| 【発明の名称】 |
田植機の線引きマーカ |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 祐一
【氏名】西 陽一朗
【氏名】松岡 秀樹
【氏名】前川 智史
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| 【要約】 |
【課題】圃場に線引きを行う線引きマーカをコンパクトに収納支持する構成を提供する。
【解決手段】田植機の植付部の左右両側に設けられる線引きマーカ130であって、該線引きマーカ130の基端は回動支点101にて昇降回動可能に支持され、該線引きマーカ130の中途には屈曲部位133が設けられて、張出し及び収納を可能とする構成であるものにおいて、前記線引きマーカ130が収納された状態Aにおいては、上記屈曲部位133により支持され線引き体136を支持する支持アーム137は、その軸線Sが機体の左右内方側へ向かうこととなるよう上記屈曲部位133にて屈曲されるように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 田植機の植付部の左右両側に設けられる線引きマーカであって、該線引きマーカの基端は回動支点にて昇降回動可能に支持され、該線引きマーカの中途には屈曲部位が設けられて、張出し及び収納を可能とする構成であるものにおいて、前記線引きマーカが収納された状態においては、上記屈曲部位により支持され線引き体を支持する支持アームは、その軸線が機体の左右内方側へ向かうこととなるよう上記屈曲部位にて屈曲されることを特徴とする、田植機の線引きマーカ。 【請求項2】 請求項1記載の田植機の線引きマーカにおいて、該線引きマーカを屈曲伸張させるためのマーカリンクの一端を該線引きマーカの前記屈曲部位の近傍に融通機構を介して連結させる一方、該マーカリンクの他端を該線引きマーカの前記回動支点近傍に連結させたことを特徴とする、田植機の線引きマーカ。 【請求項3】 請求項1記載の田植機の線引きマーカにおいて、該線引きマーカを係止して保持可能とするマーカ収納フックは機体前後方向に突出させて設けられることを特徴とする、田植機の線引きマーカ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機の植付部の側部に装着されて、圃場に線引きを行う線引きマーカをコンパクトに収納支持する構成に関する。 【0002】 【従来の技術】田植機に線引きマーカを備えて、次に植付作業を行うときの目標となる線を該線引きマーカによって圃場に描く技術は公知となっている。この線引きマーカは通例、機体の左右外端部となる苗載台を保護するサイドバンパーや植付フレーム等の外端部に設けられ、外下方に広げたり上方へ収納できるように回動可能に支持されている。一方、多条植え用の田植機においては、輸送時にはその苗載台左右端部を内側へ折り畳んだり取り外したりしてコンパクトとする技術が公知となっており、それに合わせて上記サイドバンパーを内方へ収納させる技術も公知となっている。また、線引きマーカを上方へ回動させた収納状態で係止しておくために、マーカ収納用のフックを設ける技術も公知となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし従来の線引きマーカは、回動させて上方へ収納させても機体の左右外方に多少はみ出る構成であったため、圃場から圃場へ移動する際の路上走行時や旋回時に線引きマーカを周囲の障害物に引っ掛けて破損させてしまうおそれがあった。ここで、線引きマーカを支持する支持杆をその中途部位にて屈曲可能として、収納時においては線引きマーカを屈曲させてコンパクト性の向上を図る技術もあったが、この場合においても、収納位置とした線引きマーカが機体幅からある程度左右外方にはみ出していた。従って、よりコンパクトに線引きマーカを収納できる技術が要望されていたのである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。 【0005】即ち、請求項1においては、田植機の植付部の左右両側に設けられる線引きマーカであって、該線引きマーカの基端は回動支点にて昇降回動可能に支持され、該線引きマーカの中途には屈曲部位が設けられて、張出し及び収納を可能とする構成であるものにおいて、前記線引きマーカが収納された状態においては、上記屈曲部位により支持され線引き体を支持する支持アームは、その軸線が機体の左右内方側へ向かうこととなるよう上記屈曲部位にて屈曲されるものである。 【0006】請求項2においては、請求項1記載の田植機の線引きマーカにおいて、該線引きマーカを屈曲伸張させるためのマーカリンクの一端を該線引きマーカの前記屈曲部位の近傍に融通機構を介して連結させる一方、該マーカリンクの他端を該線引きマーカの前記回動支点近傍に連結させたものである。 【0007】請求項3においては、請求項1記載の田植機の線引きマーカにおいて、該線引きマーカを係止して保持可能とするマーカ収納フックは機体前後方向に突出させて設けられるものである。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。まず、本発明の線引きマーカを八条の乗用田植機に適用した実施例の全体構成について説明する。図1は本発明の植付フレームを備えた田植機の全体側面図、図2は分割苗載台を主苗載台上に収納した後面図、図3は植付部の側面図、図4は植付フレームの正面図である。 【0009】この乗用田植機Aは図1に示すように、走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して植付部4を配置し、該走行部1においては車体フレーム3の前部上方にエンジン2を搭載し、前下部にフロントアクスルケースを介して前輪6を支持させるとともに、後部にリアアクスルケース7を介して後輪8を支持している。そして、前記エンジン2はボンネット9に覆われ、該ボンネット9の両側に予備苗載台10・10を配設し、該ボンネット9後部のダッシュボード5上に操向ハンドル14を配置し、該ボンネット9両側とその後部の車体フレーム3上を車体カバー12で覆い、操向ハンドル14後方位置に座席13を配置し、ボンネット9の両側と座席13前部と、座席13左右両側及び座席13後方をステップとしている。 【0010】そして、前記座席13の側部には走行変速レバー30や植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー31や植付感度調節レバーが配置され、ダッシュボード下部のステップ上には主クラッチペダル32や左右ブレーキペダルが配設され、前記座席13後方には八条用の施肥機33が配設されている。 【0011】前記植付部4は図1・図3・図4に示すように、苗載台16や植付爪17やセンターフロート34やサイドフロート35等から構成されており、前記苗載台16は前高後低に配設して、苗載台16の下部は下ガイドレール18、前面の上部は上ガイドレール19によって左右往復摺動自在に支持し、該下ガイドレール18及び上ガイドレール19は植付センターケース20より後述する植付フレーム23等を介して支持されている。そして、植付センターケース20より左右両側方へ連結パイプ29を突設してチェーンケース21を固設し、該チェーンケース21・21・・・を平行に後方へ突出して、該チェーンケース21の後部に一方向に回転させるロータリーケース22を配置し、該ロータリーケース22の両側に一対の植付爪17・17を配置している。こうして、前進走行とともに苗載台16を左右に往復摺動して、この往復動に同期させて植付爪17を駆動して一株分の苗を切り出し、連続的に植え付け作業を行うように構成している。 【0012】また、前記植付センターケース20の前部はローリング支点軸を介して前記昇降リンク機構27と連結され、該昇降リンク機構27はトップリンク25やロワーリンク26等より構成され、座席13下方に配置した昇降シリンダ28によって植付部4を昇降できるようにしている。 【0013】前記苗載台16は図2に示すように、進行方向右外側の二条分の苗載台を分割して分割苗載台16Dとし、機体中央側の固定された六条分の苗載台を主苗載台16Mとしており、前記分割苗載台16Dを着脱可能に構成して、該分割苗載台16Dを取り外して主苗載台16Mの後部上に載置して係合し、収納可能に構成している。 【0014】次に苗載台16を支持する植付フレーム23の構成について、その概略を図4より説明する。植付フレーム23は左右水平方向に配置する横杆23aと、該横杆23aの左右両側に連結して上下方向に配置する縦杆23b・23bよりなり、正面視略門型に構成されている。該縦杆23b・23bの上部と該横杆23aの中途部より立設したステー23d・23d上に前記上ガイドレール19を嵌合して支持するシュー24・24・・・が配置されている。 【0015】また、前記縦杆23b・23bの下部は両側のチェーンケース21・21、または、チェーンケース21・21を連結する連結パイプ29に固設されている。前記横杆23aの左右中央部の下部には略三角形状の取付プレート23c・23cが固設され、該取付プレート23c・23cにセンターフレーム61の上端が固設されている。 【0016】また、前記センターフレーム61の連結プレート61b下部は前記植付センターケース20の上面及び前面にかけて固定した取付ブラケット63に固設され、該植付センターケース20の下部両側より連結パイプ29・29が側方に突設されて、前記植付フレーム23とによって四角形状に連結固定して、この四角形の左右中途部をセンターフレーム61と取付ブラケット63と植付センターケース20によって縦方向に連結して強度向上を図っている。 【0017】そして更に、前記取付プレート23c・23cと縦杆23b・23b下部との間の対角線方向には、ターンバックル式の緊張ロッド64・64を配置して、ターンバックルを回動して締め付け、両側を引張り支持できるようにしている。 【0018】次に、サイドバンパー及び線引きマーカの構成について説明する。図5はサイドバンパーと線引きマーカの構成を示す正面図、図6はサイドバンパーを示す背面図、図7は同じく側面断面図、図8は同じく平面図、図9はサイドバンパーを摺動自在に支持する構成を示した側面断面図、図10はサイドバンパーと第一案内部材及び第二案内部材との関係を示した側面断面図である。図11は線引きマーカの基端の支持構成を示した正面拡大図、図12は同じく平面拡大図、図13は線引きマーカの屈曲部位の構成を示した正面図、図14は線引き体と施肥機のホッパとの関係を示した側面図である。 【0019】サイドバンパー85について説明する。図5に示すように、左右外側のチェーンケース21の前上方にはこのサイドパンパー85が支持され、左右にスライド可能とされている。図6から図8までに示すようにこのサイドバンパー85は、左右水平方向に配置される長パイプ部85cと、該長パイプ部85cの外端から湾曲して図3の如く後下方に延出される短パイプ部85dにより構成される。この短パイプ部85dにより、畦際での植付作業や畦越え等の際に、苗載台16下部に障害物が側方及び下方から衝突するのを防止している。 【0020】上記長パイプ部85cの前側の面には、側面視「L」字状に形成した細長いヒレ部材85aが溶接固定される(図7)。該ヒレ部材85aは、略水平状のヒレ部分と取付用の垂直部分とによりなり、該垂直部分の後面は長パイプ部85cの前側の面に溶接固定され、該ヒレ部分にはその長手方向に沿うガイド溝85bが欠設される(図7・図8)。また、後述するマーカ引上げ用ワイヤ93を覆うチューブ及びロック解除用ワイヤ113を覆うチューブを水平方向に支持するためのワイヤガイド138が、上記長パイプ部85cの上面に溶接されて取り付けられている(図7・図8)。このように、ヒレ部材85aを側面視「L」字状として長パイプ部85cの前面に溶接し、ワイヤガイド138を長パイプ部85cの上面に直接溶接する構成としているので、例えば単なる平板状とした部材の端縁を長パイプ部85cの周面に対し垂直に溶接固定してヒレ部分とし、更に該ヒレ部分の端部にワイヤガイドを溶接するような構成に比して、ヒレ部分やワイヤガイド138をコンパクトに構成できるとともにその強度も向上され、線引きマーカ130の操作時にワイヤガイド138に強い力が加わっても、ヒレ部分やワイヤガイド138が容易に変形したりしない構成となっている。 【0021】前記サイドバンパー85を摺動可能に支持する構成について説明する。即ち図5・図9に示すように、植付フレームの前記縦杆23b下部の前面から前方に向けて「L」字状の取付ステー88が固設され、該取付ステー88の下半分には下方に開口するように凹部が形成され(図外)、該凹部には第一案内部材96が嵌装されている(図9・図10)。該第一案内部材96は側面視略「L」字状としてその内側を案内面とし、サイドバンパー85の長パイプ部85cの上面及び後面をガイドするように構成してある(図10)。また、前記チェーンケース21の張出部21aには支持プレート90がボルト95・95により締結固定され(図5・図9)、該支持プレート90はその上半分に凹部90aを形設した略「y」字状の形状としており、該凹部90aには第二案内部材97が嵌装されている。この第二案内部材97は図9・図10に示す如く、その前部は上記ヒレ部材85aの水平部分の下面に沿う形状とし、後部は適宜垂直に折曲した「コ」字状として内側を案内面とし、上記ヒレ部材85a及びサイドバンパー85の長パイプ部85cの略前後面及び略下面を覆うことができるように構成している。 【0022】そして、上記第二案内部材97の後部には、サイドバンパー85の長パイプ部85cが挿通される。このとき該長パイプ部85cは、第二案内部材97によりその略前後面及び下面をガイドされるが、同時に第一案内部材96によってその略上面及び略後面をガイドされるように、その配設位置が調整されている。また、第一案内部材96と第二案内部材97とは、図10に示すようにその取付位相に差を生ぜしめ、互いに傾いた関係となるように取り付けられている。第一案内部材96及び第二案内部材97を上述のように構成した結果、長パイプ部85cの後面を傾きが異なる二つの案内面にてガイドできることとなるので、サイドバンパー85の取り付けの際のガタの発生が確実に防止され、後述するサイドバンパー85の摺動操作もスムーズに行えるようになっている。 【0023】前記長パイプ部85cのヒレ部材85a上に形設した上記ガイド溝85bには図9に示す如くノブネジ86を挿通しており、該ノブネジ86は前記第二案内部材97の前部に螺着するようにしている。この構成により、ノブネジ86を緩めてサイドバンパー85を左右に摺動させて所望の位置とした後、ノブネジ86を締めることによりサイドバンパー85を該所望の位置にて固定できるようになっている。なお、サイドバンパー85を収納するときには、苗載台16の下部を左右往復摺動自在に支持する上記下ガイドレール18の端部は前方へ回動して収納され、前記苗載台16の収納と併せて左右幅を縮小できるようにしている。 【0024】そして図5に示す如く、上記サイドバンパー85には、本発明に係る線引きマーカ130が収納及び張出可能に支持される。以下、この線引きマーカ130について説明する。即ちこの線引きマーカ130は、基端を回動昇降可能に支持される棒状の支持杆99と、該支持杆99の先端に回動可能に支持される棒状の支持アーム137と、該支持アーム137の先端に取り付けられる線引き体136とによりなる。 【0025】線引きマーカ130の上述の支持杆99を回動可能に支持する構成について説明する。即ち、図6に示すように、サイドバンパー85の長パイプ部85cの外端部の近傍位置にはパイプ状のピン支持部85gが形設される。該ピン支持部85gには枢支軸101が回動自在に挿通され(図11・図12)、該枢支軸101を介して線引きマーカ130の起伏板100が枢支され、該枢支軸101を線引きマーカ130の回動支点としている。該枢支軸101の向きは苗載台16の前上がり傾斜に対して直交する略前後向きであり、線引きマーカ130は苗載台16の直前位置において該枢支軸101によって左右に回動可能に支持されている。前記枢支軸101後部外周にはマーカ用コイルバネ103を外嵌して、その両端は起伏板100後面に設けた係止具104とサイドバンパー85下面に設けた係止プレート85eにそれぞれ係止して、線引きマーカ130の支持杆99を左右外方へ張り出す方向へ付勢している。 【0026】前記係止具104にはマーカ引上げ用ワイヤ93が緩衝用のバネを介して連結される。一方、前記起伏板100前面にはローラ106が枢支されており、該ローラ106は、長パイプ部85c上に配置した以下に説明するマーカストッパ110に係合するようにしている。このマーカストッパ110は正面視で略「く」字状に形成され(図11)、その一側部においては下縁にストッパー溝を形成して係合部110aを形成し、他側部においては二股状に分岐させて枢支部110bとしている。この枢支部110bは前後方向に分岐されて、この開放面がサイドバンパー85を跨ぎ、前記枢支軸101と平行な支点軸111を介してサイドバンパー85の長パイプ部85cに枢支させている。 【0027】前記支点軸111の前部外周にはストッパ用コイルバネ112を外嵌し、該ストッパ用コイルバネ112の両端部をサイドバンパー85下面の上記係止プレート85eとマーカストッパ110途中部の上面とにそれぞれ係止し、マーカストッパ110上部が外側(前記ローラ106側)へ回動するように付勢している。更に、マーカストッパ110上部の途中部にはロック解除用ワイヤ113の一端がピンを介して連結され、該ロック解除用ワイヤ113の他端は前述した植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー31に連結されている。 【0028】尚、上記マーカ引上げ用ワイヤ93を覆うチューブ及びロック解除用ワイヤ113を覆うチューブは、上記ワイヤガイド138に支持されながら機体中央方向へ延出されたのち緩やかに上方に向けて湾曲され、植付フレーム23の左右に配設した支持プレート150に支持させてある(図5)。該支持プレート150は水平に配設されて上下方向の溝を設けてあり(図外)、両ワイヤ93・113のチューブを該溝に係止することにより上下方向に支持する構成となっている。従って、前述するようにサイドバンパー85を左右方向に摺動させると、上記ワイヤガイド138が左右方向に移動されることとなるが、ワイヤチューブ及びワイヤは緩やかに撓んで該摺動にスムーズに追従させることができる。この構成は、例えば支持プレートを垂直に配置してワイヤチューブを左右方向に支持する構成に比して、サイドバンパー85の左右摺動操作時にワイヤチューブが支持部分でこじて引っ掛かるようなことがなくなり、操作力の増大を回避して該摺動操作がスムーズに行える等の利点がある。 【0029】次に、線引きマーカ130の中途部を屈曲可能とする構成について説明する。即ち図13に示すように、上記支持杆99の先端には屈曲支点支持部材141が固着され、該屈曲支点支持部材141には屈曲支点ピン133が支持される。該屈曲支点ピン133には関節部材134の一端が回動可能に枢支され、この屈曲支点ピン133をもってこの線引きマーカ130の屈曲部位としている。該関節部材134には左右水平方向に配置した上記支持アーム137の一端が固着され、該支持アーム137の先端には後下方へ湾曲させたアームを介して線引き体136が取り付けられる。 【0030】次に、線引きマーカ130をその回動昇降に応じて屈伸させるための構成について、主に図13を参照して説明する。上記屈曲支点ピン133にはねじりバネ状の戻しバネ135が外嵌され、該戻しバネ135の両端は、上記屈曲支点支持部材141と上記関節部材134とに係止されている。この戻しバネ135により上記支持アーム137は下方へ回動するように付勢され、線引き体136は下方へ付勢されるが、関節部材134と屈曲支点支持部材141との間に図外の規制手段が配設され、この規制手段により、図13の如く線引きマーカを張り出した状態においては支持アーム137が図13に示す位置以上には回動されないようになっている。 【0031】そして、上記線引きマーカ130を屈伸操作するためのマーカーリンク131が、線引きマーカ130の基端近傍と上記関節部材134との間に介設される(図5・図13)。このマーカーリンク131は棒状の部材とされており、その一端には基部プレート139が固着され(図11・図12)、該基部プレート139には長孔139aが、その長手方向を該マーカーリンク131の軸線方向に一致させて形設され(図11)、この長孔139aをもって上記マーカーリンク131の融通機構としている。一方、上記サイドバンパー85の長パイプ部85cの外端において「L」字状の支点ピン支持部85fが固設され(図6・図11等)、該支点ピン支持部85fにマーカーリンク支点ピン132が固着されている。そして図11に示すように、上記基部プレート139の長孔139aに該マーカーリンク支点ピン132を挿通している。マーカーリンク131の他端は、図13に示す如く上記関節部材134の屈曲支点ピン133近傍の位置に枢結される。 【0032】上記の構成の作用について説明する。即ち線引きマーカを張り出した図13に示す如き状態においては、マーカーリンク支点ピン132は図11に示すようにマーカーリンクの基部プレート139に形設された長孔139aの一側端部に当接しており、線引き作業の際に土の抵抗が発生して線引き体136に上方向への力が作用しても、この力に抗してマーカーリンク131が突っ張ることにより支持アーム137が上方に回動することが防止され、線引き体136が浮き上がらずに圃場に確実に線を引くことができるようになっている。 【0033】この状態から植付部4を上昇させると、マーカ引上げ用ワイヤ93が引っ張られて、線引きマーカ130の支持杆99が上述の枢支軸101を中心に上昇回動して引き上げられる。この引上げの過程において、上記マーカーリンク支点ピン132は上記基部プレート139の長孔139a内を徐々に摺動して、最終的には該長孔139aの上述とは反対側の端部に当接する。そしてこの状態からさらに支持杆99が引き上げられると、マーカーリンク支点ピン132はマーカーリンク131の基端を引き込み、マーカーリンク131は関節部材134を張引し、これにより関節部材134は上記戻しバネ135の弾発力に抗して上記屈曲支点ピン133を中心に回動し、上記支持アーム137も回動される。このようにして、線引きマーカ130は上昇とともに屈曲され、線引きマーカ130の先端(即ち、線引き体136の先端)は、屈曲支点ピン133より高い空間を通過する図5の符号Pに示される如き軌跡を描いて、該屈曲支点ピン133より内方側の位置にまで引き込まれて後述の収納位置Aとされるのである。 【0034】上記支持杆99が一定位置まで回動されると、起伏板100のローラ106がマーカストッパ110の係合部110aの上記ストッパー溝に係止されて、この結果、線引きマーカ130は上昇かつ屈曲された図5の鎖線に示す収納位置(符号A)にてロックされる。この収納位置Aにおける線引きマーカ130の屈曲の度合いは、上記融通手段である長孔139aの長さによって定まる。即ち、該長孔139aが短い場合は、回動過程のより早い段階にてマーカーリンク支点ピン132がマーカーリンク131を引き込むこととなるので、収納位置に至るまでに線引きマーカ130はより大きく屈曲されることとなる。ここで本発明においては図5に示す如く、収納位置Aにおける上記支持アーム137の軸線Sが、上記屈曲支点ピン133を通る上下方向の直線Tより機体内方側へ傾くこととなるよう、上述の長孔139aの長さ等を設定している。このように支持アーム137の軸線Sが機体の左右内方側へ向かうように線引きマーカ130を屈曲収納させる構成としているから、上方回動状態においては左右外方に突出する向きとされる線引き体136がより機体内方へ引き込まれることとなる。従って、線引きマーカ130の本機からの左右はみ出しをより小さくすることができるのである。 【0035】このように線引きマーカ130を上昇とともに屈曲させて収納位置Aとすることにより、図14に示すように収納位置における上記線引き体136の位置Xを、屈曲させないで収納する場合の位置Yに比して低くすることができることとなる。即ち、線引きマーカ130を屈曲させずに収納する構成の場合は、線引き体136の位置が符号Yに示す高い位置とされ、この状態から植付部4を下降させた場合は線引き体136が施肥機のホッパ33と干渉して線引きマーカ130が変形する等の問題があったが、本発明においては線引きマーカ130を屈曲させて収納したことにより、線引き体136の位置が符号Xに示すように低い位置とされ、この状態であれば植付部4を下降させても線引き体136を施肥機のホッパ33の下方の空間に入り込ませることができ、線引きマーカ130の変形等を回避できるのである。これは植付部4の配設位置の設計の自由度の向上をもたらす。例えば、植付部の昇降リンク機構27のリンク支点Oと植付部の連結パイプ29との距離(図14に示す距離L)を短くすることができるので、全長の短いコンパクトな田植機を構成できることとなる。 【0036】一方、圃場に線を引くべく線引きマーカ130を上記収納位置から張り出す場合には、植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー31を左右何れか一方に操作することで、操作した側のロック解除用ワイヤ113が張引され、マーカストッパ110が上昇して上述の係合部110aに係止していたローラ106が外れ、線引きマーカ130の支持杆99が自重及びマーカ用コイルバネ103の付勢力によって外下方に回動する。そしてこの際、上述のマーカーリンク支点ピン132によるマーカーリンク131の引込みが徐々に解除されて、関節部材134は上記戻しバネ135の弾発力により上記屈曲支点ピン133を中心に回動し、上記支持アーム137も回動される。このようにして、線引きマーカ130が下降とともに伸張して、図13に示す如き状態に戻るのである。この図13に示す状態において植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー31の操作力を解除すると、ストッパ用コイルバネ112の付勢力でマーカストッパ110が回動され、マーカストッパ110の係合部110a先端部がローラ106に当接して、該ローラ106を下方へ押し付ける。この結果、前記線引きマーカ130にはマーカ用コイルバネ103による下方への付勢力に加えてストッパ用コイルバネ112による付勢力が作用することとなり、これら付勢力による下方への抑え付けによって、(上記マーカーリンク131の突張り作用ともあいまって)線引き体136が浮き上がることなく常に圃場に突入されることとなって、圃場に確実に線を引くことができるようにしている。 【0037】次に、走行時や格納時に該線引きマーカ130が邪魔にならないようにすべく、線引きマーカ130を引き上げて収納位置とした状態で苗載台16左右端部の直前方に係止するための、マーカ収納フック116について説明する。該マーカ収納フック116は線状の部材とされ、図3・図4に示すように植付フレーム23(正確には、縦杆23b)上部にその一端を固着してあり、他端側は略水平に前方に引き出されたのち後上方に向けて屈曲されて、係止部を構成してある。 【0038】上記のように構成したマーカ収納フック116において、上記収納位置Aとした線引きマーカ130を引き寄せてその途中部位を上記係止部の中に入り込ませることにより、線引きマーカ130を図5の符号Bに示す鎖線の位置にて係止保持できるのである。 【0039】マーカ収納フック116は上述のように、機体前方へ向けて突出させて設けてある。従って、線引きマーカ130の屈曲により略左右方向とされた上記支持アーム137を、曲げることなく容易にマーカ収納フック116に係止できるのである。更に、マーカ収納フック116を係止した状態でサイドバンパー85を左右摺動させても、該支持アーム137が略左右方向とされているので、支持アーム137がマーカ収納フックに係止された状態のまま容易に左右スライドできる構成となり、線引きマーカ130に無理な力が掛かって変形したり破損することも防止できる。更に、マーカ収納フック116が機体左右外方に突出する構成とならないので、コンパクトに構成することができ、輸送時等にマーカー収納フックを引っ掛けて該フックを変形・折損させるようなトラブルも防止できる。 【0040】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に示す如く、田植機の植付部の左右両側に設けられる線引きマーカであって、該線引きマーカの基端は回動支点にて昇降回動可能に支持され、該線引きマーカの中途には屈曲部位が設けられて、張出し及び収納を可能とする構成であるものにおいて、前記線引きマーカが収納された状態においては、上記屈曲部位により支持され線引き体を支持する支持アームは、その軸線が機体の左右内方側へ向かうこととなるよう上記屈曲部位にて屈曲されるので、上方回動状態においては左右外方に突出する向きとされる線引き体がより機体内方へ引き込まれることとなり、線引きマーカの本機からの左右はみ出しをより小さくすることができる。この結果、圃場から圃場へと移動する路上走行時や旋回時等に線引きマーカを引っ掛けて破損させることが防止される。 【0041】また、請求項2に示す如く、請求項1記載の田植機の線引きマーカにおいて、該線引きマーカを屈曲伸張させるためのマーカリンクの一端を該線引きマーカの前記屈曲部位の近傍に融通機構を介して連結させる一方、該マーカリンクの他端を該線引きマーカの前記回動支点近傍に連結させたので、線引き作業時はマーカーリンクが突っ張って土による抵抗を支えることとなるので、線引きマーカが屈曲部位から折れ曲がって線引き体が浮き上がり圃場に描く線が途切れたりすることがない。また、マーカ引上げ時はマーカーリンクが引き込まれて線引きマーカを屈曲させる一方、マーカ張出し時は該引込みが解除されて線引きマーカを伸張させることとなり、リンクのみの簡素な構造にて線引きマーカを屈伸させる構成が達成される。更には、マーカリンクの融通機構を調整することにより、収納位置における線引きマーカの屈曲角度を任意に調整することもできるのである。 【0042】また、請求項3に示す如く、請求項1記載の田植機の線引きマーカにおいて、該線引きマーカを係止して保持可能とするマーカ収納フックは機体前後方向に突出させて設けられるので、線引きマーカをサイドバンパーに支持させた場合はサイドバンパーの摺動により線引きマーカが左右に移動されることとなるが、サイドバンパーを摺動させる左右方向と係止状態におけるマーカ収納フックの方向が略等しいので、サイドバンパーを摺動させたどの位置においても、マーカ収納フックで確実に線引きマーカを係止できる。また、マーカ収納フックが機体左右外方に突出する構成とならず機体幅方向をコンパクトに構成することができ、機体の輸送時等にマーカー収納フックを引っ掛けて該フックを変形・折損させるようなトラブルも防止できるので、出荷時等の輸送コストも低減できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月9日(1999.11.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−128507(P2001−128507A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月15日(2001.5.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−318148 |
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