| 【発明の名称】 |
作業車の作業装置昇降構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 富穂
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| 【要約】 |
【課題】前輪が直進位置側から操向操作されると、作業装置を自動的に上昇駆動する自動上昇手段を備えた作業車の作業装置昇降構造において、操縦者の熟練度の違い等による前輪の操向操作の状態の違いに対応する。
【解決手段】前輪1が直進位置A側から右又は左の設定角度A1に操向操作されると、駆動機構7により作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備える。直進位置A側から右又は左の設定角度A1側に前輪1が操向操作される際の操向速度が高速になると、右及び左の設定角度A1を直進位置A側に変更して、自動上昇手段が早めに作動するようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、直進位置から右及び左の設定角度を設定し、前輪が直進位置側から前記右又は左の設定角度に操向操作されると、前記駆動機構により前記作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備えると共に、直進位置側から前記右又は左の設定角度側に前輪が操向操作される際の操向速度を検出する速度検出手段を備えて、直進位置側から前記右又は左の設定角度側に前輪が操向操作される際の操向速度が高速になると、前記右及び左の設定角度を直進位置側に変更する変更手段を備えてある作業車の作業装置昇降構造。 【請求項2】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、右又は左の操向限度から右及び左の設定角度を設定し、前輪が右又は左の操向限度側から前記右又は左の設定角度に操向操作されると、前記駆動機構により前記作業装置を下降駆動する自動下降手段を備えると共に、右又は左の操向限度側から前記右又は左の設定角度側に前輪が操向操作される際の操向速度を検出する速度検出手段を備えて、右又は左の操向限度側から前記右又は左の設定角度側に前輪が操向操作される際の操向速度が高速になると、前記右及び左の設定角度を右及び左の操向限度側に変更する変更手段を備えてある作業車の作業装置昇降構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は乗用型田植機や農用トラクタ等のように、作業装置を昇降自在に機体に備え、作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えた作業車の作業装置昇降構造に関する。 【0002】 【従来の技術】作業車の一例である乗用型田植機では、一回の植付行程が終了して機体が畦際に達すると、操縦者は昇降レバーを上昇位置に操作して下降状態の苗植付装置(作業装置の一例)を上昇させ、操縦ハンドルを右又は左に操作して機体を畦際で旋回させる。畦際での旋回が終了すると、操縦者は操縦ハンドルを直進位置に戻し操作して、昇降レバーを下降位置に操作し上昇状態の苗植付装置を下降させて次の植付行程に入る。 【0003】この場合、例えば特開平11−196628号公報に開示されているように、前輪が直進位置側から右又は左に操向操作されて畦際での旋回が開始されると、苗植付装置が自動的に上昇駆動され、畦際での旋回が終了して前輪が直進位置側に戻し操作されると、苗植付装置が自動的に下降駆動されるように構成して、畦際での旋回時の操作が楽なものになるように構成したものがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】畦際での旋回の開始時及び終了時において、操縦者が操縦ハンドルを操作して前輪を操向操作する際、前輪の操向操作の状態は操縦者の熟練度によって異なることがある。例えば、熟練度の高い操縦者では一回の植付行程が終了する際に、畦にできるだけ接近してから操縦ハンドルを急速に操作し、小さな旋回半径で畦際での旋回を行い、畦際での旋回が終了すると操縦ハンドルを急速に操作し機体を直進状態に戻して、次の植付行程に早く入ることが多い。 【0005】逆に未熟練の操縦者では前述のような操縦ハンドルの急速な操作は行えないので、一回の植付行程が終了する際に、畦の少し手前から操縦ハンドルを比較的ゆっくりと操作し、比較的大きな旋回半径で畦際での旋回を行い、畦際での旋回が終了すると、操縦ハンドルを比較的ゆっくりと操作し機体を直進状態に戻して、次の植付行程に少し遅れて入ることが多い。本発明は、作業車の作業装置昇降構造において、前述のような前輪の操向操作の状態の違いに対応して、作業装置の自動的な上昇駆動及び下降駆動が適切に行われるように構成することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】[I]請求項1の特徴によれば、前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作されると、駆動機構により作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備えた場合において、前輪が直進位置側から右又は左の設定角度側に操向操作された際の操向速度が検出されて、この操向速度が高速になると右及び左の設定角度が直進位置側に変更される。従って、操縦ハンドルが急速に操作され、前輪が直進位置側から急速に右(左)に操向操作され始めると、右(左)の設定角度が前輪に接近するのであり、前輪が直進位置側から急速に右(左)に操向操作されるのと相まって、前輪が右(左)の設定角度に早く達する状態となり、前輪が直進位置側から右(左)に操向操作され始めた際に、自動上昇手段の作動の開始が早められる。 【0007】これにより、請求項1の特徴によれば、例えば乗用型田植機において一回の植付行程が終了する際、操縦者が畦にできるだけ接近してから操縦ハンドルを急速に操作し、小さな旋回半径で畦際での旋回を開始すると、自動上昇手段による苗植付装置の自動的な上昇駆動が早めに開始されるので、苗植付装置の上昇駆動が遅れて苗植付装置が畦等に接触すると言うような状態を避けることができる。 【0008】[II]請求項2の特徴によれば、前輪が右(左)の操向限度側から右(左)の設定角度(直進位置側)に操向操作されると、駆動機構により作業装置を下降駆動する自動下降手段を備えた場合において、前輪が右(左)の操向限度側から右(左)の設定角度側(直進位置側)に操向操作された際の操向速度が検出されて、この操向速度が高速になると右及び左の設定角度が右及び左の操向限度側に変更される。従って、操縦ハンドルが急速に操作され、前輪が右(左)の操向限度側から急速に右(左)の設定角度側(直進位置側)に操向操作され始めると、右(左)の設定角度が前輪に接近するのであり、前輪が右(左)の操向限度側から急速に右(左)の設定角度側(直進位置側)に操向操作されるのと相まって、前輪が右(左)の設定角度に早く達する状態となり、前輪が右(左)の操向限度側から右(左)の設定角度側(直進位置側)に操向操作され始めた際に、自動下降手段の作動の開始が早められる。 【0009】これにより、請求項2の特徴によれば、例えば乗用型田植機において畦際での旋回が終了した際に、操縦者が操縦ハンドルを急速に操作し機体を直進状態に戻すと、自動下降手段による苗植付装置の自動的な下降駆動が早めに開始されるので、次の植付行程に早めに入ることが可能になる。 【0010】 【発明の実施の形態】[1]図1に示すように、右及び左に操向操作自在な前輪1及び後輪2で支持された機体に、エンジン3及び運転部4が備えられ、機体の後部に平行4連式のリンク機構5を介して苗植付装置6が昇降自在に連結され、リンク機構5を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ7が備えられて、作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。 【0011】図1に示すように苗植付装置6は、所定のストロークで往復横送り駆動される苗のせ台8、植付伝動ケース9、植付伝動ケース9の後部で回転駆動される回転ケース10、回転ケース10に支持された一対の植付爪11、及び複数のフロート12等を備えて構成されており、回転ケース10の回転によって、植付爪11が苗のせ台8の下部から交互に苗を取り出して田面Gに植え付けるように構成されている。 【0012】[2]図2に示すように、左右中央のフロート12の後部が横軸芯P1周りに揺動自在に支持され、苗植付装置6に対するフロート12の前部の位置を検出するポテンショメータ14が備えられており、ポテンショメータ14の検出値が、田面Gから苗植付装置6までの高さの検出値として制御装置15に入力されている。油圧シリンダ7に作動油を給排操作して上昇側及び下降側に作動させる電磁操作式の制御弁13が備えられており、制御装置15によって制御弁13が操作されるように構成されている。 【0013】フロート12が田面Gに接地追従する状態で田面Gに対して苗植付装置6が上下動すると、ポテンショメータ14の検出値が変化するので、ポテンショメータ14の検出値に基づいて、制御装置15によって制御弁13が自動的に操作され油圧シリンダ7が伸縮作動して、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、苗植付装置6が自動的に昇降駆動される(自動昇降制御)。これにより、苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されて、植付爪11による苗の植付深さが設定値に維持される。後述するように苗植付装置6が上昇駆動された際、リンク機構5が機械的な上限位置に達したことを検出する上限センサー24が備えられており、上限センサー24の信号が制御装置15に入力されるように構成されている。 【0014】[3]エンジン3の動力が、前進側及び後進側に無段階に変速自在な静油圧式無段変速装置(図示せず)、湿式多板型式の主クラッチ(図示せず)、高速位置H(路上走行時の位置)及び低速位置L(植付作業時の位置)に変速自在なギヤ変速型式の副変速装置(図示せず)を介して、前輪1及び後輪2に伝達されるように構成されており、図2に示すように主クラッチからの動力が植付クラッチ16を介して苗植付装置6に伝達されるように構成されている。植付クラッチ16を伝動側及び伝動遮断側に操作するモータ17が備えられ、制御装置15によってモータ17が操作されるように構成されている。 【0015】図2及び図1に示すように、操縦ハンドル18によって右及び左に揺動操作されるピットマンアーム29と右及び左の前輪1とが、タイロッド30によって接続されて、操縦ハンドル18により前輪1が右及び左に操向操作自在に構成されており、操縦ハンドル18及び運転席19が運転部4に備えられている。直進位置Aに対するピットマンアーム29の揺動角度A0を検出する角度センサー31が備えられ、角度センサー31の検出値が制御装置15に入力されている。 【0016】図2及び図1に示すように、静油圧式無段変速装置を前進側及び後進側に操作する主変速レバー21が、操縦ハンドル18の左側に備えられている。副変速装置を高速位置H及び低速位置Lに操作する副変速レバー23が、運転席19の左側に備えられており、副変速レバー23が低速位置Lに操作されたことを検出する低速センサー25が備えられ、低速センサー25の信号が制御装置15に入力されるように構成されている。踏み操作することにより主クラッチを伝動遮断側に操作するクラッチペダル26が備えられており、クラッチペダル26が踏み操作されたことを検出するクラッチセンサー27が備えられ、クラッチセンサー27の信号が制御装置15に入力されるように構成されている。 【0017】図2及び図1に示すように、運転席19の右側に第1昇降レバー28が備えられており、第1昇降レバー28は上昇位置、中立位置、下降位置、植付位置及び自動位置に操作自在に構成されている。第1昇降レバー28を操作してから手を離しても第1昇降レバー28はその位置から移動しないように構成されており、第1昇降レバー28の操作位置が制御装置15に入力されている。 【0018】図2及び図1に示すように、中立位置N、中立位置Nから上方向の上昇位置U及び中立位置Nから下方向の下降位置Dに操作自在な第2昇降レバー20が、操縦ハンドル18の右下側に備えられており、第2昇降レバー20の操作位置が制御装置15に入力されている。第2昇降レバー20は中立位置Nに付勢されており、上昇位置U及び下降位置Dに操作した状態で、第2昇降レバー20から手を離すと、第2昇降レバー20は自動的に中立位置Nに戻る。 【0019】[4]次に、第1昇降レバー28を上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作した場合について、図3及び図2に基づいて説明する。第1昇降レバー28を上昇位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され(ステップS2)、制御弁13が上昇位置に操作されて(ステップS3)、油圧シリンダ7により苗植付装置6が上昇駆動される。この場合、リンク機構5が上限位置に達し、これが上限センサー24によって検出されると(ステップS4)、制御弁13が中立位置に操作されて油圧シリンダ7が停止し(ステップS6)、苗植付装置6が上限位置で自動的に停止する。 【0020】第1昇降レバー28を中立位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され(ステップS5)、制御弁13が中立位置に操作されて(ステップS6)、油圧シリンダ7及び苗植付装置6がその位置で停止する。 【0021】第1昇降レバー28を下降位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作されて(ステップS7)、前項[2]に記載の自動昇降制御が作動する(ステップS8)。この場合、フロート12が田面Gから離れた上方に位置して垂れ下がる状態になっていると、田面Gから苗植付装置6までの高さの検出値が高すぎると判断され、制御弁13が下降位置に操作されて、油圧シリンダ7により苗植付装置6が下降駆動されるのであり、苗植付装置6が見掛け上、連続的に下降する状態となる。この後、フロート12が田面Gに接地すると、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、制御弁13が自動的に操作されるので、苗植付装置6が見掛け上、田面Gで停止した状態となる。 【0022】第1昇降レバー28を植付位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されて(ステップS9)、前項[2]に記載の自動昇降制御が作動する(ステップS10)。これにより、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、制御弁13が自動的に操作され油圧シリンダ7が伸縮作動して、苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されるのであり、苗の植付深さが設定値に維持されながら、植付爪11が苗の植え付けを行う植付作業が行われる。 【0023】以上のように、第1昇降レバー28を上昇位置、中立位置及び下降位置に操作することによって、リンク機構5の上限位置と田面Gとの範囲で、苗植付装置6を任意の高さに昇降駆動して停止させることができるのであり、第1昇降レバー28を植付位置に操作することによって、苗の植付深さが設定値に維持されながら植付作業が行われる。 【0024】[5]次に、第1昇降レバー28を自動位置に操作した状態で、第2昇降レバー20を操作した場合について、図3,4,2に基づいて説明する。第1昇降レバー28を自動位置に操作した状態において(ステップS1)、例えば苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されるように自動的に昇降駆動され(自動昇降制御の作動)、植付クラッチ16が伝動側に操作された植付作業の状態で(後述するステップS32,S33,S34,S35)、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作すると(ステップS11,S20)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され(ステップS21)、自動昇降制御が停止し制御弁13が上昇位置に操作されて(ステップS22)、油圧シリンダ7により苗植付装置6が上昇駆動される。この場合、第2昇降レバー20を上昇位置Uに保持していても、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作してから中立位置Nに操作しても、苗植付装置6の上昇駆動は続行される。 【0025】リンク機構5が上限位置に達して、これが上限センサー24によって検出されると(ステップS23)、制御弁13が中立位置に操作されて油圧シリンダ7が停止し(ステップS24)、苗植付装置6が上限位置で自動的に停止する。このように第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作することにより、モータ17により植付クラッチ16を伝動遮断側に操作して、苗植付装置6を上限位置まで一気に上昇させることができる。 【0026】次に苗植付装置6が上昇した状態で第2昇降レバー20を下降位置Dに操作すると(ステップS11,S32(N=1))、前項[4]及び図3のステップS8と同様に、植付クラッチ16が伝動遮断側に操作された状態で、自動昇降制御が作動する(ステップS33,S34)。自動昇降制御が作動した状態で、苗植付装置6が見掛け上、連続的に下降する状態となり、フロート12が田面Gに接地すると、苗植付装置6が見掛け上、田面Gで停止した状態となる。この場合、第2昇降レバー20を下降位置Dに保持しても、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作してから中立位置Nに操作しても、苗植付装置6の下降は続行される。このように第2昇降レバー20を下降位置Dに操作することにより、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6を一気に下降させることができる。 【0027】前述のように苗植付装置6が下降した状態(自動昇降制御が作動した状態)において、第2昇降レバー20を中立位置Nに操作してから再び下降位置Dに操作すると(ステップS11,S32(N=2))、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されて(ステップS35)、前項[4]及び図3のステップS9,S10と同様に植付作業が開始される。 【0028】図4のステップS22において、苗植付装置6の上昇中で苗植付装置6が上限位置に達する前に、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作すると(ステップS23,S25)、ステップS33,S34に移行して、苗植付装置6の上昇駆動が中止されて苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の作動)。逆に図4のステップS34において、苗植付装置6の下降中でフロート12が田面Gに達する前に、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作すると(ステップS11)、ステップS20,S21,S22に移行して、苗植付装置6の下降駆動が中止されて苗植付装置6が上昇駆動される。 【0029】[6]次に、第1昇降レバー28を自動位置に操作した状態で、畦際での旋回を行った場合について、図3,4,2に基づいて説明する。図2に示すように、ピットマンアーム29の直進位置Aと右及び左の操向限度Bとの間において、右及び左の第1設定角度A1、右及び左の第2設定角度A2が設定されており、直進位置Aと右の第1設定角度A1との間の角度(直進位置Aと左の第1設定角度A1との間の角度)C1が大きなものに設定され、右の操向限度Bと右の第2設定角度A2との間の角度(左の操向限度Bと左の第2設定角度A2との間の角度)C2が小さなものに設定されている。 【0030】例えば苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されるように自動的に昇降駆動され(自動昇降制御の作動)、植付クラッチ16が伝動側に操作された植付作業の状態において(ステップS32,S33,S34,S35)、一回の植付行程が終了して機体が畦際に達した場合、操縦者により操縦ハンドル18が操作され、ピットマンアーム29が直進位置A側から右(左)に揺動操作され始めたとする(ステップS14)。 【0031】この場合、角度センサー31の検出値が微分処理されて、ピットマンアーム29の揺動速度Vが検出され(ステップS15)、ピットマンアーム29の揺動速度Vが高速になるほど、右及び左の第1設定角度A1が直進位置A側に変更され(ステップS16,S17)、ピットマンアーム29の揺動速度Vが低速になるほど、右及び左の第1設定角度A1が右及び左の操向限度B側に変更されると言うように(ステップS16,S18)、ピットマンアーム29の揺動速度Vに応じて、右及び左の第1設定角度A1が連続的に直進位置A側及び右及び左の操向限度B側に変更される。 【0032】前述のようにしてピットマンアーム29の揺動速度Vに応じて変更された右(左)の第1設定角度A1に、ピットマンアーム29の揺動角度A0が達すると(図2の矢印参照)、機体が畦際に達して畦際での旋回が開始されたと判断される(ステップS19)。これにより、ステップS20〜S24に移行して、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され、苗植付装置6が上限位置まで上昇駆動される。 【0033】乗用型田植機では一般に、ピットマンアーム29の揺動角度A0が直進位置Aから右(左)の操向限度Bに操作されて、畦際での旋回が行われる(図2の矢印参照)。畦際での旋回が終了して、操縦者により操縦ハンドル18が操作され、ピットマンアーム29の揺動角度A0が右(左)の操向限度B側から、直進位置A側に操作され始めたとする(ステップS26)。 【0034】この場合、角度センサー31の検出値が微分処理されて、ピットマンアーム29の揺動速度Vが検出され(ステップS27)、ピットマンアーム29の揺動速度Vが高速になるほど、右及び左の第2設定角度A2が右及び左の操向限度B側に変更され(ステップS28,S29)、ピットマンアーム29の揺動速度Vが低速になるほど、右及び左の第2設定角度A2が直進位置A側に変更されると言うように(ステップS28,S30)、ピットマンアーム29の揺動速度Vに応じて、右及び左の第2設定角度A2が連続的に右及び左の操向限度B側及び直進位置A側に変更される。 【0035】前述のようにしてピットマンアーム29の揺動速度Vに応じて変更された右(左)の第2設定角度A2に、ピットマンアーム29の揺動角度A0が達すると(図2の矢印参照)、畦際での旋回が終了したと判断される(ステップS31)。これにより、ステップS33,S34に移行して、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の作動)。この後、第2昇降レバー20を中立位置Nに操作してから再び下降位置Dに操作すると(ステップS11,S32(N=2))、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作され(ステップS35)、前項[4]及び図3のステップS9,S10と同様に植付作業が開始されて次の植付行程に入る。 【0036】クラッチペダル26が踏み操作されて主クラッチが伝動遮断側に操作されているか(ステップS12)、又は副変速レバー23が高速位置Hに操作されていると(ステップS13)、ピットマンアーム29(揺動角度A0)が直進位置A側から右(左)の第1設定角度A1に操作されても、ピットマンアーム29(揺動角度A0)が右(左)の操向限度Bから右(左)の第2設定角度A2に操作されても、ステップS14〜S19及びステップS26〜S31に移行しない。 【0037】[発明の実施の別形態]第1昇降レバー28を自動位置に操作している状態において、図4に示すステップS14〜S19及びステップS26〜S31への移行を設定できる人為的に操作自在な設定スイッチ(図示せず)を備えてもよい。この場合、設定スイッチがON位置に操作されていると、ステップS11からステップS12への移行を許し、設定スイッチがOFF位置に操作されていると、ステップS11から無条件でリターン(ステップS14〜S19及びステップS26〜S31に移行しない)させるステップ(図示せず)を、図3のステップS11とステップS12との間に設ける。 【0038】図4のステップS16,S17,S18において、ピットマンアーム29の揺動速度Vが設定揺動速度よりも高速になると、ピットマンアーム29の揺動速度Vに応じて、右及び左の第1設定角度A1が連続的に直進位置A側に変更されるように構成し、ピットマンアーム29の揺動速度Vが設定揺動速度よりも低速であれば、右及び左の第1設定角度A1は設定された最初の状態から変更されないように構成してもよい。 【0039】図4のステップS28,S29,S30において、ピットマンアーム29の揺動速度Vが設定揺動速度よりも高速になると、ピットマンアーム29の揺動速度Vに応じて、右及び左の第2設定角度A2が連続的に右及び左の操向限度B側に変更されるように構成し、ピットマンアーム29の揺動速度Vが設定揺動速度よりも低速であれば、右及び左の第2設定角度A2は設定された最初の状態から変更されないように構成してもよい。 【0040】本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機体の後部に直播装置(作業装置)を昇降自在に備えた乗用型直播機や、機体の後部にロータリ耕耘装置(作業装置)を昇降自在に備えた農用トラクタ、機体の前部に刈取部(作業装置)を昇降自在に備えたコンバインにも適用できる。農用トラクタやコンバインの場合には、図4のステップS22において作業装置が上昇駆動される際、ステップS21を削除して作業装置の作業クラッチが伝動側に残されるように構成してもよい(作業装置の作業クラッチが伝動遮断側に操作されないように構成してもよい)。このように構成すると、図4のステップS32,S35は不要になる。 【0041】 【発明の効果】請求項1の特徴によれば、前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作されると、駆動機構により作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備えた作業車の作業装置昇降構造において、前輪が直進位置側から急速に右(左)に操向操作され始めると、自動上昇手段による作業装置の自動的な上昇駆動が早めに開始されるように構成することにより、作業装置の自動的な上昇駆動が遅れることによる不具合(例えば乗用型田植機において、畦際での旋回の開始時に苗植付装置を畦等に接触させてしまう等)を避けることができて、作業車の旋回時の作業性を向上させることができた。 【0042】請求項2の特徴によれば、前輪が右(左)の操向限度側から右(左)の設定角度(直進位置側)に操向操作されると、駆動機構により作業装置を下降駆動する自動下降手段を備えた作業車の作業装置昇降構造において、前輪が右(左)の操向限度側から急速に右(左)の設定角度側(直進位置側)に操向操作され始めると、自動下降手段による作業装置の自動的な下降駆動が早めに開始されるように構成することにより、作業装置の自動的な下降駆動が遅れることによる不具合(例えば乗用型田植機において、畦際での旋回の終了時に次の植付行程に入るのが遅れる等)を避けることができて、作業車の旋回時の作業性を向上させることができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年9月13日(1999.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−78506(P2001−78506A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−258944 |
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