| 【発明の名称】 |
多層配線板の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川▲崎▼ 登軌雄
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| 【要約】 |
【課題】少ない工程で抵抗インクや導体インクのニジミを抑制し、精度の高い抵抗値を有する厚膜抵抗体を内蔵した多層配線板を製造すること。
【解決手段】所望の長さと幅を有する抵抗体82を備えた下層配線板の上に上層配線板を積層した多層配線板の製造方法であって、絶縁基板81上に2つの分離した絶縁体層85を形成し、前記2つの絶縁体層間を充たすように抵抗体インクを塗布して幅が前記2つの絶縁体層によって規制される抵抗体を形成し、電極層83を抵抗体の長さ方向の両端部にそれぞれ積層することによって下層配線板を形成し、形成された下層配線板上に上層配線板を重ねて焼成する工程からなる多層配線板の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所望の長さと幅を有する抵抗体を備えた下層配線板の上に上層配線板を積層した多層配線板の製造方法であって、絶縁基板上に2つの分離した絶縁体層を形成し、前記2つの絶縁体層間を充たすように抵抗体インクを塗布して幅が前記2つの絶縁体層によって規制される抵抗体を形成し、抵抗体の長さ方向の両端部にそれぞれ電極層を積層することによって下層配線板を形成し、形成された下層配線板上に上層配線板を重ねて焼成する工程からなる多層配線板の製造方法。 【請求項2】 絶縁体層は塗布される抵抗体インクの層よりも厚さが大きい請求項1記載の多層配線板の製造方法。 【請求項3】 絶縁体層は塗布される抵抗体インクの層よりも厚さが5〜10μmだけ大きい請求項1記載の多層配線板の製造方法。 【請求項4】 絶縁体層の材料が、絶縁基板を構成する材料と同じ材料を含む請求項1記載の多層配線板の製造方法。 【請求項5】 絶縁体層が絶縁インクを絶縁基板上に印刷することにより形成される請求項1記載の多層配線板の製造方法。 【請求項6】 絶縁体層が予め成形された絶縁体を絶縁基板上に付設することにより形成される請求項1記載の多層配線板の製造方法。 【請求項7】 成形された絶縁体がアルミナからなる請求項6記載の多層配線板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は多層配線板の製造方法に関し、特に、厚膜抵抗体を内蔵する多層配線板の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、厚膜抵抗体を内蔵する多層配線板について、図3に示すように製造する方法が知られている。つまり、図3(a)のように絶縁基板81の上に、抵抗体インクの厚膜82をスクリーン印刷により形成した後、同図(b),(c)に示すように電極用の導体インクを抵抗体インクの厚膜82に重ねて印刷し、その後、同図(d)のように基板81の上に上層基板81aを重ねて焼成するようにしている。 【0003】しかしながら、この場合、(1)図3(a)において抵抗体インクの印刷ニジミが発生する。 (2)図3(b),(c)のように抵抗体インクの厚膜82の上に導体インク83を重ね印刷すると、厚膜82の段差(10〜30μm)が障害になってそのエッジ部でスクリーンの押さえが十分働かず導体インク83の印刷ニジミが発生する。 【0004】ところで、抵抗体は印刷パターンの実効的な幅Wと長さLの比率(アスペクト比、W/L)で抵抗値が決定されるため、抵抗体インクおよび導体インクのいずれかが印刷ニジミを生じた場合、抵抗体のアスペクト比、つまり抵抗値を正確に決定とすることが困難になる。 【0005】また、基板の最外層に抵抗体を形成する場合には、一般的に基板の焼成後、抵抗値を測定しながらトリミングによって抵抗体の一部を除去し、抵抗値を調整する方法が採られているが、基板内部に抵抗体を内蔵する場合には、焼成前に積層によって内部に埋め込まれるため、トリミングによる抵抗値の調整ができない。また、積層前の状態では基板を焼成させていないため、この時点で抵抗値を調整する方法はない。従って、内蔵抵抗体の抵抗値のバラツキは30%程度と非常に大きく、抵抗値精度が悪い。 【0006】これに対し、基板上に予め絶縁層,導体層,電極層およびアンダーコート層などをスクリーン印刷や化学銅メッキにより積層し、その後に抵抗体を印刷することにより、抵抗体インクの印刷時のニジミを少なくする方法が知られている(例えば、特開平7−307542参照)。しかし、この方法は工程が多く手順が複雑であるため、製造効率および歩留りが低いという問題がある。 【0007】この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、簡単な少ない工程で抵抗体インクや導体インクのニジミを抑制し、高精度の抵抗体を内蔵する多層配線板の製造方法を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明は、所望の長さと幅を有する抵抗体を備えた下層配線板の上に上層配線板を積層した多層配線板の製造方法であって、絶縁基板上に2つの分離した絶縁体層を形成し、前記2つの絶縁体層間を充たすように抵抗体インクを塗布して幅が前記2つの絶縁体層によって規制される抵抗体を形成し、抵抗体の長さ方向の両端部にそれぞれ電極層を積層することによって下層配線板を形成し、形成された下層配線板上に上層配線板を重ねて焼成する工程からなる多層配線板の製造方法を提供するものである。 【0009】 【発明の実施の形態】この発明における絶縁基板には、例えば絶縁性セラミックの粉末と結晶化ガラスの粉末に樹脂や溶剤を混合し、スラリーとなったものをシート状に成形したもので常温で可焼性および低粘着性を有する厚さ100〜300μm,幅70〜800mmの生状の基板(一般にグリーンテープと呼ばれる)を所望の面積に裁断して用いられるが、その他にアルミナ、ステアタイト又はベリリア製基板、場合によってはエポキシ製基板を用いることができる。絶縁基板上に形成される絶縁層は、例えばグリーンテープに含まれる成分(絶縁性セラミックの粉末と結晶化ガラスの粉末)を溶剤で溶かしたインクをスクリーン印刷することによって形成できる。 【0010】また、この絶縁層は基板焼成温度(約700〜1000℃)に耐える絶縁材料で所定寸法に成形された成型品、例えば幅1mm,長さ1mm,厚さ15〜20μmに成形されたアルミナ製チップを適当な治具(例えばXYマルチマウンタ)を用いて絶縁基板上に付設するようにしてもよい。 【0011】また、抵抗体インクには、例えば、酸化リテニウム粉末,ガラス粉末,および溶剤からなるインクを使用することができる。抵抗体インクは、例えばスクリーン印刷法により絶縁基板上の2つの絶縁層の間を充たすように塗布されて抵抗体が形成される。従って、抵抗体の幅が2つの絶縁層により規制されるので幅方向の印刷ニジミが防止され、抵抗体の実効幅、つまりアスペクト比のWが精度よく設定される。 【0012】なお、絶縁層は抵抗体インクの幅を精度よく規制するためには抵抗体インクの塗布(印刷)厚さより5〜10μm厚いことが好ましい。また形成される抵抗体の寸法は、例えば幅が0.5mm,長さが0.5〜1.5mm,厚さが10〜20μmである。 【0013】電極層は抵抗体の長さ方向の両端部にそれぞれ両側の絶縁層にわたるように積層される。従って、電極層が導体インクの印刷により形成されても、電極層の抵抗体上のエッジ部においてスクリーン押さえが十分働くので、導体インクのニジミが防止され、抵抗体の実効長さ、つまりアスペクト比のLが精度よく設定される。 【0014】なお、導体インクは例えばAg粉末,Pd粉末,ガラス粉末,および溶剤などで構成され、この場合、焼成後はガラスAg,Pd0が結合した導体となる。また、形成される電極層の寸法は、例えば、長さおよび幅1〜2mm,厚さ10〜20μmである。この発明によれば、多層配線板に内蔵される抵抗体のアスペクト比(W/L)が上記のように精度よく設定されるので、その抵抗体の抵抗値の精度が向上する。 【0015】実施例以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明が現定されるものではない。図1は、この発明の実施例を示す工程図である。先ず、図1(a)に示すように厚さ200μmの絶縁基板(グリーンテープ)81上に2つの帯状の絶縁体層85,85a(長さ1.5mm,幅0.4mm,厚さ20μm)を0.5mmの間隔で平行に形成する。絶縁体層は絶縁体インクを用いてスクリーン印刷にて形成する。絶縁体インクの成分は,絶縁性セラミック粉末,結晶化ガラス粉末および溶剤である。絶縁体インクの印刷後、基板81を約2時間自然乾燥させる。 【0016】次に、図1(b)に示すように、絶縁体層85,85aの間を充填するように抵抗体インクをスクリーン印刷して厚さ15μmの抵抗体82を形成する。ここで抵抗体82よりも絶縁体層85,85aの方が厚さが図2に示すようにΔT=5μmだけ大きいので、抵抗体インクはその幅が絶縁体層85,85aにより十分に規制されニジミやダレを生じることがない。なお、この工程において、抵抗体インクの印刷後、約2時間、自然乾燥させる。 【0017】次に、図1(c),(d)に示すように、抵抗体層82の両端部にはそれぞれ電極層83,83aが絶縁体層85,85aにわたって形成される。電極層83,83aは導体インクをスクリーン印刷することによって形成されるが、絶縁体層85,85aが抵抗体82の両側に存在するため、印刷時に抵抗体82上においてスクリーンの押さえが十分に作用し導体インクの抵抗体82上におけるニジミの発生が防止される。従って、電極層83,83aは抵抗体82の実質的に抵抗として作用する長さLを精度よく規制することができる。 【0018】ここで、導体インクは、Ag粉末(粒経0.5μm以下)45重量%,Pd粉末(粒経0.5以下)20重量%、ガラス粉末(粒経0.5以下)5%,樹脂バインダ15重量%,および溶剤15重量%で構成される。形成された電極層83,83aの面積は、1.0mm×1.0mm,厚さは15μmである。この工程においても、導体インクの印刷後、約2時間、自然乾燥させる。 【0019】次に、図1(e)に示すように、抵抗体層82および電極層83,83aを有する基板81の上に、上層配線基板81aを重ね合わせ、焼成炉で850℃で約1時間焼成する。以上の工程により厚膜抵抗体を内蔵する多層配線板が完成する。 【0020】なお、この実施例では1枚の絶縁基板81上に1つの抵抗体(厚膜抵抗体)を形成する場合を示したが、同じ手順によって1枚の絶縁基板81上に複数の抵抗体層を同時に形成することができる。 【0021】このようにして形成した抵抗体の抵抗値のバラツキ(公差)は±5〜±15%の範囲に納まり、図3の方法で形成した抵抗体の抵抗値のバラツキ(±30%)を大きく改善できることが、確認された。 【0022】 【発明の効果】抵抗体インクおよび導体インクの印刷ニジミが防止されて抵抗体のアスペクト比(実効的な幅と長さの比)が精度よく規制されるので、高精度の抵抗値を有する抵抗体を内蔵した多層配線板の製造が可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月10日(1999.6.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065248 【弁理士】 【氏名又は名称】野河 信太郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−353876(P2000−353876A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−163877 |
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