部で湾曲した後水平に幅方向B2に延びた幅方向水平フレーム部43と、幅方向水平フレーム部43の延在端で湾曲した後鉛直方向下向きに延びた第二の上下方向フレーム部44とを有し、該第二の上下方向フレーム部44の下端部は、左側走行部10bの筒状の上下方向フレーム部15bにC方向に摺動可能に嵌合されて止ネジ部28bにより固定されている。幅方向延在水平フレーム部43は、相互に嵌合された二つの部分45,46からなり、図2に示したように、例えば、円筒状の第一の水平部分45内に第二の水平部分46の小径先端部46aを所望の深さまで嵌め込んで止めネジ43fで固定することにより、幅方向延在水平フレーム部43のB方向の長さが例えば100cm〜120cm程度の範囲内で調整可能である。なお、フレーム40の水平フレーム部43の高さは、例えば、56cm〜72cm程度の範囲内で可変である。
【0039】同様に、後側フレーム50は、図1に示したように、小径下端部51が右側走行部10aの後側の筒状の上下方向フレーム部15aにC方向に摺動可能に嵌合されて止ネジ部28aにより固定された第一の上下方向フレーム部52と、図3及び図4に示したように、上下方向フレーム部52の上端部で湾曲した後水平に幅方向B2に延びた幅方向水平フレーム部53と、幅方向水平フレーム部53の延在端で湾曲した後鉛直方向下向きに延びた第二の上下方向フレーム部54とを有し、該第二の上下方向フレーム部54の下端部55(図示せず)は、左側走行部10bの筒状の上下方向フレーム部14bにC方向に摺動可能に嵌合されて止ネジ部27b(図示せず)により固定されている。幅方向延在水平フレーム部53は、相互に嵌合された二つの部分55,56からなり、図2に示したように、例えば、円筒状の第一の水平部分55内に第二の水平部分56の小径先端部56aを所望の深さまで嵌め込んで止めネジ部53fで固定することにより、幅方向延在水平フレーム部53のB方向の長さが調整可能である。
【0040】フレーム40の水平フレーム部43のうちの第一の水平部分45は、更に、ヒンジ結合部47においてA方向の軸線EのまわりでG1,G2方向に相対回転ないし相対回動可能な二つの円筒状フレーム部分45A,45Bからなり、このフレーム部分45A,45Bは、その先端部45A1,45B1が相互に対面し実際上当接している。フレーム部分45A,45Bには、夫々、突起片47A,47Bが一体的に形成されており、突起片47A,47Bは、A方向に延びたピン47CによりG1,G2方向に相対回転ないし相対回動可能に結合されている。フレーム部分45Bには、円柱状の結合片48(図3)がフレーム部分45Bの軸線方向に摺動可能に嵌合されており、結合片48は、結合片48に一端で固定され他端側がフレーム部分45Bの切欠き溝45B2を介して突出した結合片操作レバー48aにより、フレーム部分45Bの先端45B1から突出した突出位置とフレーム部分45B内に入り込んだ後退位置との間でフレーム部分45Bの軸線方向に沿って移動可能である。図3や図4に示した状態では、結合片48は、突出位置にあり、フレーム部分45Bの先端45B1からB1方向に突出してフレーム部分45Aの円筒状先端部45A1内に嵌りこんで、フレーム部分45A,45BのG方向相対回転ないし回動を禁止してフレーム部(フレーム部分)45として一体化している。
【0041】同様に、フレーム50の水平フレーム部53のうちの第一の水平部分55は、更に、ヒンジ結合部57においてヒンジ結合部47の軸線Eと同軸の軸線(E)のまわりでG1,G2方向に相対回転ないし相対回動可能な二つの円筒状フレーム部分55A,55Bからなり、このフレーム部分55A,55Bは、その先端部55A1,55B1が対面し実際上当接している。フレーム部分55A,55Bには、夫々、突起片57A,57Bが一体的に形成されており、突起片57A,57Bは、A方向に延びたピン57CによりG1,G2方向に相対回転ないし相対回動可能に結合されている。フレーム部分55Bには、円柱状の結合片58(図示せず)がフレーム部分55Bの軸線方向に摺動可能に嵌合されており、結合片58は、該結合片58に一端で固定され他端側がフレーム部分55Bの切欠き55B2(図示せず)を介して突出した結合片操作レバー58a(図1)により、突出位置と後退位置との間でフレーム部分55Bの軸線方向に沿って移動可能である。図3や図4に示した状態では、結合片58は、突出位置にあり、フレーム部分55Bの先端55B1からB1方向に突出してフレーム部分55Aの円筒状先端部55A1内に嵌りこんで、フレーム部分55A,55BのG方向相対回転ないし回動を禁止してフレーム部(フレーム部分)55として一体化している。
【0042】なお、フレーム部分45B,55Bには、更に、荷台60のB方向移動を案内するリング状のガイド部49,59が設けられている。
【0043】連結フレーム31は、フレーム部43,53のB方向の中央部近傍において、前後方向Aに水平に延在して、両端32及び33で、フレーム40及び50に、より詳しくは、フレーム40のフレーム部45のフレーム部分45B及びフレーム50のフレーム部55のフレーム部分55Bに固定されて、フレーム40,50を一体化し、全体として、荷台支持部30を形成している。連結フレーム31と同様な連結フレームがフレーム部分45A,55Aの間に形成されていてもよい。
【0044】従って、荷台支持部30では、レバー48a及び58aを操作して結合片48及び58によるフレーム部分45A,45B及び55A,55Bの結合を解除すると、フレーム部分45A,45B及び55A,55Bの先端部45A1,45B1及び55A1,55B1が相互に当接しない範囲内で、フレーム部分45A,55Aとフレーム部分45B,55Bとがヒンジ部47及び57の一列に整列したピン47C,57Cの軸線Eのまわりで、G方向、即ちG1,G2方向に相対回転ないし相対回動可能である。一方、フレーム部分45A,45B及び55A,55Bの先端部45A1,45B1及び55A1,55B1が相互に整列して当接した状態で、レバー48a,58aを操作して結合片48及び58によりフレーム部分45A及び45B並びにフレーム部分55A及び55Bを結合させて、剛性の枠体を形成し得る。
【0045】荷台60は、例えば図4からわかるとおり、ガイド部49,49にB方向に移動可能に挿通され荷台支持部30の水平なフレーム部43上において該フレーム部43に沿って延在した第一の幅方向フレーム部61と、ガイド部59,59にB方向に移動可能に挿通され荷台支持部30の水平なフレーム部53上において該フレーム部53に沿って延在した第二の幅方向フレーム部62と、第一及び第二の幅方向フレーム部61,62を夫々の対応端部で連結している第一及び第二の前後方向フレーム部63,64とを有し、これらの四つのフレーム部61〜64により、ほぼ長方形状の外枠65を形成している。荷台60の外枠65のA方向の長さは、この例では、例えば、115cm程度であり、B方向の長さは例えば51cm程度で、荷台支持部30の幅(水平フレーム部43,53の長さ)のほぼ半分程度であり、作業者のところに、50cm程度〜70cm程度の腰掛及び作業スペースを与え得る。荷台60は、更に、前後方向フレーム部63,64をそれらの中間部で接続して荷台60の外枠65を補強すると共にケースのサイズに応じて該ケースの載置に適した格子を形成する幅方向の中間フレーム部66,66を有する。図示の例では、中間フレーム部66,66として、二つのフレーム部66A,66Bが形成されている。
【0046】従って、荷台60は、一対の走行部10a,10bの座席取付部22a,22bのうちの一方の座席取付部22aに近接し他方の座席取付部22bから幅方向Aに離間した位置(図4において想像線で示した位置)L1と、他方の座席取付部22bに近接し一方の座席取付部22aから幅方向Aに離間した位置(図4において実線で示した位置)L2との間で、荷台支持部30に対して幅方向Aに摺動されて並進移動可能である。なお、この例における荷台60のB方向の最大可動範囲についていえば、該荷台60のフレーム部63がガイド部材49A,59Aに当接するまでB2方向に移動可能で、フレーム部64がガイド部材49B,59Bに当接するまでB1方向に移動可能である。図1から図4に示したように、座席取付部22aに座席23を取付けてその座席本体24aに腰掛けて作業をする場合、例えば、図2において想像線Daで示した領域よりもB2方向に離れた位置(例えば図2や図4において実線で示した位置L2)に荷台60を移動させておくことになる。領域Daの大きさは、作業者の体格に依存して異なる。一方、図2において想像線で示したように、作業者が座席取付部22bに座席23を取付けてその座席本体24bに腰掛けて作業をする場合、例えば、想像線Dbで示した領域よりもB1方向に離れた位置(例えば図4において想像線で示した位置L1)に荷台60を移動させておくことになる。
【0047】以上において、台車1の種々の部分について、「フレーム」と呼んだり「フレーム部」と呼んだり「フレーム部分」と呼んだりしている(場合によっては同一部分に別の表現を用いている)けれども、「部」や「部分」をつけたのは主として説明の文脈や直前で使用した用語との関連によるもので、いずれも、単独で見れば、「フレーム」であったりその一部であることに差異はない。従って、「フレーム」の代わりに、「枠」と呼んだり、支持構造要素を表す他の表現で代替してもよい。更に、「フレーム」等と呼んだ部分の大半は、図示の例では、典型的には、細長い管状体であるけれども、その代わりに、中実な棒状体であってもよく、また、その横断面は、典型的には、円形であるけれども、楕円や正方形や長方形でもよく、横断面内において直交する二方向の長さが同程度でも、相当異なっていてもよく(例、板状など)、また、所望ならば、例えば横断面が「L」字状などであってもよい。
【0048】次に、以上の如く構成された本発明による好ましい一実施例の農作業用台車としてのイチゴ収穫台車1を用いて、ハウス栽培のイチゴの収穫を行なう場合を例にとって、その使用ないし操作について説明する。
【0049】イチゴ収穫台車1が用いられるビニールハウス90内には、図6に示したように、多数条の畝91がA方向にほぼ平行に形成されている。畝91は、典型的には、図3にその断面を示したように、両側の畝間路92に対して盛上っており、畝91の両側には20cm程度の幅で夫々一列に植えられたイチゴの苗が畝91の頂部から両側の傾斜側面に沿って垂れ下がり、畝91の頂面(上表面)よりも、例えば、10cm〜20cm程度下のところイチゴが実っている。畝91のうち両端の半幅の畝91A,91Gを除く中間の畝91B,91C,91D,91E,91Fの底辺の幅は、例えば、80cmであり、畝間路92の幅は、例えば、全ての畝間路92A,92B,92C,92D,92E,92Fについて同じで、例えば30cm程度である。断面が台形の畝91の頂辺の幅は70cm程度、畝91の高さは30cm程度〜40cm程度である。ハウス90の長手方向Aの一端には、例えば、図6において破線で示したように幅1m程度の出入口93が形成されており、出入口93と畝91の一端との間には、畝間路92よりも少し幅の広い通路94が形成されている。なお、ハウス90の奥にも、例えば、幅の細い通路94aが形成されている。
【0050】イチゴ収穫台車1は、その収納時やハウス90への搬入およびハウス90からの搬出時には、図5の(a)及び(b)に示したように、二つ折りに折畳まれている。すなわち、イチゴ収穫台車1の収納・搬送時には、イチゴ収穫台車1は、荷台支持部30のフレーム部45,55の操作レバー48a,58aの操作により結合片48,58がフレーム部分45A,55Aから抜かれ、第二のフレーム部分45B,55B及びこれと結合されたフレーム部46,56及び44,54並びにガイド部49,59を介して第二フレーム部分45B,55Bに接続された荷台60及びフレーム部44,54に連結された走行部10bが、第一のフレーム部分45A,55A及びこれと一体的なフレーム部42,52並びに及びこれに結合された走行部10aに対して、ヒンジ部47,57の軸線Eのまわりで、G1方向に回動ないし回転されて、走行車輪20b,21bが天を向くように上下が反転した状態で、第一フレーム部分45A,55A上に載っている。
【0051】図5の(a)及び(b)に示したように、この折畳み状態では、イチゴ収穫台車1の幅は、図1から図4までに示したような作業時における台車1の幅のほぼ半分程度に小さくなっている。なお、このG方向の折畳みの際には、該折畳みを可能とするように、荷台60は、該荷台60のフレーム部61,62が嵌合しているガイド部49,59が形成された第二フレーム部分45B,55Bの側すなわち実線位置L2に、予め移動される。なお、図5の(a)及び(b)では、走行部10aが地上に位置するように台車1を支えている例について示しているけれども、その代わりに、走行部10bが地上に位置するようにして折畳んでもよい。
【0052】この折畳んだ状態では、走行部10aの二つの走行車輪20a,21aが並んでいる向きに実際上平行に、上側の走行部10bの前後方向側部フレーム11bが延びた状態になるから、搬送の際には、図5の(a)及び(b)に示したように、片手で上側の走行部10bのフレーム11bを持ってその延在方向に軽く力をかけるだけで、走行部10aの走行車輪20a,21aをそのまま利用して、台車1を移動させ得る。なお、この場合、座席23の前後の向きは無視し得るから、例えば、フレーム11bを左手で持ってA1方向に移動させる代わりに、フレーム11aを右手で持ってA2方向に移動させることもできる。
【0053】以上のように、二つに折畳んだ状態では、台車1は側部フレーム11bを手で持って走行車輪20a,21aの転動による走行部10aの走行を利用して移動させ得るから、女性や年配者のような比較的非力な作業者でも、一人で、簡単に台車1を移動させ得る。また、台車1を折畳んだ状態では、台車1の幅が狭くなるから、ビニールハウス90の出入口93(図6)の幅が比較的狭い場合であっても、台車1を分解したり横にして持ち上げて搬入したりする必要がないので、比較的非力な作業者でも、上述の移動状態を保ったまま出入口93を通り得る故、一人で、ハウス90内に台車1を搬入し得る。
【0054】なお、収穫したイチゴを入れるコンテナないしケース95(図2において想像線で示したもの)は、予めハウス90内に持ち込んでおいてもよいけれども、所望ならば、図5の(a)及び(b)において示したように、折畳まれて上下が反転したフレーム部分45B,55B及び連結フレーム31並びにその下に位置する荷台60により形成される載置面H上に載せて台車1と一緒に運び込むことも可能である。この載置面Hは、移動の際実際上ほぼ水平に保たれ得るから、該載置面H上に積み重ねたケースが崩れる虞れも少ない。
【0055】このようにして、台車1を押して又は引いてハウス90内に入った後、必要ならば更にケースを下ろした後、走行部10aに対して走行部10bをG2方向に回動させることにより、ヒンジ部分47,57が図1から図4までに示した様態に戻り、フレーム部分45B,55Bの先端部分45B1,55B1が夫々対応するフレーム部分45A,55Aの先端部分45A1,55A1に実際上同軸に当接する。次に、レバー48a,58aを操作して結合片48,58をフレーム部分45B,55Bから突出させてフレーム部分45A,55A内に嵌め込み、その後、レバー48a,58aをフレーム部分45Bの軸線のまわりで周方向にまわして、周方向溝に係止させる。これにより、荷台30が、図1から図4に示したような姿勢(正面から見て逆U字状の形態)に固定される。
【0056】なお、この台車1のセッティングは、例えば、図6に示したような比較的幅の狭い端部通路94を備えたハウス90の場合、通路94と作業を行なおうとする畝91の両側の畝間路92,92の所に走行部10a,10bがほぼ載るように、一方の走行部10aをほぼ畝間路92に沿って配置した後、行なえばよい。
【0057】次に、必要な場合には、畝91の幅に合せて台車1の幅方向Bの長さを調整する。このためには、ノブを備えた止めネジ43f,53fを緩めて、フレーム部45,55に対するフレーム部46,56のB方向位置を調整した後、止めネジ43f,53fを締めればよい。このとき、台車1は、図1から図4に示したように立てておいても、例えば、上下を反転させておいても、他の姿勢にしておいてもよい。
【0058】更に、畝91の高さ及び収穫しようとするイチゴの苗や着果部位の高さ、並びに作業者の体格に応じて、荷台60の高さを調整する。このためには、同様に、止めネジ27,28を緩めて荷台60の高さ即ち荷台支持部30の水平フレーム部分43,53の高さを所定に変えた後再度止めネジ27,28を締めればよい。なお、座席本体24の高さが調整可能な場合、荷台支持部30の高さを、基本的には、畝91及び作物(イチゴ)の苗などの高さに応じて調整し、座席本体24の高さは、基本的には、作業者の体格やイチゴ着果部位の高さに応じて調整すればよい。但し、荷台支持部30の高さにほぼ対応する荷台60の高さは、作業者の体格等にも依存するから、荷台支持部30と座席本体24の高さとは所望に応じて、相互に調整すればよい。なお、座席本体24の高さが調整可能な場合であって座席23を固定する走行部を走行部10aから走行部10bに変えたいようなときには、上記の座席の高さ調整の前に、ネジ26a,26bを利用して、座席23をつけかえる。
【0059】このようなサイズの調整が完了すると、必要ならば、台車1を所望の畝91に対して、例えば、座席23を走行部10aに取付けた状態で、走行部10a,10bが夫々畝間路92A,92Bに沿い、荷台支持部30が畝91Bを跨ぐように、台車10を位置決めないし配置する。次に、荷台60を座席23から離れた側に例えばB2方向に押して、座席23の本体部24上に腰掛けるため及び作業のためのスペースを確保すると共に、荷台60上の所望の位置に、コンテナ95を積み重ねたりA方向に並べて配置する。例えば、図2において、符号95aで示したコンテナに、良品のイチゴを例えばサイズに応じて粗選別して分けて載せるようにし(所望ならば、コンテナ内の領域を細かく区分けしてもよい)、一方、符号95bで示した領域には、条件を満たさないけれども収穫すべき時期に来ているイチゴを区分けして載せるようにする。所望ならば、コンテナ95aのA2側において荷台60上に更に別のコンテナを配置して、更に細かく粗選別して配置するようにしておいてもよい。
【0060】収穫に際しては、座席23に腰掛けて、例えば、その両側の畝91A,91Bのイチゴを摘取り、ケース95に入れる。例えば、半幅の畝91Aは、幅が35cm〜40cmで、イチゴの苗が手前の20cm程度の幅の範囲に一列に植えられていて、イチゴが手前の傾斜面に沿って垂れ下がっているから、畝間路92Aにある走行部10aの座席23に腰掛けた作業者が全域のイチゴの収穫を行ない得る。一方、通常幅の畝91Bは、幅が70cm〜80cm程度で、二列のイチゴのうちの幅方向の手前側の列のイチゴについては、畝間路92Aにある走行部10aの座席23に腰掛けた作業者が無理な姿勢をとることなく手を延ばして収穫し得る。このとき、イチゴの摘取りでは側方を向いてやや前かがみになりコンテナ95に入れるときは前かがみの程度は小さくなる。従って、イチゴの収穫作業も、足腰にほとんど負担をかけることなく比較的楽に行ない得る。畝91の延在方向Aに関して、台車1の座席23の近傍にあるイチゴの摘取り及びコンテナ95aでの粗選別を終えると、足で畝間路92Aの表面を蹴って台車1をA1方向に進行させて、イチゴを摘み取ることを繰返す。
【0061】台車が 畝91A,91BのA1方向の端まで進んで、一工程で二条(両側)のイチゴの摘取りが完了すると、例えば、台車1から降りて、座席23を走行部10aの座席取付部22aから取外し、荷台60を位置L1(図4)に向かって所定位置までB1方向にスライドさせ、座席23を走行部10bの座席取付部22bに例えば嵌めこんで取付ける。なお、所望ならば、予め、座席取付部22a,22bの両方に、座席23a,23bを取付けておいてもよい。
【0062】次に、荷台60のB1方向スライドないし移動によりスペースができた走行部10bの座席23bに腰掛けて、台車1をA2方向に進めながら、畝間路92Bの両側にある畝91B,91Cのうち畝間路92Bに近い側の列のイチゴの摘取り及びケース95への選別収納を行なう。この復路においては、畝91Bでは、往路で摘み残した側(幅方向B2側)のイチゴの摘取りを行なうことになり、この往復動作で、畝91Bにある摘み取るべきイチゴは全て収穫され得る。
【0063】台車1がA2方向に進行して、畝91B,91CのA2方向の端までのイチゴの摘取りが完了すると、荷台60上のケース95を収納したイチゴと共におろして所望位置に配置すると共に、通路94を利用して、例えば、座席部23のついている走行部10bが畝間路92Cに沿うと共に走行部10aが畝間路92Dに沿い、荷台支持部30が畝91Dを跨ぐように、台車1を移動させる(勿論、座席部23を走行部10bから走行部10aに付け替えてもよく、その場合、全ての畝91の収穫時期にあるイチゴを順々に収穫するためには、座席部23をつけた走行部10aを畝間路92Cに走行部10bを畝間路92Dに沿わせればよい)。なお、所望ならば、荷台60上にコンテナ95を載せたまま、台車1を畝91に対して所定位置に配置してもよい。この台車1の移動の際、台車1を持ち上げて運んでも、台車1の一方の走行部10a又は10bを利用して台車1を移動させてもよい。
【0064】このイチゴ収穫台車1では、例えば、図7に示した台車100のような斜行荷台105がなく、前後の幅方向水平フレーム部分43,53が実際上平行に延びていて全体としてほぼ矩形の平面形状を有し且つフレーム部分43,53の間の間隔を比較的小さくし得るから、台車1のフレーム部分43,53を夫々の手で持って台車1を持ち上げることにより、台車1を次の畝に容易に持ち運び得る。但し、所望ならば、図5の搬入時と同様に、ヒンジ部47,57で台車1を二つ折りにして移動させてもよい。
【0065】台車1の移動及び畝91Dに対する位置決めが完了すると、荷台60を位置L1に設定して、例えば新たな又は収納途中のコンテナ95を載せ、上記の収穫ないし摘取り及び粗選別(収納)作業を繰返す。
【0066】収穫作業が完了したら、台車1を図5のように折畳み、可能ならば、台車1をハウス90の側壁に立てかけておいてコンテナ95を面H上に積み重ねて載せ、台車90を引いて、出入口93から出ればよい。
【0067】本発明の農作業用台車は、図1から図5に示した例に限定されるべきものではない。例えば、荷台支持支部30にガイド部49,59を設ける代わりに、荷台60にガイド部を設けて該ガイド部を荷台支持部30のフレーム部43,53に並進移動可能に嵌合させてもよく、また、ガイド部を荷台支持部30または荷台60に幅方向Bの位置調整可能に形成しておいてもよい。更に、荷台60を荷台支持部30に対して並進移動可能にする代わりに、例えば、荷台60を荷台支持部30から取外し可能にすると共にB方向の異なる位置で荷台支持部30に固定可能にしておいてもよく、また、例えば、荷台60を該荷台60の幅方向Bの中央(中点)からズレた位置で且つ前後方向A方向のほぼ中央(中点)においてC方向軸線のまわりで回動可能に荷台支持部30に取付けてもよい。なお、例えば、畝間路92の一方の端から他方の端に達する毎にコンテナ95を荷台60から一旦下ろすような場合には、荷台60を幅方向Bの一端(図4の実線の状態では荷台支持部30の幅方向Bの中央付近に位置するフレーム63のところ)において、A方向軸線のまわりで回転可能に荷台支持部30で支持するようにしておいてもよい。
【0068】荷台60は、その重量を最小限にすることが好ましいものの、図示のような例えば円筒状パイプを溶接などで接合して格子状に形成する代わりに、例えば、少なくとも一部または全体を板状にしてもよく、また、格子状にする場合でも、中間フレーム66の間隔をより狭くしたりより広くしても、中間フレーム66と交差する方向に一本又は複数本の別の中間のフレームを格子状に付加してもよい。更に、荷台60の外縁ないし外周部の平面形状を、図示のように長方形にする代わりに、例えば、フレーム部66A,66Bの長さよりも外枠65のフレーム部61,62の長さが長くB1方向に突出するような形状にして面積を大きくすると共に可動範囲を大きくするようにしてもよい。なお、典型的には、走行部10a,10bの座席取付部22a,22bのどちらを利用して腰掛けても同様な作業が行ない得るように、荷台60の平面形状は、荷台60の延在平面内での重心位置を通る上下方向Cの(仮想)線のまわりで2回回転対称(180度の回転に対して対称)であることが好ましいけれども、畝91の延在方向が特定の方位に沿っているような場合で、作物の生育の仕方が畝の両側で異なるような場合には、荷台60が重心位置の周りでの180度の回転に対して対称性を欠く形状でもよい。
【0069】荷台支持部30は、荷台60を幅方向に位置調整可能に支持すると共に畝91を跨ぎ得、且つ幅方向両端で走行部10,10に連結されると共に走行部10,10の座席取付部22,22の周囲に作業者の体により占有されるスペース及び作業者が作物の収穫や手入れを行なう際の作業スペースを与え得る限り、その構造や形状は、図示したものとは異なっていてもよい。但し、好ましくは、荷台支持部30は、折畳み可能に、典型的には、自転車のような二輪車の形になるように二つ折り可能に構成される。
【0070】荷台支持部30の折畳みのために、図示のように、前後方向Aに向合って離間した一対のヒンジ部47,57を用いる代わりに、ヒンジ部47,57のヒンジピン47C,57Cを一本の細長い棒状体で形成して該棒状体の両端を夫々のヒンジピンとして働かせると共に、中間の連結部分を荷台支持部30の補強に利用してもよい。また、単に、折畳むためには、例えば、図3や図4の状態において、フレーム部分45A,55Aに対してフレーム部分45B,55BをG1方向の代わりにG2方向に回動可能にしておいてもよい。ヒンジ係合されたフレーム部分45A,45B間の結合・固定やヒンジ係合されたフレーム部分55A,55B間の結合・固定を、レバー48a,58a及び結合片48,58によって行なう代わりに、例えば、荷台支持部30のうちフレーム部分45A,55Aの端部45A1,55A1の近傍の周壁の直径方向に対向する部分に該フレーム部分45A,55Aの延在方向に延びた一対のスロット状の溝を形成しておくと共に、フレーム部分45B,55Bの先端近傍を管状フレーム部分45A,55A内に嵌合され得るように小径化しておき、更にフレーム部分45A,55Aの直径方向に延びた一方のピン状端部で溝に係合すると共に直径方向に延びた他方のピン状端部において該ピン状端部の軸線のまわりで回転可能フレーム部分45B,55Bの小径端部に係合し両方のピン状端部間においてフレーム部分45A,45B,55A,55Bの軸線方向に延びた細長いリンク部材によってフレーム部分45A,55Aと対応するフレーム部分45B,55Bとを夫々つないでおき、フレーム部分45Aと45B及びフレーム部分55Aと55Bとの嵌合が解除されるまで溝に沿って前記一方のピン状端部をB2方向に引出した後、該一方及び他方のピン状端部のまわりで、フレーム部分45B,55Bをフレーム部分45A,55Aに対してG方向に相対回動させるようにしてもよい。
【0071】走行部10a,10bは、該走行部10a,10bの座席取付部に座席を取付けて狭い畝間路を走行させ得且つ走行車輪を前後に(即ち二つ以上)備える限り、(向きが反転していることを除いて)同一の構造・形状を有する代わりに、走行車輪の前後方向A及び幅方向Bの位置や形や数が異なっていても、更に、座席取付部22a,22bの前後方向A及び幅方向Bの位置や形が異なっていてもよい。また、座席取付部22a,22bは、夫々の走行部10a,10bのうち前側の走行車輪20a,20bよりも後側の走行車輪21a,21bに近接して位置する代わりに、前側の走行車輪20a,20bに近接して位置していても、丁度中央(真中)に位置していてもよい。なお、座席23のうち走行部10への装着部が例えば側部フレーム11に係合・固定可能な構造を備える場合、座席取付部22は側部フレーム11自体の任意の部分であり得る。また、前後の走行車輪20,21をつなぐ側部フレーム11を水平に延在させる代わりに、前方ほど高くなるように又は低くなるように傾斜させておいてもよく場合によっては座席取付部22の所がもっとも高くなるようにしておいてもよく、側部フレーム11を一本のフレームで形成する代わりに、複数本のフレームで例えば三角形等を形成するようにしておいてもよい。更に、座席23の本体部24は、図4に示したように前後のある形状の代わりに、図3に示した円板のように、前後の向きのない形状でもよい。
【0072】走行車輪20,21は、走行部10が全体として大きな幅にならないような状態で且つ回転可能に走行部10の座席取付部22につながった本体部分(図示の例では側部フレーム11)に支持される限り、その取付構造は、図示の例とは異なっていてもよい。例えば、畝間路92が比較的軟弱であるなどの理由で、走行車輪にかかる荷重が比較的高くなりやすい場合には、例えば図3のような向きで見て、座席23の真下に走行車輪20,21が位置するように、車輪20,21のところで自転車のフレームような形状に側部フレーム11の前後方向Aの両端部近傍の形状を変えておいてもよい。
【0073】また、以上においては、台車1の使用時に、足で地面を蹴って台車1を進めるようにした人力式の台車について説明したけれども、小型の電動モータと二次電池のような電源とを台車に組込んで電動式にしてもよい。その場合、モータの回転方向を含めた駆動制御を行なうための操作部は、例えば、座席取付部の近傍に設けておけばよい。
【0074】高さや幅、すなわち各方向の長さの調整は、図示の例では、全て、関連する二部材の嵌合深さを代えて止めネジで止めることにより行なうようにしているけれども、止めネジに代えて所定間隔で形成した孔に取外し可能にピンを挿入又は挿通するようにするなど任意の他の手段で固定するようにしてもよく、また長さの変更を嵌合の代わりに並設距離を変えたり、連結部分自体の長さを変える(例えば連結部分自体を相互に螺合された一組の部材で形成しておいて螺入長を変える)ことにより行なうようにしておいてもよい。なお、荷台支持部30の高さを収穫や手入れなどの作業対象の作物の背丈などの種類に応じて広範囲に変え得るように、例えば、走行部10の上下方向フレーム部14,15と荷台支持部30の上下方向フレーム部42,44,52,54との間に、別の連結部材を取外し可能に嵌めるようにしておいてもよい。
【0075】以上においては、農作業用台車1を主としてイチゴの収穫用に用いる例について説明したけれども、台車1は、イチゴの収穫だけでなく手入れにも用いられ得、また、他の野菜や果物などの農作物の収穫や手入れなどにも用いられ得る。他の農作物に対する作業の場合、その背丈などに応じて、台車1の荷台60等の高さなどを調整するようにしても、高さの異なる荷台支持部30を準備しておいても、ほぼ同様な構造で且つそれぞれの農作物に適したサイズの台車を準備しておいてもよい。
【出願人】 【識別番号】591014710
【氏名又は名称】千葉県
【出願日】 平成12年3月23日(2000.3.23)
【代理人】 【識別番号】100098051
【弁理士】
【氏名又は名称】治部 卓
【公開番号】 特開2001−258313(P2001−258313A)
【公開日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願番号】 特願2000−81876(P2000−81876)