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【発明の名称】 電子機器筐体
【発明者】 【氏名】久保 斎

【要約】 【課題】製作が容易であるとともに、良好なEMI対策を行うことが可能であるような電子機器筐体を提供する。

【解決手段】ベースフレーム2の開口部4に対して、サイドカバー3を、開口部4の保持部8とサイドカバー3の内面3aの端縁7とを互いに接触させた状態で配置するとともに、サイドカバー3を、開口部4のなす平面と同一平面をなすように変形させ、この際に、センターバー6とフック5とを嵌合させることにより、サイドカバー3に発生する復元力を利用して、フック5とセンターバー6とを互いに押圧固定させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 箱状に形成された第一のケース構成体の開口部を、前記開口部と同一の輪郭形状を有するように形成された板状の第二のケース構成体により閉塞することにより、電子機器を収納・保護するための筐体を形成するようにした電子機器筐体であって、前記第二のケース構成体は、前記筐体の内方に面して位置することとなる内面が凹面となるように、なおかつ、前記筐体の外方に面して位置することとなる外面が凸面となるように湾曲した形状とされるとともに、可撓性を有した構成とされ、前記第一のケース構成体は、その前記開口部のなす輪郭線に沿って、前記第二のケース構成体の内面の端縁を保持可能な保持部が形成されるとともに、前記開口部のなす平面の略中央に、センターバーが、前記第一のケース構成体に固定された状態で設けられた構成とされ、前記第二のケース構成体の内面の略中央に、前記センターバーと嵌合可能なフックが設けられ、前記開口部に対して、前記第二のケース構成体を、前記開口部の保持部と前記第二のケース構成体の内面の端縁とを互いに接触させた状態で配置するとともに、前記第二のケース構成体を、前記開口部のなす平面と同一平面をなすように変形させ、この際に、前記センターバーと前記フックとを嵌合させることにより、前記第二のケース構成体に発生する復元力を利用して、前記フックと前記センターバーとを互いに押圧固定させることを特徴とする電子機器筐体。
【請求項2】 請求項1記載の電子機器筐体であって、前記第二のケース構成体の内面には、その端縁から一定寸法前記中央よりに離間した位置に、前記端縁に沿って凹部が設けられた構成とされ、前記開口部の保持部は、前記第二のケース構成体の内面の端縁に当接可能な第一の接触面と、前記第二のケース構成体の内面の端縁に前記第一の接触面を接触させた場合に前記凹部に対して当接可能な第二の接触面とを有するとともに、これら第一および第二の接触面が段状に形成された構成とされていることを特徴とする電子機器筐体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ装置等の電子機器を収納・保護するための電子機器筐体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の電子機器筐体としては、例えば、箱状に形成されたベースフレームの開口部を、板状のサイドカバーで閉塞するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、マイクロプロセッサ等の動作周波数の向上に伴い、電子機器が放射する電磁雑音を低減するための、いわゆるEMI(electromagnetic interference)対策を十全に行うべきケースが増加している。
【0004】このようなEMI対策は、通常、電子機器筐体を隙間のないシールド構造とすることにより、なされている。しかしながら、上述のような電子機器筐体においては、サイドカバーとベースフレームとの接触面において、隙間が生じやすく、このような隙間が生じた場合、追加部品で隙間を埋める必要が生じるなど、対策に非常に手間を要することとなる。
【0005】また、上述のような電子機器筐体においては、サイドカバーは、通常、ベースフレームに対してネジ等により取り付けられるために、筐体製作にあたって、工具が必要となり、また、製作に時間を要してしまうという問題点がある。
【0006】このような事情に鑑み、本発明においては、従来に比較して、製作が容易であるとともに、良好なEMI対策を行うことが可能であるような電子機器筐体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、請求項1記載の電子機器筐体は、箱状に形成された第一のケース構成体の開口部を、前記開口部と同一の輪郭形状を有するように形成された板状の第二のケース構成体により閉塞することにより、電子機器を収納・保護するための筐体を形成するようにした電子機器筐体であって、前記第二のケース構成体は、前記筐体の内方に面して位置することとなる内面が凹面となるように、なおかつ、前記筐体の外方に面して位置することとなる外面が凸面となるように湾曲した形状とされるとともに、可撓性を有した構成とされ、前記第一のケース構成体は、その前記開口部のなす輪郭線に沿って、前記第二のケース構成体の内面の端縁を保持可能な保持部が形成されるとともに、前記開口部のなす平面の略中央に、センターバーが、前記第一のケース構成体に固定された状態で設けられた構成とされ、前記第二のケース構成体の内面の略中央に、前記センターバーと嵌合可能なフックが設けられ、前記開口部に対して、前記第二のケース構成体を、前記開口部の保持部と前記第二のケース構成体の内面の端縁とを互いに接触させた状態で配置するとともに、前記第二のケース構成体を、前記開口部のなす平面と同一平面をなすように変形させ、この際に、前記センターバーと前記フックとを嵌合させることにより、前記第二のケース構成体に発生する復元力を利用して、前記フックと前記センターバーとを互いに押圧固定させることを特徴としている。
【0008】このような構成により、第二のケース構成体においては、その内面の端縁が、第一のケース構成体の保持部と接触することにより、フックを介して第一のケース構成体のセンターバーから作用する力の反力を、第一のケース構成体の保持部からとることが可能となる。これにより、第二のケース構成体の内面の端縁と第一のケース構成体の保持部とが、押圧固定されて、隙間のない状態で密着することができる。
【0009】請求項2記載の電子機器筐体は、請求項1記載の電子機器筐体であって、前記第二のケース構成体の内面には、その端縁から一定寸法前記中央よりに離間した位置に、前記端縁に沿って凹部が設けられた構成とされ、前記開口部の保持部は、前記第二のケース構成体の内面の端縁に当接可能な第一の接触面と、前記第二のケース構成体の内面の端縁に前記第一の接触面を接触させた場合に前記凹部に対して当接可能な第二の接触面とを有するとともに、これら第一および第二の接触面が段状に形成された構成とされていることを特徴としている。
【0010】このような構成により、段状に形成された複数の接触面を介して第一および第二のケース構成体が接触することとなり、これら第一および第二のケース構成体の間に隙間が生じにくくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1、2は、本発明の一実施の形態である電子機器筐体1を構成するベースフレーム(第一のケース構成体)2を、図3,4,5は、電子機器筐体1を構成するサイドカバー3(第二のケース構成体)をそれぞれ示す図であり、図1は、ベースフレーム2の外観斜視図、図2は、ベースフレーム2の平断面図、図3は、サイドカバー3の正面図、図4は、同、平面図、図5は、同、側面図である。
【0012】電子機器筐体1は、図1,2に示すような箱状のベースフレーム2に設けられた開口部4を、図3,4に示すような板状に形成されたサイドカバー3で閉塞することにより形成されるものであり、その内部にコンピュータ装置等の電子機器を収納するとともに、当該電子機器を保護する。
【0013】サイドカバー3は、開口部4と略同一の輪郭形状を有するように形成されている。また、サイドカバー3は、開口部4を閉塞するようにベースフレーム3に対向配置された場合(図6参照)において、ベースフレーム2の内方に面して位置することとなる内面3aが凹面となるように、なおかつ、ベースフレーム2の外方に面し定置することとなる外面3bが凸面となるように、湾曲した形状とされている。さらに、このサイドカバー3は、可撓性を有した構成とされている。
【0014】また、図3,4,5に示すように、サイドカバー3の内面3aの中央部には、L字状に突出したフック5が設けられている。一方、図1,2に示すように、ベースフレーム2は、その開口部4のなす平面の略中央にセンターバー6が設けられた構成とされている。センターバー6は、その両端がベースフレーム2に固定された状態で配置されている。さらに、ベースフレーム2においては、開口部4のなす輪郭線に沿って、サイドカバー3の内面3aの端縁7(図3,4,5参照)を保持可能な保持部8が形成されている。
【0015】この保持部8は、図1,2に示すように、その外周縁側に第一の接触面9が、その内周縁側に第二の接触面10が形成された構成となっており、これら第一および第二の接触面9,10が段状に位置する構成となっている。
【0016】一方、図3,4,5に示すように、サイドカバー3には、その内面3aの端縁7に沿って、端縁7から一定寸法中央よりに離間した位置に凸部11が設けられている。
【0017】そして、サイドカバー3により、ベースフレーム2の開口部4を閉塞した場合、ベースフレーム2の保持部8における第一および第二の接触面9,10と、サイドカバー3の内面3aの端縁7および凸部11とが同時に接触することが可能とであるように、第一、第二の接触面9,10および凸部11の位置および寸法が定められている。
【0018】このように形成された電子機器筐体1において、ベースフレーム2の開口部4をサイドカバー3により閉塞するためには、まず、図6に示すように、ベースフレーム2の開口部4に、サイドカバー3を対向配置し、さらに、図7に示すように、ベースフレーム2に設けられた保持部8にサイドカバー3の凸部11およびサイドカバー3の内面3aの端縁7を接触させるようにする。
【0019】この場合、図7中に二点鎖線で示したように、サイドカバー3をベースフレーム2に対して若干上方にずらして配置するとともに、サイドカバー3の中央をその外面3b側から手で押さえることにより、サイドカバー3を開口部4のなす平面と同一平面をなすように変形させる。
【0020】そして、サイドカバー3を、下方にスライドさせて、図7中実線で示すような位置に移動させると、センターバー6に対してフック5の先端が嵌合することとなるが、この場合、サイドカバー3の中央を押さえていた手を離すと、サイドカバー3が元の湾曲状態に戻ろうとする復元力により、フック5が電子機器筐体1の外方に向けて引っ張られる。これにより、フック5とセンターバー6とが互いに強固に押圧固定される。また、この場合、サイドカバー3においては、内面3aの端縁7および凸部11が、ベースフレーム2の保持部8と接触することにより、フック5を介してベースフレーム2のセンターバー6側から作用する力の反力を、保持部8からとることになる。したがって、サイドカバー3の内面3aの端縁7および凸部11が、ベースフレーム2の保持部8に押圧固定され、これらが、隙間のない状態で密着することが可能となる。
【0021】さらに、この場合、サイドカバー3の内面3aの端縁7が、保持部8を構成する第一の接触面9に接触し、これと同時に、サイドカバー3の凸部11が第二の接触面10に対して接触することにより、開口部4の輪郭線に沿って、サイドカバー3の内面3aの端縁7とベースフレーム2の保持部8とが、段状に位置する第一および第二の接触面9,10の二面を介して互いに接触することとなる。
【0022】このため、サイドカバー3とベースフレーム2との間に隙間が生じにくくなり、これにより、良好なシールド効果を得ることが可能となる。
【0023】以上述べたように、電子機器筐体1においては、サイドカバー3を変形させて、その際に発生する復元力を利用して、センターバー6とフック5とを互いに押圧固定するようにしたために、従来と異なり、電子機器筐体1の組立にあたって、ネジや固定治具等の工具が必要とならず、原価を低減することができるとともに、作業工数を削減することが可能となる。さらに、この場合、サイドカバー3においては、内面3aの端縁7および凸部11が、ベースフレーム2の保持部8と接触して、フック5に作用する力の反力を、保持部8からとることとなるために、サイドカバー3の内面3aの端縁7および凸部11を、ベースフレーム2の保持部8に押圧固定させ、これらを、隙間のない状態で密着させることが可能となる。これにより、良好なEMI対策を行うことが可能となる。
【0024】加えて、電子機器筐体1においては、開口部4の輪郭形状に沿って、第一および第二の接触面9,10の計二面をもってサイドカバー3がベースフレーム2に接触することとなるために、従来に比較して、サイドカバー3とベースフレーム2との間に隙間が生じにくくなり、さらに良好なEMI対策を、容易に行うことが可能となる。
【0025】以上において、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、必要に応じて、他の構成を採用することも可能である。なお、以下、上記実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0026】図8から12は、本発明の他の実施の形態である電子機器筐体1’を示す図である。これらのうち、図8,9は、電子機器筐体1’を構成するベースフレーム(第一のケース構成体)2’を、図10,11,12は、電子機器筐体1’を構成するサイドカバー3’(第二のケース構成体)をそれぞれ示す図であり、図8は、ベースフレーム2’の外観斜視図、図9は、同、平断面図、図10は、サイドカバー3’の正面図、図11は、同、平面図、図12は、同、側面図である。
【0027】この電子機器筐体1’においては、上記実施の形態におけるフック5に代えて、略エ字状に形成されたフック5’が用いられている。このフック5’は、その中央部5a’が、サイドカバー3’の中央部に形成された貫通孔12に挿通されることにより、回転自在な構成となっている。
【0028】一方、ベースフレーム2’のセンターバー6’には、フック5’の先端部5b’を挿通可能なスリット13が設けられている。このような構成において、サイドカバー3’によりベースフレーム2’の開口部4’を閉塞するためには、まず、図13に示すように、ベースフレーム2’の開口部4’に対して、サイドカバー3’を対向配置するとともに、サイドカバー3’の中央部を外面3b’側から手で押しながら、ベースフレーム2’に設けられた保持部8に対してサイドカバー3’の内面3a’の端縁7および凸部11を接触させる。そして、フック5’の先端部5b’をセンターバー6’のスリット13に差込み、その後、フック5’を90°回転させる。この状態から手を離すと、サイドカバー3’の復元力により、フック5’とセンターバー6’とが互いに押圧固定される。これにより、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る電子機器筐体においては、第二のケース構成体に発生する復元力を利用して、第二のケース構成体の中央部に設けられたフックと第一のケース構成体の開口部に設けられたセンタバーとを互いに押圧固定し、これにより、第一のケース構成体の開口部を、第二のケース構成体により閉塞するようにしたために、従来と異なり、ネジや固定治具等を用いることが必要でなく、製作費用の削減および作業工数の低減を図ることが可能となる。さらに、この場合、サイドカバーの内面の端縁とベースフレームの保持部との間に、フックからサイドカバーへ作用する力が反力が作用することとなるために、サイドカバーの内面の端縁を、ベースフレームの保持部に押圧固定させて、これらを、隙間のない状態で密着させることが可能となる。これにより、良好なEMI対策を行うことが可能となる。
【0030】請求項2に係る電子機器筐体によれば、第一のケース構成体の開口部の保持部と、第二のケース構成体の内面の端縁とが第一および第二の接触面の二つの接触面を介して接触することとなるために、第一および第二のケース構成体の間に隙間が生じにくくなり、これにより良好なEMI対策を行うことが可能となる。
【0031】
【出願人】 【識別番号】000192545
【氏名又は名称】神戸日本電気ソフトウェア株式会社
【出願日】 平成11年6月1日(1999.6.1)
【代理人】 【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男 (外3名)
【公開番号】 特開2000−349458(P2000−349458A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−154306