| 【発明の名称】 |
トラクタの油圧装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田辺 稔
【氏名】咲川 薫徳
【氏名】柴田 次郎
|
| 【要約】 |
【課題】従来のトラクタにおけるリフトアームの油圧シリンダ部では、各アームの操作をコントロールバルブへ伝達するフィードバックリンクが油圧シリンダケースの下面側に取り付けられていたため作業が煩雑であった。また、フィードバックリンクは油圧シリンダケースの外部に取り付けられていたので、泥等の異物が付着して誤作動の原因となることがあった。
【解決手段】油圧シリンダケース1の上面側にフィードバックリンク7を配置し、該油圧シリンダケース1の上面側に凹陥部1aを形成し、該凹陥部1aに前記フィードバックリンク7を収納し、前記凹陥部1aの底面に、油圧シリンダケース1内部と連通するドレン孔1bを形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リフトアーム駆動用の油圧シリンダケースにおけるシリンダヘッド内にコントロールバルブを組み込んだトラクタの油圧装置において、該油圧シリンダケースの上面側にフィードバックリンクを配置したことを特徴とするトラクタの油圧装置。 【請求項2】 前記油圧シリンダケースの上面側に凹陥部を形成し、該凹陥部に前記フィードバックリンクを収納したことを特徴とする請求項1に記載のトラクタの油圧装置。 【請求項3】 前記凹陥部の底面に、ミッションケース内部と連通するドレン孔を形成したことを特徴とする請求項2に記載のトラクタの油圧装置。 【請求項4】 前記油圧シリンダケース内を摺動するピストンの摺動方向を、水平方向としたことを特徴とする請求項1に記載のトラクタの油圧装置。 【請求項5】 トラクタに装着される作業機用のスイングバルブを、前記油圧シリンダケースが載置されるミッションケースの側面に付設したことを特徴とする請求項1に記載のトラクタの油圧装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トラクターに装着した作業機昇降用のリフトアームを駆動するための油圧シリンダ部における油圧装置の構成に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、トラクタにおいては、ミッションケース上等に油圧シリンダを内装した油圧シリンダケースを載置し、該油圧シリンダにより作業機昇降用のリフトアームを駆動するように構成しており、該油圧シリンダケースには、デプス操作レバー、油圧操作レバー、及びコントロールバルブ等が付設されていた。そして、該デプス操作レバーの設定値と該デプス操作レバーのフィードバックアームからのフィードバック値とを、フィードバックリンクを介してコントロールバルブに伝達するとともに、油圧操作レバー等の操作とリフトアームの回動角をフィードバックするフィードバックアームからのフィードバック値とを、フィードバックリンクを介してコントロールバルブに伝達するように構成していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の如く構成されたリフトアームの油圧シリンダ部においては、油圧ケース内に複雑な作動油回路の加工が必要であり、各アームの操作をコントロールバルブへ伝達する前記フィードバックリンクは、油圧シリンダケースの下面側に取り付けられているため、該フィードバックリンクのメンテナンスを行うためには、一旦油圧シリンダケースをミッションケース等から取り外す必要があって、メンテナンス作業が煩雑であった。また、フィードバックリンクは油圧シリンダケースの外部に取り付けられていたので、泥等の異物が付着して誤作動の原因となることがあった。さらに、油圧シリンダは、油圧シリンダケース内に傾斜状態で設けられていたので、該油圧シリンダケースの寸法、特に高さ方向の寸法が大きくなっていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1に記載の如く、リフトアーム駆動用の油圧シリンダケースにおけるシリンダヘッド内にコントロールバルブを組み込んだトラクタの油圧装置において、該油圧シリンダケースの上面側にフィードバックリンクを配置した。 【0005】また、請求項2に記載の如く、前記油圧シリンダケースの上面側に凹陥部を形成し、該凹陥部に前記フィードバックリンクを収納した。 【0006】また、請求項3に記載の如く、前記凹陥部の底面に、ミッションケース内部と連通するドレン孔を形成した。 【0007】また、請求項4に記載の如く、前記油圧シリンダケース内を摺動するピストンの摺動方向を、水平方向とした。 【0008】また、請求項5に記載の如く、トラクタに装着される作業機用のスイングバルブを、前記油圧シリンダケースが載置されるミッションケースの側面に付設した。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の油圧装置を示す側面断面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面断面図、図4は油圧装置におけるフィードバックリンクの部分を示す斜視図、図5は油圧シリンダケースの凹陥部を蓋部材で覆った状態の油圧装置を示す斜視図、図6は油圧シリンダケースの凹陥部に形成されるドレン孔及びシリンダヘッドに形成されるドレン孔を示す斜視図、図7は油圧装置の油圧回路を示す図である。 【0010】本発明のトラクタの油圧装置について説明する。図1乃至図4に示すように、油圧シリンダケース1がミッションケースMの上面に載置固定されており、該油圧シリンダケース1に油圧シリンダ装置2が内装されるとともに、コントロールバルブ3及びストップバルブ10が付設されている。該コントロールバルブ3及びストップバルブ10は、油圧シリンダケース1のシリンダヘッド8内に収納されている。 【0011】また、ミッションケースMの上部側面には、作業機用のスイングバルブ39を取り付けて、該スイングバルブ39を容易にメンテナンスすることができるようにしているとともに、油圧装置の構造や配管構成のコンパクト化及び簡略化を図っている。 【0012】油圧シリンダ装置2は、油圧シリンダケース1内に形成される円筒形状の空間2a内に、ピストン19aを摺動自在に挿入して構成している。該ピストン19aは、ピストンロッド19bを介してリフトクランク4の下端部に接続されており、該リフトクランク4の上端部はリフト軸5に回動不能に接続されている。該リフト軸5には、リフトアーム6の基端部が一体的に回動可能に接続されている。 【0013】そして、ピストン19aが空間2a内を摺動することにより、ピストンロッド19b、リフトクランク4を介して、リフトアーム6が上下回動するように構成している。この場合、ピストン19aの摺動方向が前後水平方向となるように構成して、油圧シリンダケース1のコンパクト化を図っている。 【0014】油圧シリンダケース1の右側には、油圧操作レバー14やデプス操作レバー13が配設されており、該油圧操作レバー14により、トラクタに装着した作業機を手動にて上昇可能としている。油圧シリンダケース1の左側には、デプス操作レバー13に対して作業機の昇降幅がフィードバックされるアーム29と、前記リフトアーム6の回動角がフィードバックされるアーム30とが配設されている。 【0015】また、油圧シリンダケース1の上面側には、デプスフィードバックリンク11、フィードバックリンク12、合流ピン18、及び合流体17等により構成されるフィードバックリンク7が配設されている。該フィードバックリンク7は、油圧シリンダケース1の上面に形成される凹陥部1a内に収納されている。尚、該凹陥部1aは、例えば油圧シリンダ装置2の上方に形成されている。 【0016】このような油圧装置におけるデプス制御の構成について説明する。まず、デプス操作レバー13の設定値が筒軸20を介してアーム26に伝達され、該アーム26からピン21に伝達され、デプスフィードバックリンク11のデプス操作レバー13側の端部を前後に移動させている。逆に、作業機の昇降に伴うフィードバック値は、アーム29から筒軸31を経て、アーム27及びピン24からデプスフィードバックリンク11のアーム29側の端部に伝達されている。 【0017】そして、設定側のデプス操作レバー13の動きと、フィードバック側のアーム29の動きとが、デプスフィードバックリンク11により合成され、合流ピン18と合流体17とを介してフィードバックロッド9に伝達され、コントロールバルブ3のメインスプール3aを押動するように構成している。 【0018】次に、ポジションコントロール側の構成を説明する。まず、アーム軸15が油圧操作レバー14により回動され、該アーム軸15の回動がアーム25とピン22とを介してフィードバックリンク12の油圧操作レバー14側の端部に伝達されている。また、リフトーアーム6側からのフィードバック値はアーム30からアーム軸32、アーム28、ピン23を経て、フィードバックリンク12のアーム30側の端部に伝達されている。 【0019】そして、設定側の油圧操作レバー14の動きと、フィードバック側のアーム30の動きとが、フィードバックリンク12により合流され、合流ピン18と合流体17とを介してフィードバックロッド9に伝達されるように構成している。 【0020】該フィードバックロッド9はコントロールバルブ3のメインスプール3aの端部に当接するように構成されており、該メインスプール3aを操作することにより、油圧シリンダ装置2を制御して作業機の昇降を切り換えるのである。例えば、フィードバックロッド9によりメインスプール3aが前方へ押動されると作業機は上昇され、フィードバックロッド9が後方へ戻ると、付勢バネ16によりメインスプール3aが後方へ押し戻されて作業機が下降するようにしている。 【0021】以上の如く構成される油圧装置において、デプス操作レバー13やアーム29の操作、及び油圧操作レバー14やアーム30の操作をコントロールバルブ3に伝達して、油圧シリンダ装置2を制御するためのフィードバックリンク7は、前述の如く油圧シリンダケース1の上面側に配置されているので、該フィードバックリンク7のメンテナンス等を行う際には、油圧シリンダケース1をミッションケースMから取り外すことなく、油圧シリンダケース1の上方からそのまま作業することができ、メンテナンス作業を容易且つ簡便にすることができる。 【0022】また、該フィードバックリンク7は、油圧シリンダケース1の上面に形成される凹陥部1a内に収納されており、該凹陥部1aの上端面は図5に示すように蓋部材36により覆われて閉塞されているので、フィードバックリンク7に泥等の異物が付着することを防いで、誤作動を防止することができる。 【0023】また、図6に示すように、油圧シリンダケース1に形成される凹陥部1aの底面には、ドレン孔1bを開口しており、該凹陥部1aとミッションケースM内とを連通している。これにより、ミッションケースM内の潤滑油が凹陥部1a内に浸入可能となり、フィードバックリンク7の潤滑を行うことができる。そして、ミッションケースM内と凹陥部1aとはドレン孔1bにて直接接続されているので配管等を用いることなくフィードバックリンク7を潤滑することができる。また、前記シリンダヘッド8にも同様にドレン孔1cを開口して、該シリンダヘッド8内に収納されるコントロールバルブ3やストップバルブ10等の油圧機器からのドレン油を、該ドレン孔1c及び前記ドレン孔1bから排出するようにしている。 【0024】また、本油圧装置においては、図7に示す油圧回路図の如く、油圧ポンプ37からの圧油が、昇降を切り換えるための前記コントロールバルブ3、逆止弁39、リフトアーム6の下降速度を規制するスローリターンバルブ38、及び油圧シリンダ装置2内への圧油の供給を停止するためのストップバルブ10を経て、油圧シリンダ装置2の空間2a内に圧送されるように構成している。そして、これらのコントロールバルブ3、スローリターンバルブ38、及びストップバルブ10等の昇降系のバルブ類を、全てシリンダヘッド8内に収納配置して、油圧装置をコンパクトに構成するとともに、構造の簡素化、油路の短縮を図って、油漏れ等を防止し、作動を確実にしている。 【0025】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如く、油圧シリンダの上面側にフィードバックリンクを配置したので、該フィードバックリンクのメンテナンス等を行う際には、油圧シリンダケースを、該油圧シリンダケースが載置固定されるミッションケース等から取り外すことなく、油圧シリンダケースの上方からそのまま作業することができ、フィードバックリンクのメンテナンス作業を容易且つ簡便にすることができる。 【0026】さらに、請求項2記載の如く、前記油圧シリンダケースの上面側に凹陥部を形成し、該凹陥部に前記フィードバックリンクを収納したので、フィードバックリンクに泥等の異物が付着することを防いで、該フィードバックリンクの誤作動を防止することができる。 【0027】さらに、請求項3記載の如く、前記凹陥部の底面に、ミッションケース内部と連通するドレン孔を形成したので、油圧シリンダケース内の作動油によりフィードバックリンクの潤滑を行うことが可能となり、配管等を用いることなく簡単な構成でフィードバックリンクを潤滑することができる。 【0028】さらに、請求項4記載の如く、前記油圧シリンダケース内を摺動するピストンの摺動方向を、水平方向としたので、油圧シリンダケースのコンパクト化を図ることができる。 【0029】さらに、請求項5記載の如く、トラクタに装着される作業機用のスイングバルブを、油圧シリンダケースが載置されるミッションケースの側面に付設したので、該スイングバルブのメンテナンスを容易に行うことができるとともに、油圧装置の構造や配管構成のコンパクト化及び簡略化を図ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006781 【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社 【識別番号】000125853 【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
|
| 【出願日】 |
平成12年2月1日(2000.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2001−211707(P2001−211707A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月7日(2001.8.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−23838(P2000−23838) |
|