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【発明の名称】 トラクタのヒッチのための振動緩衝装置
【発明者】 【氏名】シャン・マイケル・ボーデン

【要約】 【課題】傾斜が付けられた、すなわち楔形状で且つ牽引リンクの長手方向に動くことができる緩衝装置を提供する。

【解決手段】トラクタの三点ヒッチの牽引リンクのための楔形状の緩衝装置は、牽引リンクの長さに沿って調整可能であり且つ同牽引リンクの長手方向面に凹状の湾曲面を有している。この長手方向の曲線によって、同じ厚みの変化を提供しつつ、緩衝装置の長さに沿って平らな面とされた楔形状の緩衝装置よりも短くすることができる。緩衝装置は、緩衝装置取り付けボルトに剪断荷重がかかることなく緩衝装置から牽引リンクへと垂直方向の荷重を伝達するための傾斜した係合面を有する牽引リンク上の上方及び下方の壁によって形成された長手方向の溝内において牽引リンクに取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラクタのヒッチであって、トラクタのフレームの対向する側部上に取り付けられ且つ同側部から後方に延びている一対の牽引リンクと、同牽引リンクの振動を制限するために緩衝装置が係合するようにトラクタのフレームの各側部に設けられた振動ブロックと、を含み、同振動ブロックは、各々、関係する緩衝装置と係合するために横方向外方接触面を有し、同振動ブロックの接触面は、牽引リンクの長手軸線に平行な面内に第1の半径の曲面を有し、同緩衝装置は、牽引リンクの長手方向に沿って傾斜が付けられており且つ牽引リンクの長さ方向に沿った位置を調整可能であり、同緩衝装置は、牽引リンクの長手軸線に平行な面内に第2の半径の曲面を備えた接触面を有している、トラクタのヒッチ。
【請求項2】 請求項1に記載のトラクタのヒッチであって、前記第2の半径が前記第1の半径よりも大きい、トラクタのヒッチ。
【請求項3】 請求項1に記載のトラクタのヒッチであって、前記緩衝装置の接触面が凹状であり、前記振動ブロックの接触面が凸状である、トラクタのヒッチ。
【請求項4】 請求項1に記載のトラクタのヒッチであって、前記牽引リンクは、緩衝装置が着座するための分岐した取り付け面を有する上方及び下方壁を備えた長手方向に延びているポケットを有しており、同緩衝装置は、牽引リンクの分岐した取り付け面と係合する相補形の傾斜した取り付け面を有している、トラクタのヒッチ。
【請求項5】 請求項4に記載のトラクタのヒッチであって、前記緩衝装置の接触面を前記牽引リンクから離して配置するために、同緩衝装置と牽引リンクとの間に配設されたスペーサを更に含み、同スペーサは、牽引リンクの分岐した取り付け面と係合している相補形の傾斜した取り付け面を一方の側に有し、反対側に、緩衝装置が着座するための分岐した取り付け面を有する上方及び下方の壁を備えた長手方向に延びているポケットを有している、トラクタのヒッチ。
【請求項6】 請求項1に記載のトラクタのヒッチであって、前記緩衝装置の接触面を前記牽引リンクから更に装置の内側に配置するために、同緩衝装置と牽引リンクとの間に配設されたスペーサを更に含む、トラクタのヒッチ。
【請求項7】 請求項1に記載のトラクタのヒッチであって、前記緩衝装置には、一つの長手方向端部から同緩衝装置内へ延びており且つ前記牽引リンクに対向する緩衝装置の側部に対して開口している孔が形成されており、同孔は、同孔から延び且つ前記牽引リンク内の孔を貫通して延びている取り付けボルトの頭部を受け入れ且つ保持するT字形状の断面を有して、前記緩衝装置を取り付け且つ前記牽引リンク上の同緩衝装置の位置を長手方向に調整するようになされている、トラクタのヒッチ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタの三点ヒッチの牽引リンク上の緩衝装置に関し、特に、牽引リンクに沿って長手方向に調整可能な楔形状の緩衝装置であって、牽引リンクの長さに沿った緩衝装置の種々の位置においてもたらされる牽引リンクの種々の回転位置を補償するために、牽引リンクの長手方向における湾曲部との接触面を有する緩衝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】牽引リンクの長手方向に沿って傾斜した三点ヒッチの牽引リンクのための緩衝装置又はパッドは、米国特許第4,470,613号に示されているように公知である。このパッドは、牽引リンクの長手方向に傾斜しており且つ牽引リンクの端部空間内の若干の調整を可能にし且つパッドとトラクタのフレームに取り付けられた振動ブロックとの間の協働作用による摩耗を補償するために、牽引リンクの長手方向における位置を調整可能である。パッドの面は、垂直面内で湾曲しているが牽引リンクの長手方向においては平らな面を形成している。パッドが牽引リンクの長手方向に動かされて牽引リンクの端部空間が変えられると、牽引リンクのトラクタの長手方向中心に対する角度方向が変わり、振動ブロックに対する緩衝装置の向きも変わり、緩衝装置が振動ブロックに接触する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、傾斜が付けられた、すなわち楔形状で且つ牽引リンクの長手方向に動くことができる緩衝装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、緩衝装置の傾斜が付けられた形状によって、当該緩衝装置が牽引リンクの長手方向に動かされると、牽引リンクの端部の空間が変わり、ヒッチ部のための自由なリンクのための空間と同ヒッチ部のための適切な瞬間連結器のための端部空間とに対して調整することができる。この緩衝装置は、一端から長手方向に延びているT字形状の孔を有している。この孔は、牽引リンクに対向している側面が開口している。この孔は、同孔から延びており且つ緩衝装置を取り付けるための牽引リンク内の孔を貫通している取り付けボルトの頭部を受け入れ且つ保持する。この孔によって、緩衝装置を牽引リンクに沿って長手方向に調整することができる。
【0005】牽引リンクは、横方向に突出している上方及び下方壁を備えている長手方向に延びているポケットを有している。この上方及び下方の壁は、緩衝装置が着座するための分岐した取り付け面を有している。緩衝装置は、この牽引リンクの壁の分岐した取り付け面と係合する相補的な傾斜した取り付け面を有している。これにより、緩衝装置と牽引リンクとの間の平らで垂直な接触面によって得られるよりも大きい垂直方向の荷重担持能力が緩衝装置に付与される。この平らな接触面によって、緩衝装置のブロック上の垂直方向の荷重は、取り付けボルトの剪断荷重によって、牽引リンクに伝達される。ボルトの剪断荷重は、牽引リンク上の分岐した取り付け面と本発明の緩衝装置における前記取り付け面と相補形の傾斜面とによって除去される。
【0006】更なる調整能力を提供し且つ幅が広いヒッチ基準と幅が狭いヒッチ基準との間又は2つのヒッチ部間で、牽引リンクの端部空間が変化せしめられ得るようにするために、牽引リンクと緩衝装置との間に配置空間が得られる。この空間は、スペーサの全長に沿って均一な厚みを有し、それによって、緩衝装置の傾斜部に空間を付加することも減じることもない。このスペーサは、緩衝装置と類似しており且つ牽引リンクの分岐した取り付け面と係合するように同分岐した取り付け面と相補形の傾斜した取り付け面を備えた一つの側面を有している。このスペーサの反対側には、牽引リンクと同様に、緩衝装置が着座するための分岐した取り付け面を有している上方及び下方の壁を備えた長手方向に延びているポケットが形成されている。
【0007】緩衝装置には、トラクタのPTOハウジングによって担持された振動ブロックと係合するための長手方向に湾曲した接触面が形成されている。緩衝装置が牽引リンクに沿って移動せしめられて牽引リンクの端部空間が変えられると、緩衝装置の接触面の曲線が牽引リンクの回転が補償され、緩衝装置が牽引リンクの長手方向に調整され且つスペーサが取り付けられるか追加されると、緩衝装置の接触面と振動ブロックとの間に一定の角度関係が維持される。
【0008】
【発明の実施の形態】トラクタのヒッチが図1に示され且つ全体が符号10によって特定されている。ヒッチ10は、トラクタのフレーム(図示せず)に結合されて同トラクタのフレームと一体化されているハウジング12を含んでいる。ヒッチは、前方端部20において公知の方法で円周軸受けによってハウジング12に自在に取り付けられている左側及び右側牽引リンク16、18を含んでいる。牽引リンクは、左側及び右側持ち上げリンク26、28並びに左側及び右側持ち上げアーム30、32を介して揺れ軸24に結合されている。持ち上げアーム30、32とハウジング12との間の持ち上げシリンダ34が持ち上げアームを昇降させ、それによって、牽引リンク16、18を昇降させる。上方リンク46は、ハウジング12に自在に結合され且つ牽引リンク16、18と共に三点ヒッチを完成している。
【0009】牽引棒40は、PTOハウジング42の下側でハウジング12から後方に延びている。PTOハウジング42は、PTO軸44をほぼ包囲している。左側及び右側緩衝装置48、50は牽引リンク16、18の装置内側に取り付けられて、左側及び右側振動ブロック52と結合し(左側振動ブロックのみが図示されている)、牽引の横方向の振動長さを制御している。振動ブロック52は、牽引リンクの持ち上げられた運搬位置における振動を防止するために、その上方端部の幅がより広くなっている。牽引リンクの降ろされた位置における振動を防止するために、振動ブロック52の下方部分に取り付けられたロックアウト54が示されている。ロックアウト54は、牽引リンクが振動ブロックの下方部分に隣接した位置で使用するために下げられたときに機具の振動を可能にするために、取り外し可能である。図1には、以下において詳細に説明する左側及び右側スペーサに取り付けられた緩衝装置48、50が示されている。
【0010】緩衝装置48、50は、図8に示されているように、垂直面に凸状曲線を有する接触面62を有している。接触面62はまた、R2で示された半径を有する図9に示された牽引リンクの長手方向面に凹状曲線をも有している。緩衝装置は、傾斜が付けられているか又は楔形状とされていて、後方端部66における横方向の厚みよりも小さい横方向の厚みを有する前方端部64を有している。半径R2によって、前方端部64で測定して緩衝装置の基準面68に対して8°の角度を有し且つ後方端部において基準面68に対して12°の角度を有する接触面62がもたらされる。緩衝装置の接触面の長手方向の曲線は、緩衝装置の端部間の楔形状の厚みの同じ変化を達成することを可能にしつつ、平らな面による楔状緩衝装置と比較して長さをより短くすることができる。
【0011】図3及び4において、振動ブロック52の各々は、側方から見たときに湾曲している本体を有し、この湾曲の中心は、前方端部にある牽引リンクの枢動中心とほぼ一致している。振動ブロックは、半径R1の凸状曲線を有する横方向外方を向いている接触面56を有している。この半径R1は、湾曲した振動ブロックの径方向面上において測定されたものである。振動ブロックは、図4に示されているように、同振動ブロックの後部が振動ブロックの前方部よりも薄くなるように傾斜が付けられている。ロックアウト54は、図7に示されている形状と同じ形状の接触面55を有している。緩衝装置48、50が、緩衝装置の前方部分が振動ブロック52又はロックアウト54と接触するように後方に移動せしめられると、緩衝装置は、振動ブロックの前方部分又はロックアウトに接触する。緩衝装置は、前方に移動させると、更に後方の位置で振動ブロック又はロックアウトに接触するであろう。振動ブロックの後方の傾斜を形成している半径R1を有する振動ブロックの湾曲した接触面と、緩衝装置のより大きい半径R2とは、緩衝装置48、50の長さを最少にしつつ所望の振動及び牽引リンク空間を提供する。
【0012】緩衝装置は、更に、後方端部66から緩衝装置内へと長手方向に延びているT字形状の孔70を含んでいる。孔70は、緩衝装置の基部又は牽引リンク側68において開口している。孔70は、取り付けボルト72の頭部を受け入れている(図10参照)。ボルトの軸部は、牽引リンクの孔73を貫通して延びており且つナット74及びワッシャ76によって保持されている。
【0013】牽引リンクには、各々、上方及び下方で横方向に突出している壁82、84によって形成されている長手方向に延びているポケット80が形成されている。これらの突出壁は、各々、分岐した取り付け面86、88を形成している。緩衝装置には基部側68に傾斜した取り付け面90、92が形成されており、これらの傾斜取り付け面は、緩衝装置を取り付けるために牽引リンクの分岐した取り付け面と相補形状である。牽引リンクと緩衝装置との分岐した傾斜面は、取り付けボルト72に余分な剪断荷重がかかることなく、緩衝装置上の垂直荷重が牽引リンクに伝達されるのを助ける。
【0014】スペーサ58、60(図5及び6)は、緩衝装置の傾斜した取り付け面90、92と同様の傾斜面96、98を備えた一つの側面を有している。スペーサの面96、98は、牽引リンクの分岐した取り付け面86、88と係合している。このスペーサの反対側には、緩衝装置の傾斜した接触面90、92と係合するための牽引リンクの上方及び下方壁と同様の分岐した取り付け面106、108を形成している上方及び下方の壁102、104を備えた溝100が設けられている。スペーサ58、60を使用することによって、牽引リンクの後方端部がより離れるように付勢されて、広い幅のリンクと狭い幅の牽引リンクとのための空間が得られる。別の方法として、一つのヒッチ部からもう一つ別のヒッチ部へと牽引リンクのための空間を変えるために、これらのスペーサを使用することができる。
【0015】緩衝装置内のT字形状の孔70は、緩衝装置が牽引リンクの長手方向に動くのを可能にして、牽引リンクの後方端部空間を調整することができる。緩衝装置の楔形状は、所与のヒッチ部内において自由なリンクのための形状と瞬間連結器の形状との間に必要とされる牽引リンクのための空間の違いを提供する形状とすることができる。更に、緩衝装置の位置を若干調整できることによって、緩衝装置と振動ブロックとの摩耗を吸収することができる。
【出願人】 【識別番号】591005165
【氏名又は名称】ディーア・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【出願日】 平成12年12月18日(2000.12.18)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
【公開番号】 特開2001−197803(P2001−197803A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−383376(P2000−383376)