| 【発明の名称】 |
多機能農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】来田 金作
【氏名】来田 孝雄
【氏名】武田 美津子
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| 【要約】 |
【課題】畑地や休耕田等の、除草と耕耘と溝掘り・畝立等の各種の農作業を1台で行うことのできる多機能農作業機を提供する。
【解決手段】トラクタの進行に伴い所定幅の除草を行う除草部12と、所定幅の耕耘を行う耕耘部13と、耕耘部13の両側に設けられて排水溝を形成する溝掘り部9,9と、排水溝の溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部11,11とを具える。溝仕上げ部11は、スリップ回転して前記溝側面を所要の傾斜面に締め固めるための傾斜仕上面103を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 牽引車に付設される多機能農作業機であって、該牽引車の進行に伴い所定幅の耕耘を行う耕耘部と、該耕耘部の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えており、前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とする多機能農作業機。 【請求項2】 牽引車に付設される多機能農作業機であって、該牽引車の進行に伴い所定幅の除草を行う除草部と、該牽引車の進行に伴い所定幅の耕耘を行う耕耘部と、該耕耘部の両側に設けられ且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えており、前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とする多機能農作業機。 【請求項3】 牽引車に付設される多機能農作業機であって、該牽引車の進行に伴い、回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えており、前記除草・耕耘回転体は、正回転時は除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時は耕耘を行う耕耘部分となる爪部を具えており、又前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とする多機能農作業機。 【請求項4】 牽引車に付設される多機能農作業機であって、該牽引車の進行に伴い、回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えており、前記除草・耕耘回転体は、前記牽引車に付設されて左右方向に延長する回転軸に、その軸線方向に所要間隔を置いて除草・耕耘回転具を固定状態に設け、該回転軸の正回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って除草でき、又該回転軸の逆回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って耕耘できるものであり、該除草・耕耘回転具は、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部と、該爪部の耕耘作用を補助する耕耘補助部とを、前記回転軸線回りに回転する回転本体に具えており、前記爪部は、前記回転本体の側方に屈曲形成されており、又前記耕耘補助部は、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分として構成され、前記回転本体の逆回転に伴って、凸の円弧状をなす前記外周縁が、前記逆回転方向で見た前側から後端に向けて土に徐々に切り込むようになされ、又前記爪部が、前記逆回転に伴って、前記耕耘補助部が形成する切り込みの外側部分の土を反転耕起させるように構成されており、又前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とする多機能農作業機。 【請求項5】 牽引車に付設される多機能農作業機であって、該牽引車の進行に伴い、回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えており、前記除草・耕耘回転体は、前記牽引車に付設されて左右方向に延長する回転軸に、その軸線方向に所要間隔を置いて除草・耕耘回転具を固定状態に設け、該回転軸の正回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って除草でき、又該回転軸の逆回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って耕耘できるものであり、該除草・耕耘回転具は、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部と、該爪部の耕耘作用を補助する耕耘補助部とを、前記回転軸線回りに回転する回転本体に具えており、該回転本体の周縁部分に、周方向に所要角度ピッチで板部が突設されており、これらの板部のうちの一部のものは、回転本体の左側方に屈曲する左の爪部を有し、又残りの板部は、回転本体の右側方に屈曲する右の爪部を有しており、又前記耕耘補助部は、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分として構成され、前記回転本体の逆回転に伴って、凸の円弧状をなす前記外周縁が、前記逆回転方向で見た前側から後端に向けて土に徐々に切り込むようになされ、該後端に前記爪部が連設されており、又前記爪部が、前記逆回転に伴って、前記耕耘補助部が形成する切り込みの外側部分の土を反転耕起させるように構成されており、又前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とする多機能農作業機。 【請求項6】 牽引車に付設される多機能農作業機であって、該牽引車の進行に伴い、回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に締め固める溝仕上げ部とを具えており、前記除草・耕耘回転体は、前記牽引車に付設されて左右方向に延長する回転軸に、その軸線方向に所要間隔を置いて除草・耕耘回転具を固定状態に設け、該回転軸の正回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って除草でき、又該回転軸の逆回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って耕耘できるものであり、該除草・耕耘回転具は、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部と、該爪部の耕耘作用を補助する耕耘補助部とを、前記回転軸線回りに回転する回転本体に具えており、該回転本体の周縁部分に、周方向に略180度の角度を置いて板部が突設されており、一方の板部は、回転本体の左側方に屈曲する左の爪部を有し、又他方の板部は、回転本体の右側方に屈曲する右の爪部を有しており、又前記耕耘補助部は、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分として構成され、前記回転本体の逆回転に伴って、凸の円弧状をなす前記外周縁が、前記逆回転方向で見た前側から後端に向けて土に徐々に切り込むようになされ、該後端に前記爪部が連設されており、又前記爪部が、前記逆回転に伴って、前記耕耘補助部が形成する切り込みの外側部分の土を反転耕起させるように構成されており、又前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とする多機能農作業機。 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の多機能農作業機において、除草・耕耘回転具の全体を一体に構成した場合、前記回転本体に設けた角形状の回転軸挿通孔に、横断面角形状をなす前記回転軸を挿通させることによって、前記除草・耕耘回転具を、前記回転軸に、その正逆回転方向に関して固定状態に設けたことを特徴とする多機能農作業機。 【請求項8】 請求項4〜6のいずれかに記載の多機能農作業機において、除草・耕耘回転具の全体を一体に構成した場合、前記回転本体に設けた六角形状の回転軸挿通孔に、横断面六角形状をなす前記回転軸を挿通させることによって、前記除草・耕耘回転具を、前記回転軸に、その正逆回転方向に関して固定状態に設けたことを特徴とする多機能農作業機。 【請求項9】 前記正回転による除草は、屈曲した前記爪部が土に食い込み、前記回転本体の正回転に伴って該爪部が草の根部分を掘り上げる草むしり取り作用を呈することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の多機能農作業機。 【請求項10】 前記溝仕上げ部は、前記牽引車の進行方向に略直交する軸線回りに回転する円錐面状の傾斜仕上面を具えた円錐回転体を有し、該円錐面状の傾斜仕上面が前記溝側面に対しスリップ回転することにより該溝側面を所要の傾斜面に締め固めることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の多機能農作業機。 【請求項11】 前記円錐回転体の外周縁の周方向に、土に切り入る食い込み突部を並設したことを特徴とする請求項10記載の多機能農作業機。 【請求項12】 前記溝掘り部は、斜め下方に傾斜した軸線回りに回転する溝形成回転体を具え、該溝形成回転体が土を撥ね上げることによって前記排水溝を形成することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の多機能農作業機。 【請求項13】 前記溝掘り部は、斜め下方に傾斜した軸線回りに回転する溝形成回転体を具え、該溝形成回転体が土を撥ね上げることによって前記排水溝を形成する如くなされ、前記牽引車の進行に伴って前記除草・耕耘回転体が正回転して除草を行っている間は、前記溝形成回転体が、形成される排水溝の、前記除草・耕耘回転体が除草する部分と反対側に土を撥ね上げることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の多機能農作業機。 【請求項14】 前記牽引車がトラクタである場合、前記両排水溝の形成部位を、トラクタの左右の車輪の走行部に設定したことを特徴する請求項3〜6のいずれかに記載の多機能農作業機。 【請求項15】 請求項1〜13のいずれかに記載の多機能農作業機において、前記耕耘された部分にその長さ方向に延長する如く畝溝を形成する畝溝形成体が設けられてなり、該畝溝形成体は、前記牽引車の進行方向に略直交する軸線回りに回転するものとなされ、該軸線を含む面で切断された断面の、畝溝形成部分となる対向面の外形が、先細化するV字状又はU字状を呈する対称形態に形成されており、該対向面が土に対しスリップ回転し、前記畝溝の溝側面を所要の傾斜面に締め固めることを特徴とする多機能農作業機。 【請求項16】 前記畝溝形成体の外周縁の周方向に、土に切り入る食い込み突部を並設したことを特徴とする請求項15記載の多機能農作業機。 【請求項17】 前記牽引車の進行方向で見て、前記除草・耕耘回転体の後側に位置させて、該除草・耕耘回転体の逆回転によって耕耘された土を細かく砕く砕土回転体を設けたことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の多機能農作業機。 【請求項18】 請求項4〜6いずれかに記載の多機能作業機において、前記回転軸の正回転又は逆回転を、正逆駆動装置の駆動軸の正回転又は逆回転によって行わせるものとし、該正逆駆動装置は、中央軸部の左右両側に円形軸部が同心に設けられてなる前記駆動軸を有し、該駆動軸の前記左右の円形軸にフリー傘歯車が回転自在に装着されると共に、該左右のフリー傘歯車と噛合する駆動傘歯車が動力軸に固設され、又前記中央軸部には、左右方向に摺動でき且つ正逆回転方向には該中央軸部と一体化するようにクラッチが設けられ、該クラッチの左方向又は右方向への移動によって、該クラッチの左右両側部分に設けられている係合凹凸部を、前記左のフリー傘歯車又は前記右のフリー傘歯車に設けられている係合凹凸部と噛み合わせ、これによって前記駆動傘歯車が、前記フリー傘歯車と前記クラッチとを介して前記駆動軸を正回転又は逆回転させるように構成したことを特徴とする多機能作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の牽引車に付設されて複数の農作業を一連に行うことのできる多機能農作業機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】畑地や休耕田等を除草して後、耕耘し、更に溝掘り・畝立する場合、或いは、除草する必要がない場合は、耕耘し、溝掘り・畝立する場合、従来は、これらの作業を個別の作業機により行うのが一般的であった。 【0003】このように従来においては、各作業を個別の作業機により行っていたために、多くの手間を要して作業能率が悪く、又コスト上昇を招く問題があった。そこでこのような問題点を解決せんとして、耕耘と同時的に溝掘り・畝立するように構成された耕耘・溝掘り・畝立装置が提案されている。この耕耘・溝掘り・畝立装置は、耕耘作業部と溝掘り・畝立作業部とを具え、トラクタの後部に付設されて、耕耘を行うと同時に、耕耘された土aを図31で示すように、逆台形状の押し退け部bを具えた作業具cで押し退けて、図32に示す逆台形状の畝溝dを形成し、畝溝d,d間に畝eを形成するものであった。 【0004】又前記耕耘に際し、雑草が生えた畑地や休耕田等の土地を、そのまま、或いは除草を行って後にロータリで耕耘する場合、雑草の根が土に張って土を保持した状態にあると、ロータリの爪部が土を反転耕起させるとき、根の土保持作用によって土の反転耕起が妨げられ、残耕が生じやすく、耕耘を確実且つ効率的に行うことができない問題があった。そこで、残耕防止を図らんとする耕耘装置の一例として、図33〜34に示すように、前後にロータリ軸f,gを配置し、土を切開する直刀hを前のロータリ軸fに設けると共に、土を反転耕起させるナタ爪jを後のロータリ軸gに設けた構成の耕耘装置kが、実開平7−3で公開されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記構成の耕耘・溝掘り・畝立装置は、逆台形状の押し退け部bを具えた作業具cをトラクタで牽引することにより、細かく砕かれた土を単に押し退けて前記畝溝dを形成するものであったため、形成された畝溝dは形状が不安定であり、降雨があると溝内面が容易に崩れて畝溝が埋まりやすく、排水性を確保できなくなる問題があった。そのため、このような畝溝の崩れを当初から予定して、溝幅を広く設定する必要があったのであるが、このように畝溝幅を広くすることは、畝溝部分の面積が必要以上に大きくなり、このような畝溝が多数形成されることから、耕地面積の有効活用を図ることができない不経済があった。又、このように溝幅を広く設定しても畝溝の崩れは防止できず、排水性が悪くなる問題があった。 【0006】又前記耕耘が、前記残耕防止機能付の耕耘装置kで行われるときは、耕耘に先立って、前記直刀hによる土の切開が行われるために、土に張った雑草の根が該直刀hで切断されることによって、残耕は生じにくいであろうが、前後のロータリ軸f,gを個別に回転させるために動力の消費が大きいばかりか、直棒状の直刀hが土を切開し始める際に、例えば図34に示すように、該直刀mが地面fに叩き付けられる状態となるため、切開時の抵抗が大きい。このように直刀切開方式の従来の耕耘装置kによるときは、低馬力で効率的な耕耘を行うということができなかった。又、前後にロータリ軸を配置するために装置が大型化するのみならず、装置の製造コストの上昇を招く問題もあった。更に該耕耘装置は、土の切開とそれに続く土の反転耕起を行うだけのもので、耕耘に先立って除草を行う仕組みのものでは何らなかった。従って、雑草が生えた畑地や休耕田等の土地を耕耘するときは、除草を行うために別装置を必要とする不経済があった。 【0007】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、その第1の課題は、耕耘と溝掘り・畝立を一連に行う際における溝の安定化を図り、溝形成に要する面積を必要最小限度のものとして耕地面積の有効活用を図り得る多機能農作業機を提供することにある。又第2の課題は、前記耕耘と溝掘り・畝立を行うだけに止まらず、耕耘に先立って除草をも行う多機能農作業機を提供することにある。更に第3の課題は、除草と耕耘と該耕耘に先立つ土の切り込みの3種類の作業を、正逆回転方向の選択によって簡易に行うことができるばかりでなく、これらの作業を低馬力で効率的に行うことができる経済性を有し、しかもこれらの作業を行う作業機のコンパクト化にも寄与する多機能農作業機の提供を目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る多機能農作業機は、牽引車に付設されるものであって、該牽引車の進行に伴い所定幅の耕耘を行う耕耘部と、該耕耘部の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えており、該溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とするものである。 【0009】本発明に係る多機能農作業機の他の態様は、前記牽引車の進行に伴い所定幅の除草を行う除草部と、該牽引車の進行に伴い所定幅の耕耘を行う耕耘部と、該耕耘部の両側に設けられ且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えており、該溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とするものである。 【0010】本発明に係る多機能農作業機のより好ましい態様は、前記牽引車の進行に伴い、略水平な回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えている。そして前記除草・耕耘回転体は、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部を具えており、又前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とするものである。 【0011】本発明に係る多機能農作業機のより好ましい他の態様は、前記牽引車の進行に伴い、回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えている。そして前記除草・耕耘回転体は、前記牽引車に付設されて左右方向に延長する回転軸に、その軸線方向に所要間隔を置いて除草・耕耘回転具を固定状態に設け、該回転軸の正回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って除草でき、又該回転軸の逆回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って耕耘できるものであり、該除草・耕耘回転具は、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部と、該爪部の耕耘作用を補助する耕耘補助部とを、前記回転軸線回りに回転する回転本体に具えている。そして前記爪部は、前記回転本体の側方に屈曲形成されており、又前記耕耘補助部は、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分として構成され、前記回転本体の逆回転に伴って、凸の円弧状をなす前記外周縁が、前記逆回転方向で見た前側から後端に向けて土に徐々に切り込むようになされ、又前記爪部が、前記逆回転に伴って、前記耕耘補助部が形成する切り込みの外側部分の土を反転耕起させるように構成されており、又前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とするものである。 【0012】又本発明に係る多機能農作業機のより好ましいその他の態様は、前記牽引車の進行に伴い、回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に仕上げる溝仕上げ部とを具えている。そして前記除草・耕耘回転体は、前記牽引車に付設されて左右方向に延長する回転軸に、その軸線方向に所要間隔を置いて除草・耕耘回転具を固定状態に設け、該回転軸の正回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って除草でき、又該回転軸の逆回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って耕耘できるものであり、該除草・耕耘回転具は、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部と、該爪部の耕耘作用を補助する耕耘補助部とを、前記回転軸線回りに回転する回転本体に具えている。そして該回転本体の周縁部分に、周方向に所要角度ピッチで板部が突設されており、これらの板部のうちの一部のものは、回転本体の左側方に屈曲する左の爪部を有し、又残りの板部は、回転本体の右側方に屈曲する右の爪部を有しており、又前記耕耘補助部は、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分として構成され、前記回転本体の逆回転に伴って、凸の円弧状をなす前記外周縁が、前記逆回転方向で見た前側から後端に向けて土に徐々に切り込むようになされ、該後端に前記爪部が連設されており、又前記爪部が、前記逆回転に伴って、前記耕耘補助部が形成する切り込みの外側部分の土を反転耕起させるように構成されており、又前記逆回転に伴って、前記耕耘補助部による溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とするものである。 【0013】又本発明に係る多機能農作業機のより好ましいその他の態様は、前記牽引車の進行に伴い、回転軸線回りに正回転することによって所定幅の除草を行うと共に逆回転することにより所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体と、該除草・耕耘回転体の両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝を形成するための溝掘り部と、該排水溝の、前記耕耘された部分に連なる溝側面を所要の傾斜面に締め固める溝仕上げ部とを具えている。そして前記除草・耕耘回転体は、前記牽引車に付設されて左右方向に延長する回転軸に、その軸線方向に所要間隔を置いて除草・耕耘回転具を固定状態に設け、該回転軸の正回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って除草でき、又該回転軸の逆回転によって、該除草・耕耘回転具の配置幅の略全体に亘って耕耘できるものであり、該除草・耕耘回転具は、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部と、該爪部の耕耘作用を補助する耕耘補助部とを、前記回転軸線回りに回転する回転本体に具えている。そして該回転本体の周縁部分に、周方向に略180度の角度を置いて板部が突設されており、一方の板部は、回転本体の左側方に屈曲する左の爪部を有し、又他方の板部は、回転本体の右側方に屈曲する右の爪部を有しており、又前記耕耘補助部は、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分として構成され、前記回転本体の逆回転に伴って、凸の円弧状をなす前記外周縁が、前記逆回転方向で見た前側から後端に向けて土に徐々に切り込むようになされ、該後端に前記爪部が連設されており、又前記爪部が、前記逆回転に伴って、前記耕耘補助部が形成する切り込みの外側部分の土を反転耕起させるように構成されており、又前記溝仕上げ部は、前記溝側面に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面を具えることを特徴とするものである。 【0014】前記多機能農作業機において、除草・耕耘回転具の全体を一体に構成した場合、前記回転本体に設けた角形状、例えば六角形状の回転軸挿通孔に、横断面角形状、例えば横断面六角形状をなす前記回転軸を挿通させることによって、前記除草・耕耘回転具を、前記回転軸に、その正逆回転方向に関して固定状態に設けるのがよい。 【0015】本発明に係る多機能農作業機が除草部分を具える場合、該除草部分による除草は、屈曲した前記爪部が土に食い込み、前記回転本体の正回転に伴って該爪部が草の根部分を掘り上げる草むしり取り作用を呈するように構成するのがよい。 【0016】前記各多機能農作業機において、前記溝仕上げ部は、前記牽引車の進行方向に略直交する軸線回りに回転する円錐面状の傾斜仕上面を具えた円錐回転体を有するものとし、該円錐面状の傾斜仕上面が前記溝側面に対しスリップ回転することにより該溝側面を所要の傾斜面に締め固めるように構成するのがよい。この場合、前記円錐回転体の外周縁の周方向に、土に切り入る食い込み突部を並設するのがよい。 【0017】前記各多機能農作業機において、前記溝掘り部は、斜め下方に傾斜した軸線回りに回転する溝形成回転体を具えるものとし、該溝形成回転体が土を撥ね上げることによって前記排水溝を形成するように構成するのがよい。この場合、より好ましくは、前記牽引車の進行に伴って前記除草・耕耘回転体が正回転して除草を行っている間は、前記溝形成回転体が、形成される排水溝の、前記除草・耕耘回転体が除草する部分と反対側に土を撥ね上げるように構成するのがよい。 【0018】又前記各多機能農作業機において、前記牽引車がトラクタである場合、前記両排水溝の形成部位を、トラクタの左右の車輪の走行部に設定するのがよい。 【0019】又前記各多機能農作業機において、前記耕耘された部分にその長さ方向に延長する如く畝溝を形成する畝溝形成体が設けられたものとなし、該畝溝形成体は、前記牽引車の進行方向に略直交する軸線回りに回転するものとし、該軸線を含む面で切断された断面の、畝溝形成部分となる対向面の外形を、先細化するV字状又はU字状を呈する対称形態に形成し、該対向面が土に対しスリップ回転し、前記畝溝の溝側面を所要の傾斜面に締め固めるように構成するのがよい。この場合、前記畝溝形成体の外周縁の周方向に、土に切り入る食い込み突部を並設するのがよい。 【0020】又前記各多機能農作業機において、前記牽引車の進行方向で見て、前記除草・耕耘回転体の後側に位置させて、該除草・耕耘回転体の逆回転によって耕耘された土を細かく砕く砕土回転体を設けるのがよい。 【0021】又、回転軸の正回転又は逆回転を伴う前記各多機能農作業機において、前記回転軸の正回転又は逆回転を、正逆駆動装置の駆動軸の正回転又は逆回転によって行わせるものとし、該正逆駆動装置は、中央軸部の左右両側に円形軸部が同心に設けられてなる前記駆動軸を有し、該駆動軸の前記左右の円形軸にフリー傘歯車が回転自在に装着されると共に、該左右のフリー傘歯車と噛合する駆動傘歯車が動力軸に固設され、又前記中央軸部には、左右方向に摺動でき且つ正逆回転方向には該中央軸部と一体化するようにクラッチが設けられたものとし、該クラッチの左方向又は右方向への移動によって、該クラッチの左右両側部分に設けられている係合凹凸部が、前記左のフリー傘歯車又は前記右のフリー傘歯車に設けられている係合凹凸部と噛み合うようになし、これによって前記駆動傘歯車が、前記フリー傘歯車と前記クラッチとを介して前記駆動軸を正回転又は逆回転させるように構成するのがよい。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜5において本発明に係る多機能農作業機1は、トラクタ2aとしての牽引車2の後部に付設されて、該牽引車の進行に伴い所定の農作業を行うものであり、正逆回転の回転方向の選択によって所定幅の除草作業(図1の場合)と所定幅の耕耘作業(図2に示す場合)の双方の作業を行う除草・耕耘回転体3と、その後側に位置させて設けた砕土回転体5とを具える。又、前記除草・耕耘回転体3の左右(牽引車の進行方向で見た左右を言う。以下同様)両側に位置させて、耕耘された部分6(図2)に沿う左右の排水溝7,7を形成するための溝掘り部9,9が設けられると共に、該左右の排水溝7,7の、前記耕耘された部分6に連なる溝側面10,10を所要の傾斜面に締め固める(図19)左右の溝仕上げ部11,11が設けられている。 【0023】そして本実施の形態においては、正回転F1(図1)する除草・耕耘回転体3が除草部12を構成し、又逆回転F2(図2)して荒起こしを行う前記除草・耕耘回転体3と荒起こしされた土を細かく砕く前記砕土回転体5とが耕耘部13を構成している。 【0024】前記除草・耕耘回転体3と砕土回転体5と左右の溝掘り部9,9と左右の溝仕上げ部11,11は、トラクタ2aの後部に連結される(トラクタに対する上下高さや傾きを所要に変更可能に連結リンク機構15で連結される)支持枠体16に設けられている。 【0025】該支持枠体16は、図1、図3に示すように、前記除草・耕耘回転体3と砕土回転体5を納めるための、下端開放の半円弧状収容部17,19を前後に有しており、該前後の半円弧状収容部17,19の連設部分の上部の左右両側部には、前方向と後方向に向けて下方に傾斜する前アーム部材20と後アーム部材21が山形に組み合わされた支持アーム22の上端連結部23が固定されている。 【0026】そして図3、図5に示すように、左右対向する前アーム部材20,20の下端部分に設けた軸受25,25に、前記牽引車2の進行方向F(図5)に対して略直交し且つ略水平に延長する前の回転軸26の両端部分が軸支されている。又前記対向する後アーム部材21,21の対向した左右の下端部分にも軸受29,29が設けられており、該左右の軸受29,29に、前記牽引車2の進行方向に対して略直交し且つ略水平に延長する後の回転軸30の両端部分が軸支されている。又、前記左右の支持アームの上端連結部23,23に設けられた軸受31,31に、前記前後の回転軸26,30と略平行し且つ正逆駆動装置32により回転駆動せしめられる駆動軸33の両端部分が軸支されている。 【0027】又、前記左の後アーム部材21及び右の前アーム部材20は、図3、図5に示すように、夫々偏平なボックス状に形成されており、該ボックス状アーム部材内には図4〜5に示すように、前記駆動軸33の端部分に固設した上のスプロケット35と、前記前の回転軸26又は後の回転軸30の端部分に固設した下のスプロケット36が収容されると共に、該上下のスプロケット35,36にチエン37が巻装されている。そして、前記駆動軸33が正逆回転するに伴い、前記前の回転軸26及び後の回転軸30が正逆回転するように構成されている。 【0028】前記正逆駆動装置32は、前記駆動軸33の中央部分に配設された図3のギアボックス39内に組み込まれている。該駆動軸33は、図6に示すように、本実施の形態においては、前記ギアボックス39内にある部分の中央部分が稍太径の六角軸部(中央軸部)41として形成されると共に、該六角軸部41の両側は円形軸部42,42として形成され、又該円形軸部42の外端には稍細径の六角軸部43が延長されている。 【0029】そして図6〜7に示すように、前記左右の円形軸部42,42にフリー傘歯車44,45が回転自在に取り付けられ、又該左右のフリー傘歯車44,45と噛合するように、駆動傘歯車46が、動力軸47の端部に固設されている。なお該動力軸47は、前記支持枠体16の前端上部中央に配設した変速装置49(図3)に向けて延長され、図1に示すように、該変速装置49の入力軸50が、前記牽引車の出力軸51に、ユニバーサルジョイント52を介して連結されている。そして前記中央部分の六角軸部41に、クラッチ53が左右摺動可能に且つ正逆回転方向には該六角軸部41と一体にするように取り付けられており、該クラッチ53の左右部分に設けた係合凹凸部55,56が、前記左右のフリー傘歯車44,45に設けた係合凹凸部57,59と噛み合うようになされている。 【0030】然して、前記クラッチ53が図6〜7に示すように中立状態にあるときは、前記駆動傘歯車46の回転に伴い、前記左右のフリー傘歯車44,45は自由回転する。今、前記クラッチ53が図8に示すように左方に移動せしめられて、クラッチ53の左の係合凹凸部55が左のフリー傘歯車44の係合凹凸部57に噛み合うと、左のフリー傘歯車44の回転がクラッチ53を介して前記駆動軸33に伝達され、これにより駆動軸33が正回転F1(図1)する。一方、前記クラッチ53が図9に示すように右方に移動して、クラッチ53の右の係合凹凸部56が右のフリー傘歯車45の係合凹凸部59に噛み合うと、該右のフリー傘歯車45の回転がクラッチ53を介して駆動軸33に伝達され、これにより該駆動軸33が逆回転F2(図2)することになる。この駆動軸33の正逆回転が、前記チエン37を介して前記前後の回転軸26,30に伝達され、該回転軸26,30を正逆回転させるのである。なおクラッチ53の切替えは、その中央部に周設した係合溝部58に係合し得る係合部59を具えたレバー60の回動操作によって行う。なお図3、図7〜9において符号54は、必要に応じて用いられる予備作業軸である。 【0031】前記除草・耕耘回転体3は、図4〜5に示すように、前記前の回転軸26に、その軸線方向に所要間隔をおいて除草・耕耘回転具61を固定状態に設けてなり、該回転軸26の正回転F1(図1)によって該除草・耕耘回転具61の配置幅の略全体に亘って除草でき、又該回転軸26の逆回転F2(図2)によって、該除草・耕耘回転具61の配置幅の略全体に亘って耕耘できるものである。 【0032】該除草・耕耘回転具61は、図10〜14に示すように、全体が一体に構成されており、正回転F1時には除草を行う(図12〜13に示す状態)除草部分34となり、且つ逆回転F2時には耕耘を行う(図14に示す状態)耕耘部分38となる爪部62と、該爪部62の耕耘作用を補助する耕耘補助部63とを、前記前の回転軸26の回転に伴って回転する回転本体65に具えている。より具体的には、前記回転本体65は、例えば六角形状の回転軸挿通孔66が中心に設けられた垂直板状をなし、その周縁部分に略180度の間隔を置いて板部67が突設されており、図10に示すように、一方の板部67aは、前記回転本体65の右側方に屈曲する右の爪部62aを先側部分として有し、他方の板部67bは、回転本体65の左側方に屈曲する左の爪部62bを先側部分として有している。なお本実施の形態においては、除草・耕耘回転具61の軽量化のために、前記板部67の中央部分が円形に開口69されている。 【0033】前記耕耘補助部63は、外周縁70が凸の円弧状をなす垂直板部分を以って構成されている。そして前記回転本体65の回転に伴って、図14に示すように、凸の円弧状をなす前記外周縁70が、前記逆回転F2方向で見た前側71から後端72に向けて土に徐々に切り込むようになされ、該後端72に前記爪部62が連設されている。本実施の形態においては、前記耕耘補助部63の外周縁部分が、先端鋭の刃部73として形成されている。なお、耕耘補助部63の土への切り込みや爪部62による反転耕起が円滑に行われる場合は、前記刃部73を省略してもよい。 【0034】かかる構成の除草・耕耘回転具61を前の回転軸26に取り付けるには、前記六角形状の回転軸挿通孔66に前記前の回転軸26の六角軸部75(図10)を挿通させ、これによって前記除草・耕耘回転具61を、前の回転軸26に、回転方向に一体化して設けている。そして図4に示すように、隣り合う除草・耕耘回転具61,61は、その取付け角度を60度づつ順次ずらすこととし、隣り合う除草・耕耘回転具61,61間に、間隔保持用の円筒状筒体76を介装し、図15に示すように、円筒状筒体76の内周面77を、前記回転軸挿通孔66と同心に前記回転本体65の側面に設けた円板状突部79の外周面80で支持させる。この円筒状筒体76の長さは、隣り合う除草・耕耘回転具61,61に関して、その爪部の先端の軌跡間に隙間が生じないように設定されている。そして両端に位置する除草・耕耘回転具61a,61aと、前記前の回転軸26の両端側の部分に固設された固定板81,81との間にも夫々、円筒状筒体79を介装し、該円筒状筒体79の内周面82を、端部に位置する除草・耕耘回転具61aの外側面に設けた円板状突部83の外周面84と、前記固定板81の内側面に設けた円板状突部85の外周面86で支持させてなり、これによって、除草・耕耘回転具61,61間の間隔を一定に規制している。 【0035】又前記砕土回転体5は、図4〜5、図16に示すように、前記後の回転軸30に、所要間隔を置いて砕土具87を設けたものであり、該砕土具87は、軸線回りに回転する本体88に逆方向に砕土板部89,89が突設された垂直板状を呈し、前記除草・耕耘回転具61の逆回転によって荒耕しされた土を細かく砕くものである。 【0036】又前記溝掘り部9は、図3〜5に示すように、左右の前アーム部材20,20の下端に設けられ、前記トラクタの左右の車輪74,74(図1〜2)の走行部78,78(図5)に前記排水溝7を形成するものである。該左右の溝掘り部9,9は同様の構成を有しており、図3〜4に示すように、変速装置90を内蔵したギヤボックス91(図3)に、前記牽引車2の進行方向前方に向けて下方に傾斜する軸92を突設し、該軸92に溝掘り回転体93を固設してなる。該溝掘り回転体93は、両端部分が逆方向に屈曲しており、その軸線回りの回転によって、屈曲部95,95が土を撥ね上げて、図18に示すような所定深さの排水溝96を形成する。そして前記ギヤボックス91は、図15に示すように、フランジ97において、前アーム部材20の下端外面にボルト98で固定される。該フランジ97には、その周方向に小角度ピッチで多数のボルト孔99が設けられており、前記アーム部材に設けたボルト孔を挿通したボルト98を前記フランジ97の所要のボルト孔99に挿通させ、且つナット100を螺合し締め付けることにより、前記軸92の突出方向を調節可能に構成されており、該軸92の傾斜角度の調節によって溝深さを所要に設定できる。そして、前記前の回転軸26の端部分に固設した傘歯車101を、前記軸92の上端部分に固設した傘歯車102と噛合させることにより、前の回転軸26の回転に伴い前記溝掘り回転体93を高速回転させることができ、それに伴い土を削り取り、所要の排水溝96(図18)を形成するのである。 【0037】そして前記溝掘り部9は、前記溝掘り回転体93の正逆回転によって土を削り取り、土を撥ね上げて所要の排水溝96を形成するものであるが、前記牽引車2の進行に伴って前記除草・耕耘回転体3が正回転F1して除草を行っている間は、図17に示すように、除草された草の上に土が被らないように、前記左の溝掘り回転体93aは、前記牽引車2の進行方向に見て時計回りに回転F3し、且つ右の溝掘り回転体93bは反時計回りに回転F4し、形成される排水溝96の、前記除草・耕耘回転体3が除草した部分と反対側に土を撥ね上げる。そして、牽引車の進行に伴って、前記除草・耕耘回転体3が逆回転F2して荒耕こしを行っている間は、図18に示すように、除草された草が既に始末されているために、前記溝掘り回転体93a,93bは、前記とは逆に回転F5,F6し、除草され且つ草が始末された部分に土を撥ね上げる。この撥ね上げられた土は、その後均され、畝の一部となる。 【0038】又前記溝仕上げ部11は本実施の形態においては、後の回転軸30の左端部分と右端部分に設けられている。該溝仕上げ部11は、本実施の形態においては、図4〜5、図19に示すように、前記回転軸30の左右端部分に、回転軸線の外方に向かって大径となる円錐面状の傾斜仕上面103を具えた円錐回転体105を、その中心部で固設して構成されている。そして前記回転軸30の回転に伴う円錐回転体105の回転により、前記傾斜仕上面103が、前記溝側面10に対しスリップ回転することにより、該溝側面10を所要の傾斜面に練り上げ状態に締め固めるのである。なお本実施の形態においては、前記円錐回転体105の外周縁の周方向に、例えば台形板状をなす食い込み突部106が連続して並設されているため、該食い込み突部106が土に切り入りながら円錐回転体105の回転が行われることになる。従って、該円錐回転体105が跳ねるのが防止され、溝仕上げが安定的に行われることになる。 【0039】なお本実施の形態においては、前記後の回転軸30の中央部分に、隣り合う砕土具87,87間において、前記除草・耕耘回転体3の逆回転F2によって耕耘された部分6の長手中央線に沿って、畝溝107(図20)を形成する畝溝形成体109が設けられている。該畝溝形成体109は、本実施の形態においては、円錐板を腹合せした算盤玉状を呈し、その中心部に設けた挿通孔に前記後の回転軸30が挿通せしめられて該回転軸30に固設されており、回転軸線を含む面で切断された断面の、畝溝形成部分110となる対向面の外形が、先細化したV字状を呈するように(U字状を呈してもよい)形成されている。そして該畝溝形成体109が土に対しスリップ回転して、溝側面112を所要の傾斜面に練り上げ状態に締め固めて図20に示す所要の畝溝107を形成せしめるのである。なお本実施の形態においては、前記畝溝形成体109の外周縁の周方向に、例えば台形板状をなす食い込み突部113が連続して並設されているため、該食い込み突部113が土に切り入りながら畝溝形成体109の回転が行われることになる。従って、該畝溝形成体109が跳ねるのが確実に阻止され、畝溝107が安定的に形成されることになる。 【0040】次に、前記構成を有する多機能農作業機1の作用を説明する。前記多機能農作業機1が付設された牽引車(トラクタ)2を、雑草が生えた畑地や休耕田に導入して除草を行うには、前記レバー60の回動操作によって前記正逆駆動装置32を正回転動作させ、これにより前の回転軸26を正回転状態とし、前記除草・耕耘回転体3を正回転F1させる。その際、前記除草・耕耘回転具61の前記爪部62が例えば3〜5cm程度土に食い込む状態とする。これにより、前記牽引車2の進行に伴って、除草・耕耘回転体3が高速回転することによって、図12〜13に示すように、前記爪部62が土114に食い込んで草115の根部分116を掘り上げる草むしり取り作用が行われる。 【0041】本実施の形態においては、この草むしり取り作用が行われている間、前記砕土回転体5も、前記後の回転軸30の正回転に伴って正回転F1する。これに伴い図21に示すように、砕土具87の先端部分が土114に例えば3〜5cm程度食い込んだ状態で、二点鎖線で示す状態から一点鎖線で示す状態を経て実線で示す状態に矢印方向に正回転F1するため、この回転により、前記除草後にも草の根部分116が残っている場合は、これが砕土板89の先端部分89aで掘り上げられることになる。 【0042】その後、今度は前記前後の回転軸26,30を低速で回転させる。これに伴い、前記除草・耕耘回転具61の前記爪部62や前記砕土板89の先端部分89aが例えば3〜5cm程度土に食い込んだ状態で低速回転し、この状態で前記牽引車2を進行させると、除草された草の葉や茎、根を、除草・耕耘回転具61や砕土板89に絡みつかせて集めることができ、これにより、除草した部分を整地できる。 【0043】然る後、前記レバー60を逆方向に回動操作して前記正逆駆動装置32を逆回転動作させ、これにより前後の回転軸26,30を逆回転状態とし、図14、図16に示すように、前記爪部62及び前記砕土板89を、例えば13〜15cm程度土に食い込ませ、この状態で前記牽引車2を進行させると、前記除草・耕耘回転具61の高速逆回転によって、前記除草された部分6を荒起こしでき、続けて、該荒起こしされた土を、前記砕土具87の砕土板89が二点鎖線で示す状態から一点鎖線で示す状態を経て実線で示す状態に矢印方向に逆回転F2して細かく砕く。 【0044】ここで、前記除草・耕耘回転体3による荒起こし作用を説明する。図14に示すように、前の回転軸26の逆回転F2によって、前記耕耘補助部63の凸の円弧状をなす外周縁70が、前記逆回転方向で見た前側71から後端72に向けて土に徐々に切り込み(切り込まれた部分を図22〜23に符号117で示す)、前記爪部62は、図22〜23に示すように、該切り込みの外側部分の土を反転耕起(反転耕起された部分を図23に符号118で示す)させる。 【0045】除草・耕耘回転具61の前記正回転F1に伴う草むしり取り作用によって、図13に示すように、草の根部分の上側部分116は掘り上げられることになるが、草の根部分の下側の部分119は、図24に示すように、土に張った状態で残りやすい。そのため、もしも、草をむしり取って後に直ちに爪部62で土を反転耕起させんとするときは、土に張った状態で残っている草の根が土114を保持した状態にあるので、この根の土保持作用によって土の反転耕起が妨げられ、残耕が生じやすい。これに対して本発明では、土の反転耕起に先立って前記耕耘補助部63が土に切り込みを入れる。そしてこの切り込みは、前記耕耘補助部63が、凸の円弧状外周縁70を具えた垂直板部分として構成され、該外周縁70の後端72で前記爪部62が連設されているために、前記土の切り込みは、耕耘深さの略全体に亘って行われることになる。然してこの切り込みによって草の根部分(前記下側の部分119)を切断でき、反転耕起の際の根の土保持作用が効果的に断ち切られるため、該反転耕耘を抵抗少なく確実且つ効率的に行い得ることとなる。 【0046】前記のようにして除草と耕耘が行われるのであるが、これらの作業と並行して、前記溝掘り部9と溝仕上げ部11による排水溝96の形成が行われる。図17は、前記除草を行っている間における前記溝掘り部9a,9bによる浅溝120の形成状態を示すものであり、前記牽引車2の進行方向で見た左の溝掘り部9aの溝掘り回転体93aが時計回りに回転(F3)し、且つ牽引車2の進行方向で見た右の溝掘り部9bの溝掘り回転体93bが反時計回りに回転(F4)することによって、図17に矢印で示すように、前記除草された部分と反対側に土を撥ね上げる。従って、除草した草の上に土が被ることなく、除草後における整地を容易に行うことができるのである。 【0047】図18は、前記除草・耕耘回転体3が逆回転F2(図2)して耕耘作業を行っている時の状態を示すものであり、前記溝掘り回転体93a,93bが地面を深く削ることによって排水溝96を形成している。このとき、溝掘り回転体93a,93bは逆回転して、矢印F5,F6で示すように、土を前記整地された部分に撥ね上げることになる。これによって形成された排水溝96の内側の溝側面10は、図19に示すように、後の回転軸30の回転に伴う前記円錐回転体105の回転により、その円錐状の傾斜仕上面103が前記溝側面10に対してスリップ回転することにより、該溝側面10を所要の傾斜面に練り上げ状態に締め固めることができ、安定した溝側面10(図20)を形成できることになる。加えて、前記畝溝形成体109のスリップ回転によって、前記耕耘された部分の長手中央線に沿って、溝側面112,112の安定した畝溝107を形成できることになる。これによって図20に示すように、前記排水溝96と畝溝107との間に所要の畝120,120を形成できる。 【0048】なお前記左右の排水溝96,96の形成部位は、前記トラクタの左右の車輪74,74の走行部78,78に設定しているため、除草後における整地や耕耘を行う際、トラクタの車輪74を、前記溝掘り回転体93が形成した溝(前記浅溝120や排水溝96)に走行させて、畝を崩すことなく作業できる。 【0049】〔その他の実施の形態〕 (1) 本発明に係る多機能農作業機は、雑草があまり生えていない土地や、既に除草された土地に導入される場合は、前記除草部分12を省略して構成されることもある。即ち、かかる構成の多機能農作業機は、前記牽引車2の進行に伴い所定幅の耕耘を行う前記耕耘部13と、該耕耘部13の左右両側に設けられ、且つ耕耘された部分に沿って延長する排水溝96,96を形成するための左右の溝掘り部9,9と、該左右の排水溝96,96の、前記耕耘された部分に連なる溝側面10,10を所要の傾斜面に仕上げる左右の溝仕上げ部11,11とを具え、該溝仕上げ部11が、前記溝側面10に対しスリップ回転して該溝側面を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上げ面103を具えるものとして構成されることになる。 【0050】(2) 本発明に係る多機能農作業機を、除草部分12を具える如く構成する場合、該除草部分12は各種に構成され得る。特に該除草部分12を、前記除草・耕耘回転具61を具えるものとして構成するときは、該除草・耕耘回転具61は、前記のように2枚の板部67,67を前記回転本体65に具えるものに限られず、例えば十字状に板部を突出させる等、3枚以上の板部を具えるものとして構成されてもよい。又は、1枚の板部を前記回転本体65に具えるものとして構成されてもよい。 【0051】(3) 前記実施の形態においては、前記回転本体65に突設した板部67に、正回転時には除草を行う除草部分34となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分38となる爪部62とを設けているが、回転本体65に突設した複数の板部の一部のものに除草部分としての爪部のみを設け、残りの板部には耕耘部分としての爪部のみを設ける構成としてもよい。又前記耕耘補助部63を、除草部分12や爪部62と独立した状態で前記回転本体65に設けてもよい。つまり、除草・耕耘回転具全体として、除草部分と耕耘部分と耕耘補助部が設けられておればよいのであり、一つの板部にこれらの全てが設けられている必要はない。 【0052】(4) 前記実施の形態においては、除草・耕耘装置を構成するに当たり、前の回転軸26の六角軸部75を、除草・耕耘回転具61の六角形状の前記回転軸挿通孔66に挿通せしめて、該除草・耕耘回転具61を所要間隔を置いて、前記回転軸26の正逆回転方向に関して固定状態に設けているが、横断面が六角形状以外の四角形状や八角形状等をなす回転軸26を、除草・耕耘回転具61の、六角形状以外の四角形状や八角形状をなす前記回転軸挿通孔66に挿通せしめて、該除草・耕耘回転具61を所要間隔を置いて、前記回転軸26の正逆回転方向に関して固定状態に設けてもよい。 【0053】(5) 本発明に係る多機能農作業機が砕土回転体を具える場合、該砕土回転体は、従来のロータリーを用いて構成されてもよい。 【0054】(6) 前記溝仕上げ部11は、前記排水溝96の溝側面10に対しスリップ回転して該溝側面10を所要の傾斜面に締め固める傾斜仕上面103を具えるものであれば、その構成は問わない。図25〜27はその一例を示すものであり、図25は、傾斜仕上面103を有する円錐状回転体121を垂直軸線L1回りに回転させるものであり、図26は、傾斜仕上面103を有する円錐状回転体121を傾斜軸線L2回りに回転させるものであり、又図27は、傾斜仕上面103を有する傾斜回転板122を傾斜軸線L3回りに回転させるものである。又前記溝仕上げ部11は、図28に示すように、前記溝側面10と畝の上面123との角部分を傾斜角面124に仕上げて溝側面10の安定性を向上させ得るように、該傾斜角面124を形成する円錐状の角面形成体125を、前記円錐回転体105の頂部に設けてもよい。更には、溝仕上げ部の傾斜仕上面に、前記傾斜面の締め固めをより確実にするため、所要の突出部分を設ける構成としてもよい。 【0055】(7) 前記砕土回転体を構成する砕土具として、前記除草・耕耘回転具61と同様の構成のものを用いてもよい。 【0056】(8) 前記溝掘り部や溝仕上げ部は、前記前の回転軸や後の回転軸とは別個の回転軸に設けられることもある。 【0057】(9) 前記溝仕上げ部11を円錐回転体105を以って構成する場合、図29〜30に示すように、該円錐回転体45を、その円錐の軸線L4に対して偏心した回転軸線L5回りに回転させることもある。このように構成する場合は、前記円錐回転体105が土に対してスリップ現像を伴って偏心回転するため、前記排水溝96の溝側面10をより一層強く締め固めることができる。 【0058】(10)前記正逆駆動装置32において、クラッチ53を中央軸部41に、左右方向に摺動でき且つ回転方向には一体化するように設けるに際し、該回転方向の一体化は、前記実施の形態で示したもののように、中央軸部を六角軸として構成しこの六角軸にクラッチ53を係合状態で取り付けて行う手段の他、回転方向に回り止めされる各種手段で行うことができる。 【0059】 【発明の効果】本発明は以下の如き優れた効果を奏する。 (1) 本発明に係る多機能農作業機は、牽引車の進行に伴い所定幅の耕耘を行う耕耘部と、その両側に排水溝を形成する左右の溝掘り部と、該排水溝の側面を傾斜面に締め固める溝仕上げ部とを具えるため、耕耘に続けて左右の排水溝を形成でき、該排水溝間に畝を形成できる。そして該排水溝の溝側面は、前記溝仕上げ部のスリップ回転によって所要の傾斜面に締め固められるため、安定した排水溝を形成できることになる。従って、前記した従来装置におけるように、耕耘した部分の土を単に押し退けて排水溝を形成する場合とは異なり、崩れにくい排水溝を形成して、円滑な排水を確保できることとなる。かかることから本発明によるときは、排水溝の溝幅を従来のように必要以上に大きく設定する必要がなく、それだけ耕地面積の有効活用を図り得ることとなる。 【0060】(2) 本発明に係る多機能農作業機が、牽引車の進行に伴い除草する(爪部が土に食い込んで草の根部分を掘り上げる草むしり取り等)除草部を具えるときは、一台で除草も行い得る利点がある。 【0061】(3) 本発明に係る多機能農作業機が、正回転によって所定幅の除草を行うと共に逆回転によって所定幅の耕耘を行う除草・耕耘回転体を具えるときは、該除草・耕耘回転体の正逆回転の回転方向の選択によって、除草と耕耘の双方の作業を行うことができる利点がある。なお前記正回転による除草を、屈曲した前記爪部が土に食い込んで、前記回転本体の正回転に伴って草の根部分を掘り上げる草むしり取り作用を呈する如く行い得るように構成することにより、草が生えにくい確実な除草を行うことができる。 【0062】(4) 特に前記除草・耕耘回転体を、左右方向に延長する回転軸に所要間隔をおいて除草・耕耘回転具を設けたものとし、該除草・耕耘回転具が、正回転時には除草を行う除草部分となり、且つ逆回転時には耕耘を行う耕耘部分となる爪部と、該爪部の耕耘作業を補助する耕耘補助部とを、前記回転軸の回転に伴って回転する回転本体に具えた構成とし、前記爪部は、前記回転本体の側方に屈曲して土を反転耕起させるものとし、又該耕耘補助部を、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分として構成し、前記回転本体の回転に伴って、凸の円弧状をなす前記外周縁が、前記逆回転方向で見た前側から後端に向けて土に徐々に切り込むように構成し、更に前記爪部が前記切り込みの外側部分の土を反転耕起させるように構成したときは、除草後において根が土に張った状態にあるとき、前記耕耘補助部の切り込みによって草の根を切断できるため、草の根による土保持作用を効果的に断ち切って、土を効率的に反転耕起させ得ることになる。このように、耕耘補助部を有した除草・耕耘回転具を並設してなる除草・耕耘回転体を具えるものとして本発明の多機能農作業機を構成するときは、地下に残った草の根が障害となるのを防いで、確実な耕耘を、低馬力で効率的に行うことができるのである。土に張った雑草の根を直刀で切断する構成の前記従来装置によるときは、前後のロータリ軸を個別に回転させるために動力の消費が大きいばかりか、直刀が土を切開し始める際に該直刀が地面に叩き付けられる状態になって切開時の抵抗が大となる問題も加わって、装置全体としての動力消費が非常に大きい問題があったのであるが、耕耘補助部が、土に徐々に切り込む凸の円弧状外周縁を具える本発明は、このような従来の問題点を解決できる利点を有する。 【0063】(5) 又前記従来装置によるときは、直刀用とナタ爪用に前後2本のロータリ軸を必要として装置の大型化及び製造コストの上昇を招く問題があったのであるが、本発明に係る除草・耕耘回転具は、耕耘部分となる爪部と耕耘補助部とが回転本体に設けられているため、土に張った草の根を断ち切るのに一本の回転軸しか必要としない。加えて、正逆回転の回転方向の選択によって除草と耕耘の双方を行う構成であるため、除草用に別の回転軸を必要とするということもない。このように本発明によるときは、除草・耕耘装置をコンパクトに且つコスト低減を図って構成できる利点がある。 【0064】(6) 特に除草・耕耘回転具が、回転本体の周縁部分に、周方向に略180度の回度を置いて板部が突設されたものとし、一方の板部は、前記回転本体の左側方に屈曲する左の爪部を有し、又他方の板部は、回転本体の右側方に屈曲する右の爪部を有する如く構成したときは、外周縁が凸の円弧状をなす垂直板部分を具えた前記耕耘補助部を、スペース面での制約を受けることなく簡易に構成できる利点がある。 【0065】(7) 除草・耕耘回転具の全体を一体に構成した場合において、前記回転本体に設けた角形状の回転軸挿通孔に、横断面角形状をなす前記回転軸を挿通させることによって、前記除草・耕耘回転具を、回転軸に、その正逆回転方向に関して固定状態に設ける構成としたときは、除草・耕耘回転具の組み立てに際してボルト等の固定手段を一切用いず、しかも該除草・耕耘回転具を、回転軸の正逆回転方向に関して固定状態に設けるに際しても、ボルト等の固定手段を一切用いることなく、回転軸挿通孔と回転軸との係合のみによって、容易確実に固定状態とすることができる。従って、除草・耕耘装置の組立作業の能率化を達成できると共に、ボルトの緩み等によって固定状態が不安定化する恐れもなく、又、メンテナンスの容易化を図り得ることとなる。特に、回転軸挿通孔を六角形状孔とし且つ回転軸を横断面六角形状としたときは、前記除草・耕耘回転具を、前記回転軸にその軸線方向に所要間隔を置いて固定状態に設ける際、これを、60度や120度等の所定の角度分づつ取付け角度を正確に順次ずらして固定状態に設けることが容易である。 【0066】(8) 前記溝掘り部を、斜め下方に傾斜した軸線回りに強制回転せしめられる溝掘り回転体を具える如くなし、該溝掘り回転体が土を跳ね上げることによって前記排水溝を形成するように構成したときは、排水溝の形成を前記溝掘り回転体の回転によって抵抗少なく確実に行ない得ることになる。 【0067】(9) そして、本発明に係る多機能農作業機が、正逆回転し得る前記除草・耕耘回転体を具える場合、該除草・耕耘回転体が正回転して除草を行っている間は、前記溝掘り回転体が、形成される排水溝の、前記除草・耕耘回転体が除草した部分分と反対側に土を撥ね上げるように構成するときは、撥ね上げた土が除草された草に被らないために、除草後における草の始末を容易に行うことができる。 【0068】(10)前記牽引車がトラクタである場合、前記左右の排水溝の形成部位を、トラクタの左右車輪の走行部に設定したときは、形成された排水溝に車輪を走行させてトラクタを移動させることができるため、前記除草後における耕耘等を、形成された畝をなんら損傷することなく確実且つ容易に行い得る利点がある。 【0069】(11)本発明に係る多機能農作業機が、前記耕耘された部分にその長さ方向に延長する如く畝溝を形成するための畝溝形成体を有し、該畝溝形成体の畝溝形成部分となる対向面が土に対しスリップ回転するように構成したときは、前記スリップ回転によって締め固められた畝溝を同時的に形成できることになる。 【0070】(12)前記除草・耕耘回転体の後側に位置させて、該除草・耕耘回転体の逆回転によって耕耘された土を細かく砕く砕土回転体を設けるときは、除草・耕耘回転体によって耕耘された土を細かく砕く砕土作業を同時的に行うことができる。 【0071】(13)本発明に係る多機能農作業機が、除草・耕耘回転体と砕土回転体と溝掘り部と溝仕上げ部とを具える如く構成するときは、一台で、除草作業と整地作業と荒起こし作業と砕土作業と排水溝形成作業と畝立作業を一括して行うことが可能になり、一台で多彩な農作業を行うことができ、極めて実用性の高い農作業機を提供できることとなる。 【0072】(14)前記溝仕上げ部を、円錐回転体を有するものとして構成する場合、該円錐回転体の外周縁の周方向に、土への食い込み突部を周方向に並設するときは、該円錐回転体の回転が、該食い込み突部の土への食い込みを生じさせながら行われることになるため、該円錐回転体の回転を、それが跳ねるのを防いで安定的に行わせることができる。従って、溝側面を所要の傾斜面に締め固める作業を安定的に且つ確実に行うことができる。 【0073】(15)前記畝溝形成体を設ける場合、該畝溝形成体の外端周縁に、土への食い込み突部を周方向に並設するときは、該畝溝形成転体の回転が、該食い込み突部の土への食い込みを生じさせながら行われることになるため、該畝立溝形成体の回転を、それが跳ねるのを防いで安定的に行わせることができる。従って、畝溝の溝側面を所要の傾斜面に締め固める作業を安定的に且つ確実に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000250247 【氏名又は名称】来田農産株式会社 【識別番号】593088120 【氏名又は名称】武田 美津子
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| 【出願日】 |
平成11年7月9日(1999.7.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085246 【弁理士】 【氏名又は名称】岡本 清一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−16907(P2001−16907A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月23日(2001.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−195234 |
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