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【発明の名称】 電磁波シールド材及びその製造方法
【発明者】 【氏名】横山 茂幸

【要約】 【課題】可視光透過性、赤外線吸収性および電磁波シールド性の優れた、製造に際して廃棄される感光性硬化型樹脂、導電部材の量が極めて少ない電磁波シールド材およびその製造方法を提供する。

【解決手段】透明支持フィルム1の少なくとも一面に、可視光透過性を有し、赤外線吸収性を含有する電磁波シールド層2が設けられた積層構造の電磁波シールド材であって、該電磁波シールド層が、導電部材で形成された条線模様の導電部21と、該導電部を形成する導電ラインによって分割された感光性硬化型樹脂の硬化物よりなる光透過部22とから構成されている。導電部を形成する導電ラインの幅は5〜100μmであり、電磁波シールド層の単位面積当りの光透過面積率は80%以上である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明支持フィルムの少なくとも一面に、可視光透過性および赤外線吸収性を有する電磁波シールド層が設けられた積層構造の電磁波シールド材であって、該電磁波シールド層が、導電部材で形成された条線模様の導電部と、該導電部を形成する導電ラインによって分割された感光性硬化型樹脂の硬化物よりなる光透過部とから構成され、該硬化物に赤外線吸収剤が含有されていることを特徴とする電磁波シールド材。
【請求項2】 前記導電部を形成する導電ラインの幅が5〜100μmであり、かつ電磁波シールド層の単位面積当りの光透過面積率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド材。
【請求項3】 前記導電部が、硬化性樹脂及び導電性微粉末を含有することを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド材。
【請求項4】 前記赤外線吸収剤が、極大吸収波長の異なる少なくとも2種のものよりなることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド材。
【請求項5】 前記透明支持フィルムまたは電磁波シールド層の一面に接着剤層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド材。
【請求項6】 積層構造の構成層として反射防止層を有することを特徴とする請求項1又は5に記載の電磁波シールド材。
【請求項7】 請求項1又は5に記載の電磁波シールド材が透明支持板に貼着されていることを特徴とする電磁波シールド板。
【請求項8】 透明支持板の一面に反射防止層が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の電磁波シールド板。
【請求項9】 透明支持フィルムの一面に光透過性を有し、赤外線吸収剤を含有する感光性硬化型樹脂層を形成する工程、該感光性硬化型樹脂層に電磁波を照射し、幾何学模様にパターン露光することによって露光部の感光性硬化型樹脂を硬化させる工程、未露光部の感光性硬化型樹脂を除去してライン状の溝部を形成する工程、および該溝部に導電部材を挿入して条線模様の導電部を作製する工程からなることを特徴とする。
【請求項10】 透明支持フィルムの一面に光透過性を有し、赤外線吸収剤を含有する感光性硬化型樹脂層を形成する工程、該感光性硬化型樹脂層に電磁波を照射し、幾何学模様にパターン露光することによって露光部の感光性硬化型樹脂を硬化させる工程、未露光部の感光性硬化型樹脂を除去してライン状の溝部を形成する工程、および該溝部に導電部材を挿入し、熱又はエネルギー線により導電部材を硬化させて条線模様の導電部を作製する工程からなることを特徴とする電磁波シールド材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、高周波電源や電磁波発生源から発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールド材に関する。特に、可視光透過性で赤外線吸収性を有し、かつ電磁波遮蔽性が要求される電磁波シールド材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の電気設備や電子応用設備が利用されるようになっているが、それに伴い、伝導ノイズや放射ノイズ等の電磁気的なノイズ妨害も増加の一途をたどっている。特に放射ノイズに対する対策としては、電磁気的に空間を絶縁する必要があるため、筐体を金属体又は高導電体にしたり、回路基板と回路基板の間に金属板を挿入したり、或いはケーブルを金属箔で巻き付ける等の方法が採用されている。これらの方法では、回路や電源ブロックの電磁波シールド効果は期待できるが、CRT、PDP等の電子ディスプレイ前面、ドア、窓のガラス面等の光透過性が必要とされる場合には適用が困難であった。特に、電子ディスプレイにおいては、ディスプレイ前面から800〜1000nmの赤外線が発生し、VTRを始め他の電子機器に悪影響を及ぼすことがあり、この赤外線を遮蔽する必要があった。
【0003】従来、電磁波シールド性と可視光透過性を両立させる方法として、透明基材に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜導電層を形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法では電磁波シールド性が不十分なものとなった。すなわち、透明性が維持できる程度(100〜2000オングストローム)の導電層膜厚では、導電層の抵抗が大きく、電磁波シールド性が不十分であった。また、良導電性繊維を透明基材に埋め込んだ電磁波シールド材も提案されている。しかしながら、この電磁波シールド材において、電磁波シールド効果を高めるためには、繊維の太さを太くするか、繊維密度を高めることが必要であり、その結果、光透過性が不十分なものとなった。
【0004】一方、特開平10−75087号公報には、透明基材に接着剤を介して銅箔を接着し、その銅箔をフォトリソグラフ工程でエッチングして銅箔の格子パターンを形成し、銅箔の裏面側に赤外線遮蔽性を有する接着剤層を形成する電磁波シールド材が提案されている。この電磁波シールド材は、開口面積90%程度であることと、銅箔の良導電性のために、光透過性と電磁波シールド性のバランスがとれたものであるが、その製造に関して問題があった。すなわち、湿式のエッチングにより溶解し除去する銅及び廃棄するフォトレジストが約90%であり、多量の廃棄物を生み出すという問題を抱えている。多量の廃棄物は当然のごとくコストに影響するばかりでなく、環境にも悪影響を与えるものであり、その改善が求められている。また、この電磁波シールド材は、薄い箔を使用するために、大面積シールド材として用いる場合には取扱いに細心の注意が必要であり、PDP用途、ガラス用途等においては、取扱いに問題もあった。さらに、赤外線遮蔽層を銅箔の裏面側に設けるため、積層工程が増え、電磁波シールド材も厚いものとなった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術における前記した諸問題を解決することを目的とするものである。すなわち、本発明の目的は、可視光透過性と電磁波シールド性を両立することはもちろん、製造に際して廃棄される感光性硬化型樹脂、導電部材の量が極めて少なく、さらに積層工程も少なく、薄膜化が可能な電磁波シールド材、およびそれを用いた電磁波シールド板を提供することにある。本発明の他の目的は、上記の電磁波シールド材を製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド材は、透明支持フィルムの少なくとも一面に、可視光透過性および赤外線吸収性を有する電磁波シールド層が設けられた積層構造の電磁波シールド材であって、その電磁波シールド層が、導電部材で形成された条線模様の導電部と、導電部を形成する導電ラインによって分割された感光性硬化型樹脂の硬化物よりなる光透過部とから構成され、その硬化物に赤外線吸収剤が含有されていることを特徴とする。
【0007】また、本発明の電磁波シールド板は、上記の電磁波シールド材が透明支持板に貼着されたものである。
【0008】本発明の電磁波シールド材の製造方法の第1のものは、透明支持フィルムの一面に光透過性を有し、赤外線吸収剤を含有する感光性硬化型樹脂層を形成する工程、該感光性硬化型樹脂層に電磁波を照射し、幾何学模様にパターン露光することによって露光部の感光性硬化型樹脂を硬化させる工程、未露光部の感光性硬化型樹脂を除去してライン状の溝部を形成する工程、および該溝部に導電部材を挿入して条線模様の導電部を作製する工程からなることを特徴とする。
【0009】本発明の電磁波シールド材の製造方法の第2のものは、透明支持フィルムの一面に光透過性を有し、赤外線吸収剤を含有する感光性硬化型樹脂層を形成する工程、該感光性硬化型樹脂層に電磁波を照射し、幾何学模様にパターン露光することによって露光部の感光性硬化型樹脂を硬化させる工程、未露光部の感光性硬化型樹脂を除去してライン状の溝部を形成する工程、および該溝部に導電部材を挿入し、熱又はエネルギー線により導電部材を硬化させて条線模様の導電部を作製する工程からなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を図面を参酌して説明する。図1は本発明の電磁波シールド材の一例の模式的斜視図である。透明支持フィルム1の上に可視光透過性を有し、赤外線吸収剤を含有する感光性硬化樹脂層2が設けられている。感光性硬化樹脂層は、線状、網目状又は格子状の導電ラインよりなる導電部21と、導電部の導電ラインによって幾何学模様に分割された感光性硬化樹脂よりなる光透過部22とより構成されている。また、図2は、本発明の電磁波シールド板の一例の模式的断面図であって、透明支持板3の一面に、図1の電磁波シールド材10が接着剤層4を介して貼着されている。また、透明支持板の他面に反射防止層5が設けられている。
【0011】本発明の電磁波シールド材に使用する透明支持フィルムは、可視光透過性を有する透明な支持フィルムであれば如何なるものでも使用することができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略す。)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等のビニル系樹脂、アクリル樹脂(共重合体を含む)、トリアセチルセルロース(以下、「TAC」と略す)、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド等があげられる。とりわけ、透明性、耐熱性、コスト、取り扱い性の点から、PET、TAC及びポリカーボネートが好ましく、最も好ましいものはPETおよびTACである。
【0012】本発明において、透明支持フィルムの厚さは、薄いと取り扱い性が悪く、厚いと光透過性が低下するので、5〜200μmの範囲が好ましい。さらに好ましくは10〜100μm、最も好ましくは25〜75μmの範囲である。
【0013】上記透明支持フィルムの一面または両面には、可視光透過性および赤外線吸収性を有する電磁波シールド層が設けられる。電磁波シールド層は、導電部材で形成された条線模様の導電部と、その導電部を形成する導電ラインによって分割された感光性硬化型樹脂の硬化物よりなる光透過部とから構成されている。この電磁波シールド層は、例えば次のようにして形成することができる。
【0014】すなわち、まず、透明支持フィルムの一面に可視光透過性を有し、赤外線吸収剤を含有する感光性硬化型樹脂層を形成する。感光性硬化型樹脂の組成は、不飽和基を含有するオリゴマー、反応性希釈剤、および光エネルギーを吸収して活性種を発生する光重合開始剤を基本的構成成分とするものであって、本発明においては、硬化した後において可視光透過性を有するものであれば、如何なるものでも使用することができる。例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等のアクリロイル基を有するオリゴマーを主体とするラジカル重合系樹脂、脂環式エポキシ化合物等のエポキシ化合物を主体とする光カチオン重合型樹脂が代表的なものであるが、ポリビニルシンナメート系レジスト、ゴム系レジスト(例えば、ポリブタジエン等に少量のビスアジド化合物を混入させたもの)、ノボラック樹脂−アジド系レジスト等をあげることもできる。
【0015】また、赤外線吸収剤としては、酸化鉄、酸化セリウム、酸化錫、酸化アンチモンなどの金属酸化物、インジウム−錫酸化物、六塩化タングステン、塩化錫、硫化第二銅、クロム−コバルト錯塩、チオール−ニッケル錯体又はアミニウム化合物、アントラキノン化合物、ポリメチン化合物、シアニン系化合物等の有機系赤外線吸収剤を例示することができる。特に750〜1000nmに極大吸収波長を有する近赤外線吸収剤が好ましいものとしてあげられる。特に、400〜700nmの可視領域の吸収が殆どなく、可視光透過性に優れた赤外線吸収剤が好ましい。また、分子吸光係数は5万以上であれば感光性硬化樹脂層を薄くすることができるので好ましい。これら赤外線吸収剤の粒子径は、0.01〜5μmの範囲にあるのが好ましく、またその含有量は、適宜設定することができるが、一般に上記紫外線硬化型樹脂に0.001〜10%の範囲で配合される。
【0016】また、本発明の電磁波シールド材においては、極大吸収波長の異なる赤外線吸収剤を少なくとも2種併用するのが好ましい。特に、750〜900nm少なくとも1種と、800〜1000nmに極大吸収波長を有するものを併用するのが好ましい。これにより、800〜1000nmに近赤外領域を効率よく吸収し、可視領域はほとんど吸収しない特性を有する電磁波シールド材が得られる。
【0017】感光性光硬化型樹脂層は、赤外線吸収剤を含有する感光性硬化型樹脂を透明支持フィルムの上に塗工して形成してもよいし、感光性硬化型樹脂のフィルムを貼り合わせて形成してもよい。感光性光硬化型樹脂層の膜厚は、5〜50μmの範囲であるのが好ましく、より好ましくは、10〜40μmの範囲である。
【0018】次いで、上記のようにして形成された感光性硬化型樹脂層に電磁波を照射し、パターン露光する。電磁波照射によるパターン露光は、如何なる方法によって実施してもよいが、好ましくは、所望の形状の幾何学模様を有するフォトマスクを用いて、紫外線等でパターン露光する。それにより、感光性硬化型樹脂層の露光部が硬化して、感光性硬化型樹脂の硬化物よりなる所望の幾何学模様の形状の光透過部が形成される。なお、幾何学模様は、平行な線条模様、三角形、四角形、六角形、円形、楕円形等の模様等、如何なるものでもよい。
【0019】次いで、この感光性硬化型樹脂層の未露光部の感光性硬化型樹脂をエッチング処理して除去する。エッチング処理は、公知のエッチング処理液を用いて実施することができ、例えば、炭酸ソーダ水溶液等のアルカリ溶液またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトン、アセトン等の溶剤を用いて行うことができる。それによって未硬化部分の感光性硬化型樹脂が除去されて、線状、網目状、格子状等の条線模様のライン状の溝部が形成される。
【0020】次いで、形成された溝部に導電部材を挿入して導電部を作製する。導電部材は、導電性を有するものであって、上記溝部を埋めることができる特性を持つものであれば如何なるものでも使用することができる。好ましくは、溝部を埋める際には粘性を示し、埋めた後には硬化できる特性を有するものが使用され、具体的には、硬化性と導電性を有する樹脂ペースト、導電性を有するエネルギー線硬化型樹脂等があげられる。より好ましくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化型樹脂ペースト、液状の紫外線硬化型樹脂を用いたものをあげることができる。導電性の付与は、樹脂自体に導電性を持たせてもよいし、銀、銅、ニッケル、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属粉、カーボン、導電性酸化チタン等の導電性微粉末を樹脂中に分散させることも好ましい形態である。最も好ましいものは、銀、銅、ニッケル等の低抵抗金属粉またはカーボン粉を熱硬化型樹脂またはエネルギー線硬化型樹脂中に分散させたものである。
【0021】溝部への導電性ペースト等の導電部材の挿入は、例えばブレードコーター等を用いて行うのが好ましい。導電部材として、硬化性導電部材を使用した場合には、熱又はエネルギー線により導電部材を硬化させて導電部を形成すればよい。すなわち、導電部材のバインダー成分が熱硬化性の場合は加熱して、また紫外線硬化性等の場合は紫外線を照射して硬化させることができる。
【0022】本発明の電磁波シールド材において、上記のようにして形成される導電部は、導電部を形成する導電ラインの幅が5〜100μmの範囲にあるのが好ましく、より好ましくは5〜50μm、最適には10〜40μmの範囲である。また、感光性硬化樹脂層の単位面積当たりの光透過面積率は80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。なお、光透過面積率は、例えば、光透光部が一辺500μmの正方形で、導電ラインの幅が25μmの場合、(500)2 /(500+12.5×2)2 =90.7%となる。
【0023】本発明の電磁波シールド材は、感光性硬化樹脂層面または透明支持フィルム面に接着剤層を設けるのが好ましい。接着剤層に用いる接着剤としては、例えば感圧性接着剤(粘着剤)、熱硬化性接着剤等、公知のものならば如何なるものでも使用することができるが、例えば、アクリル系の粘着剤層を、乾燥後の厚さが5〜30μmになるように設けるのが好ましい。
【0024】本発明の電磁波シールド板は、上記の電磁波シールド材を、透明支持板に貼着して作製することができる。例えば、上記電波シールド材の電磁波シールド層が接着剤層を介して透明支持板に貼着されるようにすればよい。透明樹脂板としては、例えば、アクリル系樹脂よりなるものが好ましく使用される。透明樹脂板は適宜の厚さのものが使用できるが、厚さ0.1〜5mmのものが好ましく、特に1〜3mmの範囲のものが好ましい。
【0025】本発明の電磁波シールド材および電磁波シールド板には、反射防止層を設けることが好ましい。反射防止層は、透明支持フィルムの裏面または、透明支持板の裏面に設けるのが好ましい。反射防止層は、屈折率の高い層と、屈折率の低い層を、最表面層が低屈折率層となるように交互に2層以上積層して構成される。屈折率の低い層の材料としては、MgFやSiO2 等、屈折率が高い層の材料としては、TiO2 、ZrO2 等があげられ、通常これらの材料は蒸着やスパッタリング等の気相法や、ゾルゲル法等により積層される。反射防止層の膜厚は1nm〜5μmの範囲が好ましい。
【0026】上記においては、透明支持フィルムの一面に電磁波シールド層が形成されている場合について説明したが、透明支持フィルムの他面にも、上記と同様にして他の電磁波シールド層を設けることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。
実施例1下記組成の可視光透過性を有するフォトレジスト組成物に、シアニン系近赤外線吸収剤(日本化薬社製、商品名:CY−9、極大吸収波長790nm)を0.02重量%含有させて可視光透過性かつ近赤外線吸収性を有する感光性硬化型樹脂を作製した。
(フォトレジスト組成物)
ウレタンアクリレートオリゴマー 9重量部ネオペンチルアクリレート 2重量部エチレングリコールジアクリレート 1.5重量部トリメチロールプロパントリアクリレート 2.5重量部ベンゾフェノン(光重合開始剤) 0.3重量部【0028】厚さ75μmの透明PETフィルムに、上記の可視光透過性かつ近赤外線吸収性を有する感光性硬化型樹脂を塗布して、乾燥後の厚さが25μmの可視光透過性かつ赤外線吸収性を有するフォトレジスト層を形成した。形成されたフォトレジスト層に格子状のフォトマスクを介してパターン露光を施し、フォトレジスト層の露光部を硬化させて一辺500μmの正方形状の幾何学模様よりなる光透過部を形成した。次いで、1%炭酸ソーダ水溶液を用いてエッチング処理を施して、未硬化部を除去し、ライン幅25μmの溝部を形成した。
【0029】一方、下記処方の導電性ペーストを上記溝部にブレードコーターによって挿入し、120℃で10分間加熱し硬化させて、本発明の電磁波シールド材を得た。なお、得られた電磁波シールド材の単位面積当たりの光透過面積率は91%であった。
【0030】次に硬化したフォトレジスト面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層を形成した後、厚さ2mmの透明アクリル板を貼着した。次いでこのアクリル板の他面に、SiO2 /TiO2 でスパッタ法による反射防止処理を施した膜厚188μmのPETフィルムをアクリル系粘着剤層を介して貼着して、電磁波シールド板を形成した。
【0031】
(導電性ペースト処方)
エポキシ樹脂(EOCN−1020−65、 日本化薬社製) 13重量部NBR(CTBN1008−SP、宇部興産社製) 1.8重量部レゾールフェノール樹脂(MH700、 新日本理化社製) 1.2重量部銅粉(平均径:1μm) 78重量部カーボン(MA−100、三菱化学社製) 1重量部MEK/トルエン 5重量部【0032】実施例2実施例1におけるフォトレジスト組成物に、シアニン系近赤外線吸収剤(日本化薬社製、商品名:CY−4、極大吸収波長790nm)を0.02重量%含有させて可視光透過性かつ近赤外線吸収性を有する感光性硬化型樹脂を作製した。厚さ50μmの透明PETフィルムに、上記感光性硬化型樹脂を塗布し、乾燥後の厚さが25μmの感光性硬化型樹脂層を形成した。この感光性硬化型樹脂層に格子状のフォトマスクを介してパターン露光を施し、感光性硬化型樹脂層の露光部を硬化させて600×400μmの長方形状の幾何学模様よりなる光透過部を形成した。次いで、1%炭酸ソーダ水溶液を用いてエッチング処理を施して、未硬化部を除去し、ライン幅25μmの溝部を形成した。一方、下記組成の導電性ペーストを上記溝部にブレードコーターによって挿入し、120℃で10分間加熱し硬化させて、本発明の電磁波シールド材を得た。なお、得られた電磁波シールド材の単位面積当たりの光透過面積率は90%であった。
【0033】次に、硬化したフォトレジスト面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層を形成した後、厚さ2mmの透明アクリル板を貼着した。次いでこのアクリル板の他面に、SiO2 /TiO2 でスパッタ法による反射防止処理を施した膜厚188μmのPETフィルムを粘着剤層を介して貼着して電磁波シールド板を形成した。
【0034】
(導電性ペースト処方)
エポキシ樹脂(EOCN−1020−65、 日本化薬社製) 13重量部NBR(CTBN1008−SP、宇部興産社製) 1.8重量部レゾールフェノール樹脂(MH700、 新日本理化社製) 1重量部ニッケル粉(平均径:2μm) 78重量部カーボン(MA−100、三菱化学社製) 1.2重量部MEK/トルエン 5重量部【0035】実施例3厚さ75μmの透明PETフィルムに、実施例1の場合と同様にして、乾燥後の厚さが25μmになるように光透過性を有する感光性硬化型樹脂層を形成した。この感光性硬化型樹脂層に網目状のフォトマスクを介してパターン露光を施し、感光性硬化型樹脂層の露光部を硬化させて対角線径600μmの正六角形状の幾何学模様よりなる光透過部を形成した。次いで、1%炭酸ソーダ水溶液を用いてエッチング処理を施して、未硬化部を除去し、ライン幅30μmの溝部を形成した。一方、実施例2で使用した導電性ペーストを上記溝部にブレードコーターによって挿入し、120℃で10分間加熱し硬化させて、本発明の電磁波シールド材を得た。なお、得られた電磁波シールド材の単位面積当たりの光透過面積率は91%であった。
【0036】次に、硬化したフォトレジスト面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層を形成した後、厚さ2mmの透明アクリル板を貼着した。このアクリル板の他面に、SiO2 /TiO2 でスパッタ法による反射防止処理を施した膜厚188μmのPETフィルムを粘着剤層を介して貼着して電磁波シールド板を形成した。
【0037】実施例4厚さ50μmの透明PETフィルムに、実施例1の場合と同様にして、乾燥後の厚さが15μmになるよう光透過性を有する感光性硬化型樹脂層を形成した。この感光性硬化型樹脂層に網目状のフォトマスクを介してパターン露光を施し、感光性硬化型樹脂層の露光部を硬化させて、底辺が500μmの正三角形状の幾何学模様よりなる光透過部を形成した。次いで、1%炭酸ソーダ水溶液を用いてエッチング処理を施して、未硬化部を除去し、ライン幅20μmの溝部を形成した。一方、下記処方の紫外線硬化型導電性ペーストを上記溝部にブレードコーターによって挿入し、紫外線を照射して硬化させて、本発明の電磁波シールド材を得た。なお、得られた電磁波シールド材の単位面積当りの光透過面積率は92%であった。
【0038】次に、硬化したフォトレジスト面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層を形成した後、厚さ2mmの透明アクリル板を貼着した。このアクリル板の他面に、SiO2 /TiO2 でスパッタ法による反射防止処理を施した膜厚188μmのPETフィルムを粘着剤層を介して貼着して電磁波シールド板を形成した。
【0039】
(紫外線硬化型導電性ペースト処方)
ウレタンアクリレートオリゴマー 9重量部ネオペンチルアクリレート 2重量部エチレングリコールジアクリレート 1.5重量部トリメチロールプロパントリアクリレート 2.5重量部ベンゾフェノン(光重合開始剤) 0.3重量部銀粉(平均径:3μm) 85重量部【0040】実施例5実施例1におけるフォトレジスト組成物に、ポリメチン系近赤外線吸収剤(日本化薬社製、商品名:IR−820、極大吸収波長816nm)を0.03重量%含有させて可視光透過性かつ近赤外線吸収性を有する感光性硬化型樹脂を作製した。厚さ75μmの透明PETフィルムに、上記感光性硬化型樹脂を塗布し、乾燥後の厚さが15μmの感光性硬化型樹脂層を形成した。この感光性硬化型樹脂層に格子状のフォトマスクを介してパターン露光を施し、感光性硬化型樹脂層の露光部を硬化させて、一辺が500μmの正方形状の幾何学模様よりなる光透過部を形成した。次いで、1%炭酸ソーダ水溶液を用いてエッチング処理を施して、未硬化部分を除去し、ライン幅18μmの溝部を形成した。一方、下記処方の紫外線硬化型導電性ペーストを上記溝部にブレードコーターによって挿入し、紫外線を照射して硬化させた。次に、硬化したフォトレジスト面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層を形成した後、SiO2 /TiO2 でスパッタ法による反射防止処理を施した膜厚188μmのPETフィルムを貼着して本発明の電磁波シールド材を形成した。なお、得られた電磁波シールド材の単位面積当りの光透過面積率は93%であった。
【0041】実施例6実施例1におけるフォトレジスト組成物に、シアニン系近赤外線吸収剤(日本化薬社製、商品名:CY−9、極大吸収波長790nm)およびジイモニウム系赤外線吸収剤(日本化薬社製、商品名:IRG−022、極大吸収波長1090nm)をそれぞれ0.01重量%含有させて可視光透過性かつ近赤外線吸収性を有する感光性硬化型樹脂を作製した。以下、実施例1の場合と同様にして本発明の電磁波シールド材を作製した。
【0042】比較例1実施例2で使用した厚さ50μmの透明PETフィルムの片面に第1層(15nm)と第3層(20nm)として酸化インジウム層を設け、第2層として14nmの銀薄膜層を、真空下のスパッタリング法で形成し、透明導電膜を得た。この透明導電膜の他面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層を形成し、実施例1で使用した透明アクリル板に貼着して比較用の電磁波シールド板を得た。
【0043】比較例2厚さ2mmの透明アクリル板の片面に、ポリエステル芯繊維に銅/ニッケルを無電解メッキし、カーボンブラックで表面を黒色処理した導電性メッシュ(線径43μm、目開き200メッシュ、厚さ66μm)を用いて一体成形して得た比較用の光透過性電磁波シールドシート(日清紡社製、商品名:デンジーシートMA200−20)を比較用の電磁波シールド板として用いた。
【0044】実施例1〜6、比較例1および2の電磁波シールド板又は電磁波シールド材の電磁波遮蔽性、可視光透過性および近赤外透過率を測定した。
電磁波遮蔽性:ADVANTEST社製、スペクトラムアナライザーTR−4172(評価部TR17301)を用いて500MHzの遮蔽率を測定した。
可視光透過性:日本分光社製、UVIDEC−670型可視紫外分光光度計を用いて350〜700nmの光透過率を測定した。
赤外線透過率:日本分光社製UVIDEC−670型可視紫外分光光度計で800〜1000nmの近赤外線透過率を測定した。
【0045】(測定結果)
【表1】

【0046】
【発明の効果】本発明の電磁波シールド材は、上記の構成を有するから、十分な可視光透過性、赤外線吸収性および電磁波シールド性を示し、特に電子ディスプレイから発生する赤外線の遮蔽に適用するのに有用である。また、構造が簡単であって十分な薄膜化が可能であり、大面積の電磁波シールドのためにも好適に使用することができる。また、本発明の製造方法によれば、条線模様の導電部の作製に、従来の技術におけるような銅箔のエッチング処理を必要としないため、操作が簡単であると共に、廃棄物の量が極めて少ない。したがって、本発明の電磁波シールド材およびその製造方法は、省資源の面でも優れ、また、環境面でも優れたものである。
【出願人】 【識別番号】000153591
【氏名又は名称】株式会社巴川製紙所
【出願日】 平成11年6月7日(1999.6.7)
【代理人】 【識別番号】100092484
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 剛
【公開番号】 特開2000−349492(P2000−349492A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−159465