| 【発明の名称】 |
作業車の操向装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 清一
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| 【要約】 |
【課題】左右車輪の車体に対する取り付け向きを変更して車体の操向操作を行う作業車の操向装置において、車輪の走行地面に対する横ずれを抑制しながら最大切れ角を大きくできるようにする。
【解決手段】車体の左右の車輪支持部16,16に各別に車体上下向きの第1操向軸芯P1まわりで揺動自在に支持されている左右一対の中間支持体14,14を備えてある。左側の中間支持体14の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯P2まわりで揺動自在に支持されているとともに左車輪1を車軸芯まわりで回動自在に支持している車輪支持体15と、右側の中間支持体14の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯P2まわりで揺動自在に支持されているとともに右車輪1を車軸芯まわりで回動自在に支持している車輪支持体15とを備えてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体の左右の車輪支持部に各別に車体上下向きの第1操向軸芯まわりで揺動自在に支持されている左右一対の中間支持体と、前記左側の中間支持体の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯まわりで揺動自在に支持されているとともに左車輪を車軸芯まわりで回動自在に支持している車輪支持体と、前記右側の中間支持体の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯まわりで揺動自在に支持されているとともに右車輪を車軸芯まわりで回動自在に支持している車輪支持体とを備え、前記左右の中間支持体を前記第1操向軸芯まわりで揺動操作するとともに前記左右の車輪支持体を前記第2操向軸芯まわりで揺動操作して左右車輪を操向操作する操向操作機構を備えてある作業車の操向装置。 【請求項2】 前記左右車輪が直進向きにある状態で前記第2操向軸芯が前記第1操向軸芯よりも車体前後方向に位置ずれしている請求項1記載の作業車の操向装置。 【請求項3】 前記車輪支持体と前記中間支持体の一方をステアリングハンドルに連係させている操作機構と、前記車輪支持体と前記中間支持体の他方を前記操作機構に連動させている連動機構とを、前記操向操作機構に備えてある請求項1又は2記載の作業車の操向装置。 【請求項4】 前記連動機構が、前記車輪支持体と前記中間支持体の他方と、前記車輪支持部とにわたって取り付けた揺動リンクを備えるリンク式である請求項3記載の作業車の操向装置。 【請求項5】 前記連動機構が、前記車輪支持体と前記中間支持体の他方が一体回動自在に備えるギヤと、このギヤに噛み合う状態で前記車輪支持部に固定されているギヤとを備えるギヤ式である請求項3記載の作業車の操向装置。 【請求項6】 前記左右の車輪支持部、中間支持体及び車輪支持体を、左右車輪に駆動力を伝達する車輪駆動ケースによって構成し、車輪支持部を構成する駆動ケース部が備える伝動軸と、中間支持体を構成する駆動ケース部が備える伝動軸とを連結するとともに前記第1操向軸芯と同一の軸芯まわりで屈曲する自在継手を備えてある請求項1〜5のいずれか1項に記載の作業車の操向装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、左右車輪の車体に対する取り付け向きを変更することによって車体の操向操作を行う作業車の操向装置に関する。 【0002】 【従来の技術】たとえば農用トラクタでは、枕地を小さい旋回半径で旋回走行すると、枕地が小さくなるとか、枕地の移動が迅速に行えるなど有利に走行できる。このため、従来、たとえば実開昭56−36574号公報やUSP5046577に示される操向技術があった。この操向技術は、両端側に車輪を車体上下向きの操向軸芯まわりで揺動自在に支持する車軸部材を、車体の左右方向での中心部に車体上下向きの軸芯まわりで回動自在に支持させ、この車軸部材の車体に対する取り付け向きの変更と、左右車輪の車軸部材に対する取り付け向きの変更とによって、左右車輪の車体に対する取り付け向きを変更して車体の操向操作を行うものである。そして、車輪の車体に対する向き変更を、車輪の車軸部材に対する向き変更と、車軸部材の車体に対する向き変更との両方によって行うことにより、車輪の車軸部材に対する向き変更だけで行うよりも、車輪の最大切れ角が大になって旋回半径が小さくなるものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来の操向技術の場合、操向操作を行うと、左右車輪が走行地面に対して大きく横すべりしながら車体に対して向き変更していた。また、左右車輪が車体に対してローリングすることを可能にするには、車軸部材を車体前後向きの軸芯まわりでも揺動するように車体に支持させる必要があることから、車軸部材を車体に取付ける構造が複雑になるとともに、この取付け構造には高い支持強度を備えさせる必要があり、コスト面や重量面で不利になっていた。本発明の目的は、車輪の切れ角を大きくできるのみならず、その割りには、車輪の横すべりを少なく抑制できるとともに、比較的安価かつ軽量に車輪のローリングを可能にできる作業車の操向装置を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0005】〔構成〕車体の左右の車輪支持部に各別に車体上下向きの第1操向軸芯まわりで揺動自在に支持されている左右一対の中間支持体と、前記左側の中間支持体の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯まわりで揺動自在に支持されているとともに左車輪を車軸芯まわりで回動自在に支持している車輪支持体と、前記右側の中間支持体の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯まわりで揺動自在に支持されているとともに右車輪を車軸芯まわりで回動自在に支持している車輪支持体とを備え、前記左右の中間支持体を前記第1操向軸芯まわりで揺動操作するとともに前記左右の車輪支持体を前記第2操向軸芯まわりで揺動操作して左右車輪を操向操作する操向操作機構を備えてある作業車の操向装置。 【0006】〔作用〕操向操作を行うと、操向操作機構が左右の中間支持体それぞれを第1操向軸芯まわりで車輪支持部に対して揺動操作するとともに左右の車輪支持体それぞれを第2操向軸芯まわりで中間支持体に対して揺動操作し、中間支持体の車体に対する向き変更と、車輪の中間支持体に対する向き変更との両方の向き変更によって、左右車輪の車体に対する取り付け向きが変化する。これにより、左右車輪を操向操作するのに、第2操向軸芯のまわりでの向き変更だけで操向操作するものよりも最大切れ角が大になるようにして操向操作できる。 【0007】さらに、中間支持体は車体の左又は右側に位置する車輪支持部に揺動自在に支持されているものだから、第2操向軸芯が車輪の揺動軸芯となり、この車輪揺動軸芯が車体に対して前後に移動する際の支点に第1操向軸芯がなる。すなわち、移動支点から車輪揺動軸芯までの距離が、従来の移動支点である車軸部材の揺動軸芯から車輪揺動軸芯までの距離よりも短距離になり、左右車輪が向き変更する際に走行地面に対して横すべりする長さを従来より短くしながら、左右車輪を操向操作できる。 【0008】車体に車体前後向きの軸芯まわりで揺動自在に支持される車軸部材を設け、この車軸部材の一端側で左側の車輪支持部を、他端側で右側の車輪支持部をそれぞれ形成する。すると、車軸部材は、車体に対して中間部で車体前後向きの軸芯まわりで回動自在に連結するだけのものでありながら、左右車輪が車輪支持体の第2操向軸芯まわりでの揺動と、中間支持体の第1操向軸芯まわりでの揺動とによって向き変更するとともに、車輪支持体、中間支持体及び車軸部材を介して車体に対してローリングする。 【0009】〔効果〕左右車輪の車体に対する向き変更を車輪の第2操向軸芯まわりでの揺動のみによって行うよりも大きな切れ角まで左右車輪を操向操作できることにより、枕地で小旋回半径で旋回走行して枕地を小さくしたり、先の作業終了箇所から次の作業開始箇所まで迅速に移動するなど有利に走行しながら作業できる。しかも、車輪が向き変更する際の走行地面に対する横すべりを車軸部材が車体の左右中心部で揺動する従来よりも少なく抑制しながら車体操向を行い、その横すべりによる操向や走行不良が発生しにくいとか少ないように安定した状態で走行できる。 【0010】さらに、走行地面の凹凸や傾斜にかかわらず車体を水平やほぼ水平に保ちながら走行できるように左右車輪のローリングを可能にする場合、左右の車輪支持部を形成する車軸部材を、この車軸部材の車体に対する上下揺動を可能にするだけの構造簡単な取付け構造によって車体に連結すればよくて、安価かつ軽量に得られる。 【0011】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0012】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記左右車輪が直進向きにある状態で前記第2操向軸芯が前記第1操向軸芯よりも車体前後方向に位置ずれしている。 【0013】〔作用〕車輪の取り付け向きを外向きに変更する場合、車輪が第2操向軸芯まわりで揺動するに伴い、車輪の前後一端側が車輪より内側に位置する車体などの内側部材に近づいていき、いずれはその内側部材に当たる。車輪が前車輪である場合、車輪が直進向きにある状態で第2操向軸芯が第1操向軸芯よりも車体前方側に位置ずれしていると、車輪を直進向きから外向きに操向操作する際、当初において車輪の接地点が第2操向軸芯のまわりで車体外側に出ていく。これに対し、第2操向軸芯が第1操向軸芯と車体横方向に並んでいると、車輪を直進向きから外向きに操向操作する際、常に車輪の接地点が第2操向軸芯のまわりで車体内側に入り込んでいく。このため、車輪が直進向きの位置から内側部材に当たるまでに中間支持体を第1操向軸芯まわりで揺動操作できる角度が、前者のものの方が大になる。そして、車輪が後車輪である場合、車輪が直進向きにある状態で第2操向軸芯が第1操向軸芯よりも車体後方側に位置ずれしていると、車輪を直進向きから外向きに操向操作する際、当初において車輪の接地点が第2操向軸芯のまわりで車体外側に出ていく。これに対し、第2操向軸芯が第1操向軸芯と車体横方向に並んでいると、車輪を直進向きから外向きに操向操作する際、常に車輪の接地点が第2操向軸芯のまわりで車体内側に入り込んでいく。このため、車輪が直進向きの位置から内側部材に当たるまでに中間支持体を第1操向軸芯まわりで揺動操作できる角度が、前者のものの方が大になる。これにより、車輪が直進向きにある状態で第2操向軸芯が第1操向軸芯よりも車体前後方向に位置ずれしている方が、車体横方向に並んでいる場合よりも、最大切れ角が大になるようにして左右車輪を操向操作できる。 【0014】〔効果〕左右車輪の切れ角を第1操向軸芯と第2操向軸芯の配置の面からも大にしてより小さい旋回半径で旋回走行し、枕地をより一層小さくなるなどして有利に走行できる。 【0015】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0016】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記車輪支持体と前記中間支持体の一方をステアリングハンドルに連係させている操作機構と、前記車輪支持体と前記中間支持体の他方を前記操作機構に連動させている連動機構とを、前記操向操作機構に備えてある。 【0017】〔作用〕ステアンリングハンドルを操作すると、操作機構による連係によって車輪支持体と中間支持体のいずれか一方が揺動し、連動機構による連動のために他方が一方の揺動に連動して揺動して、左右車輪を操向操作できる。すなわち、中間支持体と車輪支持体とを各別にステアリングハンドルに連係させるに比して構造面や制御面で簡単なものに操向操作機構を構成しながら、ステアリングハンドルによって車輪支持体と中間支持体とを連動させて操作できる。 【0018】〔効果〕左右車輪の最大切れ角を大にして操向操作できるものを、操向操作機構の面から構造簡単かつ安価に得られる。 【0019】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0020】〔構成〕請求項3による発明の構成において、前記連動機構が、前記車輪支持体と前記中間支持体の他方と、前記車輪支持部とにわたって取り付けた揺動リンクを備えるリンク式である。 【0021】〔作用〕揺動リンクの長さや取り付け角などを適切に設定すると、たとえば中間支持体の揺動に連動して車輪支持体が揺動するように、かつ、中間支持体が単位角度を揺動するに伴って車輪支持体が揺動する角度が中間支持体の揺動位置によって異なるように、中間支持体と車輪支持体とを連動させ、ステアリングハンドルの単位角度の操作に伴って車輪が第2操向軸芯まわりで揺動して向き変化する角度が、車輪の切れ角が小さい範囲と大きい範囲とで異なるようにした状態で車輪を操向操作することができるものである。 【0022】〔効果〕ステアリングハンドルの操作量の割りには車輪向きの変化が大になったり小になる状態がリンクによって得られ、ステアリングハンドルをわずかに操作するだけで車輪向きが大きく変化して小回り旋回するとか、ステアリングハンドルをわずかに操作しただけでは車輪向きがあまり変化しなくて蛇行しにくいなどの状態を構造簡単に得られる。 【0023】請求項5による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0024】〔構成〕請求項3による発明の構成において、前記連動機構が、前記車輪支持体と前記中間支持体の他方が一体回動自在に備えるギヤと、このギヤに噛み合う状態で前記車輪支持部に固定されているギヤとを備えるギヤ式である。 【0025】〔作用〕たとえば中間支持体の揺動に連動して車輪支持体が揺動するように、かつ、中間支持体と車輪支持体の連動比が中間支持体の揺動位置によって変化しないように、中間支持体と車輪支持体とを連動させ、ステアリングハンドルの単位角度の操作に伴って車輪が第2操向軸芯まわりで揺動して向き変化する角度が、車輪の切れ角が大小如何なる範囲におていも一定になるようにした状態で車輪を操向操作することができるものである。 【0026】〔効果〕ステアリングハンドルの操作量と、車輪向きの変化量との関係が一定になる状態がギヤ連動によって得られ、ステアリングハンドルを大きく操作すると車輪向きが大きく変化して小回り旋回し、ステアリングハンドルをわずかに操作しただけでは車輪向きがあまり変化しなくて蛇行しにくいなどの状態を構造簡単に得られる。 【0027】請求項6による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0028】〔構成〕請求項1〜5のいずれか1項による発明の構成において、前記左右の車輪支持部、中間支持体及び車輪支持体を、左右車輪に駆動力を伝達する車輪駆動ケースによって構成し、車輪支持部を構成する駆動ケース部が備える伝動軸と、中間支持体を構成する駆動ケース部が備える伝動軸とを連結するとともに前記第1操向軸芯と同一の軸芯まわりで屈曲する自在継手を備えてある。 【0029】〔作用〕中間支持体と車輪支持部とが第2操向軸芯まわりで回動自在に連結する部分を、内部に自在継手を収容するだけの比較的コンパクトなものにしながら、左右車輪を駆動輪にするものである。 【0030】〔効果〕左右車輪が切れ角の大きい範囲まで操向操作された際には、他の非操向型の駆動車輪よりも高速の周速度になる状態で駆動されるように構成し、小旋回半径で旋回走行する際には、左右車輪の切れ角の大きさと、左右車輪の高速駆動との両方によってより小回り旋回できるすることができる。その割りには、中間支持体と車輪支持部とが連結する部分をコンパクトなものにし、この連結部分が地上高の高いものになって接地しにくように有利に走行したり、構造面やコスト面で有利に得られる。 【0031】 【発明の実施の形態】図1に示すように、左右一対の駆動自在な前車輪1,1、左右一対の駆動自在な非操向型の後車輪2,2、エンジン3やエンジンボンネット4を有する原動部、ステアリングハンドル5や運転座席6を有する運転部のそれぞれを備えている車体の後部を形成しているミッションケース7の後部に、リフトシリンダ(図示せず)によって上下に揺動操作自在なリフトアーム8、動力取り出し軸9を設けて、農用トラクタを構成してある。このトラクタは、車体の後部にロータリ耕耘装置などの各種の作業装置を前記リフトアーム8によって昇降操作自在に連結し、この連結作業装置に前記動力取り出し軸9によって回動力を伝達するものである。 【0032】図2〜図5に示すように、前記左右前輪1,1を各別に両端側に支持する前車軸部材に兼用の車輪駆動ケース10の長手方向での中間部を前記車体の前部に取り付けてある。すなわち、車輪駆動ケース10の長手方向での中間部に前後一対の筒軸型の連結軸11,12を備えさせ、前側の連結軸11を、前記車体の前部を形成している前車体フレーム20が支持する前側支持体21のボス部21aに車体前後向きの軸芯Xまわりで回動自在に内嵌させ、後側の連結軸12を、前記前車体フレーム20が支持する後側支持体22のボス部22aに前記軸芯Xと同一の軸芯まわりで回動自在に内嵌させてある。つまり、左右前輪1,1は、一方の前車輪1が車体に対して前記軸芯Xまわりで下降すると他方の前車輪1が車体に対して前記軸芯Xまわりで上昇するように前記軸芯Xをローリング軸芯としてローリング自在に車体に支持させてある。これにより、左右前輪1,1の一方が走行地面の凹入部に入り込んだり凸部に乗り上がるとか、走行地面が車体左右方向に傾斜していても、左右前輪1,1がローリングし、車体の左右方向での姿勢が水平又はそれに近い姿勢に維持される。 【0033】前記車輪駆動ケース10を、前記前後の連結軸11,12を中間部に備える基端駆動ケース部13と、この基端駆動ケース部13の両端側に各別に連結する左右一対の中間支持体14を構成する中間駆動ケース部と、左側の中間支持体14に連結する車輪支持体15を構成する先端駆動ケース部と、右側の中間支持体14に連結する車輪支持体15を構成する先端駆動ケース部との5つのケース部によって構成して、操向装置を構成してある。この操向装置は、左右の中間支持体14、14に各別に連結する一対のタイロッド31,31を有する操作機構30と、左右の車輪支持体15,15に各別に連結する揺動リンク41,41を有する連動機構40とを備える操向操作機構Sによって左右前輪1,1を操向操作して車体の操向操作を行うものであり、詳しくは次の如く構成してある。 【0034】前記基端駆動ケース部13の両端部に、車体の車輪支持部16を構成する継手部材を備えさせてある。左右の中間駆動ケース部それぞれの基端部14aは、基端駆動ケース部13の前記継手部材の凹型の球面継手部16aに摺動自在に内嵌する凸型の球面継手部14bを備えていて、前記継手部材に回動自在に連結している。これにより、左側の中間支持体14は、車体左側の車輪支持部16に車体上下向きの第1操向軸芯P1のまわりで揺動自在に支持されており、右側の中間支持体14は、車体右側の車輪支持部16に車体上下向きの第1操向軸芯P1のまわりで揺動自在に支持されている。左右の先端駆動ケース部それぞれの基端部は、中間駆動ケース部の遊端部の上側支持部14cと下側支持部14dとにわたって回動自在に連結している。これにより、左側の車輪支持体15は、左側の中間支持体14の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯P2まわりで揺動自在に支持されているとともに遊端側で左前輪1を車軸芯まわりで回動自在に支持しており、右側の車輪支持体15は、右側の中間支持体14の遊端側に車体上下向きの第2操向軸芯P2まわりで揺動自在に支持されているとともに遊端側で右前輪1を車軸芯まわりで回動自在に支持している。 【0035】つまり、左前輪1においても右前輪1においても、中間支持体14を第1操向軸芯P1のまわりで車輪支持部16に対して車体前後方向に揺動操作し、車輪支持体15を第2操向軸芯P2まわりで中間支持体14に対して車体前後方向に揺動操作することにより、車輪1の車体に対する取り付け向きが直進向きになったり、直進向きよりも左や右側に向く横向きになる。 【0036】前記操作機構30は、前記左右の中間支持体14から延出しているナックルアーム14eに一端側が各別に連結している前記タイロッド31と、この一対のタイロッド31,31それぞれの他端側が遊端側に回動自在に連結しているピットマンアーム32を軸芯32aまわりで揺動操作自在に備えているとともに前記ステアリングハンドル5によって操作される油圧式のパワーステアリング装置34とによって構成してある。すなわち、操作機構30は、左右の中間支持体14、14それぞれのナックルアーム14eをステアリングハンドル5に連係させることにより、左右の中間支持体14をステアリングハンドル5にこれの回動操作によって第1操向軸芯P1のまわりで揺動操作できるように連係させている。 【0037】前記連動機構40は、左側の車輪支持体15からこれを第2操向軸芯P2まわりで揺動操作するように延出している操作アーム部15aに一端側が回動自在に連結している前記揺動リンク41を備える左側連動機構部と、右側の車輪支持体15からこれを第2操向軸芯P2まわりで揺動操作するように延出している操作アーム部15aに一端側が回動自在に連結している前記揺動リンク41を備える右側連動機構部とによって構成してある。左側連動機構部と右側連動機構部のいずれもは、車輪支持体15の前記操作アーム部15aと、車体の前記車輪支持部16が備えるアーム部16bと、前記両アーム部15a,16bにわたって取り付けた前記揺動リンク41とで成るリンク機構に構成するとともに、中間支持体14が揺動操作されると、この操作力により、車輪支持体15を中間支持体14の揺動に連動させて中間支持体14の揺動方向と同方向に揺動操作するように構成してある。これにより、連動機構40は、左右の車輪支持体15,15を操作機構30によって左右の中間支持体14,14と連動させて揺動操作されるように操作機構30に連動させている。 【0038】これにより、操向操作機構Sは、左右側それぞれの中間支持体14と車輪支持体15のうちの中間支持体14を操作機構30によってステアリングハンドル5に連係させるとともに、左側の車輪支持体15を左側の中間支持体14に、右側の車輪支持体15を右側の中間支持体14にそれぞれ連動機構40によって連動させて、ステアリングハンドル5の回動操作による左右前輪1,1の操向操作を可能にしている。 【0039】したがって、車体の操向操作を行うに当たり、ステアリングハンドル5を回動操作すると、その操作力と操向操作機構Sの作用とのために、左右の中間支持体14が第1操向軸芯P1まわりで車体に対して前後方向に揺動するとともに左右の車輪支持体15が第2操向軸芯P2まわりで中間支持体14に対して車体前後方向に揺動し、左右前輪1,1の車体に対する取り付け向きがステアリングハンドル5の操作位置に対応する取り付け向きになる。 【0040】すなわち、ステアリングハンドル5を回動操作して直進位置に操作すると、左右の中間支持体14,14が、図5に明示する如く中間支持体14の上端側の横向き部分における軸芯14fが基端駆動ケース部13の軸芯13aに対して約15度の傾斜角度Aで車体前方向きに傾斜する連結姿勢になり、左右の車輪支持体15,15が、図6(イ)に示す如く車軸1aが車体横向きになる連結姿勢になり、左右前輪1,1が車体に対して直進向きになる。このとき、中間支持体14が車輪支持部16に対してやや前向きになることにより、左右それぞれの第2操向軸芯P2が第1操向軸芯P1よりもやや車体前方側に位置する。 【0041】ステアリングハンドル5を直進位置から左又は右側に回動操作すると、図6(ロ)に示す如く左右の中間支持体14,14のうちの旋回内側に位置する方の中間支持体14が車輪支持部16に対して、車輪支持体15が中間支持体14に対してそれぞれ直進走行のときよりも車体後方側に揺動し、旋回外側に位置する方の中間支持体14が車輪支持部16に対して、車輪支持体15が中間支持体14に対してそれぞれ直進走行のときよりも車体前方側に揺動し、左右前輪1、1が車体に対してステアリングハンドル5の操作方向に等しい左向き又は右向きの横向きになる。このとき、ステアリングハンドル5の操作角度を大にするほど、左右前輪1、1の直進向きからの切れ角が大になり、旋回内側に位置する前輪1の直進向きからの最大切れ角が約90度になり、旋回外側に位置する前輪1の直進向きからの最大切れ角が約75度になる。 【0042】図3〜図5に示すように、前記車輪駆動ケース10の前記後側の連結軸12の内部に、前記軸芯Xと同芯状に配置した入力軸50を設けるとともに、この入力軸50の回動力を左右前輪1,1に伝達する車輪駆動機構51を車輪駆動ケース10の内部に設けてある。前記入力軸50は、前記ミッションケース7から前方に延出する回転軸7aに連結することにより、ミッションケース7の内部に位置する走行用ミッション(図示せず)から前輪用の回転動力を導入するように構成してある。 【0043】前記車輪駆動機構51のうちの左前輪1のための駆動機構部も、右前輪1のための駆動機構部も、車輪駆動ケース10のうちの前記基端駆動ケース部13の内部に設けた伝動筒軸52、分配伝動軸53、前輪用クラッチ54、伝動軸55のそれぞれと、前記中間支持体14を構成している中間駆動ケース部の内部に設けた入力側の横向き伝動軸56、出力側の上下向き伝動軸57のそれぞれと、前記車輪支持体15を構成している先端駆動ケース部の内部に設けた車軸駆動ギヤ58とによって構成してある。 【0044】前記伝動筒軸52は、これの一端側にスプライン係合によって一体回動するようにして備えさせたベベルギヤ52aと、前記入力軸50の基端駆動ケース部13の内部に位置する部分に備えてあるベベルギヤ部50aとの噛み合いによって入力軸50に連動している。分配伝動軸53は、伝動筒軸52に内嵌するとともにスプライン係合していることによって伝動筒軸52と一体回動する。分配伝動軸53の端部が前輪用クラッチ54の入力筒軸54aに内嵌しているとともにスプライン係合によって一体回動するように連結し、前輪用クラッチ54の出力体54bが前記伝動軸55の端部に外嵌するとともにスプライン係合によって一体回動するように連結していることにより、分配伝動軸53の回動力が前輪用クラッチ54を介して伝動軸55に伝達する。この伝動軸55の他端側は、中間駆動ケース部の前記入力側の横向き伝動軸56の端部に備えさせた自在継手59によって横向き伝動軸56に一体回動するように連結している。中間駆動ケース部の前記横向き伝動軸56は、これの端部に外嵌するとともにスプライン係合によって一体回動自在に連結するようにして備えさせたベベルギヤ56aと、前記上下向き伝動軸57の上端側に外嵌するとともにスプライン係合によって一体回動自在に連結するようにして備えさせたベベルギヤ57aとの噛み合いによって、上下向き伝動軸57に連動している。この上下向き伝動軸57の下端側に外嵌するとともにスプライン係合によって一体回動するようにして備えてあるベベルギヤ57bが前記車軸駆動ギヤ58に噛み合っている。前記左右の自在継手59は、前記第1操向軸芯P1と同一の軸芯まわりで屈曲するボール式の自在継手に構成してある。 【0045】これにより、車輪駆動機構51は、中間支持体14の車輪支持部16に対する第1操向軸芯P1まわりでの揺動を自在継手59によって許容しながら、車輪支持体15の中間支持体14に対する第2操向軸芯P2まわりでの揺動をベベルギヤ56a,57aによって許容しながら入力軸50の回動力を左右前輪1、1に伝達する。したがって、左右前輪1,1は駆動可能な車輪に成っている。 【0046】前記ミッションケース7の内部に位置する走行用ミッション(図示せず)に、等速側と増速側とに切り換え自在な前輪変速装置60を設けてある。この前輪変速装置60は、等速側に切り換えると、左右前輪1,1の平均周速度が左右後輪2,2の平均周速度にほぼ等しくなる状態で左右前輪1,1を駆動し、増速側に切り換えると、左右前輪1,1の平均周速度が左右後輪2,2の平均周速度より約2倍の高速になる状態で左右前輪1,1を駆動する。これにより、左右前輪1,1を左向きは右向きに操向操作するとともにその切れ角を大にして小旋回半径で旋回走行する際、前輪1の操向角検出に基づいて自動作動する変速速制御手段によって前輪変速装置60を増速側に自動的に切り換え操作させるとか、人為操作によって前輪変速装置60を増速側に切り換えて左右前輪1,1を増速駆動させることにより、より一層小旋回半径で旋回走行できる。 【0047】〔別実施形態〕図7は、別の実施形態を有する操向装置及び車輪駆動機構51を示し、この操向装置においては、基端駆動ケース部13の両端部に、車体の車輪支持部16を構成するケース部を備えさせてある。左右の中間支持体14を構成する中間駆動ケース部それぞれの基端部14aを、基端駆動ケース部13の上支持部13bと、中支持部13cと、下支持部13dとにわたって車体上下向きの第1操向軸芯P1のまわりで回動するように連結してある。 【0048】操向操作機構Sの操作機構30と連動機構40のうちの連動機構40を、図7及び図8に示す如く車輪支持体14を構成する先端駆動ケースの上端部に設けた設けたギヤ42と、前記車輪支持部16の上端部に設けたギヤ43とで成るギヤ式に構成してある。支持体側のギヤ42は、中間支持体14に対して第2操向軸芯P2のまわりで車輪支持体15と共に回動するように配置するとともに車輪支持体15に回動不能に固定してある。車体側のギヤ43は、車輪支持部16に回動不能に固定してある。中間支持体14が前記操作機構30によって第1操向軸芯P1のまわりで車輪支持部16に対して車体前後方向に揺動操作されると、両ギヤ42,43が互いに噛み合っていることにより、支持体側のギヤ42が車体側のギヤ43に沿って第1操向軸芯P1のまわりで公転しながら自転し、この自転のために、車輪支持体15が第2操向軸芯P2のまわりで中間支持体14に対して車体前後方向に揺動する。これにより、連動機構40は、中間支持体14が揺動操作されると、この操作力により、車輪支持体15を中間支持体14の揺動に連動させて中間支持体14の揺動方向と同方向に揺動操作する。中間支持体14が揺動する角度と、車輪支持体15が揺動する角度との比が、中間支持体14の揺動位置が変化しても両ギヤ42,43の連動比によって決まる一定の比になる状態で揺動操作する。 【0049】車輪駆動機構51のうちの左前輪1のための駆動機構部も、右前輪1のための駆動機構部も、前記入力軸50のベベルギヤ部50aに入力ギヤが噛み合う差動機構と、この差動機構の出力ギヤに一端側が連動している伝動軸62と、この伝動軸62の他端側にベベルギヤ機構63によって下端側が連動している車体上下向きの伝動軸64と、この伝動軸64の上端側にベベルギヤ機構65によって一端側が連動している横向きの伝動軸66と、この伝動軸66の他端側にベベルギヤ機構67によって上端側が連動している車体上下向きの伝動軸68と、この伝動軸68の下端側に一体回動自在に備えてあるベベルギヤ69に噛み合う状態で車軸1aに一体回動自在に連結している車軸駆動ギヤ58とのそれぞれによって構成してある。 【0050】操向操作機構Sの操作機構30と連動機構40のうちの操作機構30としては、上記実施形態に示した如く、左右の中間支持体14の方をステアリングハンドル5に連係させるよう構成したもの他、左右の車輪支持体15の方をステアリングハンドル5に連係させるよう構成したものを採用して実施してもよい。この場合、連動機構40としては、車輪支持体15が揺動するに連動して中間支持体14が揺動するように構成するものを採用することになる。 【0051】また、操向操作機構Sの操作機構30としては、左右の中間支持体14と車輪支持体15との一方を油圧式パワーステアリング装置34によってステアリングハンドル5に連係させるもの他、機械式のステアリング装置や、電動式のパワーステアリング装置によって連係させる手段を採用して実施してもよい。 【0052】本発明は、農用トラクターの他、芝刈り機など各種の作業車にも適用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年9月20日(1999.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−86803(P2001−86803A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−265748 |
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