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【発明の名称】 散布装置を備えた耕耘装置
【発明者】 【氏名】田中 健治

【氏名】千葉 直樹

【氏名】上林 健太

【要約】 【課題】耕耘深さを変えても、地面に対する土壌消毒剤の噴射量にムラが生じにくくできるとともに、噴射量のばらつき、ぼた落ち等の不具合も生じにくくできるようにされた散布装置を備えた耕耘装置を提供する。

【解決手段】散布装置(50)を備えると共に、走行車体(2)の後方に上下動自在に連結された耕耘装置(10)であって、該耕耘装置(10)による耕耘深さ(D)を可変とすべく、前記走行車体(2)と前記耕耘装置(10)とを連結する連結部材(22)の中間部(24)を地面(G)から任意の高さ位置にて支承し得るようにされた左右一対のレベラー(30、30)と、を備え、該レベラー(30、30)に、土壌消毒剤(M)を前記耕耘装置(10)より手前側の地面(G)に散布する前記散布装置(50)の噴射手段(70、70、…)が取り付けられてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 散布装置(50)を備えると共に、走行車体(2)の後方に上下動自在に連結された耕耘装置(10)であって、該耕耘装置(10)による耕耘深さ(D)を可変とすべく、前記走行車体(2)と前記耕耘装置(10)とを連結する連結部材(22)の中間部(24)を地面(G)から任意の高さ位置にて支承し得るようにされた左右一対のレベラー(30、30)と、を備え、該レベラー(30、30)には、散布物(M)を前記耕耘装置(10)より手前側の地面(G)に散布する散布手段(70、70、…)を有する前記散布装置(50)が取り付けられていることを特徴とする耕耘装置。
【請求項2】 前記レベラー(30、30)は、車輪(40)と、該車輪(40)の支軸(42)に連結された高さ調節ロッド(32)と、を備え、該高さ調節ロッド(32)に、前記連結部材(22)を支承係止するための複数個の係止部(35)が高さ方向に沿って所定間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の耕耘装置。
【請求項3】 前記左右一対のレベラー(30、30)間を橋架するように前記散布装置(50)の散布用支持桿(60)が配在され、該散布用支持桿(60)に複数個の前記散布手段(70、70、…)が左右方向に一定間隔をあけて配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の耕耘装置。
【請求項4】 前記左右一対のレベラー(30、30)に、それぞれ前記散布用支持桿(60)の一端側及び他端側が左右一対の支持機構(50a、50a)を介して上下方向に傾動可能に支持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の耕耘装置。
【請求項5】 前記左右一対の支持機構(50a、50a)は、それぞれ、前記高さ調節ロッド(32)から前後方向に向けて水平に突設された下側支軸(45)に、その下端部(51)が回動自在に外嵌された支持レバー(52)と、該支持レバー(52)の上端部(53)が回動自在に外嵌された上側支軸(54)と、を備え、該上側支軸(54)の一端側に、前記散布用支持桿(60)の一端側又は他端側が取付固定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の耕耘装置。
【請求項6】 前記支持機構(50a、50a)に、前記散布用支持桿(60)の水平出し用のストッパ(67)が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の耕耘装置。
【請求項7】 前記散布用支持桿(60)が取付固定された前記左右一対の支持機構(50a、50a)は、前記下側支軸(45、45)に着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の耕耘装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、散布装置を備えた耕耘装置に係り、特に、散布物として、従来の土壌消毒剤である臭化メチル剤に代えてカーバム剤を散布する場合に好適な散布装置を備えた耕耘装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、土壌消毒剤として臭化メチル剤が一般的に使用されてきたが、臭化メチル剤は、オゾン層破壊の原因となることから、近年、その使用を制限ないし禁止する立法処置が採られつつある。
【0003】そのため、最近、土壌消毒剤として、臭化メチル剤に代えてカーバム剤を使用することが考えられている。カーバム剤は、通常、耕耘装置より手前側(つまり、まだ、掘り返されていない地面)に散布し、その直後に耕耘装置で掘り返して土壌中に拡散混合せしめることが良いとされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の如くに、土壌消毒剤としてカーバム剤を使用する場合、そのカーバム剤を散布するための散布装置の散布手段を何処に設けるかが問題となる。つまり、従来、液状の土壌消毒剤を散布するための噴射手段は、耕耘装置に配設することが普通であるが、この場合には、耕耘深さ(施用深さ)を変えると噴射手段の地面からの高さ位置が変わり、地面に対する噴射量にムラが生じる。このムラを生じ難くすべく、例えば、噴射手段としての薬液管に、より多くの噴射口を形成することが考えられるが、この場合には、液圧を相当低くすることが要求され、地形の変化等によって、各噴射口からの噴射量にばらつきが生じやすくなるとともに、ぼた落ち等の不具合を生じるおそれもある。
【0005】本発明は、前記した如くの問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、耕耘深さを変えても、地面に対する土壌消毒剤の噴射量にムラが生じにくくできるとともに、噴射量のばらつき、ぼた落ち等の不具合も生じにくくできるようにされた耕耘装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべく、本発明に係る耕耘装置は、基本的には、散布装置を備えると共に、走行車体と、この走行車体の後方に上下動自在に連結されたものであって、該耕耘装置による耕耘深さを可変とすべく、前記走行車体と前記耕耘装置とを連結する連結部材の中間部を地面から任意の高さ位置にて支承し得るようにされた左右一対のレベラーと、を備え、該レベラーに、散布物を前記耕耘装置より手前側の地面に散布する散布手段を有する前記散布装置が取り付けられていることを特徴としている。
【0007】前記レベラーは、好ましくは、車輪と、該車輪の支軸に連結された高さ調節ロッドと、を備え、該高さ調節ロッドに、前記連結部材を支承係止するための複数個の係止部が高さ方向に沿って所定間隔をあけて設けられる。本発明に係る耕耘装置の好ましい態様では、前記左右一対のレベラー間を橋架するように散布装置の散布用支持桿が配在され、該散布用支持桿に複数個の前記散布手段が左右方向に一定間隔をあけて配設される。
【0008】他の好ましい態様では、前記左右一対のレベラーに、それぞれ前記散布用支持桿の一端側及び他端側が左右一対の支持機構を介して上下方向に傾動可能に支持される。また、前記左右一対の支持機構は、それぞれ、好ましくは、前記高さ調節ロッドから前後方向に向けて水平に突設された下側支軸に、その下端部が回動自在に外嵌された支持レバーと、該支持レバーの上端部が回動自在に外嵌された上側支軸と、を備え、該上側支軸の一端側に、前記散布用支持桿の一端側又は他端側が取付固定される。
【0009】さらに好ましくは、前記支持機構に、前記散布用支持桿の水平出し用のストッパが設けられる。また、他の好ましい態様では、前記散布用支持桿が取付固定された前記左右一対の支持機構は、前記下側支軸に挿脱可能に装着される。
【0010】前記の如くの構成とされた本発明に係る散布装置を備えた耕耘装置で散布物として土壌消毒液剤を散布する場合においては、耕耘深さ調節用のレベラーに、土壌消毒剤を前記耕耘装置より手前側の地面に散布する手段である噴射手段が取り付けられるので、耕耘深さを変更しても、地面からの噴射手段の高さ位置は常に一定となり、そのため、地面に対する噴射量にムラが生じにくくなり、また、噴射圧力を比較的高く設定できるので、噴射量のばらつき、ぼた落ち等の不具合も生じにくくできる。
【0011】また、前記左右一対のレベラーに、それぞれ、噴射手段が配設された散布用支持桿の一端側及び他端側が左右一対の支持機構を介して上下方向に傾動可能に支持されているので、耕耘深さを変更するためのレベラー調整を、散布用支持桿及び噴射手段を取り外すことを要しないで、作業者一人で容易に行え、補助員を必要としない。
【0012】さらに、前記散布用支持桿が取付固定された前記左右一対の支持機構は、前記下側支軸に挿脱可能に装着されるので、その取り付け、取り外しを、補助員を必要とすることなく、また、噴射手段を損傷することなく、容易かつ迅速に行える。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る散布装置を備えた耕耘装置の一実施形態の主要部を示す左側面図である。図示実施形態の耕耘等の装置1は、農耕用トラクターからなる走行車体2と、この走行車体2の後端支持部5に、ヒッチピン26及び連結部材22を介して、上下動自在に連結されたロータリー式耕耘装置10と、該耕耘装置10による耕耘深さDを可変とすべく、前記走行車体2と前記耕耘装置10とを連結する前記連結部材22の断面矩形管状中間部24を、地面から任意の高さ位置にて支承し得るようにされた左右一対のレベラー30、30と、該レベラー30、30に取りつけられた散布装置50と、を備える。
【0014】前記耕耘装置10は、ロータリ爪20を有し、前記走行車体2からの動力を、前記ロータリ爪20に伝達するドライブシャフト18(図5)を内蔵する連結管14、歯車装置15、左右一対の側板12、12を連結する連結桿16、17、爪カバー18等からなっている。
【0015】前記レベラー30は、車輪40と、該車輪40の支軸42に連結された高さ調節ロッド32と、を備え、該高さ調節ロッド32に、前記連結部材22の前記断面矩形管状中間部24を支承係止するための係止部として多数の係止孔35が、高さ方向に沿って所定間隔をあけて設けられており、前記中間部24を係止ピン37で前記係止孔35のいずれかに係止することにより、耕耘深さDを調節するようになっている。
【0016】前記左右一対のレベラー30、30間には、図3、図5に示される如くに、それらを橋架するように、前記散布装置50の散布用支持桿60が配在され、該散布用支持桿60に、散布物としてのカーバム剤を前記耕耘装置10より手前側の地面に散布する散布手段としての、所定個数の噴射ノズル70、70、…が、左右方向に一定間隔をあけて配設されている。該噴射ノズル70には、前記走行車体2に搭載された図示しない薬剤タンクから、土壌消毒剤としてのカーバム剤Mが図示していないホース類を介してその導入口72に圧送供給され、前記噴射ノズル70から後方に向けて所定の吐出圧をもってコーン状に噴射される。
【0017】前記散布用支持桿60は、その一端側及び他端側が、それぞれ、前記左右一対のレベラー30、30における前記高さ調節ロッド32に、左右一対の支持機構50a、50aを介して上下方向に傾動可能に支持されている。具体的には、図2、図4を参照すればよくわかるように、前記左右一対の支持機構50a、50aは、それぞれ、前記高さ調節ロッド32の下部に設けられた連結部44から前方に向けて水平に突設された下側支軸45の小径部45aに、その下端管状部51が回動自在に外嵌された支持レバー52と、該支持レバー52の上端管状部53が回動自在に外嵌された小径部54aを有する上側支軸54と、を備え、該上側支軸54の前端側に固着された取り付け板57に、前記散布用支持桿60の一端側又は他端側がU字状押さえ金具59及びボルト類61、62からなる止め具により取付固定されている。また、前記上側支軸54の前記小径部54aの後端側には、抜け止めナット56が螺合せしめられている。
【0018】前記上側支軸54には、前記散布用支持桿60の水平出し用のストッパ67が、前記支持レバー52が垂直に立っているときにはその内側面に当接するように設けられている。前記下側支軸45の前記小径部45a先端部には、抜け止め用の揺動ストッパ部46が設けられている。この揺動ストッパ部46を、図2の実線で示される係止状態から、図2の仮想線で示される如くに、前記下側支軸45と同一中心軸線上位置するように水平に起こし、この状態で、前記左右一対の支持機構50a、50aにおける前記支持レバー52の前記下端管状部51を挿入することにより、前記散布用支持桿60が取付固定された前記左右一対の支持機構50a、50aが、前記下側支軸45、45に着脱自在に装着される。
【0019】かかる構成のもとで、耕耘深さ(図5に示される状態では、耕耘深さがDa)を変更する場合には、例えば、図6に示される如くに、左右一方のレベラー30を上方に所定高さHだけ持ち上げて、その位置にて前記係止ピン37で係止する。これにより、図4の上側の図(仮想線)に示される如くに、前記散布用支持桿60の片側及び前記支持レバー52が同時に持ち上げられるとともに、傾動せしめられる。
【0020】次に、図7に示される如くに、他方のレベラー30も上方に所定高さHだけ持ち上げると、前記散布用支持桿60が水平となり、この状態での耕耘深さは、前記元の深さDaに前記所定高さHを加算した深さDbとなる。前記の如くの構成とされた本実施形態の耕耘装置1においては、耕耘深さ調節用のレベラー30、30に、土壌消毒剤(カーバム剤)を耕耘装置10より手前側の地面に散布する噴射手段としての噴射ノズル70、70、…が取り付けられるので、耕耘深さDを変更しても、地面Gからの前記噴射ノズル70、70、…の高さ位置は常に一定となり、そのため、地面に対する噴射量にムラが生じにくくなり、また、噴射圧力を比較的高く設定できるので、噴射量のばらつき、ぼた落ち等の不具合も生じにくくできる。
【0021】また、前記左右一対のレベラー30、30に、それぞれ、噴射ノズル70、70、…が配設された散布用支持桿60の一端側及び他端側が左右一対の支持機構50a、50aを介して上下方向に傾動可能に支持されているので、耕耘深さを変更するためのレベラー調整を、前記散布用支持桿60及び前記噴射ノズル70、70、…を取り外すことを要しないで、作業者一人で容易に行え、補助員を必要としない。
【0022】さらに、前記散布用支持桿60が取付固定された前記左右一対の支持機構50a、50aは、前記下側支軸45に挿脱可能に装着されるので、その取り付け、取り外しを、補助員を必要とすることなく、また、噴射手段を損傷することなく、容易かつ迅速に行える。以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変更ができるものである。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発明に係る散布装置を備えた耕耘装置は、耕耘深さ調節用のレベラーに、散布物を前記耕耘装置より手前側の地面に散布する散布手段が取り付けられるので、耕耘深さを変更しても、地面からの散布手段の高さ位置は常に一定となり、そのため、散布物が液状である場合には、地面に対する噴射量にムラが生じにくくなり、また、噴射圧力を比較的高く設定できるので、噴射量のばらつき、ぼた落ち等の不具合も生じにくくできる。
【0024】また、前記左右一対のレベラーに、それぞれ、散布手段が配設された散布用支持桿の一端側及び他端側が左右一対の支持機構を介して上下方向に傾動可能に支持されているので、耕耘深さを変更するためのレベラー調整を、散布用支持桿及び散布手段を取り外すことを要しないで、作業者一人で容易に行え、補助員を必要としない。
【0025】さらに、前記散布用支持桿が取付固定された前記左右一対の支持機構は、前記下側支軸に挿脱可能に装着されるので、その取り付け、取り外しを、補助員を必要とすることなく、また、散布手段を損傷することなく、容易かつ迅速に行える。
【出願人】 【識別番号】000141990
【氏名又は名称】株式会社共立
【出願日】 平成12年3月13日(2000.3.13)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2001−251903(P2001−251903A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−69252(P2000−69252)