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【発明の名称】 ファンユニット
【発明者】 【氏名】朝比奈 和彦

【要約】 【課題】通気手段を持たない他の電子機器筐体等に影響されることなく、強制空冷を必要とする被冷却筐体を冷却し、かつファンユニットの交換等が前面側から行え、メンテナンスが容易なファンユニットを提供する。

【解決手段】複数配列した被冷却筐体23の間に挿抜可能な本体5と、被冷却筐体23に冷却空気を送るためのファン1A、1Bと、本体5の被冷却筐体23の背面側23a端部に取り付けられ、ファン1A、1Bを、本体5の挿抜方向に対して垂直な軸線回りに回動可能に支持するファン取付部2、8A、8B等とで構成されるファンユニット4。さらに、ファン1A、1B及びファン取付部2、8A、8B等を本体とともに被冷却筐体23間に被冷却筐体23の前面23b側から挿抜するための挿抜手段6、15等を有するのが好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数配列した被冷却筐体の間に挿抜可能な本体と、前記被冷却筐体に冷却空気を送るためのファンと、前記本体の前記被冷却筐体の背面側端部に取り付けられ、前記ファンを、前記本体の前記挿抜方向に対して垂直な軸線回りに回動可能に支持するファン取付部とで構成されることを特徴とするファンユニット。
【請求項2】 さらに、前記ファン及びファン取付部を前記本体とともに前記被冷却筐体間に該被冷却筐体の前面側から挿抜するための挿抜手段を有することを特徴とする請求項1記載のファンユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファンユニットに関し、特に、強制空冷を必要とする電子機器等に使用されるファンユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来強制空冷を必要とする電子機器等に使用されているファンユニットの構成の例を図7及び図8に示す。
【0003】図7は、ファンユニット24及び電子機器(以下「被冷却筐体」という)23が架25に設置された状態を示す斜視図である。ファンユニット24は、ファンの交換を被冷却筐体23の前面23b側から行うタイプのものである。ここで、ファンユニット24の実装高さを最小限に抑えるため、ファンの風向きが鉛直方向になるようにファンユニット24を取り付けてある。被冷却筐体23内には複数のプリント基板28が並列に実装されている。
【0004】この場合、垂直方向の風向きに対して効率よく発熱体を冷却するため、発熱体としてのプリント基板28は風向きと平行に実装されている。また、被冷却筐体23には、冷却空気の流路を確保するため、多数の図示しない開口孔またはスリットが設けられる。
【0005】そして、被冷却筐体23の上方に設置されたファンユニット24が作動すると、開口孔より被冷却筐体23内の空気を吸い上げ、被冷却筐体23の下方から上方への空気の流れが発生し、プリント基板28が冷却される。
【0006】また、図8は、複数の被冷却筐体23が架25に設置された構成の例である。この場合、ファンユニット24は各々の被冷却筐体23の間に設置される。そして、ファンユニット24が作動している状態では、各々の被冷却筐体23の開口孔を通じて下段の被冷却筐体23から上段の被冷却筐体23に向かう連続的な空気の流れによって複数の被冷却筐体23内のプリント基板28が冷却される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図8に記載のファンユニットにおいて、強制空冷を必要とする被冷却筐体と、例えば微細な埃等の侵入を防止するために通気手段を持たない電子機器筐体等とが併設されている場合等には、通気手段を持たない電子機器筐体が冷却空気流の流路の妨げとなり、強制空冷を必要とする被冷却筐体に対して十分な冷却空気を送ることが困難になるという問題があった。
【0008】そこで、本発明は上記従来のファンユニットにおける問題点に鑑みてなされたものであって、通気手段を持たない他の電子機器筐体等に影響されることなく、強制空冷を必要とする被冷却筐体を冷却し、かつファンユニットの交換等が前面側から行え、メンテナンスが容易なファンユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、複数配列した被冷却筐体の間に挿抜可能な本体と、前記被冷却筐体に冷却空気を送るためのファンと、前記本体の前記被冷却筐体の背面側端部に取り付けられ、前記ファンを、前記本体の前記挿抜方向に対して垂直な軸線回りに回動可能に支持するファン取付部とで構成されることを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、さらに、前記ファン及びファン取付部を前記本体とともに前記被冷却筐体間に該被冷却筐体の前面側から挿抜するための挿抜手段を有することを特徴とする。
【0011】そして、請求項1記載の発明によれば、冷却空気を送るためのファンを被冷却筐体の背面に設置でき、前記被冷却筐体内の空気を前記被冷却筐体の背面側に排出するため、冷却空気流は前記被冷却筐体の背面側のみを通過し、前記被冷却筐体の上方または下方に設置された他の装置に影響されることなく強制空冷を必要とする被冷却筐体を冷却することができる。
【0012】請求項2記載の発明によれば、さらに、前記ファン及びファン取付部を前記本体とともに前記被冷却筐体間に該被冷却筐体の前面側から挿抜するための挿抜手段を有することで、前記被冷却筐体の前面側から挿抜できるので、ファンの交換等のメンテナンスが容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるファンユニットの実施の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施例においても、従来例の場合と同様に、本発明にかかるファンユニットを強制空冷を必要とする電子機器に使用した場合について説明する。
【0014】図1に示すように、本発明にかかるファンユニット4は、架25に複数積み重ねられた被冷却筐体23の間に挿入、設置される。
【0015】図2に示すように、このファンユニット4は、本体5と、ファン1A、1Bと、これらのファン1A、1Bを、本体5に対して回動可能に支持するファン取付部の一部としてのファン固定金具2等で構成される。
【0016】本体5は、上方が開口した矩形枠状に形成され、左方端部には、後述するスライド部6のストッパとして機能する曲折部5aが備えられる。また、本体5の左方端部には、スライド部6の動きを規制するため、支持金具16が固定され、この支持金具16には、ピン12を中心として回動する固定アーム13が備えられる。本体5の右方端部には、後述するファン固定金具2を回動可能に指示するための支持金具7A、7Bが立設される。
【0017】スライド部6は、本体5と同様に上方が開口した矩形枠状に形成される。このスライド部6は、本体5によって上下左右の動きが規制され、本体5の上を前後方向(矢印A方向)にのみ摺動可能である。スライド部6の左方端部には、このスライド部6を本体5に対して摺動させる際に把持するハンドル15が備えられる。また、スライド部6の左方端部近傍には、固定アーム13の切欠部13aと係合可能なストッパ14が固定される。さらに、スライド部6の右方端部には、曲折部6aが形成され、図示しない穴部にピン11Aが挿通される。
【0018】ファン固定金具2は、支持金具7A、7Bの図示しない穴部を挿通するピン9A及びピン9Bを中心に、本体5に対して回動可能に支持される。また、ファン固定金具2の左方端部には、曲折部2aが形成され、図示しない穴部にピン10A、ピン10Bが挿通される。
【0019】アーム8A及びアーム8Bは、ピン10A、10B、11A、11Bにより、各々回動可能に支持され、曲折部2a、6aを介して、スライド部6とファン固定金具2を連結している。
【0020】次に、図3、図4及び図5を参照しながら上記構成を有するファンユニット4の動作について説明する。
【0021】図3は、架25(図1)に設置されたファンユニット4及び被冷却筐体23の部分のみを図示している。ファンユニット4は、被冷却筐体23の上方に被冷却筐体23の前面側から挿入して、設置されている。
【0022】まず、ハンドル15を介してスライド部6を矢印Bの方向に押すと、ピン11A、11Bによって連結されたアーム8A、8Bを介して、ファン固定金具2上のピン10A、10Bの部位に矢印B方向の力が加わり、ピン9A、9Bを支点として、ファン1A、1B及びファン固定金具2は矢印Cの方向に回転する。
【0023】上述の動作を図5の原理図に置き換えてみると、上記ファン固定金具2上のピン10A、ピン10B部が図5における力点30の部分に相当しており、ピン9A及びピン9B部が支点31、ファン1A、1B及びファン固定金具2が可動物29に相当する。
【0024】図5において、可動物29の力点30に水平方向の力Fを加えた場合、可動物29は、支点31を中心として、てこの原理により矢印E方向に回動する。この原理に基づき、スライド部6の摺動に伴ってファン固定金具2が回動する。ここで、ファン固定金具2の回動角度は、曲折部5aとハンドル15が接触する位置及び、ストッパ14に固定アーム13の切欠部13aが係合する位置によって規制される。
【0025】図4は、上記操作によって、ファンユニット4のファン固定金具2が略々90度回転し、被冷却筐体23の背面23aに対向する位置に達した状態を示している。
【0026】この状態でファン1A、1Bを運転すると、被冷却筐体23内の空気は被冷却筐体23の背面23aに設けられた図示しない開口孔部より吸引され、背面23a側に排出される。これによって、強制空冷されるべき被冷却筐体23のみにファンユニット4の空冷効果が及ぼされる。
【0027】また、以上の説明におけるファン固定金具2の動作は可逆的であり、スライド部6を図3におけるB方向と逆に動かせば、ファン固定金具2を本体5と同レベルの水平位置まで復帰させることができる。
【0028】以上の操作により、架25等に複数積み重ねられた被冷却筐体23の間にファンユニット4全体を前面23bから挿抜することが可能となり、ファンの交換等のメンテナンスが容易となる。
【0029】次に、本発明にかかるファンユニットのもう一つの実施例を図6を参照しながら説明する。
【0030】この実施例では、被冷却筐体23内に、前述の実施例と同じ構造のファンユニット4が縦にして組み込まれ、ファンユニット4は、プリント基板28と並列に挿入、実装された後、ファン固定金具2を90度回転させて前記被冷却筐体23内の背面23aに対向するように設置する。このような構成とすることにより、被冷却筐体23内の空気を被冷却筐体23の背面23a側に排出することができ、冷却空気流は被冷却筐体23の背面23a側のみを通過し、被冷却筐体23の上方または下方に設置された他の装置に影響されることなく強制空冷を必要とする被冷却筐体23を冷却することができる。また、ファンユニット4全体を被冷却筐体23の前面23b側から挿抜することもでき、ファンの交換等のメンテナンスが容易となる。
【0031】尚、上記実施例においては、本体5の被冷却筐体23の背面23a側端部に取り付けられ、ファン1A、1Bを、本体5の被冷却筐体23への挿抜方向に対して垂直な軸線回りに回動可能に支持するファン取付部、及びファン1A、1Bと前記ファン取付部を本体5とともに被冷却筐体23またはプリント基板28の間に被冷却筐体23の前面23b側から挿抜するための挿抜手段を、ファン固定金具2、スライド部6、支持金具7A、7B、アーム8A、8B等で構成したが、ファン取付部及び挿抜手段の構成はこれに限定されず、種々の構成を採用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、被冷却筐体の上方または下方に設置された他の装置に影響されることなく強制空冷を必要とする被冷却筐体を冷却することが可能なファンユニットを提供することができる。
【0033】請求項2記載の発明によれば、上記効果に加えて、被冷却筐体の前面側から挿抜できるので、ファンの交換等のメンテナンスが容易なファンユニットを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000232047
【氏名又は名称】日本電気エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成11年5月28日(1999.5.28)
【代理人】 【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
【公開番号】 特開2000−340975(P2000−340975A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−150607