| 【発明の名称】 |
電磁波シールド窓構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】瀬上 広一
【氏名】富山 勝巳
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構成で効果的な光透過性の電磁波シールド窓構造を提供する。
【解決手段】ディープアパーチャ構造の導電性格子が、光透過性の板状体により挟持あるいは埋設支持されている。ディープアパーチャ構造の深さ寸法の開口寸法に対する比は1乃至10で、開口の断面形が多角形、円形であっても良く、更に中空の角柱状あるいは円柱状の格子素子を側壁を互いに接触させて並べて配置しても良い。導電性格子の格子素子の側壁は、導電性金属細線で編んだ編組体、導電性金属箔、光に対して半透過性の金属箔であっても良く、導電性結合材により電気的および機械的に接続している。導電性格子の格子素子の軸芯が、導電性格子の面に対して傾斜していても良い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディープアパーチャ構造の導電性格子と、上記導電性格子を支持し、光透過性の板状体とを備えた電磁波シールド窓構造。 【請求項2】 上記導電性格子の上記ディープアパーチャ構造の深さ寸法の開口寸法に対する比が、1乃至10である請求項1記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項3】 上記導電性格子が二枚の上記板状体の間に挟まれて支持された請求項1あるいは2記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項4】 上記導電性格子が上記板状体の内部に埋め込まれて支持された請求項1あるいは2記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項5】 上記導電性格子の開口の断面形が、多角形である請求項1乃至4のいずれか記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項6】 上記導電性格子の開口の断面形が、円形である請求項1ないし4のいずれか記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項7】 上記導電性格子が、両端が開いた中空の角柱状の多数の格子素子を側壁を互いに接触させて並べて配置したものである請求項1乃至5のいずれか記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項8】 上記導電性格子が、両端が開いた中空の円柱状の多数の格子素子を側壁を互いに接触させて並べて配置したものである請求項1乃至4および6のいずれか記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項9】 上記導電性格子の上記格子素子の上記側壁が、導電性金属細線で編んだ編組体である請求項7あるいは8記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項10】 上記導電性格子の上記格子素子の上記側壁が、導電性金属箔である請求項7あるいは8記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項11】 上記導電性格子の上記格子素子の上記側壁が、光に対して半透過性の金属箔である請求項10記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項12】 上記導電性格子の上記格子素子の上記側壁が、導電性結合材により互いに電気的および機械的に接続された請求項7乃至11のいずれか記載の電磁波シールド窓構造。 【請求項13】 上記導電性格子の上記格子素子の軸芯が、上記導電性格子の面に対して傾斜している請求項1乃至12のいずれか記載の電磁波シールド窓構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は電磁波シールド窓構造に関し、特に建物の窓部分に用いて光透過性と電磁波遮蔽性を両立させた電磁波シールド窓構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電磁波シールド窓構造は、例えば建物の窓部分に用いて建物内部に外光を取り入れる一方、建物内部から窓部分を通して電磁波が漏洩するのを防ぎ、特に電磁波放射による情報の漏洩を防ぐための技術である。従来の電磁波シールド窓構造は、例えば特開平6−350286号公報、特開平1−158799号公報に記載されているように、窓ガラスに光透過性の導電性薄膜コーティングを施しあるいはシートを貼り付けることにより、光透過性と電磁波遮蔽特性を兼ねさせていた。この構造では導電性薄膜シートの面抵抗のみにより電磁波の遮蔽を行っていることから充分な特性を得られないという短所があった。また、特開平4−141686号公報に記載されているように金網等による電磁波遮蔽においても充分な遮蔽特性を得るには面抵抗を低くする必要があるが、このためには網目を細かくする必要があり、光透過性と相反するものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従って、この発明の課題は上述のような従来装置の問題点を解消することであり、また光透過性を保ちつつ充分な電磁波遮蔽特性を確保できる電磁波シールド窓構造を得ることである。 【0004】 【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するために、請求項1記載の発明に係わる電磁波シールド窓構造は、ディープアパーチャ構造の導電性格子と、この導電性格子を支持し、光に対して透明な板状体とを備えたものである。 【0005】請求項2の発明によれば、導電性格子のディープアパーチャ構造の深さ寸法の開口寸法に対する比は、1乃至10である。 【0006】請求項3の発明によれば、導電性格子が二枚の板状体の間に挟まれて支持されたものである。 【0007】請求項4の電磁波シールド窓構造に於いては、導電性格子が板状体の内部に埋め込まれて支持されている。 【0008】請求項5の電磁波シールド窓構造に於いては、導電性格子の開口の断面形が多角形である。 【0009】請求項6の電磁波シールド窓構造に於いては、導電性格子の開口の断面形が円形である。 【0010】請求項7の電磁波シールド窓構造によれば、導電性格子が、両端が開いた中空の角柱状の多数の格子素子を側壁を互いに接触させて並べて配置したものである。 【0011】請求項8の電磁波シールド窓構造によれば、導電性格子が、両端が開いた中空の円柱状の多数の格子素子を側壁を互いに接触させて並べて配置したものである。 【0012】請求項9の電磁波シールド窓構造によれば、導電性格子の格子素子の側壁が、導電性金属細線で編んだ編組体である。 【0013】請求項10の電磁波シールド窓構造によれば、導電性格子の格子素子の側壁が、導電性金属箔である。 【0014】請求項11の電磁波シールド窓構造によれば、導電性格子の格子素子の側壁が、光に対して半透過性の金属箔である。 【0015】請求項12の電磁波シールド窓構造によれば、導電性格子の格子素子の側壁が、導電性結合材により互いに電気的および機械的に接続されたものである。 【0016】請求項13の電磁波シールド窓構造によれば、導電性格子の格子素子の軸芯が、導電性格子の面に対して傾斜している。 【0017】 【発明の実施の形態】実施の形態1.図1には本発明の電磁波シールド窓構造の一実施形態を部分的に破断した斜視図で示してある。この図に於いて、電磁波シールド窓構造は、ディープアパーチャ構造の導電性格子1と、この導電性格子1を間に挟んで支持し、光に対して透明な2枚の板状体2とを備えている。 【0018】導電性格子1のディープアパーチャ構造とは、それぞれ開口寸法aと深さ寸法dとを持つ多数の格子素子を開口を並べて格子状にした構造である。開口寸法aは開口の差し渡しを表す寸法で、図1の如く開口断面が正方形の場合にはその一辺の長さであり、開口断面が円形の場合にはその直径である。深さ寸法dは開口の深さ即ち図1の如き格子板の場合にはその厚さである。開口寸法aおよび深さ寸法dは、使用される電磁波の波長にもよるが、一例を挙げれば開口寸法aが1cmで深さ寸法dが1cmである。これらの寸法の関係は深さ寸法dの開口寸法aに対する比が、1乃至10の範囲内にあるのが望ましく、この比が小さすぎると電磁波遮蔽が不十分であり、大きすぎると窓厚が厚くなり過ぎ、かつ光透過性も不良となってしまう。開口の断面形状は長方形、六角形等の多角形、円形等でよく、それらを何種類か組み合わせることもできる。 【0019】導電性格子1はアルミニウム等の金属製であり、開口を大きくするためにそのディープアパーチャ構造の導波部分である開口側壁ができるだけ薄いのが望ましく、金属箔であると良いが、更に薄く光に対して半透過性であるのが望ましい。また、プラスチック等の透明の材料の表面に金属蒸気を蒸着等により半透明に付着させて導電性を持たせたものでも良い。 【0020】電磁波シールド窓構造はまた、上述のような導電性格子1を間に挟んで支持する2枚の光透過性の板状体2を備えている。図示の例では2枚の板状体2は同一のもので、ガラスあるいは透明な樹脂でできている。板状体2は導電性格子1を間に挟んだ状態で周縁部が接着剤とフレーム部材3等の固着手段により互いに固着され、電磁波シールド窓構造としての一体的なパネルを構成すると共に必要な機械的強度を与えている。板状体2の固着手段として、板状体2の周縁部を互いに溶着させることもできる。 【0021】実施の形態2.図2に示す電磁波シールド窓構造は、ディープアパーチャ構造の導電性格子1が、透明な板状体4の内部に埋め込まれて支持されている。その他の構成は図1に示す実施形態と同じである。 【0022】実施の形態3.図3には本発明の電磁波シールド窓構造に用いることのできる別の導電性格子6を示す。この導電性格子6は各々正方形の開口7と4枚の平面状の側壁8とを持つ多数の中空の四角柱状の管状の格子素子9を、その側壁8を互いに接触させて並べて配置し、側壁8を例えば導電性接着剤により導電性を保持できるように互いに固着して板状の格子を形成したものである。この管状の格子素子9も断面形は様々な多角形にすることができる。 【0023】実施の形態4.図4に示す導電性格子10は、各々円形の開口11と円筒面状の側壁12とを持つ多数の中空の円柱状の管状の格子素子13を、その側壁12を互いに接触させて並べて配置し、側壁12を互いに導電性を保持できるよう固着して板状の格子を構成したものである。 【0024】図3及び図4に示す実施形態の導電性格子6および10の場合も、図1に示すように二枚の板状体2の間に挟むこともできるし、図2に示すように一枚の板状体2の内部に埋設することもできる。 【0025】実施の形態5.図5には図2に示すものと同様のガラスの板状体に半透明金属薄膜によるディープアパーチャ構造の層を埋め込んだ構造の電磁波シールド窓構造の概略断面図を示す。この電磁波シールド窓構造は、透明な板状の板状体4に半透明な金属薄膜から成るディープアパーチャ構造を導電性を保つように隣接させて構成した層、導電性格子5から構成されている。この図からは各ディープアパーチャ構造内に板状体の材料が入り込んでいるのが良く分かる。 【0026】実施の形態6.図6に同じく本発明の実施例の板状体4内部に導電性格子6を埋め込んだ電磁波シールド窓構造の概略平面図を示す。この場合は、個々のディープアパーチャの形状を図3に示す如き角柱状のもので構成した導電性格子6を用いている例である。 【0027】実施の形態7.図7に同じく本発明の別の実施例の電磁波シールド窓構造の概略平面図を示す。この場合は板状体4内部に埋設された導電性格子10の個々のディープアパーチャの形状を図4に示す如き円柱状のもので構成している例である。 【0028】図8はこれらのディープアパーチャ構造による電磁波の導波作用を示しており、ディープアパーチャを通過する電磁波は図8の式(1)によって表されるような伝搬特性を有する。この式から分かるように、周波数fc(遮断周波数)以下では伝搬定数が実数となり、ディープアパーチャの深さ寸法dにより電磁波強度は減衰して行く。また、遮断周波数以上では伝搬定数が虚数となり、電磁波は減衰なく透過して行く。この作用により、ディープアパーチャの開口寸法aと深さ寸法dとを適切に設定することにより、所望の周波数以下では充分な遮断特性を得ることができるようになる。光については、ディープアパーチャを構成する材質として例えば半透明の金属箔や透明シートに金属を薄く塗布した材質を選ぶことにより、導電性格子自体にも光透過性を確保することができる。 【0029】実施の形態8.図9に本発明の電磁波シールド窓構造の別の実施形態を示す。図に於いて、2枚の透明な板状ガラスの板状体2の間に光透過性あるいは半透過性を確保したディープアパーチャ構造の層状の導電性格子15を挟み込むことにより、光については透過性を保ち、電磁波についてはディープアパーチャの寸法で決まる遮断周波数以下に於いて遮断特性を持つようにすることができる。この実施態様は導電性格子15が2枚の板状体2の間に挟持されていて、ディープアパーチャ内には板状体の材質が入り込んでおらずに空間16が形成されている点で図1に示す実施態様と同様のものである。 【0030】実施の形態9.図10に本発明の電磁波シールド窓構造のディープアパーチャを持つ導電性格子20の別の実施形態を示す。図に於いて開口を構成する金属細線17によりディープアパーチャの表面と裏面および深さ方向の外殻を角柱状に構成し、さらにディープアパーチャの導波路壁の部分を金属細線18により開口よりも小さな面積の網目になるように縦横に網目状に織り込んだ編組体19を作り、光については透過性を確保すると共に、電磁波については導波路構造を持たせ、遮断周波数以下での遮断特性を持たせるようにした。各金属細線17および18間の結合は、導電性を保持できるように導電性ペーストあるいは半田等の結合剤によるものとする。 【0031】実施の形態10.図11に本発明の電磁波シールド窓構造を構成するディープアパーチャ構造を持つ導電性格子22の別の実施形態を示す。図に於いて、開口を構成する環状の金属細線23によりディープアパーチャの表面と裏面および深さ方向の外殻を円柱状に構成し、さらにディープアパーチャの導波路壁の部分を金属細線24により開口よりも小さな面積の網目になるように縦横で織り込んで編組体を形成することにより、光透過性を確保し、かつ電磁波については導波路構造を持たせ、遮断周波数以下での遮断特性を持たせるようにした。 【0032】実施の形態11.図12に本発明の電磁波シールド窓構造を構成するディープアパーチャの導電性格子26の別の実施形態を示す。図に於いて、開口を構成する金属細線27によりディープアパーチャの表面と裏面および深さ方向の外殻を円柱状に構成し、金属細線27により構成した縦線のまわりに同じく金属細線28により螺旋状に横線を巻き付けて編組体を構成することにより、光透過性を確保し、かつ電磁波については導波路構造を持たせ、遮断周波数以下での遮断特性を持たせるようにした。このように金属細線28を螺旋状に巻き付ける構成は、ディープアパーチャを角柱状に構成した場合でも同様に適用できる。 【0033】実施の形態12.図13は本発明の電磁波シールド窓構造の別の実施の形態の導電性格子30の概略断面図である。導電性格子30によって形成されるディープアパーチャの導波路管壁31が板状の導電性格子30の平面に対して傾いている。即ち、導電性格子30の格子素子の軸芯32が、板状の導電性格子30の面に対して傾斜していても良い。このようにディープアパーチャの導波路方向を開口面に対して傾きを持たせた場合には、電磁波シールド窓構造に対してほぼ垂直方向に入射してくる電磁波に対してより大きな遮蔽効果が得られる。図13中の矢印は導電性格子30内の電磁波の伝搬方向を示す。 【0034】 【発明の効果】以上のように本発明による電磁波シールド窓構造によれば、ディープアパーチャ構造の導電性格子と、導電性格子を支持する光に対して透明な板状体とを備えているので、光については透過性あるいは半透過性を持たせ、電磁波についてはある周波数以下の遮断領域に於いては充分な遮断量を確保することができ、建物の窓等に使用した場合に採光性を妨げずかつ建物内部からの電磁波の漏洩を防止することができる。導電性格子のディープアパーチャ構造の深さ寸法の開口寸法に対する比は1乃至10であるのが望ましい。 【0035】導電性格子は、二枚の板状体の間に挟まれてあるいは板状体の内部に埋め込まれて支持されたものであっても良く、また開口の断面形が多角形、円形であっても良く、更に両端が開いた中空の角柱状の多数の格子素子を側壁を互いに接触させて並べて配置したものあっても、両端が開いた中空の円柱状の多数の格子素子を側壁を互いに接触させて並べて配置したものであっても良い。 【0036】導電性格子の格子素子の側壁は、導電性金属細線で編んだ編組体、導電性金属箔、光に対して半透過性の金属箔であっても良い。また、導電性格子の格子素子の側壁が、導電性結合材により互いに電気的および機械的に接続されたものとする。なおまた、導電性格子の格子素子の軸芯が、導電性格子の面に対して傾斜していても良い。 【0037】本発明のこれらの望ましい実施形態によれば、光透過性を維持したまま、簡単な構成により必要な電磁波遮蔽性能が得られ、また製造が容易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月9日(1999.6.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100057874 【弁理士】 【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−353896(P2000−353896A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−162741 |
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