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【発明の名称】 レール敷設茶園における耕耘方法並びにレール走行式耕耘装置
【発明者】 【氏名】岩倉 薫

【氏名】山本 光二

【要約】 【課題】従来のレール走行式耕耘装置で発生していた装置のはね上がり等を回避することのできる、新規なレール敷設茶園における耕耘方法並びにレール走行式耕耘装置の開発を技術課題とした。

【解決手段】レール走行式耕耘装置1における耕耘体31の先端側を畝間土壌Sに対してほぼ垂直方向に上下往復動させるとともに、前記レール走行式耕耘装置1自体を前後移動させることにより耕耘を行い、且つ前後移動時においては、耕耘体31の先端側に具えた耕耘刃32はその下端部を常時土壌S中に没した状態とすることを特徴として成る。このため耕耘作業時には耕耘刃32の土壌Sへの打ち込み動作に伴う台車ユニット2のはね上がりや横揺れを引き起こさないので、レールRに過負荷がかかってレールRが本来あるべき場所から移動してしまったり、台車ユニット2が脱線してしまう等の不具合を回避することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶畝間に敷設されたレール上を走行するレール走行式耕耘装置によって茶畝間の耕耘作業を行う方法において、前記レール走行式耕耘装置における耕耘体の先端側を畝間土壌に対してほぼ垂直方向に上下往復動させるとともに、前記レール走行式耕耘装置自体を前後移動させることにより耕耘を行い、且つ前後移動時においては、前記耕耘体の先端側に具えた耕耘刃はその下端部を常時土壌中に没した状態とすることを特徴とするレール敷設茶園における耕耘方法。
【請求項2】 前記耕耘体先端側のほぼ垂直方向での上下往復動は、耕耘刃と土壌表面との間の角が90°±30°の範囲内に保たれた状態で行うことを特徴とする請求項1記載のレール敷設茶園における耕耘方法。
【請求項3】 前記耕耘体先端側のほぼ垂直方向での上下往復動は、レール走行式耕耘装置のフレーム部材に対して揺動自在に具えた揺動杆の先端部分に耕耘刃を具え、この耕耘刃と揺動支点との間に具えたクランク機構によって前記揺動杆を揺動させて行うものであることを特徴とする請求項1または2記載のレール敷設茶園における耕耘方法。
【請求項4】 茶畝間に敷設されたレール上を走行する台車ユニットに耕耘ユニットを搭載することで、レール上を走行しながら畝間土壌の耕耘作業を行うレール走行式耕耘装置において、前記耕耘ユニットに具えた耕耘体の先端側に位置する耕耘刃は、畝間土壌に対してほぼ垂直方向に上下往復動するものであることを特徴とするレール走行式耕耘装置。
【請求項5】 前記耕耘刃のほぼ垂直方向での上下往復動は、耕耘刃と土壌表面との間の角が90°±30°の範囲内に保たれたものであることを特徴とする請求項4記載のレール走行式耕耘装置。
【請求項6】 前記耕耘刃をほぼ垂直方向で上下往復動させる構造は、台車ユニットのフレーム部材に対して揺動自在に取り付けられた揺動杆の先端部分に耕耘刃を具え、この耕耘刃と揺動支点との間に、前記揺動杆を揺動させるためのクランク機構を接続させて構成したことを特徴とする請求項4または5記載のレール走行式耕耘装置。
【請求項7】 前記クランク機構は、駆動軸に具えたクランクプレートに接続された連結棒の先端部を前記揺動杆に接続して成るものであり、前記クランクプレートには、前記連結棒を接続するための孔を複数設けたことを特徴とする請求項6記載のレール走行式耕耘装置。
【請求項8】 前記クランク機構は、耕耘ユニットフレームに対して昇降自在に具えられるものであって、耕耘刃の上死点及び下死点の位置を任意に設定可能としたことを特徴とする請求項6または7記載のレール走行式耕耘装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は茶畝の両側脇に敷設されるレール上を進行しながら茶園管理作業を自動で行うレール走行式茶園管理装置に関するものであって、特に従来のレール走行式耕耘装置で発生していた耕耘機のはね上がりを回避することのできるレール敷設茶園における耕耘方法並びにレール走行式耕耘装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】近年、茶葉の摘採や防除等の茶園管理作業を自動で行う装置として、茶畝の両側脇に敷設されたレール上を茶畝を跨いだ状態で走行するレール走行式茶園管理装置がある。このものは基本的に、レール上を走行する台車ユニットと、この台車ユニットに搭載された茶園管理機とを具えて成るものであって、この茶園管理機の一つに土壌の耕耘作業を行うものがある。
【0003】そして現在用いられているレール走行式耕耘装置1′は、図6に示すようにまず耕耘刃32′を土壌Sに対して打ち込み、次いで掘り返えすという、人力による鍬を用いた動作を再現した機構によって耕耘作業を行うものであって、この際、耕耘刃32′の先端部分は楕円軌道を描きながら土壌Sに作用する。このような機構は、レール走行式でない既存の浅耕機の機構を流用したものであって、実際にこのものを改造して作業台車に搭載しているレール走行式耕耘装置も存在する。
【0004】しかしこのような人力による鍬を用いた動作を再現した機構を採った場合には、以下に示すような問題点があった。つまり、耕耘刃32′の先端部分が土壌Sに打ち込まれる動作の際に受ける上向き反力によって、台車ユニット2′は、はね上がり、横揺れを起こしてしまうため、レールRに過負荷がかかってレールRが本来あるべき場所から移動してしまい、甚だしい場合には台車ユニット2′が脱線してしまう等の不具合が生じていたものである。
【0005】もとよりレールR上を走行する台車ユニット2′及びこの台車ユニット2′に搭載される耕耘ユニット3′は、軽量化することが望ましいものであるが、上述のはね上がり、横揺れ等を防ぐためには、耕耘刃32′の上向き反力に耐え得るだけの重量を持たせなければならない等、あえて設計思想に反する仕様を採らなければならなかった。
【0006】また従来の人力による鍬を用いた動作を再現した機構の場合には、耕耘刃32′の先端部分は楕円軌道を描くものであるため耕耘刃32′の上下動時にこの耕耘刃32′が後方に移動する成分を有することにより、耕耘力がレール走行式耕耘装置1′の進行によって相殺されてしまい耕耘効率が低下してしまうものであった。
【0007】なおレール走行式茶園管理装置における茶園管理機にあっては、当初は摘採機、整枝機、防除散布機等、茶樹に作用するものから開発されてきたという背景があり、浅耕機等の耕耘機のような土壌に作用する機器については現時点では未だ発展段階にあるのが実情である。
【0008】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を認識して成されたものであって、特に従来のレール走行式耕耘装置で発生していた装置のはね上がり等を回避することのできる、新規なレール敷設茶園における耕耘方法並びにレール走行式耕耘装置の開発を技術課題としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載のレール敷設茶園における耕耘方法は、茶畝間に敷設されたレール上を走行するレール走行式耕耘装置によって茶畝間の耕耘作業を行う方法において、前記レール走行式耕耘装置における耕耘体の先端側を畝間土壌に対してほぼ垂直方向に上下往復動させるとともに、前記レール走行式耕耘装置自体を前後移動させることにより耕耘を行い、且つ前後移動時においては、前記耕耘体の先端側に具えた耕耘刃はその下端部を常時土壌中に没した状態とすることを特徴として成るものである。この発明によれば、従来の人力による鍬を用いた動作を再現した機構によるものではなく、土壌中における耕耘刃の上下往復動と、進行とによって耕耘作業を行うため、耕耘作業時には耕耘刃の土壌への打ち込み動作に伴う台車ユニットのはね上がりや横揺れを引き起こさない。このためレールに過負荷がかかってレールが本来あるべき場所から移動してしまったり、台車ユニットが脱線してしまう等の不具合を回避することができる。
【0010】また請求項2記載のレール敷設茶園における耕耘方法は、前記要件に加え、前記耕耘体先端側のほぼ垂直方向での上下往復動は、耕耘刃と土壌表面との間の角が90°±30°の範囲内に保たれた状態で行うことを特徴として成るものである。この発明によれば、耕耘刃の上下往復動時に、耕耘刃が後方に移動する成分が極僅かであるため、レール走行式耕耘装置の進行に伴う耕耘効率を良好なものとすることができる。
【0011】更にまた請求項3記載のレール敷設茶園における耕耘方法は、前記要件に加え、前記耕耘体先端側のほぼ垂直方向での上下往復動は、レール走行式耕耘装置のフレーム部材に対して揺動自在に具えた揺動杆の先端部分に耕耘刃を具え、この耕耘刃と揺動支点との間に具えたクランク機構によって前記揺動杆を揺動させて行うものであることを特徴として成るものである。この発明によれば、耕耘刃の上下往復動を揺動杆の揺動支点を中心とした円運動によって行うため、この揺動杆の長さを充分に設定することで、耕耘刃の上下往復動をほぼ垂直なものとすることができる。
【0012】また請求項4記載のレール走行式耕耘装置は、茶畝間に敷設されたレール上を走行する台車ユニットに耕耘ユニットを搭載することで、レール上を走行しながら畝間土壌の耕耘作業を行うレール走行式耕耘装置において、前記耕耘ユニットに具えた耕耘体の先端側に位置する耕耘刃は、畝間土壌に対してほぼ垂直方向に上下往復動するものであることを特徴として成るものである。この発明によれば、従来の人力による鍬を用いた動作を再現した機構によるものではなく、土壌中における耕耘刃の上下動と、進行とによって耕耘作業を行うため、耕耘作業時には耕耘刃の土壌への打ち込み動作に伴う台車ユニットのはね上がりや横揺れを引き起こさない。このためレールに過負荷がかかってレールが本来あるべき場所から移動してしまったり、台車ユニットが脱線してしまう等の不具合を回避することができる。
【0013】更にまた請求項5記載のレール走行式耕耘装置は、前記請求項4記載の要件に加え、前記耕耘刃のほぼ垂直方向での上下往復動は、耕耘刃と土壌表面との間の角が90°±30°の範囲内に保たれたものであることを特徴として成るものである。この発明によれば、耕耘刃の上下往復動時に、耕耘刃が後方に移動する成分が極僅かであるため、レール走行式耕耘装置の進行に伴う耕耘効率を良好なものとすることができる。
【0014】更にまた請求項6記載のレール走行式耕耘装置は、前記請求項4または5記載の要件に加え、前記耕耘刃をほぼ垂直方向で上下往復動させる構造は、台車ユニットのフレーム部材に対して揺動自在に取り付けられた揺動杆の先端部分に耕耘刃を具え、この耕耘刃と揺動支点との間に、前記揺動杆を揺動させるためのクランク機構を接続させて構成したことを特徴として成るものである。この発明によれば、耕耘刃の上下往復動を揺動杆の揺動支点を中心とした円運動によって行うため、この揺動杆の長さを充分に設定することで、耕耘刃の上下動をほぼ垂直なものとすることができる。
【0015】更にまた請求項7記載のレール走行式耕耘装置は、前記請求項6記載の要件に加え、前記クランク機構は、駆動軸に具えたクランクプレートに接続された連結棒の先端部を揺動杆に接続して成るものであり、前記クランクプレートには、前記連結棒を接続するための孔を複数設けたことを特徴として成るものである。この発明によれば、耕耘刃の上下往復動ストロークを適宜選択可能とすることで、耕耘深さを選択することができる。
【0016】更にまた請求項8記載のレール走行式耕耘装置は、前記請求項6または7記載の要件に加え、前記クランク機構は、耕耘ユニットフレームに対して昇降自在に具えられるものであって、耕耘刃の上死点及び下死点の位置を任意に設定可能としたことを特徴として成るものである。この発明によれば、土壌とレールとの間隔に対応してクランク機構を昇降させることで、土壌表面からの耕耘深さを所望のものとすることができる。そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明のレール走行式耕耘装置について図示の実施の形態に基づいて説明した後、このレール走行式耕耘装置の動作と併せて本発明のレール敷設茶園における耕耘方法について説明する。前記レール走行式耕耘装置の一例であるレール走行式耕耘装置1は、茶園における茶畝Aの両脇に敷設されたレールRに対して茶畝Aを跨ぐようにして載置されるものであり、且つ前記レールR上を走行しながら土壌Sの表面を浅耕するための装置である。なお前記レールRは一例として丸鋼管を適用するものであって、適宜の受け部材に支持されて設置されたものである。
【0018】前記レール走行式耕耘装置1は、前記レールR上を走行する台車ユニット2と、この台車ユニット2に搭載されて土壌Sの浅耕を行う耕耘ユニット3とを主要部材として具えて成るものである。前記台車ユニット2は、茶畝Aを跨ぐ門形フレーム20の一方の垂直部下部に走行輪フレーム21を接続することで全体のフレーム部材を構成するものであり、前記門形フレーム20の双方の垂直部下端にそれぞれ具えた補助輪22及び駆動輪23と、前記走行輪フレーム21の先端に具えた車輪24とによって茶畝Aの両側に敷設されたレールR上に三点支持されるものである。以下前記台車ユニット2、耕耘ユニット3の順にそれぞれの構造について詳しく説明する。
【0019】先ず前記台車ユニット2について説明すると、このものは前記門形フレーム20の水平部に搭載した発電機5を動力源としてレールR上を走行するものであって、このための動力伝達系は、発電機5から給電されるモータMに併設したギヤボックス25の出力軸に具えた駆動ギヤ26と、前記駆動輪23の軸に具えた従動ギヤ27との間にチェーン28を巻回して成るものである。
【0020】また本実施の形態では、前記門形フレーム20の水平部のほぼ中央部分には、一例として反射型の超音波センサ、近赤外線センサ等を適用した茶樹センサ6を具えるものであって、この茶樹センサ6の検出方向と、茶畝A上面との交差角度を一例として13°程度に設定する。
【0021】また前記門形フレーム20に対しては制御盤7を具えるものであって、この制御盤7によって、前記茶樹センサ6の出力信号をもとにモータMの回転速度を制御し、更に後述する耕耘ユニット3におけるシリンダ38の伸縮度等を制御するものである。なお上述した台車ユニット2は非乗用タイプのものとして説明したが、適宜座席等を設けることで乗用タイプのものとすることもできる。
【0022】次に前記耕耘ユニット3について説明すると、このものは前記走行輪フレーム21に対して揺動自在に具えた耕耘体31を、前記台車ユニット2における走行輪フレーム21の先端よりの部分に立設した耕耘ユニットフレーム30に対して搭載したクランク機構4によって上下往復動させることで、土壌Sへの耕耘体31の作用深さが変化するようにしたものである。
【0023】前記耕耘体31は、土壌Sに直接作用して浅耕を行う部材である耕耘刃32を揺動杆33の先端部に具えて成るものであり、このような耕耘体31を前記走行輪フレーム21の左右両側に配するとともに、二本の揺動杆33の基端部を前記走行輪フレーム21上の駆動輪23寄りの部分に対して軸33aを中心として揺動自在に具えるものである。なお耕耘刃32の揺動杆33への取り付け角度については図示の実施の形態では90°としたが、要は耕耘刃32と土壌S表面との間の角が90°±30°の範囲内に保つことができればよいので、この範囲内で適宜選択することができる。また前記耕耘刃32については、先端の尖ったストレートな形状のもののほかに、図2(a)に拡大して示すように、先端を尖らせるとともにこの部分を屈曲させた形状のものとすることもできる。
【0024】また前記耕耘ユニットフレーム30に対しては昇降スリーブ34を外嵌するものであって、この昇降スリーブ34は、クランプ34aによって耕耘ユニットフレーム30の上下方向適宜の位置に固定することもできる。更に前記昇降スリーブ34の上部には、ハンドル35及びエンジン36を具えるとともに、この昇降スリーブ34に対して平行にほぼ同じ長さの中空杆37を並設するものである。
【0025】なお前記昇降スリーブ34にシリンダ38を具えるとともに、このシリンダ38のロッド38aを前記耕耘ユニットフレーム30の下部に外嵌固定した固着ピース39に接続することで、シリンダ38の伸縮によって昇降スリーブ34の上下動を行えるようにした。
【0026】ここで前出のクランク機構4について説明すると、このものは前記エンジン36の出力軸に接続されるとともに前記中空杆37内に配されたシャフト40の回転運動を、前記揺動杆33に接続される連結棒47の上下運動に変換する機構である。このようなクランク機構4の具体的な構造は、前記中空杆37の下端部にギヤボックス41を具えるものであり、このギヤボックス41内において前記シャフト40の先端部に具えたウォームギヤ42とギヤ43とが噛み合うことで、ギヤ43に軸支されるとともに前記ギヤボック41の両面に突出状態となっている駆動軸44を回転駆動するものである。
【0027】そして前記ギヤボックス41の両面に突出状態となっている駆動軸44には両側からそれぞれクランクプレート45を固着するものであって、このクランクプレート45にはその長手方向に沿って複数の調節孔45aが穿設されており、この調節孔45aに対して適宜ボルトナット46を用いる等して連結棒47が取り付けられる。
【0028】前記クランク機構4は一例として上述のような構造を有するものであり、前記連結棒47の自由端側を前記揺動杆33に設けたブラケット33bに対して接続することで、前記耕耘体31を上下動させるものである。つまり前記クランクプレート45が回転することで調節孔45aの上下方向の位置が変化するものであり、この調節孔45aに対して取り付けた連結棒47が上下して揺動杆33の先端に具えた耕耘刃32を畝間土壌Sに対してほぼ垂直方向に上下往復動させるものである。
【0029】このように耕耘刃32が畝間土壌Sに対してほぼ垂直方向に上下往復動するのは、耕耘刃32は、軸33aを中心とした揺動杆33先端部の描く軌跡に沿って動くため、この揺動杆33の長さを充分に設定することによるものである。なお本実施の形態では、耕耘刃32のほぼ垂直方向での上下往復動は、耕耘刃32と土壌S表面との間の角が90°±30°の範囲内に保たれるようにした。
【0030】また前記シリンダ38を伸縮させることで昇降スリーブ34に具えたクランク機構4の上下位置を所望の位置に設定することができるため、耕耘刃32の上下ストロークを一定に保ったまま、その上死点及び下死点の位置を任意に設定することが可能となるものである。
【0031】本発明のレール走行式耕耘装置の一例であるレール走行式耕耘装置1は、一例として上述のようにして構成されるものであり、以下このものの作動態様を説明しながら、本発明のレール敷設茶園における耕耘方法について説明する。
【0032】〔レールへのセッティング〕まず、レール走行式耕耘装置1を茶畝Aの間に敷設されたレールR上にセッティングするものであって、駆動輪23を駆動して図示しない枕地に配した横移動ガイドレール上からレールR上に進入させるものである。このとき図4(a)に示す様に適宜クランク機構4を作動して、耕耘刃32の位置を上死点にするとともに、シリンダ38を伸長させて昇降スリーブ34を上昇させておくことで、レール走行式耕耘装置1がレールR上に位置した状態で耕耘刃32が土壌Sと接触しないようにするものである。
【0033】〔耕耘刃の打ち込み〕次いでシリンダ38を収縮させてクランク機構4を具えた昇降スリーブ34を下降させることで、揺動杆33の先端に取り付けられた耕耘刃32を土壌Sに打ち込むものである。このとき耕耘刃32の土壌Sへの進入量は、クランク機構4による耕耘刃32の昇降ストロークにおける上死点での耕耘刃32先端部の位置が土壌Sに没するようにする。なおこのような耕耘刃32の打ち込みは、以降、一畝の片側の茶畝Aの耕耘作業が終了するまでの間は行われないものであって、走行中は耕耘刃32の先端部分が土壌Sに打ち込まれるときに受ける上向き反力によって、レール走行式耕耘装置1がはね上がってしまったり、横揺れを起こしてしまうことがない。
【0034】〔耕耘動作〕次いでエンジン36を起動してクランク機構4を駆動するものであって、クランクプレート45の回転は連結棒47の上下動に変換され、この連結棒47の先端に取り付けられた揺動杆33は、軸33aを中心として揺動するものであり、耕耘刃32の上下往復動が行われる。このため、揺動杆33の長さを充分に設定することで、耕耘刃32の上下往復動をほぼ垂直なものとすることができるものである。
【0035】そしてレール走行式耕耘装置1を、レールR上で進行させるものであって、このとき図4(b)(c)に示すように耕耘刃32の下端部は常時土壌S中に没した状態となっているため、まんべんなく耕耘が行われてゆくものである。なお前記耕耘刃32のほぼ垂直方向での上下往復動は、耕耘刃32と土壌S表面との間の角が90°±30°の範囲内に保たれた状態で行われるため、耕耘刃32の上下往復動時に、耕耘刃32が後方に移動する成分がごく僅かであるから、レール走行式耕耘装置1の進行に伴う耕耘効率を良好なものとすることができる。つまり本発明の構成によれば、耕耘刃32の上下往復動時全般にわたってレール走行式耕耘装置1の進行力が土壌Sに作用するものである。
【0036】このような耕耘の様子を図5に示すと、耕耘刃32は、上下方向の単振動をしながら進行するため、耕耘刃32の先端部の描く軌跡Lは、側面視でサインカーブ状になるものである。従って、レール走行式耕耘装置1の走行速度と、耕耘刃32の単振動周期とをそれぞれ適宜モータM、エンジン36の回転数を変化させることで調節し、所望の疎密状態の耕耘を行うことができるものである。
【0037】またクランクプレート45への連結棒47の取り付け位置である調節孔45aを変更することで、耕耘刃32の上下往復動ストローク長を適宜選択し、これにより耕耘深さの変更を行うことができる。
【0038】〔畝端の検出及び帰還〕やがてレール走行式耕耘装置1が茶畝Aの終端部分に近づいて、茶樹センサ6が茶畝Aの終端部分を検出した時点でモータMを減速し、茶畝Aの終端部分で停止する。次いでエンジン36を停止するかあるいはエンジン36からギヤボックス41への動力を断って耕耘刃32の上下往復動を停止するとともに、シリンダ38を伸長して昇降スリーブ34を上昇させて耕耘刃32の先端部分を土壌S中から抜き出した後、モータMを反転させてレール走行式耕耘装置1を枕地に配した横移動ガイドレール上に位置させる。そしてレール走行式耕耘装置1をこの横移動ガイドレールを経由して隣の畝間に敷設されたレールR上に進入させ、以降の耕耘作業を行ってゆくものである。
【0039】なお上述の説明では、レール走行式耕耘装置1は耕耘体32が取り付けられた部分を先端として、この方向に進行する場合について説明したが、その逆方向に進行するような作業形態を採ることもできるので、往復での作業も可能となる。
【0040】
【他の実施の形態】本発明は上述した実施の形態を基本となる実施の形態とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて、以下に示すような実施の形態を採ることもできる。まず先の基本となる実施の形態では揺動杆33における軸33aの部分を走行輪フレーム21に対して固着する構成としたが、この固着部分を着脱自在とすれば台車ユニット2から耕耘ユニット3を取り外すことができるため、台車ユニット2に対して他の茶園管理装置をユニット化したものを搭載して用いることができる。
【0041】また先の基本となる実施の形態は、耕耘作業の一つの作業形態である浅耕を行う方法並びに装置についてのものであったが、連結棒47を接続するクランクプレート45における調節孔45aを変更して耕耘刃32の上下動ストローク長を大きくしたり、耕耘刃32の長さ、形状を変える等して、中耕、深耕等を行うようにすることもできる。
【0042】また先の基本となる実施の形態は、門形フレーム20の一方の垂直部下部に走行輪フレーム21を接続するとともに耕耘ユニット3を搭載して、茶畝Aの片側の畝間土壌Sのみ耕耘作業を行うようにしたものであったが、前記門形フレーム20の両方の垂直部下部に走行輪フレーム21を接続するとともに耕耘ユニット3を搭載して、茶畝A両側の畝間土壌Sの耕耘作業を一挙に行うようにすることもできる。またこの場合、片側の走行輪フレーム21に肥料散布機等を搭載するようにしたり、両側の走行輪フレーム21にそれぞれ耕耘ユニット3と肥料散布機等を搭載することもできる。
【0043】また先の基本となる実施の形態におけるレール走行式耕耘装置1は、レールR上に三点支持することで自立状態で走行するものであったが、本発明は耕耘機のはね上がり等の問題点を解決するものであるため、作業者がハンドル等を支持しながら進行するいわゆる手押しタイプのレール走行式耕耘装置や、直接土壌S上を走行する車輪を具えた手押しタイプ、無人走行式の耕耘装置に対しても耕耘刃32を上下往復動させる構造を適用することもできる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、特に従来のレール走行式耕耘装置で発生していた耕耘機のはね上がり等を回避することのできる、新規なレール敷設茶園における耕耘方法並びにレール走行式耕耘装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000104386
【氏名又は名称】カワサキ技研株式会社
【出願日】 平成11年11月29日(1999.11.29)
【代理人】 【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
【公開番号】 特開2001−148902(P2001−148902A)
【公開日】 平成13年6月5日(2001.6.5)
【出願番号】 特願平11−337436