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【発明の名称】 乗用型田植機の操作レバー支持構造
【発明者】 【氏名】児島 祥之

【氏名】松木 直樹

【氏名】東尾 登

【氏名】網代 成良

【要約】 【課題】乗用型田植機の操作レバー支持構造において、苗植付装置の上昇及び下降駆動並びに右及び左のマーカーの接地位置への操作を行う操作レバーを、容易に機体の固定部に取り付けることができるように構成する。

【解決手段】操作レバー20と、苗植付装置を上昇及び下降駆動する為の操作レバー20の操作を取り出す第1検出手段35,36と、右及び左のマーカーの接地位置への作動を許す為の操作レバー20の操作を取り出す第2検出手段41とにおいて、操作レバー20、第1及び第2検出手段35,36,41を支持フレーム30に支持させてユニット状に構成し、支持フレーム30を機体の固定部43に取り付け自在に構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中立位置から第1方向の一方及び他方並びに中立位置から第1方向と交差する第2方向の一方及び他方に操作自在で、人為的に操作される操作レバーと、前記操作レバーの第1方向の一方及び他方への操作を、苗植付装置を上昇及び下降駆動する為の操作として取り出す第1検出手段と、前記操作レバーの第2方向の一方及び他方への操作を、右及び左のマーカーの接地位置への作動を許す為の操作として取り出す第2検出手段とにおいて、前記操作レバー、第1及び第2検出手段を支持フレームに支持させて、ユニット状に構成すると共に、前記支持フレームを機体の固定部に取り付け自在に構成してある乗用型田植機の操作レバー支持構造。
【請求項2】 前記支持フレームを操縦ハンドルの支持ポストに取り付け自在に構成してある請求項1に記載の乗用型田植機の操作レバー支持構造。
【請求項3】 前記支持フレームにコイルバネを備え、第1及び第2方向に操作自在に支持される前記操作レバーの操作支点に、前記コイルバネが前記操作支点を跨いで押圧するように構成して、前記操作レバーが中立位置から第1又は第2方向の一方及び他方に操作されると、前記コイルバネが弾性変形して、前記操作レバーを中立位置に戻し付勢する付勢力が前記コイルバネから前記操作レバーに掛かるように構成してある請求項1又は2に記載の乗用型田植機の操作レバー支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗用型田植機において、苗植付装置の上昇及び下降駆動、並びに右及び左のマーカーの接地位置への操作構造に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用型田植機では例えば特開平9−289802号公報に開示されているように、操作レバー(前記公報の図1及び図2中の18)を中立位置から上方に操作すると苗植付装置が上昇駆動され、操作レバーを中立位置から下方に操作すると苗植付装置が下降駆動されるように構成されている。操作レバーを前方に操作すると、左のマーカーを格納位置に保持する保持機構が解除操作され(苗植付装置が下降された状態で左の保持機構が解除操作されるか、又は左の保持機構が解除された状態で苗植付装置が下降駆動されると、左のマーカーが接地位置に操作される)、操作レバーを後方に操作すると、右のマーカーを格納位置に保持する保持機構が解除操作されるように構成されている。
【0003】前述の特開平9−289802号公報によると、操作レバーの上方及び下方への操作が、リミットスイッチ(前記公報の図2及び図3中の34,35)によって検出されるように構成されており、リミットスイッチの操作信号に基づいて、苗植付装置の上昇及び下降駆動用の制御弁が操作される。操作レバーの前方及び後方への操作が、操作板(前記公報の図2及び図3中の39)によって取り出されるように構成されており、操作板の動作がワイヤ(前記公報の図2及び図3中の29)を介して右及び左の保持機構に伝達され、右及び左の保持機構が解除操作される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】「従来の技術」に記載の特開平9−289802号公報では、操作レバー、リミットスイッチ及び操作板の各々が、別々に機体の固定部(前記公報の図2及び図3中の15)に取り付けられるように構成されている。
【0005】これにより、機体の固定部と言うような作業の行い難い位置で、操作レバー、リミットスイッチ及び操作板の互いの位置関係を調整しながら、操作レバー、リミットスイッチ及び操作板の各々を、別々に機体の固定部に取り付けなければならないので、組み立てに手間を要するものとなっており、改善の余地がある。本発明は乗用型田植機の操作レバー支持構造において、苗植付装置の上昇及び下降駆動並びに右及び左のマーカーの接地位置への操作を行う操作レバーを、容易に機体の固定部に取り付けることができるように構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】[I]請求項1の特徴によると、中立位置から第1方向及び第2方向に操作自在な操作レバー、操作レバーの第1方向の一方及び他方への操作を取り出す第1検出手段、操作レバーの第2方向の一方及び他方への操作を取り出す第2検出手段において、操作レバー、第1及び第2検出手段が支持フレームに支持されて、ユニット状に構成されている。
【0007】これによって、請求項1の特徴によると、機体の固定部と言うような作業の行い難い位置とは別の位置において、支持フレームに操作レバー、第1及び第2検出手段を取り付けるので、機体の固定部に邪魔されることなく、操作レバー、第1及び第2検出手段の互いの位置関係を正確に調整しながら、操作レバー、第1及び第2検出手段を支持フレームに容易に取り付けることができる。この後、操作レバー、第1及び第2検出手段が取り付けられた支持フレームを、機体の固定部に取り付ける。
【0008】従って、操作レバーを中立位置から第1方向の一方及び他方に操作すると、この操作レバーの操作が第1検出手段によって取り出され、苗植付装置の上昇及び下降駆動が行われるのであり、操作レバーを中立位置から第2方向の一方及び他方に操作すると、この操作レバーの操作が第2検出手段によって取り出され、右及び左のマーカーの接地位置への作動が許される。
【0009】[II]請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。乗用型田植機では前項[I]に記載のような操作レバーを、操縦ハンドルの近くに配置することが多いので、請求項2の特徴によると、操作レバー、第1及び第2検出手段が取り付けられた支持フレームを、操縦ハンドルの支持ポストに取り付け自在に構成して、操縦ハンドルの近くに操作レバーが配置されるように構成している。
【0010】この場合、操縦ハンドルの支持ポストは例えば丸パイプのように、比較的長く直線的に構成されており、あまり複雑な形状には構成されていないので、請求項2の特徴によると、操作レバー、第1及び第2検出手段が取り付けられた支持フレームを操縦ハンドルの支持ポストに取り付ける際に、複雑な取り付け構造を採用しなくても容易に取り付けることができる。
【0011】[III]請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。「従来の技術」に記載の特開平9−289802号公報では、上方及び下方から中立位置に操作レバーを付勢する構造として、操作レバーに接続されたリンク及びピン(前記公報の図2,3,4中の36,37)、ピンを挟み込むアーム及びバネ(前記公報の図2,3,4中の32,33)、アームの位置決めの部材(前記公報の図2,3,4中の31a)等のように、比較的多くの部品が使用されており、この部品の組み立ても手間の掛かるものとなっている。
【0012】請求項3の特徴によると、支持フレームにコイルバネを備え、第1及び第2方向に操作自在に支持される操作レバーの操作支点に、コイルバネが操作レバーの操作支点を跨いで押圧するように構成している。これにより、例えば操作レバーを中立位置から第1方向の一方に操作すると、操作レバーの操作支点に押圧されるコイルバネの端面が、反対側のコイルバネの端面に対して平行な状態から傾斜する状態に向きが変更され、コイルバネが少し曲げられたような弾性変形状態となって、操作レバーの操作支点に押圧されるコイルバネの端面が、反対側のコイルバネの端面に対して平行な状態に戻ろうとする。これにより、操作レバーを中立位置に戻し付勢する付勢力がコイルバネから操作レバーに掛かる。
【0013】このように請求項3の特徴によると、操作レバーへのコイルバネの配置に工夫を施すことによって、「従来の技術」に記載の特開平9−289802号公報のように多くの部品を使用しなくても、操作レバーを中立位置に付勢する構造を得ることができる。この場合、コイルバネは支持フレームに備えられており、支持フレーム以外の部分には備えられていないので、前項[I]の記載と同様に機体の固定部に邪魔されることなく、操作レバーとコイルバネとの位置関係を正確に調整しながら、コイルバネを支持フレームに容易に取り付けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】[1]図1に示すように、右及び左に操向操作自在な前輪1及び後輪2で支持された機体に、エンジン3及び運転部4が備えられ、機体の後部に平行4連式のリンク機構5を介して苗植付装置6が昇降自在に連結され、リンク機構5を昇降駆動する油圧シリンダ7が備えられて、乗用型田植機が構成されている。前輪1を右及び左に操向操作する操縦ハンドル18及び運転席19が、運転部4に備えられている。
【0015】図1に示すように苗植付装置6は、所定のストロークで往復横送り駆動される苗のせ台8、植付伝動ケース9、植付伝動ケース9の後部で回転駆動される回転ケース10、回転ケース10に支持された一対の植付爪11、及び複数のフロート12等を備えて構成されており、回転ケース10の回転によって、植付爪11が苗のせ台8の下部から交互に苗を取り出して田面Gに植え付けるように構成されている。
【0016】図9に示すように、一回の植付行程での走行中に次の植付行程の指標を田面Gに形成する右及び左のマーカー22,23が、苗植付装置6の右側及び左側に備えられており、右及び左のマーカー22,23は、先端を田面Gに突入させる下向きの接地位置(走行に伴って田面Gに指標を描く状態)、及び先端を田面Gから上昇させた上向きの格納位置に亘り揺動自在に支持されており、バネ25によって接地位置に付勢されている。
【0017】図7(イ)及び図8に示すように、運転席19の下側において、横軸芯P5周りに右及び左の操作アーム47,48が揺動自在に支持され、右及び左のマーカー22,23と右及び左の操作アーム47,48とが、ワイヤ26で接続されており、苗植付装置6が大きく上昇駆動されると、図7(イ)から図7(ロ)に示すように、リンク機構5のアーム5aにより右及び左の操作アーム47,48が操作され、ワイヤ26が引き操作されて、右及び左のマーカー22,23が格納位置に操作されるように構成されている。図7(イ)及び図8に示すように、縦軸芯P6周りに保持アーム27,28が揺動自在に支持され、バネ51により右及び左の保持アーム27,28が、右及び左の操作アーム47,48への係合側に付勢されている。
【0018】これにより、図7(イ)から図7(ロ)及び図8に示すように前述のように苗植付装置6が大きく上昇駆動され、リンク機構5のアーム5aにより右及び左の操作アーム47,48が操作されて、右及び左のマーカー22,23が格納位置に操作されると、右及び左の保持アーム27,28が右及び左の操作アーム47,48に係合して、右及び左の操作アーム47,48(右及び左のマーカー22,23)が格納位置に保持される。
【0019】次に、苗植付装置6を田面Gまで下降駆動しても、右及び左の保持アーム27,28により右及び左のマーカー22,23は格納位置に保持されているのであるが、後述するように右又は左の保持アーム27,28を解除操作すると、バネ25(図9参照)により右又は左のマーカー22,23が格納位置から接地位置に操作される。図7(イ)及び図8に示すように、右及び左のマーカー22,23が接地位置に在るか格納位置に在るかを検出する右及び左のリミットスイッチ49,50が、右及び左の保持アーム27,28に対して備えられている。
【0020】[2]図9に示すように、左右中央のフロート12の後部が苗植付装置6の横軸芯P1周りに揺動自在に支持され、機体に備えられたポテンショメータ14とフロート12の前部とがワイヤ21を介して接続されて、苗植付装置6に対するフロート12の前部の位置がポテンショメータ14によって検出されるように構成されており、ポテンショメータ14の検出値が制御装置15に入力されている。油圧シリンダ7に作動油を給排操作して上昇側及び下降側に作動させる電磁操作式の制御弁13が備えられており、制御装置15によって制御弁13が操作されるように構成されている。
【0021】フロート12が田面Gに接地追従する状態で田面Gに対して苗植付装置6が上下動すると、ポテンショメータ14の検出値が変化するので、ポテンショメータ14の検出値に基づいて、制御装置15により制御弁13が操作され油圧シリンダ7が伸縮作動して、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、苗植付装置6が自動的に昇降駆動される(自動昇降制御)。これにより、苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されて、植付爪11による苗の植付深さが設定値に維持される。
【0022】図9に示すように、エンジン3の動力を苗植付装置6に伝動及び伝動遮断自在な植付クラッチ16が備えられ、植付クラッチ16を伝動側及び伝動遮断側に操作するモータ17が備えられており、制御装置15によってモータ17が操作されるように構成されている。リンク機構5が機械的な上限位置に達したことを検出する上限センサー24が備えられており、上限センサー24の信号が制御装置15に入力されるように構成されている。
【0023】[3]図1及び図9に示すように、運転席19の右横側に昇降レバー29が配置されて、自動位置、上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に昇降レバー29が構成されており、昇降レバー29の操作位置が制御装置15に入力されている。
【0024】昇降レバー29を上昇位置に操作すると、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作されて、制御弁13が上昇側に操作され油圧シリンダ7が上昇側に作動して、苗植付装置6が上昇駆動されるのであり、昇降レバー29を上昇位置から中立位置に操作すると、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作された状態で、制御弁13が中立位置に操作され油圧シリンダ7が停止して、その位置で苗植付装置6が停止する。昇降レバー29を上昇位置に操作した状態でリンク機構5が上限位置に達し、これが上限センサー24によって検出されると、制御弁13が中立位置に操作され油圧シリンダ7が停止して、苗植付装置6が上限位置で自動的に停止する。
【0025】昇降レバー29を下降位置に操作すると、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作されて、制御弁13が下降側に操作され油圧シリンダ7が下降側に作動して、苗植付装置6が下降駆動されるのであり、昇降レバー29を下降位置から中立位置に操作すると、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作された状態で、制御弁13が中立位置に操作され油圧シリンダ7が停止して、その位置で苗植付装置6が停止する。
【0026】この場合、苗植付装置6が田面Gから上昇している状態で、フロート12は自重で下限まで下がっているので、昇降レバー29を下降位置に操作した状態で、苗植付装置6の下降によりフロート12が田面Gに接地すると、フロート12が持ち上げられて、ポテンショメータ14の検出値が変化するので、これによってフロート12が田面Gに接地したと判断される。フロート12が田面Gに接地したと判断されると、前項[2]に記載の自動昇降制御が開始されて、ポテンショメータ14の検出値に基づいて、制御弁13が操作され油圧シリンダ7が伸縮作動して、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、苗植付装置6が自動的に昇降駆動されるのであり、下降駆動された苗植付装置6が田面Gで自動的に停止する状態となる。
【0027】昇降レバー29を植付位置に操作すると、前述のような自動昇降制御が行われた状態で、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されるのであり、苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持された状態(植付爪11による苗の植付深さが設定値に維持された状態)で、植付爪11による苗の植え付けが行われる植付作業状態となる。自動位置は後述する操作レバー20を機能させる為のものである。
【0028】[4]図1及び図9に示すように、中立位置N、中立位置Nから上方の上昇位置U、中立位置Nから下方の下降位置D、中立位置Nから前方の左マーカー位置L、中立位置Nから後方の右マーカー位置Rに操作自在な操作レバー20が、操縦ハンドル18の右下側に備えられている。次に操作レバー20の支持構造について説明する。
【0029】図2,3,4,5に示すように、板材を長方形の箱状に折り曲げて形成された支持フレーム30に、板材を側面視でL字状に折り曲げて形成された底板31が連結されて、丸棒材を側面視でL字状に折り曲げて形成された操作軸32が、支持フレーム30の天板30a及び底板31により、軸芯P2周りに回転自在に支持されている。板材を平面視でコ字状に折り曲げて形成された基部33が、軸芯P2と直交する軸芯P3周りに揺動自在に支持されており、操作レバー20及び操作アーム34が、軸芯P2,P3と直交する方向に互いに逆向きな状態で基部33に固定されている。
【0030】図2,3,5に示すように、支持フレーム30の縦壁30bに十字状のガイド孔30dが開口されて、操作レバー20がガイド孔30dを通して延出されており、操作アーム34が支持フレーム30の縦壁30cの上端を通って延出されている。支持フレーム30の縦壁30b,30cの外面にリミットスイッチ35,36が固定されている。支持フレーム30の天板30aと基部33との間の操作軸32の部分に、コイルバネ37が軸芯P3を跨ぐように外嵌されており(図2及び図5参照)、コイルバネ37によって基部33が押圧されている。従ってコイルバネ37により、操作レバー20が上昇位置Uから中立位置Nに付勢され、下降位置Dがら中立位置Nに付勢される。
【0031】図2及び図4に示すように、基部33に固定された板バネ38が下方に延出されて、基部33の爪部33a及び自身の弾性によって板バネ38の下部が操作軸32に押圧されており、板バネ38に形成された凹部38a及び開口38b,38cに対応する操作軸32の部分に、金属製のボール39が固定されている。
【0032】図2,3,4に示すように、支持フレーム30の下部に固定された支持ピン40に、正面視(図2参照)で三角形状の操作板41が支持ピン40の軸芯P4周りに揺動自在に支持されており、操作板41の上部の逆三角形状の受け部41aに、操作軸32の下端部32aが乗せ付けられ、支持フレーム30の開口部30eから外方に突出している。コイルバネ42が支持ピン40及び支持フレーム30の折り曲げ部30fに外嵌されて、コイルバネ42の端部42a,42bが支持フレーム30の折り曲げ部30g,30hに乗せ付けられ、操作板41の折り曲げ部41b,41cに乗せ付けられている。従って、コイルバネ42により、操作板41が図2に示す姿勢に付勢されており、コイルバネ42及び操作板41により、操作軸32を介して、操作レバー20が右マーカー位置Rから中立位置Nに付勢され、左マーカー位置Lから中立位置Nに付勢される。
【0033】以上のようにして、支持フレーム30に操作レバー20、リミットスイッチ35,36及び操作板41等が支持されて、一つのユニット状に構成されている。図2,3,5に示すように、操縦ハンドル18を支持する支持ポスト43が、円筒状で直線状に構成されており、支持ポスト43の後部に一対のブラケット43aが上下に位置をずらして固定されている。
【0034】これにより図2,3,5に示すように、前述のユニット状の支持フレーム30をボルト44によりブラケット43aに連結して、リミットスイッチ35,36と制御装置15とをハーネス(図示せず)により接続する。図2及び図6に示すように、ワイヤ45のインナー45aを支持フレーム30の折り曲げ部30iに取り付け、ワイヤ45のアウター45bを操作板41の折り曲げ部41bに取り付けて、ワイヤ45のインナー45aの他端を、図8に示す右の保持アーム27に接続する。ワイヤ46のインナー46aを支持フレーム30の折り曲げ部30jに取り付け、ワイヤ46のアウター46bを操作板41の折り曲げ部41cに取り付けて、ワイヤ46のインナー46aの他端を、図8に示す左の保持アーム28に接続する。
【0035】[5]次に、前項[4]に記載のようにして支持された操作レバー20を上昇位置U及び下降位置Dに操作した場合について説明する。昇降レバー29を自動位置に操作している状態において、例えば苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されるように自動的に昇降駆動され(自動昇降制御)、植付クラッチ16が伝動側に操作された植付作業状態で、操作レバー20を上昇位置Uに操作すると、操作アーム34によりリミットスイッチ35が操作され、リミットスイッチ35の信号が制御装置15に入力される。
【0036】これによって、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され、自動昇降制御が停止し制御弁13が上昇側に操作され油圧シリンダ7が上昇側に作動して、苗植付装置6が上昇駆動される。この場合、操作レバー20が上昇位置Uに保持されていても、操作レバー20が上昇位置Uに操作されてから中立位置Nに戻されても、苗植付装置6の上昇駆動は続行される。リンク機構5が上限位置に達して、これが上限センサー24によって検出されると、制御弁13が中立位置に操作され油圧シリンダ7が停止し、苗植付装置6が上限位置で自動的に停止する。このように操作レバー20を上昇位置Uに操作することにより、苗植付装置6を上限位置まで一気に上昇させることができる。
【0037】次に、苗植付装置6が上昇した状態で操作レバー20を下降位置Dに操作すると、操作レバー20によりリミットスイッチ36が操作されて、リミットスイッチ36の信号が制御装置15に入力されると、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され、自動昇降制御が停止した状態で、制御弁13が下降側に操作され油圧シリンダ7が下降側に作動して、苗植付装置6が下降駆動される。この場合、操作レバー20が下降位置Dに保持されていても、操作レバー20が下降位置Dに操作されてから中立位置Nに戻されても、苗植付装置6の下降駆動は続行される。
【0038】この場合に、苗植付装置6が田面Gから上昇している状態で、フロート12は自重で下限まで下がっているので、操作レバー20を下降位置Dに操作した状態で、苗植付装置6の下降によりフロート12が田面Gに接地すると、フロート12が持ち上げられて、ポテンショメータ14の検出値が変化するので、これによってフロート12が田面Gに接地したと判断される。フロート12が田面Gに接地したと判断されると、前項[2]に記載の自動昇降制御が開始されて、ポテンショメータ14の検出値に基づいて、制御弁13が操作され油圧シリンダ7が伸縮作動して、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、苗植付装置6が自動的に昇降駆動されるのであり、下降駆動された苗植付装置6が田面Gで自動的に停止する状態となる。このように操作レバー20を下降位置Dに操作することにより、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6を一気に下降させることができる。次に、昇降レバー20を中立位置Nに操作してから再び下降位置Dに操作すると、前述のような自動昇降制御が行われた状態で、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されて、植付作業状態となる。
【0039】操作レバー20を中立位置Nに操作していると、板バネ38の凹部38aが操作軸32のボール39に入り込むこと及びコイルバネ37により、上昇及び下降位置U,Dの方向において、操作レバー20が中立位置Nに保持される。操作レバー20を中立位置Nから上昇位置Uに操作した場合、操作レバー20が支持フレーム30の縦壁30bのガイド孔30dの上端に接当すること、及び操作アーム34が支持フレーム30の縦壁30cの上端に接当することで、操作レバー20が上昇位置Uで止められるのであり、板バネ38の開口38bが操作軸32のボール39に入り込むことによって、操作レバー20を上昇位置Uに操作した手応え(クリック感)が生じる。
【0040】操作レバー20を中立位置Nから下降位置Dに操作した場合、操作レバー20が支持フレーム30の縦壁30bのガイド孔30dの下端に接当することで、操作レバー20が下降位置Dで止められるのであり、板バネ38の開口38cが操作軸32のボール39に入り込むことによって、操作レバー20を下降位置Dに操作した手応え(クリック感)が生じる。
【0041】図2及び図5に示すように、支持フレーム30の天板30aと基部33との間の操作軸32の部分に、コイルバネ37が軸芯P3を跨ぐように外嵌されているので、前述のように操作レバー20を中立位置Nから上昇及び下降位置U,Dに操作すると、基部33に押圧されるコイルバネ37の端面が、支持フレーム30の天板30aに押圧されるコイルバネ37の端面に対して、平行な状態から図2の紙面右上がり又は紙面左上がりに傾斜する状態に向きが変更され、コイルバネ37が少し曲げられたような弾性変形状態となって、基部33に押圧されるコイルバネ37の端面が、支持フレーム30の天板30aに押圧されるコイルバネ37の端面に対して平行な状態に戻ろうとする。これにより、操作レバー20を上昇及び下降位置U,Dから中立位置Nに戻し付勢する付勢力が、コイルバネ37から操作レバー20に掛かる。
【0042】前述のように、操作レバー20を上昇及び下降位置U,Dに操作しての苗植付装置6の上昇及び下降駆動、植付クラッチ16の伝動側及び伝動遮断側への操作は、昇降レバー29を自動位置に操作している場合に行うことが可能であり、昇降レバー29が自動位置以外の位置に操作されていると行うことができない。
【0043】[6]次に、前項[4]に記載のようにして支持された操作レバー20を右マーカー位置R及び左マーカー位置Lに操作した場合について説明する。昇降レバー29を自動位置に操作している状態において、例えば前項[5]に記載のように苗植付装置6が田面Gまで下降駆動され、右及び左のマーカー22,23が格納位置に保持された状態(図8に示すように、右及び左の保持アーム27,28が右及び左の操作アーム47,48に係合した状態)で、操作レバー20を右マーカー位置Rに操作すると、操作軸32により操作板41が図2の紙面反時計方向に揺動操作される。
【0044】これにより、操作板41によってワイヤ45のアウター45bが図2の紙面下方に下げれ、ワイヤ45のインナー45aが引き操作された状態となって、図8に示す右の保持アーム27が右の操作アーム47から離れるように解除操作されて、右のマーカー22がバネ25により接地位置に操作されるのであり、右のリミットスイッチ49の信号に基づいて、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作される。
【0045】操作レバー20を左マーカー位置Lに操作すると、操作軸32により操作板41が図8の紙面時計方向に揺動操作される。これにより、操作板41によってワイヤ46のアウター46bが図2の紙面下方に下げれ、ワイヤ46のインナー46aが引き操作された状態となって、図8に示す左の保持アーム28が左の操作アーム48から離れるように解除操作されて、左のマーカー23がバネ25により接地位置に操作されるのであり、左のリミットスイッチ50の信号に基づいてモータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作される。
【0046】操作レバー20を中立位置Nに操作していると、コイルバネ42により操作板41及び操作軸32を介して、操作レバー20が中立位置Nに付勢されている。操作レバー20を中立位置Nから右マーカー位置Rに操作して、操作板41が図2の紙反時計方向に揺動操作されると、コイルバネ42の端部42aが支持フレーム30の折り曲げ部30gに止められた状態で、操作板41の折り曲げ部41cによりコイルバネ42の端部42bが図2の紙面上方に持ち上げられて、コイルバネ42により操作板41及び操作軸32を介して、操作レバー20が中立位置Nに戻されようとする。操作レバー20を中立位置Nから左マーカー位置Lに操作して、操作板41が図2の紙面時計方向に揺動操作されると、コイルバネ42の端部42bが支持フレーム30の折り曲げ部30hに止められた状態で、操作板41の折り曲げ部41bによりコイルバネ42の端部42aが図2の紙面上方に持ち上げられて、コイルバネ42により操作板41及び操作軸32を介して操作レバー20が中立位置Nに戻されようとする。
【0047】前述のように、操作レバー20を右及び左マーカー位置R,Lに操作しての植付クラッチ16の伝動側への操作は、昇降レバー29を自動位置に操作している場合に行うことが可能であり、昇降レバー29が自動位置以外の位置に操作されていると行うことができない。昇降レバー29が自動位置以外の位置に操作されている場合、操作レバー20を右及び左マーカー位置R,Lに操作すると、右及び左のマーカー22,23の接地位置への操作のみが行われる。
【0048】[発明の実施の別形態]図7(イ)(ロ),8,9に示す右及び左の保持アーム27,28をソレノイド(図示せず)によって解除操作するように構成し、図2,3,6,9に示す操作板41及びワイヤ45,46を廃止して、操作レバー20の右及び左マーカー位置R,Lへの操作をリミットスイッチ(図示せず)によって検出するように構成してもよい。これにより、操作レバー20を右又は左マーカー位置R,Lに操作すると、リミットスイッチの信号に基づいてソレノイドにより、右又は左の保持アーム27,28が右又は左の操作アーム47,48から離れるように解除操作されて、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されるように構成する。この場合、図2及び図5に示すリミットスイッチ35を、図2及び図3に示す支持フレーム30の縦壁30bのガイド孔30dの上部(リミットスイッチ36の上側に対向する位置)に設けて、操作アーム34を廃止してもよい。これにより、操作レバー20を上昇位置Uに操作すると、操作レバー20によってリミットスイッチ35が操作される。
【0049】図2,3,5の構成において、リミットスイッチ35,36を廃止して、操作レバー20の上昇及び下降位置U,Dへの操作によって操作される操作板(図示せず)を備え、操作板と図9に示す制御弁13とをワイヤ(図示せず)を介して連係するように構成してもよい。これにより、操作レバー20を上昇又は下降位置U,Dに操作すると、操作板及びワイヤを介して制御弁13が上昇側又は下降側に操作されるように構成する。
【0050】図2及び図5に示すコイルバネ37と同様なコイルバネ(図示せず)を、軸芯P2を跨ぐように基部33に横向きに押圧させて、図6に示すようにコイルバネにより操作レバー20が、右及び左マーカー位置R,Lから中立位置Nに戻されるように構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、乗用型田植機の操作レバー支持構造において、苗植付装置の上昇及び下降駆動並びに右及び左のマーカーの接地位置への操作を行う為の操作レバー、苗植付装置の上昇及び下降駆動の為の第1検出手段、右及び左のマーカーの接地位置への操作の為の第2検出手段を、事前に支持フレームに取り付けて、ユニット状に構成することによって、機体の固定部に邪魔されることなく、操作レバー、第1及び第2検出手段の互いの位置関係を正確に調整しながら、操作レバー、第1及び第2検出手段を支持フレームに容易に取り付けることができ、操作レバー、第1及び第2検出手段が取り付けられた支持フレームを、機体の固定部に取り付けることができるようになって、全体として手間を省いて生産性を向上させることができた。
【0052】請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項2の特徴によると、操縦ハンドルの近くに操作レバーを配置する場合、操縦ハンドルの支持ポストを有効に利用して、操作レバー、第1及び第2検出手段が取り付けられた支持フレームを取り付けることができるようになって、全体として手間を省いて生産性を向上させることができた。
【0053】請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項3の特徴によると、操作レバーを中立位置に付勢する構造を備える場合に、コイルバネの取り付けに工夫を施すことにより、多くの部品を使用しなくても、操作レバーを中立位置に付勢する構造を備えることができるようになって、構造の簡素化を図ることができた。この場合、コイルバネが支持フレームに備えられているので、機体の固定部に邪魔されることなく、操作レバーとコイルバネとの位置関係を正確に調整しながら、コイルバネを支持フレームに容易に取り付けることができるようになって、全体として手間を省いて生産性を向上させることができた。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年2月3日(2000.2.3)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−211708(P2001−211708A)
【公開日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【出願番号】 特願2000−26201(P2000−26201)