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【発明の名称】 電子部品の照明設定方法
【発明者】 【氏名】水岡 靖司

【氏名】上田 陽一郎

【要約】 【課題】自動的、且つ定量的な分析によって最適な照明制御データを迅速、且つ確実に探し出して設定することのできる電子部品の照明設定方法を提供する。

【解決手段】複数の光源列3a〜3cの組み合わせ毎に、光源列3a〜3cの照度レベルを複数段に可変しながら、電子部品7の画像認識を行い、画像データの輝度の変化に対する電子部品の認識位置のばらつき度合のデータを求める処理と、求めたデータの近似曲線を求める処理と、近似曲線における所定の閾値よりも低いばらつき度合を得られる輝度の許容範囲幅Dを求める処理とをそれぞれ行う。光源列3a〜3cの組み合わせ毎に求めた許容範囲幅Dのうちの幅が最も大きい光源列3a〜3cの組み合わせと、その最も大きい許容範囲幅Dにおける中点の照明可変データとを、照明制御データとして設定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個の光源をそれぞれ配列した複数の光源列を有し、その各光源列が、各々の前記各光源を電子部品に対し前記光源列毎に互いに異なる照射角度から撮像用の照明光を照射する向きで配列してなる構成となった照明装置を備え、前記照明装置を種別の異なる電子部品毎に点灯制御するための照明制御データを設定する電子部品の照明設定方法において、前記各光源列の組み合わせを設定し、その光源列の組み合わせ毎に、組み合わせに選択した前記光源列を複数の照明可変データにより順次点灯制御して電子部品での照度レベルを複数段に可変しながら、各照度レベル毎に画像データを所定回数ずつ繰り返し入力して、その都度、電子部品の画像認識を行い、画像データの輝度の変化に対する電子部品の認識位置のばらつき度合を求める処理と、前記輝度の変化に対する認識位置のばらつき度合のデータの曲線近似を行って近似曲線を求める処理と、前記近似曲線における所定の閾値よりも低いばらつき度合を得られる輝度の許容範囲幅を求める処理とをそれぞれ行い、前記光源列の組み合わせ毎にそれぞれ求めた前記許容範囲幅のうちの幅が最も大きい前記光源列の組み合わせと、その最も大きい前記許容範囲幅における中点の照明可変データとを、前記照明制御データとして設定するようにしたことを特徴とする電子部品の照明設定方法。
【請求項2】 同一の電子部品について、画像データにおける或る走査ライン上のエッジを検出する画像認識方法、画像データの輝度の投影データにおける閾値以上のレベルの中点を検出する画像認識方法およびパターンマッチング法を用いる画像認識方法を少なくとも含む複種類の画像認識方法で電子部品の位置をそれぞれ画像認識して、各画像認識方法毎に画像データの輝度の変化に対する電子部品の認識位置のばらつき度合を求める処理を行い、各画像認識方法毎に求めた輝度の許容範囲幅のうちの最も大きな許容範囲幅となった光源列の組み合わせと、その許容範囲幅における中点の照明可変データとを、照明制御データとして設定するようにした請求項1に記載の電子部品の照明設定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の電子部品を回路基板に自動的に実装する電子部品実装装置において、吸着ノズルなどに吸着保持され、且つ照明装置から照明光を照射されている電子部品を認識カメラで撮像した画像データに基づいて電子部品の位置を画像認識するに際し、照明装置を異なる種別の電子部品毎に点灯制御するための照明制御データを、種々の電子部品毎にそれぞれ要求される適正な照明光を照射できるように設定する電子部品の照明設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な電子部品実装装置は、部品供給手段により部品供給位置に供給された電子部品を実装ヘッドの吸着ノズルで吸着保持し、その吸着ノズルと回路基板とを相対移動させることにより、電子部品と回路基板の所要の部品装着部とが合致するよう位置決めしたのちに、吸着ノズルが下動して吸着中の電子部品を回路基板の部品装着部に実装するようになっている。また、吸着ノズルの移動経路中における電子部品を吸着ノズルで吸着する部品供給位置と電子部品を回路基板に実装する部品装着位置との中間には、部品認識位置が設けられている。
【0003】上記の部品認識位置には、図1に示すように、認識カメラ2、照明装置3および照明制御装置(図示せず)などを備えた部品認識ユニット1が配置されている。部品認識ユニット1では、吸着ノズル4に吸着保持されている電子部品7を照明装置3からの照明光で照射しながら認識カメラ2で撮像して、その画像データに基づいて、電子部品7の吸着ノズル4に対する吸着姿勢や電子部品7の形状などを画像認識し、吸着ノズル4に対する電子部品7の位置ずれ量の算出や電子部品7の種別或いは良否の判別などが行われる。
【0004】上記照明装置3は、例えば、発光ダイオードなどの多数個の光源8を所定の配置で組み合わせた構成になっている。現在の照明装置3の一例では、計120 個の光源8を上段、中段および下段にそれぞれ40個ずつ配列して組み合わせた構成になっており、これら上段光源列3a、中段光源列3bおよび下段光源列3cは、各々40個の光源を、認識カメラ2の光学系の光軸に対しそれぞれ75°、60°および45°の角度に向けた配置で矩形状に一列に配列した構成になっている。したがって、各光源列3a〜3cは、電子部品7に対し照明光をそれぞれ75°、60°および45°の照射角度で四方からそれぞれ照射できるようになっている。
【0005】また、各光源列3a〜3cの各々の全体から出射される照明光は、点灯すべき光源8の選択と、選択した光源8への電流値の可変制御、つまり光源8の光度の可変制御とにより、電子部品7での照度レベルを電子部品7の形状に対応するよう複数段に可変制御するようになっている。さらに、各光源列3a〜3cは、適宜選択したものを組み合わせて使用できるようになっており、これら照射角度が互いに異なる3種類の光源列3a〜3cの組み合わせは、下記の(表1)に示すように、7通りとなる。
【0006】
【表1】

上記照明制御装置は、種別の相違に応じて形状などが互いに異なる電子部品7毎に、撮像に最適な照明光、つまり電子部品7と背景との間の明暗のコントラストが最大となるような照明光を出射するよう照明装置3を制御するものである。この照明制御装置のメモリには、電子部品の種別毎に、使用する光源列3a〜3cの組み合わせ、つまり照射角度の組み合わせと、使用する光源列3a〜3cにおける点灯すべき光源8およびその光源8に供給する電流値(以下、光源列3a〜3cの組み合わせ、点灯すべき光源8およびその光源8に供給する電流値を総称して照明制御データという)が予め登録されている。なお、照明装置3に組み込まれるレンズなどの光学系(図示せず)としては、微小部品から大形部品までの全ての電子部品7に対し照明光を照射できる視野を有したものが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の各種電子部品7毎の照明制御データは、作業者により予め実験的に求められて照明制御装置のメモリに登録される。例えば、図7(a)の平面図に示した電子部品7の一種である3端子トランジスタの場合には、先ず、この電子部品7を認識カメラ2で撮像して得られた画像データに対し任意のラインLに沿った輝度プロットを求める。同図(b)はその輝度プロットの一例を示すもので、この輝度プロットでの最も大きな輝度差Mが得られる画像データの箇所を求める。この場合には、画像データにおける3本の端子7aのうちの図の右側の1本の端子7aの先端部に相当する箇所において最も大きな輝度差Mが得られる。なお、求めた最も大きな輝度差Mが得られる箇所は、一般に、部品認識ユニット1に対し画像認識するときの電子部品7の認識すべき部位としてそのまま設定される。
【0008】そして、作業者は、上述のように画像データにおける最も大きな輝度差Mが得られる箇所を見つけ出したのちに、各光源列3a〜3cの組み合わせを順次変えるとともに、その組み合わせに選択した光源列3a〜3cにおける点灯すべき光源8や光度を適当に可変しながら、その照明条件を可変する毎に、認識カメラ2で電子部品7を撮像した画像データにおける上述の求めた部位の輝度差をその都度計測して、その輝度差が最大となるように照明装置3からの照明光を調整する。
【0009】この調整により、作業者は輝度差が最大になったと判断したときに、その輝度差が得られた時の照明条件を、照明制御データとして照明制御装置のメモリに電子部品の種別と関連付けて登録する。上記の画像データにおける輝度差は、照明光によって電子部品7の所定箇所と背景との間の明暗のコントラストが高くなる程、大きくなる。したがって、作業者は、照明条件を順次変えながら照明光を調整して、電子部品7の所定箇所と背景との間の明暗のコントラストが最も高くなる照明条件を見つけ出す作業をしていることになる。
【0010】しかしながら、上述のような従来の照明設定方法では、作業者の熟練に基づく勘に依存する割合が非常に高い。そのため、特にコネクタやフィルタなどの比較的複雑な形状を有する電子部品7の場合には、どの照射角度で四方のうちのどの方向からどの程度の光量を有する照明光を照射すればよいかの判断基準がないことから、照明条件の変更による試行錯誤を繰り返しながら、電子部品7と背景との間に高い明暗のコントラストを得られる照明光の調整を行っているので、所要の照明制御データを見つけ出すのに非常に手間取ることが多い上に、その見つけ出した照明制御データは必ずしも最適な照明光を得られるものとはなり難い。このように、照明光が最適なものにならないと、画像データにおける電子部品と背景との間の輝度のコントラストが十分に高くならないので、画像認識により得られた電子部品の認識位置にばらつきが生じ、高精度な画像認識を行えない問題が発生する。
【0011】そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、自動的、且つ定量的な分析によって最適な照明制御データを迅速、且つ確実に探し出して設定することのできる電子部品の照明設定方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、複数個の光源をそれぞれ配列した複数の光源列を有し、その各光源列が、各々の前記各光源を電子部品に対し前記光源列毎に互いに異なる照射角度から撮像用の照明光を照射する向きで配列してなる構成となった照明装置を備え、前記照明装置を種別の異なる電子部品毎に点灯制御するための照明制御データを設定する電子部品の照明設定方法において、前記各光源列の組み合わせを設定し、その光源列の組み合わせ毎に、組み合わせに選択した前記光源列を複数の照明可変データにより順次点灯制御して電子部品での照度レベルを複数段に可変しながら、各照度レベル毎に画像データを所定回数ずつ繰り返し入力して、その都度、電子部品の画像認識を行い、画像データの輝度の変化に対する電子部品の認識位置のばらつき度合を求める処理と、前記輝度の変化に対する認識位置のばらつき度合のデータの曲線近似を行って近似曲線を求める処理と、前記近似曲線における所定の閾値よりも低いばらつき度合を得られる輝度の許容範囲幅を求める処理とをそれぞれ行い、前記光源列の組み合わせ毎にそれぞれ求めた前記許容範囲幅のうちの幅が最も大きい前記光源列の組み合わせと、その最も大きい前記許容範囲幅における中点の照明可変データとを、前記照明制御データとして設定するようにしたことを特徴としている。
【0013】この電子部品の照明設定方法では、形状の相違する各種の電子部品に対してそれぞれ、照明光の照射角度が互いに異なる複数の光源列の各組み合わせ毎に、電子部品に対する照度レベルを複数段に可変しながら、各照度レベル毎に画像データを所定回数ずつ繰り返し入力して画像認識を行って、画像データの輝度の変化に対する電子部品の認識位置のばらつき度合が閾値よりも低い許容範囲幅を求めたのち、その許容範囲幅が最も大きい照射角度の組み合わせと、そのときの電子部品に対する照度レベルとを求めて照明制御データを決定している。したがって、各種の電子部品毎に設定する照明制御データは、多数回の画像認識の結果である多くのデータに基づく定量的な分析によって決定することから、形状の相違する各電子部品毎に求められる最適な照明光を確実に照射することのできる最適なものとなり、しかも、その照明制御データを自動的な処理によって迅速に求めることができる。
【0014】上記発明において、同一の電子部品について、画像データにおける或る走査ライン上のエッジを検出する画像認識方法、画像データの輝度の投影データにおける閾値以上のレベルの中点を検出する画像認識方法およびパターンマッチング法を用いる画像認識方法を少なくとも含む複種類の画像認識方法で電子部品の位置をそれぞれ画像認識して、各画像認識方法毎に画像データの輝度の変化に対する電子部品の認識位置のばらつき度合を求める処理を行い、各画像認識方法毎に求めた輝度の許容範囲幅のうちの最も大きな許容範囲幅となった光源列の組み合わせと、その許容範囲幅における中点の照明可変データとを、照明制御データとして設定することが好ましい。
【0015】これにより、或る画像認識方法では電子部品に求められる最適な照明光を得られない場合でも、画像認識方法を変えることにより、その電子部品に最適な照明光を見つけ出すことが可能となるから、複雑な形状の電子部品に対しても、その電子部品と背景との間に高い明暗のコントラストを得ることのできる高精度な照明制御データを確実、且つ迅速に設定することが可能になるとともに、電子部品に適した画像認識方法をも同時に設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の照明設定方法の処理を示すフローチャートで、この実施の形態では、図1に示した部品認識ユニット1に適用する場合を例示してある。すなわち、照明装置3は、電子部品7に対して75°,60°および45°の照射角度からそれぞれ照明光を照射できる3種類の光源列3a〜3cを備えており、照射角度の組み合わせは上記の(表1)に示したように7通りが可能である。
【0017】先ず、初期設定として、図示しない中央演算処理ユニットのメモリには、各光源列3a〜3cの選択による照射角度の組み合わせの順序を決めた組み合わせ順序データおよびその各組み合わせ毎の点灯すべき光源8とその点灯する光源8への供給電流値(つまり光度)とを可変するための照明可変データが設定記憶される(ステップS1)。
【0018】つぎに、照射角度の組み合わせ順序の変数Nに「1」を設定し(ステップS2)、さらに、照明可変データの順序の変数Kに「1」を設定する(ステップS3)。照明制御装置は、照射角度の組み合わせ順序データおよび照明可変データのうちの上記の各変数N,Kにそれぞれ設定された順序に相当するデータをメモリからそれぞれ読み出して、その読み出したデータに基づいて照明装置3を点灯制御する。この場合、照明制御装置は組み合わせ順序の1番目に設定されている光源列3a〜3cの組み合わせを選択して、その選択した光源列3a〜3cの各々の各光源8を1番目の照明可変データに基づき点灯制御し(ステップS4)、所定の照度レベルの照明光を照明装置3から電子部品7に対し照射させる。
【0019】認識カメラ2は上記の照明光を照射された電子部品7を撮像し、その画像データは図示しない画像認識部に取り込まれる(ステップS5)。画像認識部は、画像データに基づいて、例えば図7のようにして求めた電子部品7の所定部位の位置を画像認識し(ステップS6)、その画像認識の結果である認識位置をメモリに一時記憶する(ステップS7)。続いて、中央演算処理ユニットは、繰り返し回数の変数であるRに「1」を加算し(ステップS8)、その変数Rが「30」に達したか否かを判別する(ステップS9)。いま、変数Rは「1」であるから、ステップS5にリターンして、前述のように設定した照明条件において、入力画像データに対する画像認識を、変数Rが「30」になったと判別(ステップS9)するまで繰り返し、その画像認識する毎に、その認識位置をメモリに一時記憶していく。
【0020】すなわち、この実施の形態では、一つの照射角度の組み合わせにおける一つの照度レベルの設定、つまり或る一つの照明条件に対して30回の画像認識を繰り返すとともに、その都度、画像認識した結果である電子部品7の認識位置をメモリに一時記憶する。画像認識の30回の繰り返しが終了したと判別(ステップS9)したときに、変数Rをクリアして「0」に設定したのちに、メモリに一時記憶している30回分の画像認識の結果である認識位置を読み出して、30回繰り返した画像認識における各々の認識位置のばらつき度合を求める(ステップS10)。
【0021】つぎに、変数Kが「5」であるか否かを判別する(ステップS11)。すなわち、この実施の形態では、一つの照射角度の組み合わせに対して照度レベルを5段階に可変するよう照明可変データが設定されており、この場合には、ステップS3において「1」を設定したままであるから、変数Kに「1」を加算して(ステップS12)、つまり変数Kを「2」に変更設定してステップS4にリターンする。
【0022】そして、照明制御装置は、上述と同様に1番目の組み合わせ順序として選択された光源列3a〜3cにおける各光源8を、2番目の照明可変データに基づき点灯制御して(ステップS4)、2番目の照度レベルに設定した照射光を照明装置3から電子部品7に対し照射させる。続いて、ステップS5〜S9の処理を前述と同様に30回繰り返して、2番目の照度レベルを照射した電子部品7の画像データの画像認識を30回行い、メモリに一時記憶している30回分の画像認識の結果である認識位置を読み出して、30回繰り返した画像認識の認識結果である認識位置のばらつき度合を求める(ステップS10)。
【0023】中央演算処理ユニットは、上記のように同一の照明可変データによる認識位置のばらつき度合を求める処理を、変数Kが「5」になったと判別(ステップS11)するまで、照明可変データを順次変更しながら繰り返す。すなわち、中央演算処理ユニットは、1番目の組み合わせ順序として選択した光源列3a〜3cに対して、照明可変データに設定された5段階の照度レベルに順次切り換えるとともに、各照度レベル毎に、電子部品7の画像データの画像認識を各々30回行わせ、その都度メモリに一時記憶している30回分の画像認識の結果である認識位置を読み出して、各々30回繰り返した画像認識の認識結果である認識位置のばらつき度合をそれぞれ求める。
【0024】電子部品7に対する照度レベルの5回の可変による認識位置のばらつき度合を求める処理が終了すると、図3(a)に示すように、照度レベルを5段階に切り換えたことによる画像データの輝度の変化に対する認識位置のばらつき度合の関連を示す特性曲線のデータを得ることができる。
【0025】つぎに、中央演算処理ユニットは、上記の画像データの輝度の変化に対する認識位置のばらつき度合の関連を示す特性曲線のデータに対して、例えば、放物線(2次曲線)を用いた曲線近似を行う演算をして、近似曲線を求める(ステップS13)。この場合に用いる曲線近似法としては、入力の画素列を適当にサンプリングして、これを多角形の頂点とするスプライン関数を演算する方法、または、曲線を幾つかのサンプル点で分割して、そのサンプル点で隣接する円弧が同じ接線を共有するように近似する方法が適している。図3(b)は上述のようにして求められた近似曲線の一例を示す。
【0026】さらに、中央演算処理装置は、図3(c)に示すように、求めた近似曲線における所定の閾値L以下のばらつき度合が得られる輝度の範囲の幅(以下、許容範囲幅という)Dを求める(ステップS14)。これにより、光源列3a〜3cの1番目の組み合わせにおける所定精度以上のばらつき度合が得られる輝度の許容範囲幅Dを求める処理が終了する。
【0027】続いて、中央演算処理装置は、組み合わせ順序の変数Nが「7」であるか否かを判別(ステップS15)する。この場合には、照射角度の1番目の組み合わせの処理工程が終了しただけであって、変数Nが「1」のままであるから、変数Nとして「1」を加算して「2」を新たにセット(ステップS16)したのちに、ステップS3にリターンして、上述と同様に、ステップS3〜S14の処理を行う。
【0028】すなわち、中央演算処理ユニットは、2番目の組み合わせ順序として設定された光源列3a〜3cを選択して、その選択した光源列3a〜3cにおける各光源8を、前述と同様に、照明装置3の電子部品7に対する照度レベルを5段階に順次切り換えるよう制御して、その各照度レベルを設定する毎に、ステップS5〜S9の処理をそれぞれ30回ずつ繰り返して画像データの画像認識を30回行い、メモリに一時記憶している30回分の画像認識の結果である認識位置を読み出して、30回繰り返した画像認識の認識結果である認識位置のばらつき度合を求め、照明装置3の照度レベルを5段階に切り換えたことによる画像データの輝度の変化に対する認識位置のばらつき度合の関連を示す特性曲線のデータを得る。さらに、その画像データの輝度の変化に対する認識位置のばらつき度合の関連を示す特性曲線のデータに対して、2次曲線を用いた曲線近似を行う演算をして、近似曲線を求め(ステップS13)、求めた近似曲線における所定の閾値L以下のばらつき度合を得られる輝度の許容範囲幅Dを求める(ステップS14)。
【0029】上述と同様の処理を、組み合わせ順序の変数Nが「7」であると判別(ステップS15)するまで繰り返して、3種の光源列3a〜3cの7通りの組み合わせの全てについて、上記の曲線近似を行う演算により求めた近似曲線における所定の閾値L以下のばらつき度合が得られる画像データの輝度の許容範囲幅Dをそれぞれ求める。
【0030】上記の7通りの許容範囲幅Dを求める処理が終了して、組み合わせ順序の変数Nが「7」になったと判別(ステップS15)したとき、上述の処理により求めた7種類の近似曲線における所定の閾値L以下のばらつき度合が得られる各々の許容範囲幅Dを比較対照して、許容範囲幅Dが最も大きな光源列3a〜3cの組み合わせを求める(ステップS17)。この許容範囲幅Dが大きい程、照明装置3からの照明光の変動に対して画像認識による認識位置のばらつきが少ない。換言すると、上記の許容範囲幅Dが大きいことは、電子部品7の所定部位と背景との間に高い明暗のコントラストが得られる最適な照明光を照射していることになる。
【0031】最後に、上述のようにして求めた光源列3a〜3cの組み合わせと、その組み合わせにおける許容範囲幅Dの中央点の照明可変データとにより、上記処理の対象とした電子部品7に対する光源列3a〜3cの組み合わせと、その組み合わせに選択した光源列3a〜3cにおける点灯する光源8およびその光源の光度とを決定し、これを照明制御データとして電子部品7の種別に関連付けて照明制御装置のメモリに設定登録する(ステップS18)。これにより、或る種別の電子部品7に対する照明制御データの設定が終了し、以下、異なる種別の電子部品7毎に上述と同様の処理を繰り返して、回路基板に実装すべき全ての電子部品7毎に照明制御データを求めて設定登録する。
【0032】この実施の形態の照明設定方法では、形状の相違する各種の電子部品に対してそれぞれ、3種の照射角度の7通りの各組み合わせ毎に電子部品7に対する照度レベルを5段階に可変しながら、各照度レベル毎に画像データを30回ずつ繰り返し入力して画像認識を行い、画像データの輝度の変化に対する電子部品7の認識位置のばらつき度合が閾値よりも低い許容範囲幅Dを求めたのち、その許容範囲幅が最も大きい照射角度の組み合わせと、そのときの電子部品7に対する照度レベルとを求めて照明制御データを決定している。したがって、各種の電子部品毎に設定する照明制御データは、上述のように比較的多くのデータに基づく定量的な分析によって決定することから、形状の相違する各電子部品7毎に求められる最適な照明光を確実に照射できる精度の高いものとなる。しかも、照明制御データは、自動的な処理によって迅速に求めて設定することができる。
【0033】図4〜図6は電子部品7の3種類の画像認識方法をそれぞれ説明するための図である。図4(a)は図7(a)に示した電子部品7におけるA部の拡大図、(b)は(a)に示すラインL1に沿った画像データにおける電子部品7の位置と輝度の関係を示す特性図、(c)は(a)に示すラインL2に沿った画像データにおける電子部品7の位置と輝度の関係を示す特性図である。この画像認識方法では、(b)のラインL1上の輝度差の最も大きい点と、(c)のラインL2上の輝度差が最も大きい二つの点の中点とに基づいて、電子部品7の画像認識する部位を決定する。この場合には端子7aの先端部における幅方向の中点の部位の位置を画像認識する。
【0034】図5(a)は図7(a)の電子部品7におけるA部の拡大図、(b)は画像データにおける電子部品7の端子7aの位置と端子7aの長さ方向(図の左右方向)の輝度を重ね合わせて輝度の分布を求めた投影レベルとの関係を示す特性図、(c)は画像データにおける電子部品7の端子7aの位置と端子7aの幅方向(図の上下方向)の輝度を重ね合わせて輝度の分布を求めた投影レベルとの関係を示す特性図である。この画像認識方法では、(b)の投影レベルにおける閾値SL1との交点と、(c)の投影レベルにおける閾値SL2との二つの交点の間の中点とに基づいて、電子部品7の画像認識する部位を決定する。この場合においても、端子7aの先端部における幅方向の中点の位置を画像認識する。
【0035】図6(a)は予め登録されている二つのパターンP1,P2を示し、この画像認識方法では、画像データのスキャンニングを行いながら、(b)に示すように、電子部品7の画像データにおける二つのパターンP1,P2とそれぞれ一致する箇所を求めたのち、この二つのパターンP1,P2のオフセット情報に基づいて、二つのパターンP1,P2が合致する箇所から電子部品7の画像認識する部位を決定する。この場合においても、端子7aの先端部における幅方向の中点の位置を画像認識する。
【0036】つぎに、本発明の第2の実施の形態に係る電子部品7の照明設定方法について説明する。この実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、種別の異なる各電子部品7毎に図2のフローチャートの処理を行って各光源列3a〜3cによる最適な照射角度の組み合わせと各光源列3a〜3cによる電子部品7における照度レベルとを決定するのであるが、図2のステップS6において、図4〜図6に示した3種の各画像認識方法をそれぞれ用いて電子部品7の所定部位の位置を画像認識し、3種の各画像認識方法毎に、上述の許容範囲幅Dが最大となる各光源列3a〜3cによる最適な照射角度の組み合わせと電子部品7での照度レベルとを求める。
【0037】そして、中央演算処理装置は、求めた3種の許容最大幅Dのうちの最も大きな許容最大幅Dを判別して、その判別した最大の許容最大幅となる各光源列3a〜3cの組み合わせとそれの電子部品7での照度レベルとを照明可変データとして、対応する各電子部品7に関連付けて照明制御装置のメモリに登録する(ステップS18)とともに、その最大の許容範囲幅Dが得られた画像認識方法を、部品認識手段として対応する各電子部品7に関連付けてメモリに登録する。
【0038】このように、第2の実施の形態の照明設定方法では、複数の画像認識方法毎に、画像データの輝度の変化に対する電子部品7の認識位置のばらつき度合に所定以上の精度が得られる近似曲線の許容範囲幅Dのうちの最大の許容範囲幅Dを求め、さらに、その最大の許容範囲幅Dのうちの最も大きな許容範囲幅Dが得られる画像認識方法および照明装置3の照明制御データを求めるので、或る画像認識方法では電子部品7に求められる最適な照明光を得られない場合でも、画像認識方法を変えることにより、その電子部品7に最適な照明光を見つけ出すことが可能となる。したがって、複雑な形状の電子部品7に対しても、その電子部品7と背景との間に高い明暗のコントラストを得ることのできる高精度な照明制御データを確実、且つ迅速に設定することが可能になるとともに、電子部品7に適した画像認識方法をも同時に設定することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明の電子部品の照明設定方法によれば、形状の相違する各種の電子部品に対してそれぞれ、照明光の照射角度が互いに異なる複数の光源列の各組み合わせ毎に、電子部品に対する照度レベルを複数段に可変しながら、各照度レベル毎に画像データを所定回数ずつ繰り返し入力して画像認識を行って、画像データの輝度の変化に対する電子部品の認識位置のばらつき度合が閾値よりも低い許容範囲幅を求めたのち、その許容範囲幅が最も大きい照射角度の組み合わせと、そのときの電子部品に対する照度レベルとを求めて照明制御データを決定するようにしたので、各種の電子部品毎に設定する照明制御データは、多数回の画像認識の結果である多くのデータに基づく定量的な分析によって決定することから、形状の相違する各電子部品毎に求められる最適な照明光を確実に照射することのできる最適なものとなり、しかも、その照明制御データを自動的な処理によって迅速に求めることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年5月17日(1999.5.17)
【代理人】 【識別番号】100080827
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝
【公開番号】 特開2000−332500(P2000−332500A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−135974