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【発明の名称】 ロータリ耕耘機におけるリヤカバーの連結構造
【発明者】 【氏名】涌田 毅

【要約】 【課題】ロータリカバーの後端部にリヤカバーを連結するにあたり、リヤカバーの前端部両端に切欠部を設けなくても、リヤカバーが連結できるようにしたリヤカバーの連結構造を提供する。

【解決手段】リヤカバー14の前端部横方向に丸パイプ15を固定し、該丸パイプ15の両端部をリヤカバー14の左右端縁より外方へ突出させて軸支部15aを形成し、該軸支部15aをロータリカバー13に着脱自在に装着される軸受部材16を介して軸承した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ロータリカバーの後端部にリヤカバーを連結するに、該リヤカバーの前端部横方向に丸パイプを固定し、該丸パイプの両端部をリヤカバーの左右端縁より外方へ突出させて軸支部を形成し、該軸支部をロータリカバーに着脱自在に装着される軸受部材を介して軸承するように構成したことを特徴とするロータリ耕耘機におけるリヤカバーの連結構造。
【請求項2】軸受部材は硬質合成樹脂材で成形され、その前半部は板状に形成した取付片にロータリカバーの両側板への取付孔が設けられ、後半部は取付片より肉厚に形成した板状体の上下面に上記両側板に形成した後方開放状の切欠部の上下内縁に係合する係合溝が形成され、かつリヤカバーの軸支部を軸承する軸受孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘機におけるリヤカバーの連結構造。
【請求項3】軸受部材の取付片に設けたロータリカバーの両側板への取付孔は、該軸受部材の端面を覆い隠すサイドカバーの取付孔に兼用されることを特徴とする請求項1または2記載のロータリ耕耘機におけるリヤカバーの連結構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ耕耘機におけるリヤカバーの連結構造に係り、詳しくは、ロータリカバーに着脱自在に装着される軸受部材を介して、リヤカバーをロータリカバーの後端部に連結するようにしたロータリ耕耘機におけるリヤカバーの連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクタの後部に装着されるロータリ耕耘機には、一般にロータリカバーの後端部にリヤカバーが連結されており、該リヤカバーはロータリカバーとともに耕耘軸を中心に前後回動自在に構成されているので、ロータリカバーを前後回動させることによりリヤカバーを作業条件に適応した耕深位置に設定できるようになっている。
【0003】ところが、従来のリヤカバーの連結構造は、図4に示すように、ロータリカバーa側の後端部両端に中空状の取付ボスbを固着し、リヤカバーc側の前端部両端に切欠部dを形成し、該切欠部d間に位置する前端部を丸パイプ状に曲成して軸支部eを形成し、該軸支部eの両端をロータリカバーaの取付ボスbに挿入した後、該挿入端部にワッシャfを介してボルトgなどの緊締部材を挿入して締め付けることによりリヤカバーを連結していた。
【0004】このため、リヤカバーcの着脱が容易にできない許りでなく、リヤカバーcの前端部両端に切欠部dが設けられているので、前端部の強度が必然的に弱くなる不具合があった。そのうえ、ロータリカバーaの取付ボスbとリヤカバーcの前端部両端との間には、切欠部dによる隙間hがあるため、耕耘作業時にロータリの回転に伴う遠心力で飛散する耕耘土や泥水が上記隙間hから吹き出る不具合があり、耕深を検出するリヤカバーbの機能が妨げられて、耕耘作業に支障を来していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような実状に鑑み、従来の不具合を解消すべく創案されたものであって、その意図するところは、リヤカバーの軸支部をロータリカバーに着脱自在とした軸受部材で軸承させることにより、リヤカバーの前端部両端に切欠部を設けなくてもロータリカバーの着脱が容易にできるとともに、耕耘作業時のガタ付騒音を軸受部材で吸収し、耕深を検出するリヤカバーの機能を保持しながら作業を軽快に行うことができるロータリ耕耘機におけるリヤカバーの連結構造を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明が採用した第1の技術手段は、ロータリカバーの後端部にリヤカバーを連結するに、該リヤカバーの前端部横方向に丸パイプを固定し、該丸パイプの両端部をリヤカバーの左右端縁より外方へ突出させて軸支部を形成し、該軸支部をロータリカバーに着脱自在に装着される軸受部材を介して軸承するように構成したことを特徴とするものである。
【0007】本発明が採用した第2の技術手段は、軸受部材は硬質合成樹脂材で形成され、その前半部は板状に成形した取付片にロータリカバーの両側板への取付孔が設けられ、後半部は取付片より肉厚に形成した板状体の上下面に上記両側板に形成した後方開放状の切欠部の上下内縁に係合する係合溝が形成され、かつリヤカバーの軸支部を軸承する軸受孔が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】本発明が採用した第3の技術手段は、軸受部材の取付片に設けたロータリカバーの両側板への取付孔は、該軸受部材の端面を覆い隠すサイドカバーの取付孔に兼用されることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3において、1はトラクタ、2はトラクタ1の後部に連結されたロータリ耕耘機であって、該ロータリ耕耘機2は機体の中央部にギヤケース3が固設され、その上部には側面視略V字状に形成された2枚の板材からなる側板4a,4bを所要間隔を存して対向状に立設してなるトップマスト4が固定されている。該トップマスト4は、その前部側上部がトラクタ1に設けたオートヒッチ5に連結ピン6を介して連結されており、後部側上部には図示しない尾輪や畦立器などを装着するためのツールバー7がネジ式調節装置8を介して上下角度調節自在に支持されている。
【0010】9は機体の一側に配設されたチャンケースであって、該チェンケース9はギヤケース3から左側に延設されたアーム10の一端に固設されており、該ギヤケース3から右側に延設されたアーム10の一端にはサイドプレート11が固設され、該チェンケース9とサイドプレート11間で耕耘爪12aを装着した耕耘軸12が支持され、該耕耘軸12がチェンケース9に内装した伝動機構により回転駆動されるようになっている。
【0011】13は耕耘軸12に装着した耕耘爪12aの回転軌跡12bの上方を覆うロータリカバーであって、該ロータリカバー13は側面視円弧状に形成した天板13aと、その左右両側に固定した側板13bとからなり、耕耘軸12を中心に前後回動自在に構成されている。
【0012】上記ロータリカバー13の後端部には、耕深を検出リヤカバー14が後方下方に延出されて回動自在に連結されている。すなわち、リヤカバー14はその前端側を内側に折曲して折返し端部を内側面に固定して横方向に中空部14aを形成し、該中空部14aの前端部に丸パイプ15を固定し、その両端部をリヤカバー14の左右端縁より外方へ一体的に突出させて軸支部15aを形成し、該軸支部15aをロータリカバー13の両側板13b、13bの後部上方部に位置して、後方側を開放して形成した側面視U字状の切欠部13c、13cに着脱自在に係合される軸受部材16で軸支して連結されている。
【0013】上記軸受部材16は硬質合成樹脂材で前記切欠部13cと側面視略同形に形成され、その前半部はロータリカバー13の側板13bの外面に面接触状に重合するように板状の取付片16aが形成され、該部にロータリカバー13の側板13bへの取付孔16bが設けられている。また、軸受部材16の後半部は前半部の取付片16aより肉厚な板状体に形成され、その上下面には上記側板13bに形成した切欠部13cの上下内縁に係合する係合溝16c、16cが形成されているとともに、その中心部にはリヤカバー14の軸支部15a を軸承する軸受孔16dが設けられている。
【0014】17は軸受部の端面を覆い隠すためにロータリカバー13の両側板13b、13bの後部側に取付けられるサイドカバーであって、該サイドカバー17の取付孔17aは、上記両側板13b、13bに設けた取付孔13d、13dと合致する軸受部材16、16の取付孔16b、16bと兼用できるようになっている。したがって、取付孔17a、17aを軸受部材16、16の取付孔16b、16bに重ね合わせてボルト17bで共締めすれば、サイドカバー17は軸受部材16と共にロータリカバー13の側板13bに固定することができるようになっている。
【0015】リヤカバー14には左右2箇所に一対の側板18a、18aを所要の間隔を存して立設してなる吊持用ブラケット18、18が固設されており、そのトップ部18b、18b間に回動自在に軸支された軸体19にはリヤカバー14の吊ロッド20の後端部が貫通支持され、その前端部はギヤケース3から左右に延設されたアーム10、10の略中央部後側にそれぞれ固設したコ字状の止め金具21にピン21aで支持されて上下移動可能に取付けられている。
【0016】叙上の構成において、いま、ロータリ耕耘機2をに装着したロータリカバー13の後端部にリヤカバー14を連結するには、リヤカバー14の軸支部15aの両端部に軸受部材16、16の軸受孔16a、16aをそれぞれ嵌合し、該軸受部材16、16の後半部上下面に形成した係合溝16c、16cをロータリカバー13の両側板13b、13bに形成した後方開放状のU字状切欠部13c、13cの上下内縁に係合させ、前半部に形成した板状の取付片16aに設けた取付孔16b、16bがロータリカバー13の側板13b、13bに設けた取付孔13d、13dに重ね合う位置まで差し込めば、簡単にリヤカバー14をロータリカバー13の後端部に軸支することができる。
【0017】また、軸受部材16、16、をロータリカバー13の側板13b、13bに形成した前記切欠部13c、13cに差し込んでおき、該軸受部材16、16の軸受孔16d、16dにリヤカバー14の軸支部15aの両端部を嵌合することによっても、簡単にリヤカバー14をロータリカバー13の後端部に軸支することができる。
【0018】更に一方の軸受部材16をロータリカバー13の一方の側板13bの切欠部13cに差し込み、リヤカバー14の軸支部15aの一端を該軸受孔16dに嵌合するとともに、軸支部15aの他端に他方の軸受部材16の軸受孔16dを嵌合した状態で、該軸受部材16を他方の側板13bの切欠部13cに差し込んでも、簡単にリヤカバー14をロータリカバー13の後端部に軸支することができる。
【0019】いずれにせよ、ロータリカバー13に着脱自在とした軸受部材16を介してリヤカバー14を軸支するものであれば、その手段には限定されないが、上記いずれかの手段によってリヤカバー14をロータリカバー13の後端部に軸支した後、当該軸受部の端面を覆い隠すためにサイドカバー17をロータリカバー13の両側板13b、13bの後部側に取付ける。この場合、軸受部材16、16、の取付片16aに設けた16b、16bは上記両側板13b、13bに設けた取付孔13d、13dと合致し、かつサイドカバー17の取付孔17aに兼用できるようになっているので、取付孔17aを軸受部材16の取付孔16bに重ね合わせさえすれば、サイドカバー17はボルト17bを介して軸受部材16と共締めされ、簡単に上記側板13bに取付けることができる。
【0020】その際、軸受部材16の前半部に形成された板状の取付片16aは、ロータリカバー13の側板13bの外面に面接触状に重合し、後半部はその上下面に形成した係合溝16c、16cを介して上記側板13bのU字状切欠部13cの上下内縁に係合しているので、ボルト17bの緊締力と相俟ってリヤカバー14を軸承している軸受部材16は強固に固定される。
【0021】したがって、リヤカバー14をロータリカバー13の後端部に連結するにあたり、リヤカバー14の前端部両端に従来のような切欠部dを設けなくてもロータリカバー13への着脱が容易にでき、その結果として切欠部dがないので、耕耘作業時に耕耘土や泥水が隙間hから吹き出る不具合がないとともに、リヤカバー14の前端部が強度的に弱くなることもない。なお、上記軸受部材16の形状や側板13bに形成した切欠部13cの形状は実施例のものに限定されない。
【0022】そのうえ、軸受部材16は硬質合成樹脂材で形成されているので、リヤカバー14の軸支部15aの回動が滑らかで摩耗が少なく、耕耘作業時のガタ付騒音も吸収することができ、また、軸受部への耕耘土や草などの付着はサイドカバー17で防止でき、耕深を検出するリヤカバー14の機能を保持しながら、作業を軽快におこなうことができる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように本発明によれば、ロータリカバーの後端部にリヤカバーを連結するに、該リヤカバーの前端部横方向に丸パイプを固定し、該丸パイプの両端部をリヤカバーの左右端縁より外方へ突出させて軸支部を形成し、該軸支部をロータリカバーに着脱自在に装着される軸受部材を介して軸承するように構成したから、リヤカバーの前端部両端に従来のような切欠部を設けなくてもロータリカバーへの着脱が容易にできるとともに、切欠部がないことによって、耕耘作業時に耕耘土や泥水が隙間から吹き出る不具合やリヤカバーの前端部が強度的に弱くなる不具合を解消することができる。また、上記軸受部材は硬質合成樹脂材で形成されているので、リヤカバーの軸支部の回動が滑らかで摩耗が少なく、耕耘作業時のガタ付騒音も吸収できるうえ、軸受部材に設けたロータリカバーへの取付孔をサイドカバーの取付孔に兼用したことにより、サイドカバーの取付が簡略化されて、サイドカバーを軸受部材とともにロータリカバーに取付けることができ、耕深を検出するリヤカバーの機能を保持しながら作業を軽快に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年8月4日(1999.8.4)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−45805(P2001−45805A)
【公開日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願番号】 特願平11−221444