トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 移植機のマーカ
【発明者】 【氏名】石飛 芳夫

【氏名】塚原 譲

【要約】 【課題】機体走行時の走行基準線を示すマーカを備えた移植機において、機体の前部にサイドマーカとトレスマーカとを取付けても、取付構造を簡単にでき、しかも、サイドマーカとトレスマーカとを同時に操作できるようにして、使用時の取扱操作を容易にする。

【解決手段】機体1の前部に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカ12と、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカ13を設けると共に、上記サイドマーカ12とトレスマーカ13とを、互いに連動して同時に作動する連動構造とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】機体走行時の走行基準線を示すマーカを備えた移植機において、機体の前部に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカと、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカを設けると共に、上記サイドマーカとトレスマーカとを、互いに連動して同時に作動する連動構造としたことを特徴とする移植機のマーカ。
【請求項2】機体走行時の走行基準線を示すマーカを備えた偶数条植の移植機において、機体の前部両側に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカと、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカを設けると共に、上記サイドマーカとトレスマーカとを一体的に上下動させる連動構造として、機体両側のサイドマーカを同時に下動させた状態では、既植付苗側のサイドマーカが既植付苗の条間を通る作業姿勢となることを特徴とする偶数条植の移植機のマーカ。
【請求項3】機体走行時の走行基準線を示すマーカを備えた移植機において、機体の前部に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカと、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカを設けると共に、上記サイドマーカとトレスマーカとを、連結解除自在な連結具を介して連結して、作業位置と非作業位置とに同時に上下動する連動構造としたことを特徴とする移植機のマーカ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移植機に装着される植付走行時の走行基準線を示すマーカに係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、機体の走行に伴って圃場に苗を植付ける乗用田植機等のような多条植の移植機には、植付走行時の基準線を示すマーカとして、予め次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカ、およびマーカによる機体の中心位置が不明瞭な場合に、前工程で植付けた植付条に沿わせて走行するトレスマーカを設けて、適正な隣接条間をとるようにしたものが知られている。、【0003】このようなサイドマーカとトレスマーカは、運転席から見やすくするため、機体の前部に設けることが望ましいが、従来のサイドマーカとトレスマーカとは、機体の側方に突出する作業姿勢と上動させた非作業姿勢とに各別に切換作動ができるように別々に取付けているので、どうしても取付構造が複雑になり、しかも植付走行時には、サイドマーカとトレスマーカとを作業条件に応じて別々に操作しなければならないので、使用時の取扱操作が面倒なうえ、機体の回向時には旋回外側に突出したままのトレスマーカが誤って畦等に衝突するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題点を解決すべく創作されたものであって、機体の前部にサイドマーカとトレスマーカとを取付けても、取付構造を簡単にでき、しかも、サイドマーカとトレスマーカとを同時に操作できるようにして、使用時の取扱操作を容易にし、さらに偶数条植の場合には、左右のサイドマーカとトレスマーカとを同時に下動させた作業姿勢で植付作業を行うことができる移植機のマーカを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、機体走行時の走行基準線を示すマーカを備えた移植機において、機体の前部に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカと、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカを設けると共に、上記サイドマーカとトレスマーカとを、互いに連動して同時に作動する連動構造としたことを特徴とし、また、走行基準線を示すマーカを備えた偶数条植の移植機において、機体の前部両側に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカと、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカを設けると共に、上記サイドマーカとトレスマーカとを一体的に上下動させる連動構造として、機体両側のサイドマーカを同時に下動させた状態では、既植付苗側のサイドマーカが既植付苗の条間を通る作業姿勢となることを特徴とし、さらにまた、上記サイドマーカとトレスマーカとを、連結解除自在な連結具を介して連結して、作業位置と非作業位置とに同時に上下動する連動構造としたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、添付した一実施例の図面に基いて詳細に説明する。まず図1〜図4において、1は移植機として例示した乗用田植機の走行機体であって、前輪2および後輪3を備えた機体フレーム4の前部に、ボンネット5で覆われたエンジン部6が搭載され、その後方に運転席7が配設されている。8は運転席7の左右両側に配設されたリアステップ、9は操向ハンドルである。そして機体フレーム4の後部には図示しない多条植えの苗植付装置が連結リンク機構を介して昇降自在に装着されている。
【0007】また、機体フレーム4の前部両側に肥料タンク10が配設され、肥料タンク10の上方には、それぞれマット苗を載置する4段の補助苗載台11が立設されている。なお上記4段の補助苗載台11は、図3の正面図で示すように、下2段を上段の外側に連結して、上2段で4枚のマット苗を載置することもできる。
【0008】上記機体フレーム4の前端部下面側にはサイドマーカ12とトレスマーカ13とが装着されている。サイドマーカ12は、植付工程中の機体走行に伴って、次の植付工程の指標となる機体の中心位置を線引きするものであり、また、トレスマーカ13は、サイドマーカ12による線引きが見えにくいとき等に、前工程で植付けた既植付苗の植付条に沿わせるように走行して適正な隣接条間とするものである。
【0009】そして上記サイドマーカ12およびトレスマーカ13は、次のように装着されている。すなわち、機体フレーム4の前端部下面に幅方向の支持フレーム14が配設されており、この支持フレーム14の両端にサイドマーカ12の取付台15が支持フレーム14に沿って伸縮自在に装着されており、さらに、この伸縮する部分から前後に回動可能となっている。
【0010】16はサイドマーカ12の支持アームであって、図5に示すように、この支持アーム16の基端部が支点部材17を介して取付台15に上下回動可能に支持されている。支持アーム16の先端部にはサイドマーカ12が支持されており、支持アーム16を上下に回動させることにより、サイドマーカ12を作業時の線引き姿勢と非作業時の上昇姿勢とに切換え可能となっている。上記支持アーム16は、その中途部分で伸縮調節可能となっており、またサイドマーカ12は支持アーム16への取付姿勢が変更調節可能となっている。
【0011】18はトレスマーカ13の支持アームであって、この支持アーム18の基端部が前記取付台15に、支点部材17と略同一軸心にある支点軸19を介して上下回動可能に支持されており、支持アーム18の先端側にトレスマーカ13が支持されている。
【0012】20はサイドマーカ12の支持アーム16にボルト21によって着脱可能に取付けた連結具であって、その先端側に形成された支承部22でトレスマーカ13の支持アーム18を支持することにより、サイドマーカ12とトレスマーカ13とが連結解除自在に連結されていて、図示しない単一の上下動機構により、下動した作業位置と、上動した非作業位置とに互いに連動して同時に作動する連動構造となっている。
【0013】そして、機体フレーム4の後部に装着した多条植えの苗植付装置を偶数条植えとした場合には、機体の中心が苗植付条の条間位置となるので、機体の両側にあるサイドマーカ12とトレスマーカ13とを一体的に下降させたときには、既植付苗側に突出したサイドマーカ12は、前工程による植付苗の条間を通るようになっている。
【0014】上記のように構成したので、サイドマーカ12による線引きを基準として機体を走行させれば、既植付苗との間に適正な条間を保って整然と移植作業を行うことができる。また、サイドマーカ12の線引きが不明瞭なときには、既植付苗側のトレスマーカ13を苗植付条に沿わせながら走行すれば、上記と同様に整然とした移植作業を行うことができる。
【0015】そして機体の側方に突出するサイドマーカ12とトレスマーカ13とを、運転席7から見やすい機体の前部に設けても、サイドマーカ12とトレスマーカ13とは連動して上下動する連動構造となっているので、簡単にとりつけることができる。しかもサイドマーカ12とトレスマーカ13とは、単一の上下動機構により容易に上下動させることができるので、枕地における機体回向時等に、誤ってトレスマーカ13を畦等に衝突させることはない。
【0016】また、偶数条植えとした多条植え移植機の場合には、既植付苗側のトレスマーカ13を使用して植付走行する際に、サイドマーカ12を一体的に下降させても、サイドマーカ12は既植付苗の条間を通るので、植付苗を押倒すことはない。このため機体の両側にあるサイドマーカ12とトレスマーカ13とを同時に下ろした状態として、所望するサイドマーカ12あるいはトレスマーカ13を使用しながら効率よく移植作業を行うことができる。
【0017】また、サイドマーカ12とトレスマーカ13とは、サイドマーカ12の支持アーム16にボルト21によって取付けた連結具20のみで連結されているので、連動構造を簡単にすることができ、また、ボルト21を外して連結具20による連結を解除すれば、サイドマーカ12あるいはトレスマーカ13を単独の状態で使用することができる。
【0018】そして機体の格納時や運搬時には、サイドマーカ12およびトレスマーカ13を上動させた非作業位置とし、ついで支持フレーム14への取付け部分から後方に回動させれば、サイドマーカ12を運転席7の側部にコンパクトに収納することができる。
【0019】
【発明の効果】これを要するに本発明は、機体走行時の走行基準線を示すマーカを備えた移植機において、機体の前部に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカと、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカを設けると共に、上記サイドマーカとトレスマーカとを、互いに連動して同時に作動する連動構造とし、また、走行基準線を示すマーカを備えた偶数条植の移植機において、機体の前部両側に次工程における機体の中心位置を線引きするサイドマーカと、前工程で植付けた既植付苗の位置に合わせるトレスマーカを設けると共に、上記サイドマーカとトレスマーカとを一体的に上下動させる連動構造として、機体両側のサイドマーカを同時に下動させた状態では、既植付苗側のサイドマーカが既植付苗の条間を通る作業姿勢となるようにし、さらにまた、上記サイドマーカとトレスマーカとを、連結解除自在な連結具を介して連結して、作業位置と非作業位置とに同時に上下動する連動構造としたことから、機体の側方に突出するトレスマーカとサイドマーカとを、運転席から見やすくするため機体前部に設けたものであっても、トレスマーカをサイドマーカと連動して上下動するようにしたので、単一の上下動機構で容易に上下させることができて、機体回向時の邪魔になることはない。
【0020】また、偶数条植とした移植機の場合には、既植付苗側のトレスマーカを使用する際、一体的に下動したサイドマーカが植付苗の条間を通るので、機体の両側にあるトレスマーカとサイドマーカを同時に下ろして作業をしても、植付苗を倒したりすることなく植付作業を行うことができる。
【0021】また、連結解除自在な連結具で連結したサイドマーカとトレスマーカとは、連動構造を簡単にできるうえ、連結具による連結を解除すれば、サイドマーカあるいはトレスマーカを単独の状態で使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年7月16日(1999.7.16)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−28907(P2001−28907A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−203234