| 【発明の名称】 |
水田作業機の線引マーカ |
| 【発明者】 |
【氏名】根田 満夫
|
| 【要約】 |
【課題】田植機の線引マーカで一定の深さで線引する。
【解決手段】機体に取り付けられている植付装置9に対して、センターフロート28を上下調節して植付深さを変更可能に構成し、植付装置9を取り付けている機体に線引をするマーカ38を支持し、センターフロート28の上下調節により植付装置9の植付深さの深浅に調節すると、このセンターフロート28の上下動する方向にマーカ38を関連的に移動させる。従って、センターフロート28の底面から土中に突出するマーカ38の突出長さが常に一定となり、マーカ38の先端を常に植付面から土中に一定深さ突入させ、一定深さの線引を確実にすることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体に取り付けられている植付装置9に対して、接地体28を上下調節して植付深さを変更可能に構成し、前記植付装置9を取り付けている機体に線引用のマーカ38を支持し、前記接地体28の上下調節による前記植付装置9の植付深さの深浅調節に関連して、前記接地体28の上下動する方向にマーカ38を移動させることを特徴とする水田作業機の線引マーカ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、水田作業機の線引マーカの改良に関するものである。 【0002】 【従来技術】機体に取り付けられている植付装置に対して、接地体を上下に調節して植付深さを調節できる田植機において、前記植付装置9を取り付けている機体に線引用のマーカを支持したものである。 【0003】 【発明が解決しようとする問題点】従来装置にあっては、植付装置に対して線引用のマーカを所定の関係位置に固定的に取り付けているので、植付装置に対して接地体を上下調節して植付深さの変更をすると、マーカ先端の土中への突入長さが、苗の植付深さによって変化し、浅植えの場合には突入長さが短く、深植えの場合には長くなり、浅植え時には線の引き具合が悪く、また、深植え時にはマーカに抵抗がかかり過ぎるという不具合があった。 【0004】そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。 【0005】 【問題を解決するための手段】このような技術的課題を解決するための請求項1の発明は、機体に取り付けられている植付装置9に対して、接地体28を上下調節して植付深さを変更可能に構成し、前記植付装置9を取り付けている機体に線引用のマーカ38を支持し、前記接地体28の上下調節による前記植付装置9の植付深さの深浅調節に関連して、前記接地体28の上下動する方向にマーカ38を移動させることを特徴とする。 【0006】 【発明の作用及び効果】請求項1の発明は、植付深さ調節レバー34によって接地体28の支持高さを植付装置9に対して上下に移動し、苗の植付深さを調節すると、マーカ38も接地体28の上下移動に関連して支持高さが調節され、接地体28の底面から土中に突出するマーカ38の突出長さが一定となり、マーカ38の先端を常に植付面から土中に一定深さ突入させ、確実に一定深さの線引をすることができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1〜図3には四条植え型田植機が図示されている。この田植機1の前部には、エンジン2、ミッションケース3等からなる機関部を配置し、機関部の上部をボンネット4により被覆している。ミッションケース3の側面部から側方に突出する左右の筒部5,5には、走行チエンケース6,6の基部を上下回動自在に嵌合支持し、走行チエンケース6,6の後端部に水田車輪7,7を軸支している。 【0008】ミッションケース3の背面部には、主フレーム8の前端部を固着連結し、その主フレーム8の後端部には、植付装置9,9,…と苗載せ台10に動力を伝動する伝動ケースを兼ねる植付フレーム11を一体的に取り付けている。さらに、植付フレーム11の背面部には、後部フレーム12を取り付けている。この後部フレーム12は中途部を上側に湾曲して、後端部を斜め後方に延出している。この後部フレーム12の後端部には、操縦用のハンドル13や、各種操作レバーを取り付けている。 【0009】前記ミッションケース3の左側面には油圧ポンプ14を、上面部には油圧バルブユニット15を夫れ夫れ設けている。そして、油圧バルブユニット15の背面部から昇降油圧シリンダ16を後方に向けて配置し、昇降油圧シリンダ16のピストンロッドの先端部にスプリング17によって後ろ向きに付勢したリンク板18を左右方向に沿わせて水平状に取り付けている。リンク板18の左右両端部には、左右の連結杆19,19の前端部を連結し、連結杆19,19の後端部に前記走行チエンケース6,6の基部に上向きに延出したスイングアーム20,20の上端部を連結している。なお、左側の連結杆19はローリング油圧シリンダ21により構成している。 【0010】昇降油圧シリンダ16は油圧式昇降装置を構成するもので、これを伸縮させると、左右のスイングアーム20,20が同じ角度だけ前後に回動し、左右の車輪7,7が同じ量だけ機体に対して上下動し、機体が昇降する構成である。また、ローリング油圧シリンダ21を伸縮させて左側の連結杆19の長さを変化させると、左側のスイングアーム20が回動し、左側の車輪7のみが機体に対して上下動し、機体の左右方向の傾斜を変更させる。 【0011】植付フレーム11は、左右中央部に位置するギヤボックス11aと、このギヤボックス11aの左右両側に配置した左右2個づつの植付チエンケース11b,11b,…と、左右2個づつの植付チエンケース11b,11b相互間を連結する連結パイプ11c,11cとで構成している。 【0012】前記ミッションケース3からギヤボックス11aの入力部へ植付伝動軸22を介して動力を伝達する。伝動された動力は、ギヤボックス11aと植付チエンケース11b,11b,…の上部,連結パイプ11c,11cを貫いて収容している左右方向の植付部伝動軸25を介して各植付チエンケース11b,11b,…に伝達する構成である。 【0013】植付装置9,9,…は、植付フレーム11の各植付チエンケース11b,11b,…の下端部に夫れ夫れ設け、所定の先端軌跡を描いて移動する植付爪が、後述の苗取出口10aを通過する際に苗載せ台10から一株分の苗を分割して取り出し、圃場面に植え付ける構成である。 【0014】苗載せ台10は、後部フレーム12の前側に前下がりに傾斜させて設けており、苗を載せて左右に往復動する構成である。これにより、最下段の苗が一株分づつ苗取出口10a,10a,…に供給され、最下段の全ての苗の植え付けが終了すると、ベルト式の苗送り装置10b,10b,…が作動し、台上の苗を一段分だけ下方に送る構成である。 【0015】機体の下方には、整地用のセンターフロート28と左右一対のサイドフロート29、29を設けている。これらのフロートの後部をフロート支持アーム30の後端部にピン31により枢支し、表土面の凹凸に応じてフロートの前部が上下動する構成である。また、各フロートの前部を一定角度よりも下がらないように、吊下リンク32,32,…によってミッションケース3に吊下支持している。 【0016】後部フレーム12に回動自在に支承しているフロート支持パイプ33,33に、前記フロート支持アーム30,30,…を一体的に取り付けており、植付深さ調節レバー34によってフロート支持パイプ33を回動させると、各フロート28,29,29の支持高さを変更し、これにより苗の植付深さを調節する構成である。 【0017】各フロート28,29,29を接地させた状態で機体を前進させると、センターフロート28が中央の2条の苗植付条を整地し、サイドフロート29,29が左右両側の苗植付条を夫れ夫れ整地する構成である。図3は油圧制御機構図で、前記油圧バルブユニット15には、昇降油圧シリンダ16を制御する昇降制御弁36、ローリング油圧シリンダ21を制御するローリング制御弁37、油圧ポンプ14から送られてくる圧油を前記昇降制御弁36,ローリング制御弁37に分配しれ供給する分流弁35等を設けている。 【0018】次に、図4に基づき線引用のマーカ38について説明する。後部フレーム12に回動自在に支承しているフロート支持パイプ33に、フロート支持アーム30を一体的に取り付けて、フロート支持アーム30の後端部にピン31を介してセンターフロート28,左右のサイドフロート29、29の後部を枢支している。前記フロート支持パイプ33の左右いずれか一端部に、先端にマーカ38の取り付けられているマーカ支持棒39の基部を一体的に取り付け、前記植付深さ調節レバー34によってフロート支持パイプ33を回動して、各フロート28,29,29の支持高さを高低に変更し、苗の植付深さを調節すると、マーカ支持棒39も一体的に回動して、各フロート28,29,29と関連して支持高さが調節され、フロート底面よりもマーカ38の下端が一定長さ下方に突出した状態となり、マーカ38の先端を植付面から一定深さ土中に突入し、一定深さの線引を確実に実行するものである。 【0019】しかして、圃場の端まで植付作業が終了し、機体の方向変換をすると、前行程でマーカ38により線引された線を、最外側の植付装置の植付位置として歩行型田植機を走行させるものである。従来装置にあっては、圃場の土中に突入するマーカ先端の長さは、苗の植付深さの調節によって変化し、浅植えの場合には突入量が短く、深植えの場合には長くなり、浅植え時には線の引き具合が悪く、また、深植え時にはマーカに抵抗がかかり過ぎるという不具合があった。 【0020】しかし、前記のように構成することにより、植付深さが変化しても、土中に突入するマーカの先端部の深さは一定となり、一定深さの線引を確実にすることができる。なお、この実施例では、線引マーカを田植機に実施した事例について説明したが、水田で作業をする他の水田作業機の線引装置として広く応用できるものである。 【0021】次に、図5に基づき線引マーカの土中への突入量を一定深さにする他の実施例について説明する。後部フレーム12における最外側の植付装置9の植付位置よりも一条間隔だけ左右方向外側に偏位した位置に、支持筒40を配置し、この支持筒40にマーカ38を上下動可能に支持すると共に、スプリング17により下方に移動しがちに付勢し、マーカ38の上端部には操作ワイヤ41の一端を連結している。 【0022】しかして、操作ワイヤ41を引っ張ると、スプリング17を短縮してマーカ38は上方に移動し、操作ワイヤ41を緩めると、スプリング17によりマーカ38が下方に移動し、上下調節可能できる構成としている。前記後部フレーム12に回動自在に支承しているフロート支持パイプ33に、フロート支持アーム30を一体的に取り付けて、フロート支持アーム30の後端部にピン31を介してセンターフロート28,左右のサイドフロート29、29の後部を枢支している。また、前記フロート支持パイプ33に一体的に取り付けている植付深さ調節レバー34に、前記操作ワイヤ41の他端を連結している。 【0023】しかして、植付深さ調節レバー34を浅植え側、あるいは、深植え側に回動操作し、フロートを下動あるいは上動させると、マーカ38も関連的に上動あるいは下動する。従って、植付深さの深浅に関係なく、いつもマーカ38の先端をフロート下面から所定長さ土中に突入した状態とし、一定深さの線引を確実にすることができる。 【0024】次に、図6〜図7に示す線引マーカの他の実施例について説明する。図6に示すように、後部フレーム12には、次行程における機体中心位置を圃場面に線引するためのマーカ38を、植付装置9,9の左右両側に設けている。このマーカ38は機体の側方に突出した線引状態と、機体幅内に収まるように引き上げた収納状態に切り替わる構成である。 【0025】図7に基づきマーカ38の支持構成を更に具体的に説明する。後部フレーム12にはピン31でマーカ支持体45を軸支し、この軸支部近傍にストッパ46を設け、マーカ支持体45の一側にはマーカ38を取り付け、マーカ38の取付位置近傍に設けられている連結孔45aに、マーカリセットレバー42を連結し、マーカ支持体45の他端部にはマーカ38を引上げ側に付勢するバネ47を連結している。 【0026】マーカ支持体45の側方には作動体48をピン31により軸支し、この軸支部近傍に前記ストッパ46が当接する停止面部48bを構成し、作動体48の一端にロッド49の一端を連結し、連係ワイヤ49の他端をサイドクラッチレバー(図示省略)に連係している。 【0027】次に、マーカ支持体45と作動体48の連係作用について説明する。図7(1)は、マーカ38が下方に回動して、機体の側方へ突出した線引状態を示すもので、作動体48はサイドクラッチレバーの入り状態に連繋している。しかして、作動体48のロック部48aがマーカ支持体45の凹部45bに嵌入して、マーカ支持体45を線引位置にロックし、マーカ38を線引状態に保持している。 【0028】田植機で一列の植付作業が終了し、方向変換のためにサイドクラッチレバーを切り状態に操作すると、図7(2)に示すように、作動体48が時計方向に回動し、作動体48のロック部48aがマーカ支持体45の凹部45bから外れ、マーカ支持体45はバネ47により時計方向に上昇回転する。すると、マーカ支持体45のストッパ46が作動体48の停止面部48bに当接して、マーカ支持体45の上昇回動は一時停止する。 【0029】次いで、マーカ支持体45側のストッパ46は、作動体48側の円弧状の停止面部48bに沿って下方に移動し、停止面部48bから離脱する。すると、図7(3)に示すように、マーカ支持体45は更に時計方向に回動し、マーカ38は上昇して収納位置まで移動する。 【0030】前記のように、マーカ38は線引状態から収納状態に上昇回動するにあたり、中途部で一時停止し二段階に回動して収納されるので、マーカ38の一時停止時に先端に付着している泥を慣性力により振るい落とし、きれいにした状態でマーカ38を収納することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年3月23日(2000.3.23) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−258311(P2001−258311A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月25日(2001.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2000−82228(P2000−82228) |
|