トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 フロントロータリ耕耘部支持装置
【発明者】 【氏名】今 井 誠 一

【要約】 【課題】この発明は、ゲージ輪を上方にワンタッチで大きく上昇揺動により耕深調節をより深く耕転することが容易に行なえ、ワンタッチでのゲージ輪揺動下降により、耕転爪を地表から簡単に浮かせて走行できるている装置を提供する。

【解決手段】上面にエンジン3取付けのため前後方向の取付座10を備え、前下方部左右側方に耕耘軸2を突設し、後下方の左右両側方に車輪軸4を突設する伝動ケース1であって、耕耘軸2周りに放射方向に耕耘爪15,15..を取付け、該耕耘爪15の上方を主耕耘カバー8で覆い、主耕耘カバー8前部にゲージ輪28を設けたフロントロータリ耕耘装置7において、ゲージ輪28を斜め前方に前上がりとした軸心12周りに、前方から見て略直立方向と略水平方向とに姿勢変更調節したことを特徴とするフロントロータリ耕耘部支持装置とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面にエンジン3取付けのため前後方向の取付座10を備え、前下方部左右側方に耕耘軸2を突設し、後下方の左右両側方に車輪軸4を突設する伝動ケース1であって、耕耘軸2周りに放射方向に耕耘爪15,15..を取付け、該耕耘爪15の上方を主耕耘カバー8で覆い、主耕耘カバー8前部にゲージ輪28を設けたフロントロータリ耕耘装置7において、ゲージ輪28を斜め前方に前上がりとした軸心12周りに、前方から見て略直立方向と略水平方向とに姿勢変更調節したことを特徴とするフロントロータリ耕耘部支持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フロントロータリ耕耘部支持装置に関するものである。この発明は、フロントロータリ耕耘装置の圃場内における耕耘作業時の耕耘性能保持や、作業終了後の路上走行における操縦性能維持を簡単な切換え操作で行なおうとするものである。
【0002】
【従来技術、及び、発明が解決しようとする課題】従来のフロントロータリ耕耘部支持装置は、特開平8−317702号公報で示すように公知である。このような公知の物は、機体前下部のロータリ耕耘装置を覆う主耕耘カバー内で、ゲージ輪の支持アームが上下方向に調節されているため、ゲージ輪上昇時に支持アームがすぐに主耕耘カバーに接当し、ゲージ輪の上げ量が少ない。また、上げ量を大きくすると、主耕耘カバーの前方中央に支持アームが逃げるための孔が必要と成る。さらに、ゲージ輪が上昇するに伴い、支持アームの揺動支点位置が高いためゲージ輪が前方に突出する。このような従来構成では、畦畔や立ち木や壁等があるとゲージ輪が邪魔になり、取り外してしまうか、残耕を多く残すかの不具合や、ゲージ輪を使用した耕深調節が深く耕耘できない等の欠点が生じている。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来装置のこのような欠点を解消しようとするものであって、次のような技術的手段を講じた。即ち、上面にエンジン3取付けのため前後方向の取付座10を備え、前下方部左右側方に耕耘軸2を突設し、後下方の左右両側方に車輪軸4を突設する伝動ケース1であって、耕耘軸2周りに放射方向に耕耘爪15,15..を取付け、該耕耘爪15の上方を主耕耘カバー8で覆い、主耕耘カバー8前部にゲージ輪28を設けたフロントロータリ耕耘装置7において、ゲージ輪28を斜め前方に前上がりとした軸心12周りに、前方から見て略直立方向と略水平方向とに姿勢変更調節したことを特徴とするフロントロータリ耕耘部支持装置の構成とした。
【0004】
【実施例】以下、本発明の実施例の形態について説明する。この実施例は、フロントロータリ耕耘装置7に関するもので、機体下部に前後方向に配設した伝動ケース1を、その上面に側面視略水平方向の取付座10を有した状態で、平面視で左右方向中央部に伝動ケース1が前後方向に向かうように配設している。そして、該伝動ケース1の前端部から左右両側方に夫々耕耘軸2,2を突設し、耕耘軸2の外周部に放射方向に複数個の耕耘爪15,15..を取り付けて耕耘部16を構成している。
【0005】伝動ケース1は左右のケースに二分割されており、図示しないが、内部に走行変速用の伝動歯車や耕耘伝動用のスプロケット,チェーン等を内装した後、左右のケースをボルト,ナット等の締付具で締め付けて左右一体化している。図1で示す伝動ケース1は、前後方向中間部から後方に亘って、上方に略平面状の取付座10を備え、取付座10上にエンジン3のエンジンベース30部を、ボルト,ナット等で締め付け取付けしている。
【0006】伝動ケース1後端部には左右横方向に車輪軸4,4が突設され、該車輪軸4にはトレッド調節可能に左右の駆動車輪18を夫々取り付けている。車輪軸4上方近傍の伝動ケース1後部から、後上方に向かってハンドルフレーム5を一本突設し、該ハンドルフレーム5の上端部にハンドル6の前端部を取り付けている。
【0007】ハンドル6形状は、側面視でハンドルフレーム5から後斜め後方に突出し、終端側を略水平方向としている。エンジン3の左側方には主軸20が突出しており、主軸20に駆動プーリ21を取り付けている。さらに、主軸20下方の伝動ケース1側方には、従動プーリ22を取り付けた入力軸23を突設している。そして、駆動プーリ21と従動プーリ22間に、Vベルト24を巻き廻し、図示しないテンションプーリーで張圧または緩める操作をして主クラッチの役目を奏している。テンションクラッチであるプーリを、Vベルト24張り方向に動かすと、エンジン3の駆動力を入力軸23を介して伝動ケース1内に伝える。駆動プーリ21と従動プーリ22と主クラッチを兼ねたプーリの外周囲は、安全のためベルトカバー39で覆われており、手の指等が直接Vベルト24に接触しないようにしている。
【0008】これらの構成によって、エンジン3から動力の伝達される入力軸23を伝動ケース1の前後方向中間部に設け、入力軸23から動力の伝達される耕耘軸2、及び、入力軸23から動力の伝達される車輪軸4を、伝動ケース1の前後方向端部に夫々配置している。また、伝動ケース1の上面に一体的に設けた略平面状の取付座10にエンジンベース30を介してエンジン3を低位置に直接取り付けているから、機体重心を低くし作業の安定化を図ることができる。
【0009】従来装置にあっては、伝動ケース上面とエンジンベースの間が大きな空間となっており、エンジンの取付位置を無駄に高くして、機体重心が上がっていた。伝動ケース1の前端部から左右両側方に夫々耕耘軸2,2を突設し、耕耘軸2の外周部に複数個一体取付する爪ホルダーに耕耘爪15を取り付けて成る耕耘部16は、上部を円弧状のカバーである主耕耘カバー8で覆っている。主耕耘カバー8は、耕耘部16廻りを略上半分の180度程度を覆うように、カバーの左右中間部を伝動ケース1壁面に取り付けている。そして、主耕耘カバー8の外周前端縁から30度程度の角度上方位置左右中央部に、水平から30度程度前上がりの軸心12を有する軸がカバー前方に溶接等により一体的に突設されている。
【0010】図1側面図と、図2正面図で示す、28はゲージ輪であって、フロントロータリ耕耘装置7の前端部に配設され、自重で潜り込んで掘削作業を行なう耕耘爪15が、軟らかい土壌で沈下しないように機体前部を支えるものである。支持アーム9と支持筒13とボス筒11から成る揺動アーム14の下部先端に、ゲージ輪28が取り付けられている。該揺動アーム14は軸心12を中心に揺動自在としており、その反対方向斜め側に操作レバー25を上方に向かって突出している。
【0011】ゲージ輪28は、支持アーム9と支持筒13の間隔をピン40を外して伸縮調節することで、軸心12と地表面間の間隔を変更できる。そして、ゲージ輪28を下端の先端部に取り付けた揺動アーム14を軸心12周りに揺動操作して、図2仮想線で示すように水平方向上方に揺動移動し上方固定具41で揺動アーム14を固定すると、ゲージ輪28は主耕耘カバー8の前端縁より上方に揺動固定され、機体の前方への突出量も小さくなり、壁や畦等の障害物近くまで耕耘作業を行なうことができる。また、支持アーム9には図1で示すようにキャスター角が付いているので、ピン40を抜き取って支持アーム9を前後反転すると、対地支持高さの上下方向変更を行ないながら、ゲージ輪28の前方への突出量を減すこともできる。ゲージ輪28を正面視直立方向に下げた場合は、下方固定具42で揺動アーム14を固定保持する。上下方固定具41,42は主耕耘カバー8の外面に取り付けられたコ字状に折り曲げた板バネであり、開口側から入ってくる支持筒13を係止保持する。
【0012】このように、本件実施例では、支持アーム9と支持筒13の伸縮長さを変更したり、支持筒13に対する支持アーム9を前後反転することで軸心12と対地表面の間隔を変更できるから、浅い耕耘深さから深い耕耘深さまで簡単に変更でき、ゲージ輪28によって耕耘爪15の下端部と地表面に間隙を有する調節を行なうと、ゲージ輪28で機体前部の重量を受けながら路上走行ができ、ハンドル6を操縦者が押下げること無く走行できるから、走行移動に腕力を使わず疲れることが少なくなる。また、圃場端部まで耕耘したときは、ゲージ輪28をワンタッチ操作で高位置に上昇固定保持できるから、畦際や壁際まで耕耘作業が簡単に行なえ、圃場端近くや樹木周りの耕耘作業が確実に行なえる。
【0013】従来装置では、主耕耘カバー内に揺動アームを取り付けていたので、ゲージ輪28の上げ高さが低く作業時に邪魔になったり、揺動アームを高く上げる構成にすると主耕耘カバーに上下用の孔が必要と成り、掘削泥土がこの孔から前方に吹き出す等の欠点があった。
【0014】図3乃至図6で示すものは、別構成部の実施例であって、以下説明する。図3は、従来からレイアウトが公知である、リヤロータリ耕耘機31である。フロントロータリ耕耘装置7が、耕耘部16を機体の前部に備えているのに対し、リヤロータリ耕耘機31は機体後部に耕耘部16aを備えている。また、伝動ケース1aは、図示のように上下方向に直立している。そして、伝動ケース1aの上下方向中間部から前方に突出する前フレーム32上に、エンジン3aは搭載されている。
【0015】このエンジン3aには、リコイルスタータ装置33が備えられ、機体後部に突出したハンドル6a後端部に取り付けた、エンジン3a始動用のロープ34後端部グリップ35を引っ張ると、エンジン3aが始動できる。このリコイルスタータ装置33でエンジン3aを始動する際に、エンジン3aの吸入空気をインテークマニホールド部(図示せず。)で絞るチョーク弁36を、ロープ34で始動時に連動ワイヤー37を介して同時に引っ張ると、外気温が低い場合でも容易に始動できる。
【0016】連動構成について説明する。エンジン停止時のエンジン3a始動用のロープ34は、図4平面図で示すように連動ワイヤー37に引かれて実線で示すように、グリップ35とリコイルスタータ装置33を結んだ直線よりも内方に弛んでいる。この状態から始動のため、運転者がグリップ35を矢印イ方向に強く引っ張ると、ロープ34は仮想線で示すように直線状になる。
【0017】この、図6矢印ロ方向で示す動きにより、チョーク弁36を引っ張り始動の促進を図る。エンジン始動後は、グリップ35を受け具38に接当するまで戻すと、ロープ34は元の位置まで戻って弛み、連動ワイヤー37も弛み、チョーク弁36の絞り操作を開放する。38は方向変換用のプーリーである。この機構によれば、連動ワイヤー37の基端部をロープ34にカラビナ43を介して取り付けておけば、ロープ34のロ方向の動きでチョーク弁36を引くことができる。カラビナ43をロープ34に取り付けておくと、寒冷地での始動時にチョークレバーの引き忘れに伴う不始動が防止でき、連動ワイヤー37をロープ34から外しておくと温暖地での始動時の燃料濃さによる非始動も防止でき、簡単な構成で、適宜用途を選択できコストの安い始動装置を提供できる。
【0018】
【発明の作用及び効果】本件発明は、上面にエンジン3取付けのため前後方向の取付座10を備え、前下方部左右側方に耕耘軸2を突設し、後下方の左右両側方に車輪軸4を突設する伝動ケース1であって、耕耘軸2周りに放射方向に耕耘爪15,15..を取付け、該耕耘爪15の上方を主耕耘カバー8で覆い、主耕耘カバー8前部にゲージ輪28を設けたフロントロータリ耕耘装置7において、ゲージ輪28を斜め前方に前上がりとした軸心12周りに、前方から見て略直立方向と略水平方向とに姿勢変更調節したことを特徴とするフロントロータリ耕耘部支持装置の構成としたので、機体前下部のロータリ耕耘装置を覆う主耕耘カバー外に突出する軸心である軸周りに、ゲージ輪の揺動支持アームを下方向または横方向にワンタッチ調節固定保持自在としたから、ゲージ輪上昇時に揺動支持アームがすぐに主耕耘カバーに接当せずに大きく上方に揺動移動し、ゲージ輪の上げ量が多くなる。また、上げ量を大きくしても、主耕耘カバーの前方中央に従来のように支持アームが逃げるための孔を設けていないので、耕耘爪回転による掘削土がカバーの孔から前方に吹き出すことがない。さらに、ゲージ輪が左右横方向に揺動移動上昇するから、従来のように、支持アームの上昇揺動に伴ないゲージ輪が前方に突出して、畦畔や立ち木や壁等に接当せずゲージ輪が邪魔になることがないから、従来のように取り外してしまうか、残耕を多く残すかの不具合が生じない。そして本件発明では、ゲージ輪を上方にワンタッチで大きく上昇揺動できるから、耕深調節をより深く耕耘することが容易に行なえる。ワンタッチでのゲージ輪揺動下降により、耕耘爪を地表から簡単に浮かせて走行できる等の特有の効果を有している。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−190101(P2001−190101A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−1449(P2000−1449)