| 【発明の名称】 |
電子部品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川本 英司
【氏名】三浦 和裕
【氏名】葉山 雅昭
【氏名】▲高▼瀬 喜久
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、凹版転写印刷を用いた電子部品の製造方法に関するもので、印刷歩留りの向上を目的とするものである。
【解決手段】本発明は、凹版1の表面に化学吸着により第1離型層2を形成し、その上に第2離型層3を物理吸着により形成する2重離型層構造とすることで、常に安定した離型性を凹版1に持たせることができるため、印刷歩留りを向上することができる。また、第2離型層3は必要に応じて追加補充が可能であるので、繰り返し印刷する場合においても印刷歩留りを低下させることがない。更に、2重離型層構造であるため凹版1の離型性の耐久性を向上することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹版を用いて導電性材料を基板上へ転写して導電パターンを形成する凹版印刷を用いた電子部品の製造方法であって、前記凹版の表面に第1離型層を形成し、前記第1離型層上に第2離型層を形成した2重離型層構造を有する凹版を用いることを特徴とする電子部品の製造方法。 【請求項2】 前記第1離型層は前記凹版の表面と化学反応を伴って前記凹版表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。 【請求項3】 前記第2離型層は前記第1離型層に物理吸着していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子部品の製造方法。 【請求項4】 前記凹版を前記第1離型層の処理溶液及び前記第2離型層の処理溶液にそれぞれ浸漬して前記凹版表面に前記第1離型層及び前記第2離型層を形成し、前記第1離型層及び前記第2離型層の少なくとも一方は浸漬処理する際に超音波振動を与えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。 【請求項5】 前記第2離型層は少なくとも1回以上の前記凹版の使用間隔で前記凹版表面に再形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に用いる電子部品の製造方法に関し、特に凹版印刷によって製造される電子部品の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、電子部品の小型化が進んでおり、それに伴って電子機器内で使用される電子部品の小型化が進んでいる。このような状況下で、電子部品の導電パターンに対しても、パターンを構成する導電ライン(以下、単にラインと称する)の微細化、ライン抵抗を下げることを目的とした導電パターンを構成する導電膜の厚さの増加、更に小型化のための積層構造化が要求されている。 【0003】この要求に対しては、例えば特開平7−169635号公報に開示されているような、可とう性フィルムに微細な配線パターンを加工したフィルム状凹版を用いた凹版印刷方法が提案されている。 【0004】この印刷方法においては、通常の凹版印刷では印刷時に、凹版内に導電ペーストが残る印刷不良が発生しやすいので、効率よく基板上に被転写物である導電ペーストを転写するために、凹版表面にフッ素系の離型剤からなる離型層を形成して、凹版内の導電ペーストを凹版と離れやすくさせ、印刷不良を改善することができるという特徴を持つ。 【0005】離型層の材料及び形成方法としては、特開平4−246594号公報や特開平4−332694号公報に開示されており、図5に示されるようにフッ素系シラン基を有する離型剤22を用い、凹版21をその離型剤を溶解した溶液中に浸漬して凹版表面に離型層を形成するというものである。なお図中の30は容器、40は気泡である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような凹版印刷方法は、凹版表面の離型層が印刷を繰り返す毎に剥がれてしまい、離型性が劣化するという離型層の耐久性に問題を有していた。また、印刷すべきパターンが微細化していくと当然凹版に加工している溝も微細パターンとなるため、凹版表面の離型層形成の処理方法として行われている浸漬処理方法では、凹版の溝内部に気泡を吸着したまま浸漬され、ただ浸漬するだけでは、浸漬時間を延長しても溝部に吸着している気泡を取り除くことはできず、そのため気泡が溝の内壁と離型剤の接触を阻害して表面に離型層を形成することができず、凹版全体に均一な離型層を形成することができないという問題点を有していた。そのため、効率よく凹版から基板へ導電ペーストを転写することができず、配線パターンの断線やパターンの変形等の不良が発生しやすくなっていた。 【0007】本発明は上記課題を解決するためのものであり、繰り返し印刷しても劣化の起こらない凹版の離型性を実現するとともに、凹版表面、特に微細加工された溝部の内壁に均一な離型層を形成することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、凹版表面に2重離型層を形成するもので、凹版上に直接形成する第1離型層は凹版の基材と化学吸着を行い、第1離型層上に形成する第2離型層は物理吸着している。また、凹版に離型層を形成する際の凹版の処理方法に、超音波振動を用いるものである。 【0009】この方法により、従来繰り返し同一凹版を用いて印刷する場合、離型層の劣化によって起こっていた印刷不良に対して、第2離型層が第1離型層上に物理吸着しているため、印刷毎に導電ペーストは第2離型層と導電ペーストの界面、もしくは第1離型層と第2離型層の界面で凹版から剥がれ確実に印刷することができる。しかもこの時、第2離型層は第1離型層の保護層にもなっているので、第1離型層が印刷毎に劣化することを防ぐことができる。また、第2離型層は物理吸着しているだけであるので、必要に応じて印刷前に追加補充することができる。更に第1離型層が不均一に形成されている場合でも、第2離型層が補って凹版の離型性を常に一定に保つことができる。反対に、第2離型層が不均一に形成されている場合でも、第1離型層が形成されているため凹版の離型性を常に一定に保つことができる。また、凹版表面へ離型層を形成するための処理方法として、離型剤を含む溶液中へ凹版を浸漬して反応させる際に、超音波振動を与えることで凹版の溝部分に入り込んでいる気泡を除去することができるので、確実に離型剤が凹版と反応することができ、凹版表面に均一な離型層を形成することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、凹版を用いて導電性材料を基板上へ転写して導電パターンを形成する凹版印刷を用いた電子部品の製造方法であって、前記凹版の表面に第1離型層を形成し、前記第1離型層上に第2離型層を形成した2重離型層構造を有する凹版を用いることを特徴とする電子部品の製造方法としたものであり、第2離型層が第1離型層を保護して第1離型層の劣化を防ぐことができる。そして離型層の劣化が起こらないため、凹版の耐久性を向上することができ、常に安定した離型性を確保することができるという作用を有する。そのため、転写時に被転写物である導電ペーストが凹版内に残らず、確実に基板側へ転写することができる。 【0011】本発明の請求項2に記載の発明は、前記第1離型層は前記凹版の表面と化学反応を伴って前記凹版表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法としたものであり、第1離型層を凹版と化学吸着させることで、2重離型層構造とする際に、後に形成する第2離型層と混ざり合うことなく、第1離型層を独立して凹版表面に形成することができるという作用を有する。 【0012】本発明の請求項3に記載の発明は、前記第2離型層は前記第1離型層に物理吸着していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子部品の製造方法としたものであり、第2離型層が第1離型層上に物理吸着していることで、第1離型層と第2離型層が混ざり合うことがなく、各々が独立した2重離型層構造を実現することができる。しかも、第2離型層は物理吸着しているだけであるので必要に応じて補充することが可能である。更に、第2離型層が第1離型層の保護層として働くため、第1離型層の劣化を防止でき、離型性の耐久性を向上させることができるという作用を有する。 【0013】本発明の請求項4に記載の発明は、前記凹版を前記第1離型層の処理溶液及び前記第2離型層の処理溶液にそれぞれ浸漬して前記凹版表面に前記第1離型層及び前記第2離型層を形成し、前記第1離型層及び前記第2離型層の少なくとも一方は浸漬処理する際に超音波振動を与えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品の製造方法としたものであり、凹版を処理溶液に浸漬する際に溝部に入り吸着している気泡を、簡単かつ完全に除去できるので、凹版表面に均一な離型層を形成することができるという作用を有する。 【0014】本発明の請求項5に記載の発明は、前記第2離型層は少なくとも1回以上の前記凹版の使用間隔で前記凹版表面に再形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品の製造方法としたものであり、凹版の表面に常に安定した離型性を確保することができるという作用を有する。 【0015】以下、本発明の一実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。 【0016】図1は本実施の形態の凹版の断面図を示しており、凹版1の表面に第1離型層2と、第1離型層2上に第2離型層3が形成されている。 【0017】次に、図2は凹版1の表面処理工程を示している。まず厚さ125μmの可とう性樹脂基材であるポリイミドフィルム4にエキシマレーザ装置(図示せず)を用いて紫外線領域の波長248nmのレーザビームを照射して所望の配線パターン11に対応する溝5を形成する。本実施の形態においては、配線パターン11に対応する部分の溝5の幅を25μm、深さを30μmとした。可とう性樹脂基材としては、エキシマレーザによる加工の場合は、光化学反応で分解される材料であれば何でも可能であるが、他にポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルイミド(PEI)なども使用できる。 【0018】ここで、凹版1の材料として使用しているポリイミドフィルム4では溝5の中に充填されて転写される導電ペースト6とポリイミドフィルム4との離型性が十分でない。そのため、転写工程において溝5の内部に導電ペースト6が残存しやすい。そこで、凹版1の表面、特に溝5の内壁に離型層7を形成する。離型層7の形成方法としては、溝5を加工した凹版1の表面をアセトン等の有機溶剤で洗浄した後、O2プラズマアッシングで表面処理を行う。 【0019】次に、第1離型層2となるパーフルオロアルキル基を含むシラン化合物から成る第1離型剤2aを溶解した、例えばシクロヘキサン等の非水系有機溶剤に凹版1を浸漬する。第1離型剤2aには凹版1と反応させるために、クロロシリル基等の加水分解しやすい官能基を持つものを選択しておく。この第1離型剤2a中のクロロシリル基は水の存在により瞬時に加水分解して脱塩化水素反応を行うため、この性質を利用して、凹版1の表面にある水酸基と反応させて第1離型剤2aを化学吸着させることができる。 【0020】そして、できるだけ多くの第1離型剤2aを吸着させるためには、より多くの水酸基が必要であるので、予め凹版1の表面をO2プラズマアッシングで強制的に酸化させて凹版1の表面の水酸基の量を多くしている。また、クロロシリル基は空気中の水分に対しても簡単に加水分解を行うため、第1離型層2の処理方法は窒素または不活性気体中で行い、空気を完全に遮断する必要がある。この方法によって、凹版1の表面に第1離型層2を効率よく形成することができる。 【0021】次に第2離型層3を形成するために、他の官能基と反応することがないような、例えばフッ素化シリコーン等の安定した第2離型剤3aを溶解した非水系有機溶剤へ、第1離型層2を表面に形成した凹版1を浸漬する。この第2離型層3は化学反応を伴わず、第1離型層2上へ物理吸着しているだけである。しかも処理方法としては、浸漬処理した後、第2離型剤3aを溶解した有機溶剤から引き上げて自然乾燥または乾燥機による乾燥を行うだけでよく、この乾燥で有機溶剤のみが蒸発して凹版1の表面には第2離型剤3aだけが残り、その結果、第1離型層2上に物理吸着した第2離型層3を効率よく形成することができる。 【0022】また、第1離型層2及び第2離型層3はそれぞれ浸漬処理によって形成されるのであるが、溝5のサイズが微細化されるにつれて、浸漬時にその溝5内部に気泡が吸着しやすくなり、気泡が各離型剤2a,3aとの反応を阻害して凹版1の表面に第1離型層2及び第2離型層3を形成することが困難になるが、この問題に対して、図3に示すように、浸漬時に超音波振動を与えると簡単に気泡を除去することができる。そもそも、気泡は凹版1の表面に物理吸着しているだけであって化学的な結合は全く伴っていない。そのため超音波振動を与えるだけで簡単に気泡が凹版1の表面から離れるのである。 【0023】次に、図4に凹版印刷の工程図を示す。第1離型層2及び第2離型層3の2重離型層7が形成された凹版1の表面に、導電ペースト6としてAg/Pdペーストを塗布する。そして、塗布後の凹版1の表面をスキージ13で掻くことによって溝5内に導電ペースト6を充填するとともに、凹版1の表面の余分な導電ペースト6を除去する。その後、溝5に導電ペースト6を充填した凹版1を乾燥器中で乾燥させ、導電ペースト6中の有機溶剤を蒸発させる。有機溶剤成分が蒸発した導電ペースト6はその体積が減少するため、溝5に再び窪みが生じる。この窪みに再度導電ペースト6を充填し、同様に乾燥させ導電ペースト6中の有機溶剤を蒸発させる。すると再び溝5に窪みを生じる。そして、この導電ペースト6の充填、乾燥を繰り返して最終的には溝5内に乾燥した導電ペースト6を充満させることができる。本例では4回の充填・乾燥を繰り返した。 【0024】一方、セラミック基板8上に導電ペースト6が転写されるように、熱可塑性樹脂よりなる接着層9を形成する。そして、導電ペースト6が充填された凹版1の表面と接着層9とを対向させ、凹版1とセラミック基板8とを加熱・加圧して貼り合わせる。 【0025】次に、転写工程として、貼り合わせられた凹版1とセラミック基板8との温度を室温まで下げてから凹版1をセラミック基板8から剥離させ、配線パターン11となる導電ペースト6の転写を行う。この時、凹版1の表面に第1離型層2と第2離型層3が重なった2重離型層7を形成しているため、簡単に凹版1から導電ペースト6を引き剥がすことができる。 【0026】その後、導電ペースト6が転写されたセラミック基板8をピーク温度850℃の温度プロファイルの下で焼成する。 【0027】以上の工程により、配線パターン11を形成することができる。この配線パターン11の最小ライン幅は20μm、膜厚は18μmとなる。溝5の寸法より小さくなったのは、導電ペースト6が焼成によって収縮したからである。また、配線パターン11の電気抵抗は、最大線長部分で0.4Ω、導体の面積抵抗値は2.1mΩと非常に小さい配線抵抗にすることができる。 【0028】また、この凹版1を用いて繰り返し同様の配線パターン11を印刷する場合、同様に導電ペースト6の充填、乾燥を行い印刷することができるが、繰り返し回数が増加すると印刷時に溝5内部に残る導電ペースト6が増加して、印刷不良が増加する。これは繰り返し印刷によって凹版1の表面に形成している第2離型層3が減少していき、更にその後、第1離型層2も減少していくので印刷不良が増加するものである。この問題に対して、第2離型層3を必要に応じて前述と同様の方法で凹版1の表面の第1離型層2上に追加形成すると、再び凹版1の離型性を向上させることができる。また、第2離型層3が再び均一に形成されることで、第1離型層2の保護層にも成りうるので、第1離型層2の劣化を防ぐことができ、凹版1の離型性の耐久性を向上させることができる。 【0029】本実施の形態においては、以下に示す効果を有する。 【0030】従来繰り返し同一凹版を用いて印刷する場合、離型層の劣化によって起こっていた印刷不良に対して、第2離型層が第1離型層上に物理吸着しているため、印刷毎に導電ペーストは第2離型層と導電ペーストの界面、もしくは第1離型層と第2離型層の界面で凹版から剥がれ確実に印刷することができる。しかもこの時、第2離型層は第1離型層の保護層にもなっているので、第1離型層が印刷毎に劣化することを防ぐことができる。また、第2離型層は物理吸着しているだけであるので、必要に応じて印刷前に追加補充することができる。更に第1離型層が不均一に形成されている場合でも、第2離型層が補って凹版の離型性を常に一定に保つことができる。反対に、第2離型層が不均一に形成されている場合でも、第1離型層が形成されているため凹版の離型性を常に一定に保つことができる。 【0031】また、凹版表面へ離型層を形成するための処理方法として、離型剤を含む溶液中へ凹版を浸漬して反応させる際に、超音波振動を与えることで凹版の溝部分に入り込んでいる気泡を除去することができるので、確実に離型剤が凹版と反応することができ、凹版表面に均一な離型層を形成することができる。 【0032】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、凹版の表面に2重離型層を形成することで、安定した離型性を確保することができる。また、繰り返し同一凹版を用いて印刷を行う場合においても、常に安定した離型性を確保することができる。さらに、凹版の加工パターンが微細化されても表面に均一に離型層を形成することができる。そのため、印刷時に、凹版内に導電ペーストが残る印刷不良を低減すると共に、凹版の離型性の耐久性を向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月11日(1999.6.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−353866(P2000−353866A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−164894 |
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