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【発明の名称】 作業機連結装置
【発明者】 【氏名】山地 一平

【氏名】平田 光喜

【氏名】大西 健司

【氏名】安宮 久勝

【氏名】内田 隆史

【要約】 【課題】トラクタ後部に備えた三点リンク機構の後端側に、作業機を連結する連結枠を備え、この連結枠に設けた左右一対のジョイントサポート間に、PTO軸とPIC軸とを連動連結するジョイント軸の作業機側ジョイント部を保持するジョイントホルダを配置し、ジョイントサポートに形成されたガイド溝に、ジョイントホルダの左右両側部に設けた軸部を嵌合し、ジョイントサポートに、ジョイントホルダの姿勢を保持するようにジョイントホルダに設けた位置決め部材を受持する係止部を設けた作業機連結装置において、ジョイントサポートからジョイントホルダを離脱できるように構成する。

【解決手段】軸部65をガイド溝68から離脱させるための切欠き部19と、軸部65を切欠き部19を通して離脱させる際に、該軸部65の移動を妨げない位置に位置決め部材66を移動させるべく軸部65を移動させる逃がし部17を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラクタ車体に一端側が枢着される三点リンク機構の他端側に、作業機を連結する連結枠を備え、この連結枠に、PTO軸とPIC軸とを連動連結するジョイント軸の作業機側ジョイント部を保持するジョイントホルダを備え、このジョイントホルダを、ジョイント軸の作業機側ジョイント部が複数の位置でPIC軸と連結可能となるように、位置変更自在とした作業機連結装置において、ジョイントホルダを連結枠から取り外すためのジョイントホルダ離脱手段を設けたことを特徴とする作業機連結装置。
【請求項2】 トラクタ車体に一端側が枢着される三点リンク機構の他端側に、作業機を連結する連結枠を備えると共に、PTO軸とPIC軸とを連動連結するジョイント軸の作業機側ジョイント部を保持するジョイントホルダを備え、連結枠に、ジョイントホルダの左右両側に配置されてジョイントホルダを支持するジョイントサポートを固定し、このジョイントサポートに、ジョイント軸の作業機側ジョイント部が複数の位置でPIC軸と連結可能となるように、ジョイントホルダの左右両側部に設けられた軸部を保持可能な保持部を複数備え且つ軸部が各保持部間を移動可能であるガイド溝を形成した作業機連結装置であって、ジョイントサポートに、該ジョイントサポートからジョイントホルダを取り外すためのジョイントホルダ離脱手段を設けたことを特徴とする作業機連結装置。
【請求項3】 ジョイントサポートに軸部をガイド溝から離脱させるための切欠き部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の作業機連結装置。
【請求項4】 ジョイントホルダに位置決め部材を設け、保持部に軸部が保持された状態でジョイントホルダの姿勢を保持するように位置決め部材を受持する係止部をジョイントサポートに設け、軸部を切欠き部を通して離脱させる前に、該軸部の離脱を妨げない位置に予め位置決め部材を移動させるべく、軸部をガイド溝から外れた位置に移動させる逃がし部をジョイントサポートに設けたことを特徴とする請求項3に記載の作業機連結装置。
【請求項5】 軸部を逃がし部に位置させた状態において、軸部廻りの回動によって軸部の切欠き部を通しての離脱を妨げない位置に位置決め部材を移動できるように構成すると共に、軸部廻りの最小半径の円運動によって、軸部の切欠き部を通しての離脱を妨げない位置に位置決め部材を移動できる位置に逃がし部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の作業機連結装置。
【請求項6】 軸部を切欠き部を通してガイド溝から離脱させる際において、位置決め部材が対向するジョイントサポートの外面を、位置決め部材が移動する方向に略沿う形状に形成したことを特徴とする作業機連結装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタにロータリ等の作業機を連結する作業機連結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トップリンクと左右のロワーリンクとからなる三点リンク機構を定型化する連結枠(クイックカプラー又はオートヒッチフレームと称される)を用いて、動力伝達系を自動連結しながら作業機を連結するようにしたトラクタの作業機連結装置は、特開平10ー286005号公報等で公知である。この従来技術は、トラクタ車体の後部に、トップリンク及び左右一対のロワーリンクのそれぞれの前端側を枢着し、このトップリンク及び左右一対のロワーリンクの後端側に連結枠を連結し、この連結枠に、上連結部と左右一対の下連結部とを形成すると共に、トラクタ車体のPTO軸と作業機のPIC軸とを連動連結するジョイント軸の作業機側ジョイント部を保持するジョイントホルダを設け、前記連結枠の上連結部と下連結部とに、作業機の上係合部及び左右一対の下係合部をそれぞれ係合しながら、ジョイントホルダに保持されたジョイント部にPIC軸を結合していくことにより、三点リンク仕様の作業機をトラクタ車体に自動連結できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記作業機連結装置として、複数種の作業機、例えば2種の作業機を連結するために上連結部と下連結部とを2ヶ所形成したものがあり、この種の作業機連結装置にあっては、ジョイントホルダも2つの装着位置に位置変更可能に構成されている。このジョイントホルダを2位置に位置変更可能に取り付ける構造として、左右一対のジョイントサポートを連結枠に固定すると共に、この左右ジョイントサポート間にジョイントホルダを配置し、ジョイントホルダの左右両側に横軸を設けると共に、ジョイントサポートに前記横軸が嵌合するガイド溝を形成し、このガイド溝の一端部と他端部とに横軸が係合する位置がジョイントホルダのPIC軸連結位置とされているものが考えられている。
【0004】また、前記構成のものにあっては、PIC軸連結位置でジョイントホルダの姿勢を保持させるために、ジョイントホルダに設けた係合ピンを係合させるための係合溝が形成されている。この構造のものにあっては、ジョイントホルダは連結枠に固定された左右のジョイントサポートに挟み込まれると共に、ジョイントサポートに形成されたガイド溝にジョイントホルダの横軸が嵌合されているので、ジョイントホルダをジョイントサポートから取り外すことができない構造とされている。
【0005】前記ジョイントホルダは、かなりの重量があり、連結枠をトラクタに装着またはトラクタから取り外すときに、連結枠にジョイントホルダを付けたまま行うと、取り扱いが不便であると共に、重労働であるという問題がある。そこで本発明は、前記問題を解消した作業機連結装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明が前記課題を解決するための技術的手段は、トラクタ車体に一端側が枢着される三点リンク機構の他端側に、作業機を連結する連結枠を備え、この連結枠に、PTO軸とPIC軸とを連動連結するジョイント軸の作業機側ジョイント部を保持するジョイントホルダを備え、このジョイントホルダを、ジョイント軸の作業機側ジョイント部が複数の位置でPIC軸と連結可能となるように、位置変更自在とした作業機連結装置において、ジョイントホルダを連結枠から取り外すためのジョイントホルダ離脱手段を設けたことを特徴とする。
【0007】また、他の技術的手段は、トラクタ車体に一端側が枢着される三点リンク機構の他端側に、作業機を連結する連結枠を備えると共に、PTO軸とPIC軸とを連動連結するジョイント軸の作業機側ジョイント部を保持するジョイントホルダを備え、連結枠に、ジョイントホルダの左右両側に配置されてジョイントホルダを支持するジョイントサポートを固定し、このジョイントサポートに、ジョイント軸の作業機側ジョイント部が複数の位置でPIC軸と連結可能となるように、ジョイントホルダの左右両側部に設けられた軸部を保持可能な保持部を複数備え且つ軸部が各保持部間を移動可能であるガイド溝を形成した作業機連結装置であって、ジョイントサポートに、該ジョイントサポートからジョイントホルダを取り外すためのジョイントホルダ離脱手段を設けたことを特徴とする。
【0008】前記構成において、ジョイントサポートに軸部をガイド溝から離脱させるための切欠き部を設けるようにしてもよい。また、ジョイントホルダに位置決め部材を設け、保持部に軸部が保持された状態でジョイントホルダの姿勢を保持するように位置決め部材を受持する係止部をジョイントサポートに設け、軸部を切欠き部を通して離脱させる前に、該軸部の離脱を妨げない位置に予め位置決め部材を移動させるべく、軸部をガイド溝から外れた位置に位置させる逃がし部をジョイントサポートに設けるようにしてもよい。
【0009】また、軸部を逃がし部に位置させた状態において、軸部廻りの回動によって軸部の切欠き部を通しての離脱を妨げない位置に位置決め部材を移動できるように構成すると共に、軸部廻りの最小半径の円運動によって、軸部の切欠き部を通しての離脱を妨げない位置に位置決め部材を移動できる位置に逃がし部を設けるようにしてもよい。軸部をガイド溝から切欠き部を通して離脱させる際において、位置決め部材が対向するジョイントサポートの外面を、位置決め部材が移動する方向に略沿う形状に形成するのがよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図4及び図5は、トラクタ車体2に装着された連結装置1に、ロータリ耕耘機で例示した作業機9を特殊状態(特殊三点リンク仕様の装着状態)で装着したものを示しており、連結装置1のトップリンク3及びトップリンクブラケット26を標準三点リンク仕様のものに変更することにより、標準三点リンク仕様装着状態に変更することが可能になっている。
【0011】トラクタ車体2は、背面上部にトップリンクブラケット26を装着し、後部上面に油圧シリンダを有する作業機昇降装置27を搭載し、トラクタ車体2の後下部にロワーリンクピン30を有し、PTO軸12が背面略中央から後方に突出されている。三点リンク機構5は、左右方向中央1本のトップリンク3と左右一対のロワーリンク4とを有し、トップリンク3の前連結部3Fはトップリンクブラケット26にピンを介して左右方向の軸心廻りに回動自在に連結され、左右ロワーリンク4の前連結部4Fはロワーリンクピン30に左右方向の軸心廻りに回動自在に連結されている。
【0012】また、このロワーリンク4は、作業機昇降装置27のリフトアーム28とリフトロッド29を介して連結されており、三点リンク機構5が作業機昇降装置27によって昇降自在になっている。三点リンク機構5の後端すなわち、トップリンク3と左右のロワーリンク4の後端には連結枠6が連結されており、この連結枠6に特殊三点リンク仕様(又は標準三点リンク仕様)の作業機9が、着脱自在にかつ昇降装置27によって昇降自在に連結されていると共に、PTO軸12とPIC軸13がジョイント軸14を介して連動連結されている。
【0013】前記作業機9は、例えば、PIC軸13を前方突出したギヤケース33から左右にサポートアーム34を突出し、左右サポートアーム34の外端に伝動ケース及びサイドフレームを固定して機枠(ロータリ機枠)9Aを構成し、伝動ケース及びサイドフレーム間の下部で爪軸を左右方向の軸心廻りに回転自在に支持し、その爪軸に多数本の耕耘爪を取り付けている。また、ギヤケース33上にはトップマスト36が固着され、左右サポートアーム34には前後に突出した連結ブラケット37が固定されている。
【0014】前記作業機9のトップマスト36の前上端のピンは、連結枠6の上連結部7と係合される上係合部10を形成し、左右各連結ブラケット37に設けたピンは、連結枠6の左右下連結部8と係合される下係合部11を形成している。図4〜図10に示すように、前記連結装置1に組み込まれる連結枠6は、角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)で形成された主枠41を有する。この主枠41は背面視山形状の主要部材41Aの上下方向中途部を左右方向の上補強材44で連結して背面視略A字形状に形成されている。
【0015】また、この主枠41の中央上部に上部体42が固着され、左右下部に下部体43が固着され、上補強材44の中途部左右と左右下部体43とを左右一対の略L字状の支持部材45で繋いで、前記連結枠6が主構成されている。前記上部体42は、前上部にピンを貫通してトップリンク3の後連結部3Rと連結され、後部には上下一対の上連結部7A、7Bが形成されており、この上連結部7A、7Bは上方に開放状の凹状に形成されている。この上連結部7A、7Bは下連結部8から異なる距離にあり、特殊三点リンク仕様又は標準三点リンク仕様の作業機9の上係合部10と択一的に係合するものである。
【0016】前記下部体43は2枚の板材又はU字状に折り曲げた部材で形成され、その前部から突出した板材から外側方へピンを突出することで、ロワーリンク4の後連結部4Rと連結される後部連結点16を形成している。この下部体43の後部には後方開放凹状の下連結部8を形成している。この下連結部8は、下部体43を形成する2枚の板状部分に側面視略U字状(又はJ字状)の板材46を固着している。また、前記下部体43には、図8〜図10に示すように、横軸47を介してロック部材48が回動可能に支持されており、略U字状板材46の孔46aから突出可能になっている。前記ロック部材48は孔46aから突出することにより、下連結部8に係合した下係合部11と係合可能であり、係合することにより下連結部8から下係合部11が離脱するのを阻止する。
【0017】ロック部材48はコイルバネによって下係合部11に係合する方向に付勢されており、その前部は解除手段50の山形状のリンク51に連結されている。解除手段50は上補強材44に固定のブラケット52にアーム53が枢支され、このアーム53にリンク51の中央が相対回転自在に貫通され、またアーム53に操作レバー54が固着されており、操作レバー54を回動操作することにより、リンク51がアーム53を越えて移動し、ロック部材48が回動して下係合部11との係合が解除されるようになっている。
【0018】前記略U字状板材46は、2枚の板状部材よりも下係合部11に広い面積で当接するので、面圧が低くなり、摩耗が少なく、安定的な係合ができ、ロック部材48の突出上限も略U字状板材46で行えるようになってる。なお、前記ロック部材48等によって構成されるロック手段は、前記構成に限定されるものではなく、種々の従来技術のものが利用できる。前記構成の連結装置1において、作業機9をトラクタ車体2に連結するには、先ず、連結枠6の上連結部7A、7Bのどちらか一方が作業機9の上係合部10の下側に位置するようにトラクタ車体2を後進させ、その後、作業機昇降装置27によって連結枠6を上昇させて、上連結部7A、7Bにより上係合部10をすくい上げて、作業機9を吊り上げる。
【0019】すると、作業機9が上係合部10を中心として前方(トラクタ車体2側)に揺動して、連結枠6に接近し、左右の下係合部11が左右の下連結部8に後方から嵌合する。このとき、ロック部材48は孔46aから突出させておくが、下係合部11によってロック部材48が押圧されて、バネ力に抗して下側に逃げることで下係合部11の下連結部8への嵌入が許容され、下係合部11が下連結部8の奥まで嵌合すると、ロック部材48は復帰して、下係合部11の下連結部8からの離脱を阻止する。
【0020】以上のようにして、連結装置1を介して作業機9がトラクタ車体2に自動連結されるように構成されている。図4及び図6において、トラクタ車体2の動力取出軸であるPTO軸12と、作業機9の動力入力軸であるPIC軸13とはジョイント軸14で連動連結されており、ジョイント軸14は中途部が伸縮自在軸となっていて、PTO軸12に連結される側には2組のフック式継ぎ手からなる等角自在継ぎ手(等速自在継ぎ手)58を有し、PIC軸13に連結される側には1組のフック式継ぎ手からなる自在継ぎ手59を有している。
【0021】なお、このPIC軸13側にも等角自在継ぎ手58を採用してもよい。ジョイント軸14の後端部には、PIC軸13が着脱自在に嵌合連結されるヨーク60(ジョイント部)を有し、このヨーク60は、連結枠6に設けられたジョイントホルダ15に、PIC軸13が後方側から嵌合連結可能に支持されており、作業機9を自動連結する際に、PIC軸13も同時にジョイント軸14に自動連結されるように構成されている。前記ジョイントホルダ15は、連結枠6の左右各支持部材45の左右方向内側にボルト等によって固定されたジョイントサポート61に支持されている。
【0022】このジョイントホルダ15は軸受を介してヨーク60を軸心廻りで回転自在に支持する円筒体63と、左右一対の側壁とこの左右側壁の前端を連結する前壁ととから平面視後方に開放状の略コ字状に形成された保持体64と、この保持体64の左右側壁外面にピンを固着して形成された左右一対の軸部65とを有して構成されている。円筒体63は保持体64の前壁前面に固着され、保持体64の前壁にはPIC軸13を通過させて該PIC軸13をヨーク60に嵌合連結させるための孔が形成されている。
【0023】なお、左右の軸部65には、ローラ62が軸心廻りに回転自在に外嵌されているが、軸部65のみであってもよい。前記軸部65は左右方向の軸心を有していて円筒体63より後方に変位して配置されており、ジョイントホルダ15は、この軸部65を介してジョイントサポート61に左右方向の軸心(横軸)廻りに揺動自在に枢支されている。保持体64の前上部には、ピン又はパイプ等で形成されていて、左右方向外方に突出した左右一対の位置決め部材66が設けられている。
【0024】また、ジョイントサポート61には、上方開放状の溝を有する鉤状(フック状)の係止部67a、67bが上下一対形成され、この係止部67a、67bに前記位置決め部材66が係合可能とされている。ジョイントホルダ15は、軸部65を中心に揺動可能であると共に、位置決め部材66が係止部67a、67bの溝部底面に当接した姿勢に保持可能とされており、PIC軸13が嵌合する前の状態のときにあっては、位置決め部材66は係止部67a、67bに受持されてヨーク60の軸心とPIC軸13の軸心とを略同心にさせる役目をしており、ヨーク60にPIC軸13が嵌合した状態では、位置決め部材66は係止部67a、67bから離れるようになっている。すなわち、位置決め部材66及び係止部67a、67bはヨーク15を姿勢制御する姿勢制御手段となっている。
【0025】このジョイントホルダ15は、連結枠6が、特殊三点リンク仕様の作業機9と標準三点リンク仕様の作業機9とを付け替え(2種の作業機9を連結)可能であるのに対応して、特殊三点リンク仕様の作業機9のPIC軸13が嵌合連結される連結位置と、標準三点リンク仕様の作業機9のPIC軸13が嵌合連結される連結位置との、2つのPIC軸連結位置に位置変更可能とされている(なお、3以上のPIC軸連結位置に位置変更可能とされていてもかまわない)。すなわち、前記ジョイントサポート61の左右方向内側面には略逆J字状のガイド溝68が形成されており、このガイド溝68にジョイントホルダ15の軸部65がローラ62を介して(またはローラ62を介さずに直接)内嵌されている。
【0026】そして、この軸部65は、ガイド溝68内を溝長手方向に移動自在とされていて、ガイド溝68の下端と上端とに軸部65が保持可能とされている。したがって、このガイド溝68の下端と上端とが、軸部65を係合保持可能(位置決め可能)な保持部68a,68bとされている。前記ジョイントホルダ15は、図4、5に示すように、軸部65がガイド溝68下端の保持部68aに保持され、かつ位置決め部材66が下側の係止部67aに係合している状態が主に特殊三点リンク用作業機1の連結に使用される位置とされ、図7に示すように、軸部65がガイド溝68上端の保持部68bに保持され、かつ位置決め部材66が上側の係止部67bに係合している状態が主に標準三点リンク用作業機1の連結に使用される位置とされている。
【0027】左右のジョイントサポート61には、ジョイントホルダ15を連結枠6から取り外すための、ジョイントホルダ離脱手段17が設けられている。このジョイントホルダ離脱手段17は、図1〜図3に示すように、本実施の形態では、前述した軸部65の、一方の係合保持位置(ガイド溝下端68a)から他方の係合保持位置(ガイド溝上端68b)に至る移動経路(ガイド通路)途中に設けられた逃がし部18と切欠き部19とから構成されており、ジョイントホルダ15がPIC軸連結位置以外のところでジョイントサポート61(連結枠6)から取り外せるように構成されている。
【0028】逃がし部18は、軸部65及びローラ62が嵌まる円弧状に形成され、ガイド溝68の直線部分の前面側の壁部に、ガイド溝68に連通するように形成されている。したがって、例えば、図1に示すように、軸部65がガイド溝68下端の保持部68aに保持され、かつ位置決め部材66が下側の係止部67aに係合している状態から、ジョイントホルダ15を上方移動させて位置決め部材66を下側の係止部67aの溝部から上方に離脱させると共に、軸部65及びローラ62を逃がし部18に嵌合させ、さらにジョイントホルダ15を軸部65廻りに下方に回動させることにより、図2に示すように、位置決め部材66は、下側の係止部67aの前部20の先端部分(上端部分)を越えて下側の係止部67aの前方側に外れる。
【0029】逃がし部18を形成する位置及び形状は図例のものに限定されないが、図例のものでは、逃がし部18は、位置決め部材66が、軸部65の軸心を中心とする最小半径の円運動で、下側の係止部67aの、上方側から前方側を経て下方側へと移動する位置に形成されている。切欠き部19は、ガイド溝68の直線部分の後面側の壁部に、ガイド溝68に連通するように且つ後方側に開放状となるように形成されていて、軸部65をガイド溝68から離脱可能であると共に、逃がし部18よりも若干下方側に位置していて、逃がし部18が切欠き部19を臨む位置に設けられている。
【0030】また、ジョイントサポート61の下面は、前部から後部に向かうにしたがって下方に移行する傾斜面21に形成されており、この傾斜面21に沿うように前記切欠き部19の下面が形成されている。そして、図2に実線で示すように、軸部65が逃がし部18に嵌合し且つ位置決め部材66が下側の係止部67aから前方に外れた状態から、ジョイントホルダ15を軸部65廻りに下方に回動させて、位置決め部材66を傾斜面21の上端側へと移動させた後、軸部65を逃がし部18から離脱させ、さらに位置決め部材66が傾斜面21に沿うように、ジョイントホルダ15を後ろ斜め下方側に移動させる(したがって、傾斜面21は、軸部65を逃がし部18を介して離脱させる際の、位置決め部材66の移動方向に略沿う形状に形成されている)。
【0031】すると、図3に示すように、切欠き部19を介して軸部65がガイド溝68から離脱し、軸部65をジョイントサポート61から離反することができる。すなわち、切欠き部19を設けるだけでは、位置決め部材66が邪魔物となって軸部65をガイド溝68から離脱させることが困難であるが、逃がし部18を設けることにより、位置決め部材66を、軸部65が切欠き部19を通過するのを妨げない位置に容易に移動できるのである。以上のようにして、前記構成のものでは、ジョイントホルダ15をジョイントサポート61(連結枠6)から簡単に取り外すことができる。そして、トラクタ車体2から連結枠6を取り外すときや装着するときにおいて、連結枠6からジョイントホルダ15を取り外しておくことにより、その分連結枠6が軽くなり、着脱作業が容易となる。労力の軽減化が図れる。
【0032】なお、ジョイントホルダ15を取り付ける場合は、前記動作と逆の動作を行えばよい。前記構成のものにあっては、ジョイントホルダ15をジョイントサポート61から外すのに、ヨーク60が斜め前下方を向くように取り外せるので、ジョイントホルダを取り外す場合に、ジョイントホルダ15にジョイント軸14を取り付けたままであっても(ヨーク60をジョイントホルダ15から取り外さなくても)、取り扱いが容易である。
【0033】また、ジョイントサポート61を固定しているボルトを取り外すことによっても、ジョイントホルダ15を連結枠6から取り外せるが、その場合、ボルトを外すのに費やす労力及び時間が大である。
【0034】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、ジョイントホルダ離脱手段を設けることにより、トラクタから連結枠を取り外すときや装着するときにおいて、連結枠からジョイントホルダを取り外しておくことができ、取り扱いが容易となり、労力が軽減される。ジョイントサポートに軸部をガイド溝から離脱させるための切欠き部を設けることにより、ジョイントホルダを比較的容易に取り外すことができる。
【0035】また、ジョイントホルダに位置決め部材を設け、保持部に軸部が保持された状態でジョイントホルダの姿勢を保持するように位置決め部材を受持する係止部をジョイントサポートに設け、軸部を切欠き部を通して離脱させる前に、該軸部の離脱を妨げない位置に予め位置決め部材を移動させるべく、軸部をガイド溝から外れた位置に位置させる逃がし部をジョイントサポートに設けることにより、位置決め部材を備えたものであっても、ジョイントホルダを比較的容易に取り外すことができる。
【0036】また、軸部を逃がし部に位置させた状態において、軸部廻りの回動によって軸部の切欠き部を通しての離脱を妨げない位置に位置決め部材を移動できるように構成すると共に、軸部廻りの最小半径の円運動によって、軸部の切欠き部を通しての離脱を妨げない位置に位置決め部材を移動できる位置に逃がし部を設けることにより、ジョイントホルダの取り外しが容易となると共に、逃がし部の形成も容易となる。また、軸部をガイド溝から切欠き部を通して離脱させる際において、位置決め部材が対向するジョイントサポートの外面を、位置決め部材が移動する方向に略沿う形状に形成することにより、ジョイントホルダの取り外しが容易となる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2001−238505(P2001−238505A)
【公開日】 平成13年9月4日(2001.9.4)
【出願番号】 特願2000−53931(P2000−53931)