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【発明の名称】 管理機
【発明者】 【氏名】笹岡 雅行

【要約】 【課題】作業者に負担をかけないで走行方向をスムーズに変えることができる管理機を提供する。

【解決手段】管理機10は、耕耘軸20に土壌を耕す耕耘爪34・・・を取付けるとともに、耕耘軸20の両端に耕耘爪34・・・より大径の車輪50を取付け、これら車輪50で路上53を走行させるもので、耕耘軸20にワンウェイクラッチ44を介して車輪50を取付けることで、耕耘軸20の正転速度より車輪50,50の正転速度が勝ったときには、耕耘軸20に対して車輪50の自由回転を可能にした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕耘軸に土壌を耕す耕耘爪を取付けるとともに、耕耘軸の両端に耕耘爪より大径の車輪を取付け、これら車輪で路上走行させる形式の管理機において、前記耕耘軸にワンウェイクラッチを介して車輪を取付けることで、耕耘軸の正転速度より車輪の正転速度が勝ったときには、耕耘軸に対して車輪の自由回転を可能にしたことを特徴とする管理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耕耘軸の左右端に移動用の車輪を取り付けた管理機に関する。
【0002】
【従来の技術】管理機は、一例としてエンジンで耕耘軸を回転することにより、耕耘軸と一体に耕耘爪を回転させて土壌を耕すものである。管理機のなかには、実開昭57−86501号公報「サイドディスクに装着する移動用車輪」に提案されているように、耕耘軸の左右端に走行用の車輪を取り付けたものがある。この技術を、次図に再掲して詳しく説明する。なお、符号は振り直した。
【0003】図7は従来の管理機の断面図であり、耕耘軸100の左右端に左右のサイドディスク102(右側のみを示す)を取り付け、これら左右のサイドディスク102に左右の移動用車輪103(右側のみを示す)を嵌め込んだ状態を示す。移動用車輪103の外径D2を、耕耘爪104・・・・・・は複数個を示す)の回転直径D3より大きく設定することにより、耕耘爪104・・・を地面105に接触させないで管理機を移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、左右の移動用車輪103を、左右のサイドディスク102を介して耕耘軸100に一体に取り付けたので、左右の移動用車輪103は常時同じ回転数で回転する。これにより、例えば管理機の走行方向を左向きに変える際に、左側の移動用車輪103を地面に対してスリップさせる必要がある。一方、管理機の走行方向を右向きに変える際に、右側の移動用車輪103を地面に対してスリップさせる必要がある。
【0005】このため、管理機の走行方向を変える際に、作業者がハンドルを左右に移動して、左右の移動用車輪103の一方を路面に対して無理やりスリップさせながら走行方向を変える。従って、ハンドルを左右に移動する操作力が大きくなり、作業者の負担が大きくなる。また、移動用車輪103を無理やりスリップさせるので、管理機の走行方向をスムーズに変え難い。
【0006】そこで、本発明の目的は、作業者に負担をかけないで走行方向をスムーズに変えることができる管理機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、耕耘軸に土壌を耕す耕耘爪を取付けるとともに、耕耘軸の両端に耕耘爪より大径の車輪を取付け、これら車輪で路上走行させる形式の管理機において、前記耕耘軸にワンウェイクラッチを介して車輪を取付けることで、耕耘軸の正転速度より車輪の正転速度が勝ったときには、耕耘軸に対して車輪の自由回転を可能にしたことを特徴とする。
【0008】左右の車輪をワンウェイクラッチを介して耕耘軸に取り付けた。これにより、一方の車輪の正転速度を耕耘軸の正転速度より速めることで、一方の車輪が耕耘軸に対して自由に回転する。このため、一方の車輪を円滑に回転させながら、管理機の走行方向を変えることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は作業者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。図1は本発明に係る管理機の側面図である。管理機10は、ケーシング11の上端にエンジン12を取付け、エンジン12の駆動力で回転する動力伝達機構13をケーシング11の内部に配置し、この動力伝達機構13に耕耘軸20を取付け、耕耘軸20に耕耘爪34(回転時の外輪を想像線で示す)を取付け、耕耘軸20左右端に車輪50,50(奥側のみを図示する)を取り付け、ケーシング11の上部後端にハンドルポスト部55を介してハンドル56を取付けた歩行型自走式耕耘機である。
【0010】なお、57は抵抗棒である。耕耘軸20の左右端から車輪50,50を外して耕耘爪34で土壌を耕耘する際に、抵抗棒57を土壌の中に差込むことにより、耕耘爪34・・・による耕深量を設定するとともに耕耘爪34・・・の牽引力に対する抵抗力を付加することができる。
【0011】この管理機10は、エンジン12の駆動力で動力伝達機構13を介して耕耘軸20を回転させ、耕耘軸20で耕耘爪34・・・を回転するとともに左右の車輪50,50を正転することにより前進する。管理機10を車輪50,50で路上53を走行する際に、抵抗棒57の向きを下端部57aが車輪50,50側に近づけるように配置することにより、管理機10の移動操作の際に邪魔にならないようにすることができる。
【0012】動力伝達機構13は、エンジン12(図1に示す)の駆動力で回転するシャフト14と、シャフト14の下端に形成したピニオン15と、ピニオン15に噛み合ったベベルギヤ16とからなり、シャフト14、ピニオン15及びベベルギヤ16をケーシング11の内部に配置したものである。
【0013】図2は図1の2−2線断面図である。耕耘軸20は、ベベルギヤ16にセレーション17で噛み合った第1耕耘軸21と、第1耕耘軸21の左右端部に嵌め込み、第1ピン22,22でロックした左右の第2耕耘軸23,23と、左右の第2耕耘軸23,23に嵌め込み、第2ピン24,24でロックした左右の第3耕耘軸25,25と、左右の第3耕耘軸25,25に嵌め込み、第3ピン26,26でロックした左右の第4耕耘軸27,27とからなる。すなわち、耕耘軸20は、第1〜第4耕耘軸21,23,25,27をピン22,24,26で一体に連結したもので、エンジン12(図1に示す)の駆動力で第1〜第4耕耘軸21,23,25,27を一体に回転する。
【0014】左右の第2耕耘軸23,23にフランジ30,30を取り付け、フランジ30,30にボルト31・・・及びナット32・・・で耕耘爪34・・・を取り付ける。なお、フランジ30,30に筒体35,35を取り付けることにより、ケーシング11のシール11a,11aに耕土が侵入することを防ぐ。
【0015】左右の第3耕耘軸25,25にフランジ35,35を取り付け、フランジ35,35にボルト31・・・及びナット32・・・で耕耘爪34・・・を取り付ける。なお、左右の第4耕耘軸27,27にサイドディスク37,37を取り付ける。サイドディスク37,37は耕土の飛散を防止する板である。
【0016】左右の第4耕耘軸27,27に、左右の支軸40,40を差し込み、左右の支軸40,40にピン26,26を差し込むことで、左右の支軸40,40の抜けを防ぐ。左右の支軸40,40には左右のワンウェイクラッチ44,44を介して左右の車輪50,50を取付ける。
【0017】左右の車輪50,50の外径Dを、耕耘爪34・・・の回転直径D1より大きく設定することにより、耕耘爪34・・・を路上から浮す。なお、左右の車輪50,50は同じ構成なので、以下右側の車輪50についてのみ説明して左側の車輪の説明は省略する。
【0018】図3は本発明に係る管理機の要部拡大図であり、支軸40にワンウェイクラッチ44を介して車輪50を取付けた状態を示す。耕耘軸20の第4耕耘軸27に支軸40を差し込み、支軸40のピン孔40aを第3耕耘軸25のピン孔25a及び第4耕耘軸27のピン孔27aと合わせ、ピン孔27a、ピン孔25a及びピン孔40aに第3ピン26を挿入することで支軸40の抜けを防ぐ。第3ピン26の先端にロックピン28を取り付けることで、第3ピン26の抜けを防ぐ。管理機を10を移動する際に、車輪50を簡単に取り付けることができ、管理機10で土壌を耕耘する際に、車輪50を簡単に取り外すことができる。
【0019】図4は図3の4−4線断面図である。ワンウェイクラッチ44は、支軸40に穴41を形成するとともに穴41の上端に湾曲状の溝42(図3も参照)を形成し、穴41に圧縮ばね45を配置し、溝42にロック片46を配置するとともにロック片46を圧縮ばね45の外端に載せ、支軸40に外輪47を嵌め込み、外輪47の凹部48にロック片46を配置する。外輪47には、図3に示す車輪50のリング51が嵌め込まれ、外輪47の突起47aをリング51の凹部51a内に配置する。これにより、リング51を外輪47に一体に取付けた状態になる。
【0020】支軸40が白抜き矢印■の如く正転しているとき、支軸40の正転速度が車輪50の正転速度より勝っているときには、ロック片46が凹部48の垂直面48aに当って支軸40の回転をリング51に伝える。従って、リング51と一体に車輪50が回転して管理機10(図1に示す)が前進走行する。
【0021】一方、支軸40が白抜き矢印■の如く正転しているとき、支軸40の正転速度より車輪50の正転速度が勝ったとき、リング51と一体に外輪47が白抜き矢印■の如く支軸40より速く正転する。このため、外輪47のカム面48bがロック片46の頂部に当り、カム面48bでロック片46を支軸40の中心側に押し下げる。これにより、圧縮ばね45が圧縮してロック片46が支軸40の穴41内に入り込む。従って、リング51が支軸40に対して自由に正転する。従って、車輪50は支軸40に対して自由に正転する。
【0022】次に、車輪50を耕耘軸20から取り外す手順を説明する。図5は本発明に係る管理機から車輪を取り外す手順を示す説明図である。先ず、第3ピン26のピン孔26aからロックピン28を矢印■の如く引き抜く。次に、支軸40のピン孔40a、第3耕耘軸25のピン孔25a及び第4耕耘軸27のピン孔27aに挿入した状態の第3ピン26を矢印■の如く引き抜く。これにより、支軸40と耕耘軸20とのロック状態を開放する。次いで、支軸40を第4耕耘軸27から矢印■の如く抜き出すことにより、車輪50を耕耘軸20から取り外す。
【0023】この状態で、耕耘軸20を回転することで耕耘爪34・・・を回転して土壌を耕す。土壌を耕耘する場合、サイドディスク37の開口37aをプラグ(図示しない)で塞ぐことが好ましい。サイドディスク37の開口37aをプラグで塞ぐことで、サイドディスク37の開口37aから耕耘軸20内に耕土が侵入することを防ぐ。そして、耕耘作業が完了した後には、上述した取外し手順をの逆の手順で耕耘軸20に車輪50を簡単に取り付けることができる。
【0024】次に、管理機の作用について説明する。図6(a)〜(d)は本発明に係る管理機の作用説明図である。なお、(b)は(a)のb−b線断面図、(d)は(c)のd−d線断面図である。(a)において、作業者が管理機10のハンドル56を握って、管理機10を白抜き矢印■の如く前進走行させる。
【0025】(b)において、支軸40が矢印■の如く正転する。支軸40の正転速度が車輪50((a)に示す)の正転速度より勝っている。このため、ロック片46が凹部48の垂直面48aに当って支軸40の回転をリング51に伝える。従って、リング51と一体に車輪50((a)に示す)が矢印の如く正転して管理機10が白抜き矢印■の如く前進走行する。
【0026】(c)において、作業者が管理機10のハンドル56,56を握って、ハンドル56,56を矢印■の如く移動する。これにより、右側の車輪50の正転速度が上がる。(d)において、車輪50((a)に示す)と一体にリング51及び外輪47が白抜き矢印■の如く正転する。外輪47の正転速度は支軸40の正転速度より勝っている。このため、ロック片を凹部48のカム面48bがロック片46の頂部に当って、ロック片46を支軸40の中心側に押し込む。これにより、ロック片46が圧縮ばね45を圧縮させて溝42の中に入り込み、リング51が支軸40に対して自由に正転する。
【0027】この結果、矢印■の正転回転より矢印■の正転速度が勝り、リング51を任意に正転させることができ、このことにより、管理機の走行方向を矢印■の通りに容易に変えることができる。
【0028】一方、管理機10((a)に示す)の走行方向を白抜き矢印と反対方向に変える際には、作業者が管理機10のハンドル56を矢印■((c)に示す)と反対に移動することで、左側の車輪50を自由に正転することが可能である。この結果、車輪を無理やりスリップさせながら走行方向を変える必要がないので、作業者に負担をかけないで管理機10の走行方向をスムーズに変えることができる。
【0029】なお、前記実施の形態で説明したワンウェイクラッチ44は一例であり、その他の構成のワンウェイクラッチを使用しても同様の効果を得ることができる。ワンウェイクラッチを任意に選択することが可能なので設計の自由度を高めることができる。
【0030】また、管理機10の走行方向を変える例について説明したが、管理機10はその場旋回についても同様の効果を得ることができる。この結果、管理機10の使い勝手がより高まる。
【0031】さらに、サイドディスク37の開口37aをプラグで塞ぐ状態について説明したが、サイドディスク37の開口37aをプラグで塞がなくてもよい。これにより、車輪50の着脱作業をより簡単にすることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1は、左右の車輪をワンウェイクラッチを介して耕耘軸に取り付けることにより、耕耘軸の正転速度より車輪の正転速度が勝ったときには、耕耘軸に対して車輪の自由回転を可能にした。これにより、一方の車輪の正転速度を耕耘軸の正転速度より速めることで、一方の車輪が耕耘軸に対して自由に回転することができる。このため、一方の車輪を円滑に回転させながら、管理機の走行方向を変えることができる。この結果、作業者に負担をかけないで管理機の走行方向をスムーズに変えることができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成12年3月14日(2000.3.14)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
【公開番号】 特開2001−251901(P2001−251901A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−71182(P2000−71182)