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【発明の名称】 ロータリ作業機におけるロータリの支持構造
【発明者】 【氏名】涌田 毅

【要約】 【課題】爪軸の端部側への藁や雑草等の巻付きを防止するロータリ作業機におけるロータリの支持構造を提供することを課題としている。

【解決手段】圃場の耕耘作業を行う回転爪15が周面に突設された爪軸14端部側の藁や雑草を掻き落とすリブ状のスクレーパ28を、該爪軸14の両端部分を回動自在に支持する軸受け部17における該軸受け23を内収して作業機フレーム5側に固定されるホルダ24の外周面から上方に突出せしめて設け、軸受け部17を、下端部が爪軸14におけるホルダ24の近傍に設けられたフランジの下端部より圃場側に突出しない位置に配置し、スクレーパ28におけるフランジ側の端面を当該フランジに近接せしめた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場の耕耘作業を行う回転爪(15)が周面に突設された爪軸(14)を有するロータリ(20)を備え、該爪軸(14)の両端部分を回動自在に支持する軸受け部(17)を作業機フレーム(5)側に設け、上記軸受け部(17)が爪軸用の軸受け(23)と、該軸受け(23)を内収して作業機フレーム(5)側に固定されるホルダ(24)とを備え、爪軸(14)におけるホルダ(24)の近傍にフランジを設けたロータリ作業機において、爪軸(14)端部側の藁や雑草を掻き落とすリブ状のスクレーパ(28)を、ホルダ(24)とフランジとの間に位置するようにホルダ(24)の外周面から上方に突出せしめて設け、該スクレーパ(28)におけるフランジ側の端面を当該フランジに近接せしめ、軸受け部(17)を、下端部がフランジの下端部より圃場側に突出しない位置に配置したロータリ作業機におけるロータリの支持構造。
【請求項2】 爪軸(14)の両端にフランジ(14a)を設けるとともに、該爪軸(14)の少なくとも一方の端部に、互いのフランジ(14a),(19a)を介して固定され、軸受け部(17)に回動自在に軸支されるシャフト(19)を設け、スクレーパ(28)の端面をシャフト(19)のフランジ(19a)に近接せしめた請求項1のロータリ作業機におけるロータリの支持構造。
【請求項3】 スクレーパ(28)を側面視において山形に形成せしめ、爪軸(14)の正逆両回転方向に対して爪軸(14)端部側の藁や雑草を外方に案内させる構造とした請求項1のロータリ作業機におけるロータリの支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はトラクタ等に連結される耕耘用のロータリ作業機におけるロータリの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来トラクタ等に取り付けられる耕耘用のロータリ作業機は、回転により圃場の耕耘作業を行う回転爪が突設された爪軸が、該爪軸の両端に固着された支持軸を介して作業機のフレーム(作業機フレーム)側に回転自在に支持された構造が一般的である。そして作業機の作動中等には上記支持軸を支持する作業機フレーム側の軸受け部分に草等が巻きつく場合があり、このためこの軸受け部分への草等の巻き付きを防止する巻付防止機構を爪軸側に備えたものが知られている。しかし上記巻付防止機構により爪軸の脱着が困難になり、また耕耘深さを深くすると巻付防止機構が圃場内に挿入され耕耘に悪影響を与える場合があるという欠点があった【0003】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明のロータリ作業機におけるロータリの支持構造は、圃場の耕耘作業を行う回転爪15が周面に突設された爪軸14を有するロータリ20を備え、該爪軸14の両端部分を回動自在に支持する軸受け部17を作業機フレーム5側に設け、上記軸受け部17が爪軸用の軸受け23と、該軸受け23を内収して作業機フレーム5側に固定されるホルダ24とを備え、爪軸14におけるホルダ24の近傍にフランジを設けたロータリ作業機において、爪軸14端部側の藁や雑草を掻き落とすリブ状のスクレーパ28を、ホルダ24とフランジとの間に位置するようにホルダ24の外周面から上方に突出せしめて設け、該スクレーパ28におけるフランジ側の端面を当該フランジに近接せしめ、軸受け部17を下端部がフランジの下端部より圃場側に突出しない位置に配置したことを第1の特徴としている。
【0004】また爪軸14の両端にフランジ14aを設けるとともに、該爪軸14の少なくとも一方の端部に、互いのフランジ14a,19aを介して固定され、軸受け部17に回動自在に軸支されるシャフト19を設け、スクレーパ28の端面をシャフト19のフランジ19aに近接せしめたことを第2の特徴としている。
【0005】さらにスクレーパ28を側面視において山形に形成せしめ、爪軸14の正逆両回転方向に対して爪軸14端部側の藁や雑草を外方に案内させる構造としたことを第3の特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示されるように本実施形態のロータリ作業機1はトラクタ等の走行機体2の後方に3点リンクヒッチ3を介して昇降自在に連結され、圃場の耕耘作業を行う従来同様の構造を有したものであり、図1,図2に示されるように走行機体2側よりPTO動力が入力されるギヤケース4からパイプフレーム6が左右に突出して設けられているとともに、該パイプフレーム6の一方(左)の外端部にチェーンケース7が、他方(右)の外端部に平面視でコの字状断面をなすサイドフレーム8がそれぞれ一体的に設けられている。
【0007】つまりギヤケース4,パイプフレーム6,チェーンケース7,サイドフレーム8等によりロータリ作業機のフレーム(作業機フレーム)5を構成している。一方上記チェーンケース7とサイドフレーム8の下部にはチェーンケース7側のベアリング(図示しない)及びサイドフレーム8側のベアリング13を保持する軸受け部16,17がそれぞれ設けられており、チェーンケース7側のベアリングにチェーンケース側の支持シャフト(図示しない)が、サイドフレーム8側のベアリング13にサイドフレーム8側の支持シャフト19が各回転自在に軸支されている。
【0008】そして爪軸14の両端に両支持シャフト19がそれぞれ取り付けられており、これにより従来同様爪軸14がサイドフレーム8とチェーンケース7との間に支持シャフトを介して回転自在に軸支されるとともに、ギヤケース4に入力される駆動力がチェーンケース7を介して爪軸14に入力され、爪軸14が回転駆動される構造となっている。
【0009】このとき両支持シャフトの爪軸14側の端部及び爪軸14の両端部にはそれぞれフランジが設けられており、爪軸14と支持シャフトとの固定は、図3に示されるように爪軸14側のフランジと支持シャフト側のフランジをボルト等により固定することで着脱自在に行われる。なお図3はサイドフレーム8側の支持シャフト19と爪軸14との固定状態を示しており、爪軸14側のフランジ14aと支持シャフト19側のフランジ19aがボルト21により固定されている。
【0010】そして爪軸14には従来同様回転により圃場の耕耘作業を行う回転爪15が、爪軸14の外周に設けられた爪ホルダ10を介して複数取り付けられており、以上のように爪軸14の回転により回転爪15が圃場の耕耘作業を行うロータリ20が構成されている。
【0011】一方図3〜図5に示されるように支持シャフト19を回転自在に軸支する軸受け部17は、支持シャフト19側に位置するオイルシール25と、外端面側に位置するキャップ22と、該オイルシール25とキャップ22との間に配置されるベアリング(軸受け)23を収用して略円筒形をなすホルダ24と、該ホルダ24の外周面から上方に突出し、サイドフレーム8側に固定される固定部26とを備えており、ホルダ24と固定部26との間に、固定部26をサイドフレーム9にボルト27を介して固定した状態の固定部26と支持シャフト19のフランジ19aとの間に位置するようにリブ状のスクレーパ28を上方に突出させて設け構成されている。
【0012】このときホルダ24の外径は支持シャフト19のフランジ19aより小径であり、またホルダ24の軸心(支持シャフト19の軸心)からスクレーパ28の先端までの距離は、支持シャフト19のフランジ19aの最大半径とほぼ同じ又は若干大きくなるように設定されている。そしてスクレーパ28の内端面(フランジ19aに対向する面)はホルダ24のサイドフレーム9への取付状態において、フランジ19aに近接している。またスクレーパ28は正面視で爪軸14(支持シャフト19)の正逆両回転方向に対して順に外側に突出するようになだらかな山形をなしている。
【0013】これにより耕耘作業中等において支持シャフト19と一体に回転する爪軸14の軸受け部17の近傍に藁や雑草等が巻きついた場合であっても、この巻き付いた藁や雑草が爪軸14側と連れ回る際に藁や雑草等がサイドフレーム8の裏側位置において上記スクレーパ28に当接し、爪軸14側から脱離せしめられ、藁や雑草等の爪軸14側への巻付等が防止される。
【0014】このときスクレーパ28が上記のように山形をなしているため、爪軸14の回転に伴って藁や雑草等を爪軸14側から外す方向に案内し、藁や雑草等を爪軸14側から容易に脱離させることができるほか、爪軸14の回転方向が正方向または逆方向のいずれの場合でも、爪軸14の回転に伴って藁や雑草等を爪軸14側から外す方向に案内して上記効果を得ることができる。
【0015】つまり上記スクレーパ28により軸受け部分への藁や雑草等の巻き付きを防止する巻付防止機構が構成されるが、この巻付防止機構が爪軸14側に設けられていないことに加え、ホルダ24がフランジ19aより小径に設定され、軸受け部17の下端がフランジの下端部より下方(圃場側)に突出せず、比較的小さくなっているため、耕耘深さを比較的深くした場合であっても、巻付防止機構が爪軸側に配置されているもののように、スクレーパ28側(ホルダ24)が圃場に接したり挿入されたりすることがなく、より深い耕耘深さ設定することが可能となる。
【0016】また上記スクレーパ24は軸受け部17の補強(リブとしての機能)も行い、つまり補強用のリブと巻付防止機構(スクレーパ28)を一体的に構成したため、軸受け部17をコンパクトで、且つ簡単な構造とすることも可能となっている。さらに爪軸14の脱着に悪影響を与えず、爪軸14の脱着を容易に行うことができる。なお上記実施形態におけるスクレーパ28は前述のように山形となっているが、図6,図7に示すように側面視において棒状をなすように構成してもよく、この場合は爪軸14の回転に伴う藁や雑草等の外側への案内効果は少ないが、その他は上記同様の効果を得ることができる。
【0017】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、耕耘作業中等においてロータリの爪軸における軸受け部の近傍に藁や雑草等が巻きついた場合に、この巻き付いた藁や雑草が爪軸側とつれ回る際に藁や雑草が軸受け部側のスクレーパに当接し、爪軸側から脱離せしめられ、藁や雑草の爪軸側への巻付等が防止されるという効果がある。
【0018】このとき上記スクレーパが爪軸側ではなく作業機フレーム側に設けられていることに加え、ホルダの下端部が近接するフランジの下端部に比較して圃場側に突出していないため、耕耘深さを比較的深くした場合であっても、スクレーパが圃場に接したり挿入されたりすることがなく、より深い耕耘深さ設定することが可能となる。
【0019】また上記スクレーパは軸受け部のリブとしても機能するため、つまり補強用のリブとスクレーパが一体的に構成され、軸受け部をコンパクトで、且つ簡単な構造とすることも可能となっている。なおスクレーパを山形に形成せしめることで、スクレーパが爪軸の回転に伴って藁や雑草等を爪軸側から外す方向に案内し、藁や雑草等を爪軸側から容易に脱離させることができるほか、爪軸の回転方向が正方向または逆方向のいずれの場合でも、爪軸の回転に伴って藁や雑草等を爪軸側から外す方向に案内して上記効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成12年3月9日(2000.3.9)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開2001−245501(P2001−245501A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−65070(P2000−65070)