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【発明の名称】 移植機のマーカ制御装置
【発明者】 【氏名】中村 八郎

【氏名】松川 雅彦

【氏名】遠藤 智恵

【要約】 【課題】左右マーカの繰出し方向の切換え時間を短縮して、作業効率の向上を図る。

【解決手段】乗用田植機1は、運転席9を有する走行機体5にリンク機構8を介して植付部10が昇降自在に支持されていて、この植付部10の昇降に伴い収納位置と作業位置とに移動可能な左右のマーカ50を有している。これら左右マーカ50は、夫々のマーカシリンダ62によって繰出し及び収納が操作可能となっていて、これらのマーカシリンダ62により、前記マーカ50は、植付部10の昇降に伴う繰出し及び収納操作とは異なる任意の繰出し及び収納操作ができるようになっている。そして、各マーカシリンダ62による左右マーカ50の任意の繰出し及び収納操作の際に、各マーカシリンダ62を略々同時に操作可能とすることで、マーカ50の繰出し方向の切換え時間が短縮される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転席を有する走行機体にリンク機構を介して作業部を昇降自在に支持すると共に、該作業部の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と下降繰出される作業位置とに操作可能な左右マーカを備えた移植機のマーカ制御装置において、前記左右マーカの繰出し及び収納を操作する左右アクチュエータを備え、該左右アクチュエータにより、前記左右マーカの前記作業部の昇降に伴う繰出し及び収納操作とは異なる任意の繰出し及び収納操作を可能とすると共に、該任意の繰出し及び収納操作の際に、前記左右アクチュエータを略々同時に操作可能とした、ことを特徴とする移植機のマーカ制御装置。
【請求項2】 運転席を有する走行機体にリンク機構を介して作業部を昇降自在に支持すると共に、該作業部の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と下降繰出される作業位置とに操作可能な左右マーカを備えた移植機のマーカ制御装置において、前記左右マーカの繰出し及び収納を操作する左右アクチュエータを備え、該左右アクチュエータのうちいずれか一方のアクチュエータを一方向に操作した後、所定時間遅れて、前記いずれか他方のアクチュエータを同方向又は他方向に操作可能とした、ことを特徴とする移植機のマーカ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機等の移植機に係り、詳しくは左右マーカの繰出しを制御する移植機のマーカ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗用田植機等の移植機は、苗の植付条間を適正に保持し、また機体の直進性を良好にするために、植付作業時に、次工程の機体走行基準線となる線を田面に引くマーカ装置を備えている。
【0003】そして従来、この種マーカ装置として、例えば本件出願人の出願に係る特公平7−102006号公報に記載の技術が公知であり、この従来例によれば、マーカを機体側方に下降繰出す作業位置から上昇収納する非作業位置へ移動するのに、植付部の昇降動作に連動して行い、かつ左右いずれか一方のマーカを非作業位置にて保持する機械的なロック部材を植付部の昇降作動に伴って左右交互に切換えて、圃場端における機体回向時に、植付部を昇降することにより左右マーカを自動的に作業位置に切換えるように構成されている。
【0004】これにより、例えば最初に右マーカを作業位置に繰出して圃場面に線を引き、枕地にて回向した後は、次に反対側の左マーカを作業位置に繰出して圃場面に線を引きながら移植作業を行えば、前記基準線を目安として走行しながら、該基準線に沿って整列状の移植が可能となる。
【0005】一方、上述した従来のマーカ装置は、機械的なロック部材を植付部の昇降作動に伴って自動的に左右交互に切換えていたため、機構が複雑になることや、一定の場合、運転者は座席下方のロック部材を操作しなければならない等、煩雑な作業が必要であること等から、近年、1本の操作レバーで作業部の昇降と左右マーカの切換え操作等を可能としたものも出現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した1本の操作レバーによる左右マーカの切換え操作において、例えば左右マーカの繰出し・収納の動作は植付部の昇降動作に連動して行われるようにしていたため、植付部が下降し左右一方のマーカが繰出された後に、操作の誤り等に気付いて他方のマーカを繰出したいと考える場合等には、直ちに植付部を上昇させて前記一方のマーカを収納してから再び植付部を下降させ、他方のマーカを繰出さなければならなかったため、一旦繰出されたマーカの修正動作に時間がかかり、作業効率が低下するという課題があった。
【0007】本発明は、斯かる課題を解消するためになされたもので、その目的とするところは、マーカの繰出し方向の切換え時間を短縮して作業効率の向上を図り得る移植機のマーカ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、運転席(9)を有する走行機体(5)にリンク機構(8)を介して作業部(10)を昇降自在に支持すると共に、該作業部(10)の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と下降繰出される作業位置とに操作可能な左右マーカ(50)を備えた移植機(1)のマーカ制御装置において、前記左右マーカ(50)の繰出し及び収納を操作する左右アクチュエータ(62)を備え、該左右アクチュエータ(62)により、前記左右マーカ(62)の前記作業部(10)の昇降に伴う繰出し及び収納操作とは異なる任意の繰出し及び収納操作を可能とすると共に、該任意の繰出し及び収納操作の際に、前記左右アクチュエータ(62)を略々同時に操作可能とした、ことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、運転席(9)を有する走行機体(5)にリンク機構(8)を介して作業部(10)を昇降自在に支持すると共に、該作業部(10)の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と下降繰出される作業位置とに操作可能な左右マーカ(50)を備えた移植機(1)のマーカ制御装置において、前記左右マーカ(50)の繰出し及び収納を操作する左右アクチュエータ(62)を備え、該左右アクチュエータ(62)のうちいずれか一方のアクチュエータを一方向に操作した後、所定時間遅れて、前記いずれか他方のアクチュエータを同方向又は他方向に操作可能とした、ことを特徴とする。
[作用]以上の発明特定事項に基づき、本発明における移植機(1)は、運転席(9)を有する走行機体(5)にリンク機構(8)を介して作業部(10)が昇降自在に支持されていて、マーカ制御装置は、この作業部(10)の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と、下降繰出される作業位置とに移動可能な左右のマーカ(50)を有している。これら左右マーカ(50)は、左右の各アクチュエータ(62,62)によって個別に繰出し及び収納が操作可能となっていて、これら左右アクチュエータ(62)により、作業部(10)の昇降に伴う繰出し及び収納操作とは異なる任意の繰出し及び収納操作ができるようになっている。
【0010】この場合において、前記左右アクチュエータ(62)による左右マーカ(50)の任意の繰出し及び収納操作の際に、該左右アクチュエータ(62)を略々同時に操作可能とすることで、マーカ(50)の繰出し方向の切換え時間が短縮され、作業効率の向上が図られる。
【0011】なお、上述したカッコ内の符号は図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0013】図1に示すように、乗用田植機1は、前輪2及び後輪3により支持された走行機体5を有しており、該走行機体5にはその前方部分のボンネット4内にエンジン6が搭載され、走行機体5の後部には座席シート7を有する運転席9が配設されている。この座席シート7の側方には、後述する植付部10の昇降及び植付クラッチの操作を行う手動操作レバー17が設けられていて、この手動操作レバー17は、レバーガイド21に沿い「上げ」、「固定」、「下げ(自動)」、「植付(自動)」の各位置に操作可能となっている。
【0014】前記走行機体5の後方には、昇降リンク機構8を介して作業部としての植付部10が昇降自在に支持され、該植付部10には多数のプランタアーム11、フロー卜14及びマット苗を縦方向に載置し得る苗載せ台12が備えられている。また、植付部10の左右両側端部には、夫々左右マーカ50(L,R)が取り付けられている。この左右マーカ50(L,R)は、例えば後述する自動モードにおいては、植付部10の昇降に伴い機体側方に下降繰出す作業位置と、上昇収納する非作業位置とに自動的かつ交互に切換えられるようになっており、作業位置においては圃場面に走行機体5の走行基準線を引くことができる。
【0015】前記走行機体5には、昇降リンク機構8に固着されたリンクブラケット44との間に油圧シリンダ19が配設されていて、前記手動操作レバー17の操作に基づき、座席シート7下部のリヤカバー26内に配置された制御部39を介して油圧コントロールバルブ35が制御され、更に該油圧コントロールバルブ35により前記油圧シリンダ19が伸縮制御されて、植付部10が昇降作動する。なお、前記手動操作レバー17の操作位置は、レバー位置検出ポテンショメータ42により検出され、この検出値に応じて前記制御部39を介して油圧コントロールバルブ35が制御される。
【0016】また、図2(a)に示すように、前記運転席9の前部には、ステアリングホイール13が設けられ、そのステアリングコラム13aのスイッチボックス51に手元操作レバー38が取り付けられている。
【0017】この手元操作レバー38は、図示しない弾発部材により、手を離すと図の基準位置に自動復帰するように付勢されていて、この基準位置を中心として上下方向に操作可能であると共に、この上下操作とは独立して機体前後方向に操作可能となっている。前記スイッチボックス51内には、植付部10を制御すべく手元操作レバー38の上下方向位置を検出する切換スイッチ43と、左右マーカ50(L,R)の繰出しを制御すべく手元操作レバー38の前後方向位置を夫々検出するモード切換スイッチ52及び方向切換スイッチ53が内蔵されている。
【0018】なお、前記手元操作レバー38は、植付部10の誤操作防止のため、前記手動操作レバー17が「植付」位置に操作されているときにのみ、該手元操作レバー38による植付部10の昇降制御が可能となっている。
【0019】そして、前記手元操作レバー38を、基準位置から上方向に1回操作すると、その操作が前記切換スイッチ43により検出されて、前記制御部39を介し植付部10が上昇制御され(「上げ」)、同様に下方向に1回操作すると植付部10が下降制御され(「下げ」)、更にこの下げ位置から下方向に1回操作すると植付部10が植付位置(「植付」)に制御される。
【0020】また、この手元操作レバー38により、植付部10の上げ位置にて左右マーカ50のモード設定を可能とすると共に、植付部10の下げ位置にて左右マーカ50の繰出し及び収納操作を可能としている。
【0021】具体的には、植付部10が上げ位置にあるときに、前記手元操作レバー38を、機体前後方向の後方(図2(a)のA方向)に操作すると、その操作が前記方向切換スイッチ53により検出されて、前記制御部39を介し左右マーカ50の繰出しモード(後述する)が自動モードに設定されると共に、同方向への操作毎に左右マーカ50の左右作業位置への繰出し方向が選択的に切換えられる。更に、前記手元操作レバー38を、前方(図2(b)のB方向)に操作すると、その操作が前記モード切換スイッチ52により検出されて、前記制御部39を介し左右マーカ50の繰出しモード(後述する)が停止モード又は双方モードに順次切換えられる。
【0022】すなわち、図2(a)〜(c)に示すように、マーカのモード設定において、植付部10が上げ位置にあるときに、手元操作レバー38を基準位置から後方(A方向)に1回操作すると、左右マーカ50の繰出しを植付部10の昇降に伴い自動的に左右交互に切換える自動モードとなり、この自動モードにおいて初期状態にあっては右マーカ50Rが作業位置に繰出され、次いで同方向にもう1回操作すると、左マーカ50Lが作業位置に繰出されるモードに設定されて、1回操作するごとに繰出しモードが順次右→左→右→・・・と切り換えられる(図2(b)参照)。
【0023】また、手元操作レバー38を基準位置から前方(B方向)に1回操作すると、左右マーカ50の繰出しを停止する停止モード(OFFモード)となり、同方向にもう1回操作すると、左右マーカ50の双方が作業位置に繰出される双方モードとなり、1回操作するごとに繰出しモードが順次停止モード→双方モード→停止モード→・・・と切り換えられる(図2(c)参照)。
【0024】なお、停止モードの場合、前記切換えスイッチ52,53はオフであり、左右マーカ50の繰出しは行われない。また、自動モードの場合、例えば植付部10が一回昇降される毎に、左右マーカ50の繰出し順序が自動的に左右交互に切換えられる。更に、双方モードの場合は、左右マーカ50の両方が繰り出される。
【0025】本発明においては、前記左右マーカ50の繰出し及び収納を操作する左右アクチュエータを備え、該左右アクチュエータにより、前記左右マーカ50の前記作業部10の昇降に伴う繰出し及び収納操作とは異なる任意の繰出し及び収納操作を可能とすると共に、該任意の繰出し及び収納操作の際に、前記左右アクチュエータを略々同時に操作可能としたものである。
【0026】図3(a)(b)は、左右マーカ50L,50Rを備えた左右対称のマーカ装置60,60のうち、左側のマーカ装置60の概要を示している。
【0027】このマーカ装置60は、保持ケース61内に電動式のマーカシリンダ62を有し、該保持ケース61の長手方向の一側端部には回動軸63が回動可能に軸装されている。この回動軸63には、先端部にマーカ50Lが取付けられたマーカアーム64と揺動板65が一体的に固定されていて、該揺動板65に形成された長孔65aに前記マーカシリンダ62の作動杆62aの先端部が係止されている。前記揺動板65は、スプリング66により常時一方向(図の反時計方向)に付勢されていると共に、前記作動杆62aには検出金具67が取付けられている。そして、作動杆62aが伸長すると、この検出金具67が繰出し側の検出スイッチ68に当接して検出され、また、作動杆62aが縮小すると、この検出金具67が収納側の検出スイッチ69に当接して検出される。
【0028】前記マーカシリンダ62は、左右のマーカ装置60,60に夫々1個づつ設けられていて、これらのマーカシリンダ62により、植付部10の下降位置にて左右マーカ50の繰出し及び収納操作が可能となっている。
【0029】すなわち、左右マーカ50の繰出しモードが自動モードにあり、かつ植付部10が下げ位置にあるときに、前記手元操作レバー38を機体前後方向の後方(図2(a)のA方向)に操作すると、自動モードにて設定された左右いずれか一方のマーカと反対側の左右いずれか他方のマーカが繰出され、この場合に、前記一方のマーカの収納操作及び他方のマーカの繰出しの際に、左右のマーカシリンダ62,62が略々同時に駆動される。
【0030】同様に、左右マーカ50の繰出しモードが自動モードにあり、かつ植付部10が下げ位置にあるときに、前記手元操作レバー38を機体前後方向の前方(図2(a)のB方向)に操作すると、繰出されていた側のマーカも収納されて左右双方のマーカ50が上昇収納され、この場合に、左右のマーカシリンダ62,62が略々同時に駆動される。
【0031】また、左右マーカ50の繰出しモードが双方モード又は停止モードにあり、かつ植付部10が下げ位置にあるときに、前記手元操作レバー38を機体前後方向の前方(図2(a)のB方向)に操作すると、左右マーカ50が同時に上昇収納され、この場合に、左右のマーカシリンダ62,62が略々同時に駆動される。更に、左右マーカ50の繰出しモードが双方モードにあり、植付部10が下げ位置にあるときに、前記手元操作レバー38を機体前後方向の後方(図2(a)のA方向)に操作すると、左右いずれか一方のマーカが繰出される。
【0032】この場合、手元操作レバー38によるマーカの繰出しモードの設定操作と、マーカの任意の操作による操作方向が略々合致するようにしているため、新たな操作へのとまどいを軽減することができる。
【0033】図4(a)は、以上説明した左右マーカの繰出しモードの設定、及び繰出しモードの設定とは異なるマーカの繰出し・収納操作が可能な条件を示したものである。
【0034】すなわち、繰出しモードの設定は、各モニタ及び警報ブザーを作動状態とする植付スイッチがONで、油圧カム(後述の平板カム30)が「下げ」又は「植付」位置以外、すなわち「上げ」又は「固定」位置にあり、かつ植付部10が所定高さより上(上げ位置)にあるときに可能であり、また、モード設定とは異なるマーカの繰出し・収納操作は、植付スイッチがONで、油圧カムが「下げ」又は「植付」位置にあり、かつ植付部10が所定高さ以下(下げ位置)にあるときに可能となっている。
【0035】次に、図4(b)は、左右マーカのモード切換え操作と植付部10の下げ位置での切換え操作後のマーカの動作と、モード設定とは異なるマーカの繰出し・収納操作時のマーカの動作を示している。この図4(b)で明らかなように、手元操作レバー38によるマーカの繰出しモードの設定操作と、マーカの任意の操作による操作方向とが略々合致している。
【0036】次に、本発明においては、前記左右アクチュエータ62のうちいずれか一方のアクチュエータを一方向に操作した後、所定時間遅れて、前記いずれか他方のアクチュエータを同方向又は他方向に操作可能としている。
【0037】すなわち、前述のように左右のマーカシリンダ62,62が略々同時に駆動されると、同時に多量の電流が流れることになるため、大容量のバッテリを必要とすると共に、該バッテリの大きな設置スペースを必要とする。そこで、一方のマーカシリンダ62を操作した後、所定時間遅れて、他方のマーカシリンダ62を操作するようにすることで、同時に多量の電流が流れるのを防止すると共に、小さなバッテリ容量で駆動できるようにしている。このために、前記制御部39は遅延タイマ40を備えている(図6参照)。
【0038】例えば、植付部10が下げ位置にある状態で、マーカの繰り出し方向の切換え操作後、まず左右いずれか一方のマーカシリンダ62を駆動し、繰り出し状態のマーカ50を収納する。次いで、この収納動作開始から所定時間経過後に、他方のマーカシリンダ62を駆動し、該他方のマーカ50を繰り出す。なお、この場合の前記所定時間は、遅延タイマ40の設定により行われ、また、収納と繰り出しの先後の順序はどちらが先でも良い。
【0039】次に、図5(及び図1)に基づき、植付部10の昇降制御について簡単に説明する。
【0040】前記手元操作レバー38を操作すると、リヤカバー26内に配置されたバルブ作動機構22が作動し、このバルブ作動機構22により前記油圧コントロールバルブ35が操作されて植付部10が昇降制御される。このバルブ作動機構22は、カム回動モータ41を有し、該カム回動モータ41は小ギヤ23を介して平板カム30に噛合されている。この平板カム30は、バルブ操作板36を介して油圧コントロールバルブ35に連結され、該油圧コントロールバルブ35の回動により油圧シリンダ19が伸縮制御される。
【0041】一方、手元操作レバー38は、制御部39を介してカム回動モータ41と電気的に接続されていて、該手元操作レバー38の上下方向の操作により、その操作内容が前述した切換スイッチ43により判別される。このため、該切換スイッチ43からの制御信号で、前記カム回動モータ41により平板カム30が回動され、油圧コントロールバルブ35を介して油圧シリンダ19が伸縮され、更に昇降リンク機構8を介して植付部10が昇降制御される。
【0042】図6は、本実施の形態の制御ブロック図を示しており、前記制御部39は、遅延タイマ40を内蔵したマイクロコンピュータ(以下、CPUという)を備えている。このCPUに、植付部10の昇降制御用の切換スイッチ43、マーカ50の制御用のモード切換スイッチ52及び方向切換スイッチ53、植付部10の昇降位置を検出するリフト角ポテンショメータ87からの信号が入力されている。そして、このCPUによって、植付部10を昇降制御するカム回動モータ41、及び左右マーカ50が作業位置にあるか否かを知らせるランプ84L,84R、マーカシリンダ62L,62R等が制御される。
【0043】次に、図7のマーカのモードセットに関するフローチャートに基づき、マーカの制御動作を説明する。なお、ここでは、収納状態のマーカを繰り出してから所定時間経過後に、反対方向のマーカの収納を行う場合の実施の形態について説明している。
【0044】S51で、手動操作レバー17の操作位置(油圧操作)が「上げ」か否かを判断し、「上げ」でなければS53に進み、「上げ」ならS52に進む。このS52では、カム(平板カム30)位置が「上げ」になっているか否かを判断し、カム位置が「上げ」なら後述のS93に進み、「上げ」以外ならS53において、植付部10の位置が「下げ」か否かを判断する。このS53で、油圧操作が「下げ」ならS57に進み、「下げ」以外ならS54に進む。このS54では、油圧操作が「植付」か否かを判断し、「植付」以外なら後述するS70に進み、「植付」ならS55においてカム位置が「植付」か否かを判断する。そして、このS55で、カム位置が「植付」以外なら最初に戻り、カム位置が「植付」ならS56において植付部10のリフト量がマーカ収納位置より上か下かを判断する。そして、マーカ収納位置より上なら、最初に戻り、マーカ収納位置より下なら、S59において、マーカモードがオートモードか否かを判断する。そして、マーカモードがオートモード以外なら後述のS82に進み、オートモードなら、S60において、マーカの繰出し方向の指令がL(左)かR(右)かを判断する。そして、マーカの繰出し方向の指令がLなら後述のS73に進み、繰出し方向の指令がRなら、S61にてコントロールモードがR収納にセットされているか否かを判断する。このS61で、コントロールモードがR収納(右収納)にセットされていなければS63に進み、R収納にセットされていれば、S62で休止タイマをスタート(マーカ動作中の作動を禁止)させてS63に進み、このS63で、R振出しスイッチがONかOFFかを判断する。そして、R振出しスイッチがONなら、S65においてコントロールモードをクリアしてS68に進み、R振出しスイッチがOFFなら、S64でコントロールモードがR振出しにセットされているか否かを判断する。そして、コントロールモードがR振出しにセットされていればS67に進み、また、R振出しにセットされていなければ、S66で遅延タイマをスタートさせると共に、S67でコントロールモードをクリアし、R振出しをセットして、S103に進む。このS103では、遅延タイマが0か否かを判断し、0でなければ最初に戻り、0ならS68において、L収納スイッチのON・OFFを判断し、ONなら最初に戻り、OFFならS69でコントロールモードをL収納(左収納)にセットする。
【0045】また、前述したS70では、油圧操作が「固定」か否かを判断し、「固定」でなければ最初に戻り、「固定」なら、S71においてカム位置が「固定」か否かを判断する。そして、カム位置が「固定」でなければ最初に戻り、カム位置が「固定」なら、S72でコントロールモードをクリアすると共に、休止タイマをスタートさせ、手動収納フラグをクリアする。
【0046】更に、前述のS73において、コントロールモードがL収納にセットされているか否かを判断し、L収納にセットされていなければS75に進み、L収納にセットされていれば、S74で休止タイマをスタートさせてからS75に進む。このS75で、L振出しスイッチのON・OFFを判断し、L振出しスイッチがONなら、S77でコントロールモードをクリアしてからS80に進み、L振出しスイッチがOFFなら、S76でコントロールモードがL振出しにセットされているか否かを判断する。そして、コントロールモードがL振出しにセットされていればS79に進み、L振出しにセットされていなければ、S78で遅延タイマをスタートさせると共に、S79でコントロールモードをクリアして、L振出しをセットし、S104に進む。このS104では、遅延タイマが0か否かを判断し、0でなければ最初に戻り、0ならS80において、R収納スイッチのON・OFFを判断し、S80に進む。このS80では、R収納スイッチのON・OFFを判断し、R収納スイッチがONなら最初に戻り、R収納スイッチがOFFなら、S81でコントロールモードをR収納にセットする。
【0047】更にまた、前述したS82では、マーカモードが「OFF」か「両落ち」かを判断し、マーカモードが「OFF」ならS93に進み、マーカモードが「両落ち」ならS83でコントロールモードがR収納にセットされているか否かを判断する。コントロールモードがR収納にセットされていれば、S85に進み、コントロールモードがR収納にセットされていなければ、S84でコントロールモードがL収納にセットされているか否かを判断する。そして、コントロールモードがL収納にセットされていなければ、S86に進み、L収納にセットされていれば、S85で休止タイマをスタートさせ、S86に進む。このS86では、R振出しスイッチのON・OFFを判断し、R振出しスイッチがONなら、S87でコントロールモードをクリアしてからS91に進み、R振出しスイッチがOFFなら、S88でコントロールモードがR振出しにセットされているか否かを判断する。そして、コントロールモードがR振出しにセットされていれば、S90に進み、R振出しにセットされていなければ、S89で遅延タイマをスタートさせ、次いでS90でコントロールモードをクリアすると共に、R振出しをセットして、S105に進む。このS105では、遅延タイマが0か否かを判断し、0でなければ最初に戻り、0ならS91において、L振出しスイッチのON・OFFを判断し、L振出しスイッチがONなら最初に戻り、L振出しスイッチがOFFなら、S92でコントロールモードをL振出しにセットする。
【0048】また、前述のS93においては、コントロールモードがR振出しにセットされているか否かを判断し、R振出しにセットされていれば、S95に進み、R振出しにセットされていなければ、S94でコントロールモードがL振出しにセットされているか否かを判断する。コントロールモードがL振出しにセットされていなければ、S96に進み、L振出しにセットされていれば、S95で休止タイマをスタートさせてから、S96に進む。このS96で、R収納スイッチのON・OFFを判断し、R収納スイッチがONならS97でコントロールモードをクリアしてからS101に進み、R収納スイッチがOFFなら、S98において、コントロールモードがR収納にセットされているか否かを判断する。そして、コントロールモードがR収納にセットされていれば、S100に進み、R収納にセットされていなければ、S99で遅延タイマをスタートさせてから、S100でコントロールモードをクリアし,R収納をセットして、S106に進む。このS106では、遅延タイマが0か否かを判断し、0でなければ最初に戻り、0ならS101において、L収納スイッチのON・OFFを判断し、L収納スイッチがONなら最初に戻り、L収納スイッチがOFFなら、S102でコントロールモードをL収納にセットする。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1記載の発明によれば、左右アクチュエータにより、作業部の昇降に伴う左右マーカの繰出し及び収納操作とは異なる任意の繰出し及び収納操作を可能とすると共に、該任意の繰出し及び収納操作の際に、前記左右アクチュエータを略々同時に操作可能としたことにより、マーカの繰出し方向の切換え時間を短縮することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0050】請求項2記載の発明によれば、左右いずれか一方のアクチュエータを一方向に操作した後、所定時間遅れて、左右いずれか他方のアクチュエータを同方向又は他方向に操作可能としたことにより、マーカの繰出し方向の切換え時間を可能な限り短縮することができると共に、各アクチュエータの駆動開始時間に遅れを持たせることで、同時に多量の電流が流れるのを防止することができ、バッテリ容量を小さくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年8月30日(1999.8.30)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−61306(P2001−61306A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願平11−244114