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【発明の名称】 作業機
【発明者】 【氏名】佐野 茂樹

【要約】 【課題】異物の内部への侵入を防止して、長期にわたって安定した運転を可能にすると共に、付着した異物を効果的に剥離・落下させることができる作業機を提供すること。

【解決手段】作業機本体と、作業機本体に搭載されたエンジンと、エンジンを空冷するための外気を導入する外気吸引部と、外気吸引部に内装された空冷用ファンを覆うように設けられたカバーと、カバーを覆うように着脱可能に取り付けられ金網状のフィルタによって異物の侵入を防止する異物侵入防止具と、を具備したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機本体と、上記作業機本体に搭載されたエンジンと、上記エンジンを空冷するための外気を導入する外気吸引部と、上記外気吸引部に内装された空冷用ファンを覆うように設けられたカバーと、上記カバーを覆うように着脱可能に取り付けられ金網状のフィルタによって異物の侵入を防止する異物侵入防止具と、を具備したことを特徴とする作業機。
【請求項2】 請求項1記載の作業機において、上記フィルタには振動を付与するための錘が取り付けられていることを特徴とする作業機。
【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の作業機において、上記異物侵入防止装置はカバーを覆うと共にカバーの外周部と外気吸引部との間の隙間をも覆うように取り付けられていることを特徴とする作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、耕耘機、草刈り機、チェーンソー等様々な作業機に係り、特に、エンジンを搭載したものにおいて、空冷用のファンによる外気吸引部における異物の侵入や引っ掛かりを効果的に防止して、長期にわたって安定した運転を可能にするように工夫したものに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、耕耘機のエンジンには、図9に示すように、外気吸引部201が設けられている。この外気吸引部201には、図示しない空冷用ファンが内装されていて、該空冷用ファンが回転することにより、外気を吸引してエンジンの外周部を通して、図示しない流出部より外部に放出し、それによってエンジンを冷却するようにしている。又、上記外気吸引部201には空冷用ファンを保護するためのカバー203が取り付けられていて、このカバー203には比較的大きな開口部205が複数個設けられている。外気はこれら複数個の開口部205より吸引されることになる。又、上記外気吸引部201の側方にはスタータ206が配置されている。このスタータ206は、エンジンを起動する際に使用するものであって、引っ張ることにより初期回転を付与するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によると次のような問題があった。すなわち、耕耘機を運転すると、空冷用ファンが回転し、外気吸引部201を介して外気が吸引されることになるが、その際、異物207、例えば、藁屑、草等を同時に吸引してしまう。そして、図9に示すように、複数個の開口部205の部分にそれら異物207が引っ掛ってしまうことになると共に、内部に吸引されてしまうことがある。そして、吸引された異物207は開口部205より内部に侵入して、その一部は、例えば、狭い部分に堆積してしまう。そのような異物207の堆積によって空冷用ファンの回転が損なわれてしまうことがある。又、異物207が狭い場所に堆積してしまった場合には、これを外部から除去するのはきわめて困難である。
【0004】本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、異物の内部への侵入を防止して、長期にわたって安定した運転を可能にすると共に、付着した異物を効果的に剥離・落下させることができる作業機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく本願発明の請求項1による作業機は、作業機本体と、上記作業機本体に搭載されたエンジンと、上記エンジンを空冷するための外気を導入する外気吸引部と、上記外気吸引部に内装された空冷用ファンを覆うように設けられたカバーと、上記カバーを覆うように着脱可能に取り付けられ金網状のフィルタによって異物の侵入を防止する異物侵入防止装置と、を具備したことを特徴とするものである。又、請求項2による作業機は、請求項1記載の作業機において、上記フィルタには振動を付与するための錘が取り付けられていることを特徴とするものである。又、請求項3による作業機は、請求項1又は請求項2記載の作業機において、上記異物侵入防止装置はカバーを覆うと共にカバーの外周部と外気吸引部との間の隙間をも覆うように取り付けられていることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、カバーを覆うように金網状のフィルタを着脱可能に取り付けることにより、異物の侵入を防止するようにしたものである。その際、フィルタには振動を付与するための錘を取り付けることにより、異物のフィルタへの付着を防止するようにすることが考えられる。又、上記異物侵入防止装置を、カバーを覆うと共にカバーの外周部と外気吸引部との間の隙間をも覆うように取り付けることが考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は耕耘機を示す側面図であり、まず、本体1がある。この本体1の前部にはエンジン3が搭載されている。又、本体1の中央部であって下部には移動用の一対のタイヤ5、5が取り付けられていると共に、本体1の後部であって下部には一対の耕耘体7、7が取り付けられている。上記耕耘体7には複数個の耕耘爪9が取り付けられている。尚、上記一対のタイヤ5、5は耕耘時には取り外されることになる。
【0008】上記タイヤ5、5、耕耘体7、7は、エンジン3側より駆動伝達機構9を介して伝達される回転駆動力によって回転されるようになっている。又、本体1には斜め後方に操作部11が延長された状態で取り付けられている。この操作部11にはクラッチレバ13や図示しないスロットルレバ等が取り付けられている。
【0009】上記エンジン3においては、外気吸引部15が設けられていて、この外気吸引部15の内部には図示しない空冷用ファンが内装されている。又、外気吸引部15には上記空冷用ファンを保護するためのカバー17が取り付けられていて、このカバー17には比較的大きな開口部19が複数個形成されている。外気はこれら複数個の開口部19を介して吸引されることになる。
【0010】上記外気吸引部15にはスタータ21が取り付けられている。このスタータ21はカバー17を貫通して外部に露出・配置されていて、エンジン3を起動させる場合に、これを引っ張ることにより初期回転を付与するものである。
【0011】さて、本実施の形態の場合には、上記外気吸引部15の外側に異物侵入防止装置23(図1中仮装線で示す)が着脱可能に取り付けられている。この異物侵入防止装置23は、図2(a)、図2(b)に示すような構成をなしている。まず、リング状の枠体25があり、この枠体25の内側には金網状のフィルタ27が器状に湾曲・形成された状態で設けられている。上記フィルタ27のメッシュの大きさは、藁屑や草等の異物の侵入を防止できる程度の大きさになっている。又、フィルタ27の材質はこれを限定するものではなく、金属製、樹脂製等様々なものがある。又、フィルタ27にはスタータ21が外部に貫通・配置できるように穴29が形成されている。
【0012】上記異物侵入防止装置23は、枠体25を介してエンジン3側に取り付けられるものであり、複数個のねじ部材31によって固定されるものである。その際、カバー17と一緒に固定する、つまり、共通のねじ部材31によって、カバー17と異物侵入防止装置32の両方を固定するようにしてもよい。
【0013】上記構成によると、異物侵入防止装置23を設けることにより、異物の侵入を確実に防止することができる。すなわち、空冷用ファンを回転させることにより、外部の藁屑や草等が吸引されるが、異物侵入防止装置23のフィルタ27の外表面によってそれ以上の侵入は規制される。よって、異物の侵入・堆積によって、空冷ファンの回転が損なわれることを防止することができ、それによって、長期にわたって安定した動作を提供することができる。特に、耕耘機が使用される環境は、藁屑や草等の異物が大量に存在しており、従来はこれらが簡単に内部に入り込んで堆積していたが、本実施の形態による異物侵入防止装置23を取り付けることにより、そのような異物の侵入を確実に防止することができるので、耕耘機としての作業効率も大幅に向上することになる。又、フィルタ27は比較的柔らかいので、仮に異物が付着しても叩くことにより簡単に剥離・落下する。
【0014】次に、図3を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この場合には、前記第1の実施の形態において、フィルタ27の所定位置に振動発生用の錘43を取り付けたものである。すなわち、フィルタ27には錘43を取り付けるための取付部41が設けられている。この取付部41には引掛具45が取り付けられていて、錘43はこの引掛具45に取り付けられている。上記錘43は、図4に示すような形状をなしていて、複数個の穴47が形成されている。この穴47を介して上記引掛具45に取り付けられるものである。
【0015】上記構成によると、運転時には錘43が振動し、それによって、フィルタ27も振動することになる。このようなフィルタ27の振動によって、フィルタ27の外表面に付着しようとする異物を効果的に落下・剥離させることができる。特に、運転を停止させた直後において効果的に機能するものであり、吸引・付着されている異物が効果的に剥離・落下することになる。
【0016】次に、図5を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。この場合には、異物侵入防止装置の外径を大きくして、外気吸引部15の周りを大きく囲うようにしたものである。すなわち、カバー17の外周部には外気吸引部15との間に隙間が形成されており、よって、カバー17の開口部19からの異物の侵入は防止できても、その隙間からの侵入を防止できないおそれがある。そこで、この隙間をも囲うように異物侵入防止装置23を取り付けることにより、隙間からの異物の侵入をも防止しようとするものである。又、この場合には、枠体25の裏面に複数個の両面テープ32を取り付けて、これら両面テープ32を介して耕耘機本体側に異物侵入防止装置23を貼付・固定するようにする。よって、異物の侵入・堆積をより確実に防止することができるようになる。尚、異物侵入防止装置23の取付方法としては様々なものが考えられ、これを特に限定されるものではない。
【0017】次に、図6を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。この場合には、複数個(実施例では3個)の穴44を備えたパイプ42を取り付け、任意の穴44に錘43を取り付けるようにしたものである。この場合には、錘43の取付位置を適宜変更することより、振動の状態を調整することができ、より効果的な振動の状態を得ることができる。
【0018】次に、図7を参照して本発明の第5の実施の形態を説明する。これは、本発明を草刈り機51に適用した例を示すものである。草刈り機51は、中空状シャフト53と、該中空状シャフト53の先端に取り付けられた回転刃55と、中空状シャフト53の基端に取り付けられたエンジン57等から構成されている。エンジン57には外気吸引部58があり、この外気吸引部58には図示しない空冷用ファンが取り付けられている。又、外気吸引部にはカバー59が取り付けられていて、このカバー59には複数個の開口部61が形成されている。又、スタータ65が設置されている。そして、上記カバー59の外周側に異物侵入防止装置63(図7中仮装線で示す)が着脱可能に取り付けられている。
【0019】上記異物侵入防止装置63は、前記第1の実施の形態で説明した異物侵入防止装置23と同様の構成になっており、但し、外形は円形ではなく略四角形をなしている。したがって、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができ、又、前記第2の実施の形態の場合のように、錘を取り付ければ、異物の付着をも効果的に防止することができる。
【0020】次に、図8を参照して本発明の第6の実施の形態を説明する。これは、本発明をチェーンソー71に適用した例を示すものである。チェーンソー71はエンジン73を備えていると共に、該エンジン73によって駆動される回転歯部75とから構成されている。上記エンジン73には外気吸引部78が設けられていて、この外気吸引部78には図示しない空冷用ファンが内装されている。上記外気吸引部78にはカバー77が取り付けられていて、このカバー77は複数個の開口部79を備えている。又、スタータ83が配置されている。そして、上記カバー77の外表面には異物侵入防止装置(図8中仮装線で示す)81が着脱可能に取り付けられている。
【0021】上記異物侵入防止装置81は、前記第1の実施の形態で説明した異物侵入防止装置23と同様の構成になっており、但し、外形は円形ではなく略四角形で片側のみ円弧状に形成されている。したがって、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができ、又、前記第2の実施の形態の場合のように、錘を取り付ければ、異物の付着をも効果的に防止することができる。
【0022】尚、本発明は前記第1乃至第6の実施の形態に限定されるものではない。作業機としては、耕耘機、草刈り機、チェーンソー以外にも様々なものがあり、外気を導入して空冷するようなタイプのものであればあらゆるものに適用できる。又、錘を取り付ける場合において、その取付位置、取付構造については様々な構成が想定される。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による作業機によると、カバーを覆うように金網状のフィルタを着脱可能に取り付けることにより、異物の侵入を防止することができ、異物の侵入・堆積に起因した様々な問題を一掃することができる。又、フィルタには振動を付与するための錘を取り付けた場合には、異物のフィルタへの付着を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】594037198
【氏名又は名称】佐野 茂樹
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
【公開番号】 特開2001−178203(P2001−178203A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−372383