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【発明の名称】 電子部品挿入ヘッドおよび電子部品挿入装置
【発明者】 【氏名】小林 正義

【氏名】進藤 淳

【要約】 【課題】プリント基板に電子部品のリード線を挿入する電子部品挿入装置の部品挿入ヘッドの動作をより高速で効率よく行えるようにする。また挿入ガイドの移動軌跡の設計自由度を増す。

【解決手段】部品挿入ヘッドは、支持ブロックと、支持ブロックに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能な挿入ガイドと、挿入ガイドを第1の位置と第2の位置との間で移動させる挿入ガイド移動手段と、電子部品に力を加えて電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に挿入する電気部品押圧手段とを有する。更に、位置を変更可能なカムと、挿入ガイドに設けられ、挿入ガイド移動時にカムに当接して従動するカム従動部と、カムの位置を変更する手段とを設け、カムの位置を変更することにより挿入ガイドの移動軌跡を変更する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持ブロックと、前記支持ブロックに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記第1の位置において電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に案内する挿入ガイドと、前記挿入ガイドを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる挿入ガイド移動手段と、前記支持ブロックに対する位置を変更することのできるカムと、前記挿入ガイドに設けられ、挿入ガイドが前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際に前記カムのカム面に当接しながら該カム面に従動するカム従動部と、前記カムの位置を変更するカム位置変更手段と、を有し、前記カム位置変更手段により前記カムの位置を変更することにより前記挿入ガイドの移動軌跡を変更することができることを特徴とする電子部品挿入ヘッド。
【請求項2】 前記挿入ガイドは、一端が前記支持ブロックに枢支され他端が挿入ガイドに枢支されたアームによって支持ブロックに連結され、前記挿入ガイドの従動部が前記カム面に当接するように前記挿入ガイドを常時付勢する付勢手段を更に有し、挿入ガイドの前記移動軌跡は該アームによる拘束と前記従動部と前記カム面との当接により規定されることを特徴とする請求項1記載の電子部品挿入ヘッド。
【請求項3】 前記カム位置変更手段によるカム位置の変更は空圧を駆動源として行われることを特徴とする請求項1記載の電子部品挿入ヘッド。
【請求項4】 支持ブロックと、支持ブロックに対して支点軸により一端が枢支された第1のアームと、前記支持ブロックに一端が枢支された第2のアームと、前記第1のアームの他端が枢着された挿入ガイドと、前記第2のアームに備える穴と前記挿入ガイドに備える穴に嵌入する第1の枢軸と、前記支持ブロックに嵌入する第2の枢軸と、前記第1の枢軸と前記第2の枢軸を近づける向きに付勢する付勢手段と、前記挿入ガイドの上部に固着する軸に回転自在に軸支されるローラと、前記ローラに当接するカムと、前記支持ブロックに対する前記カムの位置を変更するカム位置変更手段とを備え、前記挿入ガイドが上昇する際に前記ローラが前記付勢手段により付勢された状態で前記カムに当接しながら移動し、前記カムの位置を変更することで、前記挿入ガイドの上昇軌跡を変更自在としたことを特徴とする電子部品挿入ヘッド。
【請求項5】 リード線を有する電子部品を供給する部品供給機構と、前記部品供給機構から電子部品を受け取り、該電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に挿入する電子部品挿入ヘッドと、プリント基板に挿入された電子部品のリード線を切断し折り曲げ固定するクリンチ機構とを有する電子部品挿入装置であって、前記電子部品挿入ヘッドは支持ブロックと、前記支持ブロックに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記第1の位置において電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に案内する挿入ガイドと、前記挿入ガイドを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる挿入ガイド移動手段と、前記支持ブロックに対する位置を変更することのできるカムと、前記挿入ガイドに設けられ、挿入ガイドが前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際に前記カムのカム面に当接しながら該カム面に従動するカム従動部と、前記カムの位置を変更するカム位置変更手段とを有し、前記カムの位置を変更することにより前記挿入ガイドの移動軌跡を変更することができることを特徴とする電子部品挿入装置。
【請求項6】 前記挿入ガイドは、一端が前記支持ブロックに枢支され他端が挿入ガイドに枢支されたアームによって支持ブロックに連結され、前記挿入ガイドの従動部が前記カム面に当接するように前記挿入ガイドを常時付勢する付勢手段を更に有し、挿入ガイドの前記移動軌跡は該アームによる拘束と前記従動部と前記カム面との当接により規定されることを特徴とする請求項5記載の電子部品挿入装置。
【請求項7】 前記カム位置変更手段によるカム位置の変更は空圧を駆動源として行われることを特徴とする請求項5記載の電子部品挿入装置。
【請求項8】 リード線を有する電子部品を供給する部品供給機構と、前記部品供給機構から電子部品を受け取り、該電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に挿入する電子部品挿入ヘッドと、プリント基板に挿入された電子部品のリード線を切断し折り曲げ固定するクリンチ機構とを有する電子部品挿入装置であって、前記電子部品挿入ヘッドは支持ブロックと、支持ブロックに対して支点軸により一端が枢支された第1のアームと、前記支持ブロックに一端が枢支された第2のアームと、前記第1のアームの他端が枢着された挿入ガイドと、前記第2のアームに備える穴と前記挿入ガイドに備える穴に嵌入する第1の枢軸と、前記支持ブロックに嵌入する第2の枢軸と、前記第1の枢軸と前記第2の枢軸を近づける向きに付勢する付勢手段と、前記挿入ガイドの上部に固着する軸に回転自在に軸支されるローラと、前記ローラに当接するカムと、前記支持ブロックに対する前記カムの位置を変更するカム位置変更手段とを備え、前記挿入ガイドが上昇する際に前記ローラが前記付勢手段により付勢された状態で前記カムに当接しながら移動し、前記カムの位置を変更することで、前記挿入ガイドの上昇軌跡を変更自在としたことを特徴とする電子部品挿入装置。
【請求項9】 支持ブロックと、前記支持ブロックに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記第1の位置において電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に案内する挿入ガイドと、前記挿入ガイドを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる挿入ガイド移動手段と、カムと、前記挿入ガイドに設けられ、挿入ガイドが前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際に前記カムのカム面に当接しながら該カム面に従動するカム従動部とを有するカム機構、とを有し、前記カム機構は、前記挿入ガイドの移動時前記カム従動部が接するカム面を変更可能であり、それにより前記挿入ガイドの移動軌跡を変更することができることを特徴とする電子部品挿入ヘッド。
【請求項10】前記カム機構のカム従動部が接するカム面の形状の変更は同一のカム部材の位置を変更することで行うことを特徴とする請求項9記載の電子部品挿入ヘッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リード線付電子部品をプリント基板に実装する装置に関わり、特に電子部品をプリント基板の取付穴に自動挿入するための電子部品挿入ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人より、挿入ガイドで電子部品のリード線を挟持して案内しながら、電子部品の頂部を上から押し棒で押し下げることにより、プリント基板の取付穴に電子部品のリード線を挿入する電子部品の挿入ガイド機構が実公平3−33114号等において提案されている。
【0003】ところで、このような電子部品挿入機構においては上記挿入ガイドは、プリント基板の取付穴付近のガイド位置において電子部品のリード線をガイドするが、一つの電子部品の挿入が完了すると、次の電子部品の受け取りのために、該ガイド位置よりも高い受け取り位置に上昇する。従来の電子部品挿入機構で採用されている電子部品挿入ヘッドにおいて、電子部品をプリント基板に挿入した後の挿入ガイドの上昇位置への復帰動作は、挿入ガイドの下端が常に一定の軌跡を描いて上昇位置に戻る構成となっていた。そのためセラミックコンデンサ等の比較的厚みが薄い電子部品を挿入するのに適した挿入ガイドでは、電解コンデンサ等の直径の大きな電子部品を挿入しようとしても、挿入後の挿入ガイドの復帰動作の際に直径の大きな電子部品が邪魔になり、挿入ガイドと電子部品とが干渉してしまうため復帰動作ができなくなる。他方、電解コンデンサ等の大きな電子部品を挿入するのに適した挿入ガイドでセラミックコンデンサ等の比較的厚みが薄い電子部品を挿入したのでは、挿入後の挿入ガイドの復帰動作の際の逃げが必要以上に大きくなり、基板への電子部品取付の実装密度を大きくできなくなる。
【0004】このような問題に対する一つの解決策として、挿入ガイドが支持されるリンク支点軸の位置を変えることにより、挿入ガイドの上昇軌跡を変更自在とした電子部品挿入ヘッドが、特公平7−58839号に提案されている、その構成の一例ではエアー駆動されるピストンを用いてリンク支点軸を移動し、リンク支点軸の支持ブロックに対する位置を変えている。支点軸位置の移動は、所定の第1の位置から第2の位置との間で行われ、位置に対応して2つの挿入ガイド上昇軌跡を切り換えることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特公平7−58839号に開示されたような電子部品挿入ヘッドにおいては、支持ブロックに対して挿入ガイドが支持されるリンクの支点軸の位置を第1の位置から第2の位置に変えることで、プリント基板の取付穴に挿入した電子部品から挿入ガイドが退避する上昇軌跡を切り替えている。特公平7−58839号の例では、上昇軌跡の切り替えに際して、エアー駆動されるピストンにより支点軸を移動させている。ところで、電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に挿入するため、挿入ヘッドが下降位置にあるとき、挿入ガイドは所定の位置に位置する必要があり、他方、部品供給系から供給される電子部品のリード線を受け取るため、挿入ヘッドが上昇位置にあるときも、挿入ガイドは所定の位置にある必要がある。従って、電子部品受け取りの際の挿入ガイドの所定位置がたとえばリンクの上記支点軸の第1の位置に対応したものであるとすると、支点軸のが第2の位置に設定されている上昇軌跡が選択されている場合、挿入ヘッドが上昇する毎にエアーを供給して支点軸の位置を第1の位置に変えなければならない。即ち、挿入ヘッドが昇降する毎に上昇軌跡の切り換え動作が必要となる。
【0006】本発明の目的は、上昇軌跡の同一状態が継続するときは切り換え動作が生じないようにして、電子部品挿入ヘッドの挿入動作を、より合理的により高速により安定させることにある、その他の目的は実施の形態を説明するなかで述べる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の電子部品挿入ヘッドは、支持ブロックと、前記支持ブロックに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記第1の位置において電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に案内する挿入ガイドと、前記挿入ガイドを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる挿入ガイド移動手段と、前記支持ブロックに対する位置を変更することのできるカムと、前記挿入ガイドに設けられ、挿入ガイドが前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際に前記カムのカム面に当接しながら該カム面に従動するカム従動部と、前記カムの位置を変更するカム位置変更手段と、を有し、前記カムの位置を変更することにより前記挿入ガイドの移動軌跡を変更することができることを特徴とする。
【0008】なお通常の装置構成では電子部品挿入ヘッドの下方にプリント基板が配置されるので、上記第1の位置は上記第2の位置よりも低い下降位置となり、第2の位置が上昇位置となる。
【0009】上記の電子部品挿入ヘッドの一構成例では、前記挿入ガイドは、一端が前記支持ブロックに枢支され他端が挿入ガイドに枢支されたアームによって支持ブロックに連結され、前記挿入ガイドの従動部が前記カム面に当接するように前記挿入ガイドを常時付勢する付勢手段を更に有し、挿入ガイドの前記移動軌跡は該アームによる拘束と前記従動部と前記カム面との当接により規定される。
【0010】上記電子部品挿入ヘッドで、好適には、前記カム位置変更手段によるカム位置の変更は空圧を駆動源として行う。
【0011】またこの電子部品挿入ヘッドの実施に当たっては、電子部品に力を加えて電子部品のリード線所望の深さまでプリント基板の取付穴に押し込む電気部品押圧手段を設けると好適である。
【0012】以上のような本発明の電子部品挿入ヘッドの枢要は、カムの位置を変更することで、挿入ガイドの移動時にカム従動部が当接するカム面(あるいはカム面の形状)が変わり、それによって挿入ガイドの移動軌跡が変更されることにある。これを敷衍すると、カムの位置を変更することに限らず、たとえば複数のカムを設け、それらを切り替えることにより挿入ガイドの移動時にカム従動部が接するカム面を変更してもよいことがわかる。その場合電子部品挿入ヘッドは以下のように定義される。
【0013】電子部品挿入ヘッドは、支持ブロックと、前記支持ブロックに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記第1の位置において電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に案内する挿入ガイドと、前記挿入ガイドを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる挿入ガイド移動手段と、カム手段と、前記挿入ガイドに設けられ、挿入ガイドが前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際に前記カム手段のカム面に当接しながら該カム面に従動するカム従動部とを含むカム機構、とを有し、前記カム機構において、前記挿入ガイドの移動時に前記カム従動部が接するカム面を変更可能とし、それにより前記挿入ガイドの移動軌跡を変更可能とする。
【0014】但し、カム機構のカム手段を単一のカムにより構成し、かつ該カムの前記支持ブロックに対する位置を変更するカム位置変更手段を設け、カムの位置を変更することにより、挿入ガイドの移動時にカム従動部が接するカム面を変更する構成とするという上に述べたような構成の方が、カムが一つでよく、またカム従動部の接するカム面の形状の変更も単にカムの位置の切り替えで行うことができるので、たとえば複数のカムを切り替える構成に比して好適である。
【0015】また本発明の電子部品挿入装置は、リード線を有する電子部品を供給する部品供給機構と、前記部品供給機構から電子部品を受け取り、該電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に挿入する電子部品挿入ヘッドと、プリント基板に挿入された電子部品のリード線を切断し折り曲げ固定するクリンチ機構とを有し、電子部品挿入ヘッドは、ベースと、前記ベースに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記第1の位置において電子部品のリード線をプリント基板の取付穴の位置に案内する挿入ガイドと、前記挿入ガイドを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる挿入ガイド移動手段と、前記電子部品挿入ヘッド本体に対する位置を変更することのできるカムと、前記挿入ガイドに設けられ、挿入ガイドが前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際に前記カムのカム面に当接しながら該カム面に従動するカム従動部と、前記カムの位置を変更するカム位置変更手段と、を有し、前記カムの位置を変更することにより前記挿入ガイドの移動軌跡を変更することができることを特徴とする。
【0016】上記の電子部品挿入装置の一構成例では、前記挿入ガイドは、一端が前記ベースに枢支され他端が挿入ガイドに枢支されたアームによってベースに連結され、前記挿入ガイドの従動部が前記カム面に当接するように前記挿入ガイドを常時付勢する付勢手段を更に有し、挿入ガイドの前記移動軌跡は該アームによる拘束と前記従動部と前記カム面との当接により規定される。
【0017】上記電子部品挿入装置で、好適には、前記カム位置変更手段によるカム位置の変更は空圧を駆動源として行う。
【0018】またこの電子部品挿入装置の実施に当たっては、通常、電子部品に力を加えて電子部品のリード線所望の深さまでプリント基板の取付穴に押し込む電気部品押圧手段を電子部品挿入ヘッドに設けるのが好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子部品挿入ヘッドおよび電子部品挿入ヘッドを有する電子部品挿入装置の実施の形態を図面に従って説明する。
【0020】図8はリード線付き電子部品をプリント基板の取付穴に挿入し、リード線を切断して折り曲げ固定する電子部品挿入装置の一例の全体構成を簡略化して図式的に示した斜視図である。装置はリード線付き電子部品を予め定められた挿入順序に従って順次供給する部品供給部120と、該部品供給部120より供給された電子部品を順次搬送する部品搬送部130と、該部品搬送部130より電子部品を受け取り、プリント基板9の取付穴に挿入する挿入ヘッド部110と、プリント基板9に挿入されたリード線付き電子部品のリード線を切断し折り曲げ固定するクリンチ部と、プリント基板9を水平移動自在に支持するXYテーブル(不図示)とを備えている。
【0021】部品供給部120は所定間隔で配置された複数のテープフィーダー125を有する。各テープフィーダーにはリード線付き電子部品連を巻き付けたリール(不図示)から引き出されたリード線付き電子部品123を有するテープ122がセットされている。(簡略化のために、図8では一番奥のテープフィーダーにセットされたテープのみが描かれている。)各テープフィーダーはモータM3を有する駆動系121により駆動されてそれぞれ所定のタイミングで電子部品123を送り出し、電子部品122のリード線を切断しテープ122から切り離して、該電子部品を部品搬送部130のパレット131に供給する。
【0022】部品搬送部130はスプロケット133、134、135に張架されたチェーン132を有し、該チェーン132上に多数のパレット131が所定間隔毎に固定されている。スプロケット間にはアイドラーローラー136,137が配されている。1つのスプロケット133にはモータM4がベルトで連結されており、これがチェーン132を駆動している。部品搬送部130は部品供給部120から供給された電子部品を挿入ヘッド部110の付近まで搬送する。
【0023】挿入ヘッド部110は電子部品を挟持するためのチャックを有する受け渡しヘッド111を備える。受け渡しヘッド111はチャックの開閉機能と水平移動(揺動)機能を有している。該受け渡しヘッド111は部品搬送部130のチェーン132上のパレット136中、挿入ヘッド部への受け渡し位置138にあるパレットの保持する電子部品123を挟持してパレット136から挿入ヘッド1の挿入ガイド5に受け渡す。挿入ガイド5は電子部品のリード線を挟持してプリント基板の取付穴に案内するものである。また挿入ヘッド1は電子部品の頭部を下方に押してプリント基板に挿入するための押し棒31を有する。挿入ヘッドについては後に詳述する。受け渡しヘッドおよび挿入ヘッドはモータM1およびM2を駆動源として機構114、116を介して駆動される。
【0024】なお電子部品は部品供給部120、部品搬送部130および受け渡しヘッド111を介して挿入ヘッドに供給されるものであるので、本実施形態ではこれらを合わせたものが、上述の「課題を解決する手段」で言う部品供給機構に相当する。
【0025】挿入ヘッド部110の下方にはプリント基板9を挟んでクリンチ部150が設けられている。挿入ヘッド1により電子部品がプリント基板9の取付穴に挿入されると、クリンチ部のクリンチヘッド151がプリント基板9の下に突出した電子部品のリード線を切断し折り曲げ固定する。クリンチヘッド151はモータM5およびM6を駆動源として153、154を介して駆動される。
【0026】なお、それぞれのモータM1〜M6にはエンコーダが取り付けてあり、エンコーダによりモータの回転を常にモニターしながら、不図示の制御部により各モータを同期制御している。
【0027】続いて以下において図1〜図7bを参照して挿入ヘッド1の詳細を説明する。
【0028】図1に電子部品挿入ヘッド1の外観を側面から示す、挿入ヘッド1はベースプレート10に各構成要素が取り付けられて一体に構成される。挿入装置の本体に対してベースプレート10は上下方向に摺動自在に支持されている。ベースプレート10が挿入ヘッドの基体としてのベースを構成する。
【0029】挿入ヘッド1の下方に挿入ヘッド1の上下方向に面を直交してプリント基板9が位置する。プリント基板9は挿入装置本体が備える図示しないXYテーブルに保持されており、XYテーブルはプリント基板9の取付穴91を電子部品S,Lのリード線下方に位置づけるよう面方向に移動自在である。なお図面および以下の説明において、電子部品Sは比較的小型の部品を、電子部品Lは比較的大型の部品を示す。
【0030】ベースプレート10には軸受台20が固定されている。電子部品挿入ヘッド1の側面断面図である図2及び図3からわかるように、軸受台20は縦方向に延びる穴201を備える。該穴201内にはボールベアリング21が設置されている。ボールベアリング21は穴201の下部において軸受台20にボルト締めされた蓋21により固定されている。
【0031】ボールベアリング21の内輪にメインシャフト3の小径部分が嵌挿される。メインシャフトの外周は段差301を有しており、該段差301とボールベアリング21の間に円筒302を嵌挿し、メインシャフト3の上方への移動を規制している。軸受台20の上方には図示を省略しているがボールベアリングを備えた同様の軸受台が設けられており、下部のボールベアリング21と図示省略する上部の同様な軸受台に嵌着するボールベアリングとの間に円筒303が嵌挿されている。メインシャフト3の図示しない上部はねじ部を備え、そこに軸受用ナットを螺合し軸方向に締め込むことで、メインシャフト3はボールベアリング21に対して軸方向で固定されるとともに回転自在に軸支される。
【0032】図1に示すように、メインシャフト3の段差301から下方の外径部分には、中心に穴を有する下スライダー40が環装されている。(なお図2及び図3では下スライダー40の図示は省略されている。)下スライダー40はメインシャフト3の軸方向に摺動自在である。下スライダー40の上部は鍔402と鍔403及びその間の溝401を備える、鍔403の下方には外径が円形のボス404が延在している。ボス404の外径の一部に図1の紙面に直交する方向で平面405を設ける、平面405にねじ穴を設けローラフック41をボルトで固着する、ローラフック41はU字形のフック部により形成される凹溝411と延長部412を備え、延長部412を平面405に合致させボルト締めして下スライダー40と固着する。
【0033】ベースプレート10の下部にはプレート11がボルト締めして固定されている。プレート11に軸42でレバー43の中間部を枢支する、レバー43は軸42を支点にして図1の紙面に平行な面内で揺動自在である。レバー43の左端にローラ44を回転自在に取り付ける。レバー43の右端にローラ45を回転自在に取り付ける。ベースプレート10の最下部にはばね掛け46が固定されている。一方、レバー43の左側の部分にばね掛け47が設けられており、ばね掛け46とばね掛け47を引っ張る方向に引っ張りばね48を張架する。
【0034】ローラ44の外径は下スライダー40の溝401、即ち鍔402と鍔403との間の凹部に嵌入し係合している。これにより、レバー43が軸42を支点にして揺動するとレバー43上に取り付けられたローラ44によってメインシャフト3の軸方向に下スライダー40が摺動する。その際、引っ張りばね48は常にレバー43を反時計回りに回転する方向に付勢しており、従って下スライダー40はメインシャフト3の下方に付勢されている。
【0035】上に述べたようにレバー43の右端にローラ45を回転自在にとりつけられている。図1においてローラ45の右側には、挿入装置本体が備えるプッシャ90が存在する。プッシャ90はメインシャフト3の軸方向に直交する方向(図1の左右方向)へ出入りし、プッシャ面901がローラ45の外径部分に当接し押す位置にある。プッシャが実線で描かれた位置90から仮想線で描かれた位置90’へと移動するにつれて、レバー43は軸42を支点にして実線で描かれた状態43から仮想線で描かれた状態43へと揺動する。またプッシャがレバー43から離れると、レバー43は引っ張りばね48の作用により実線で描かれた状態43に復帰する。
【0036】図1乃至図5に示されるように、メインシャフト3の下端には支持ブロック30が固定されている。5は挿入ガイドである。挿入ガイド5は電子部品S(またはL)のリードを挟み込んで保持するガイド孔(後に説明する図7bの505a、505b、505c)を有し、該リードを電子部品を取り付けるべき基板の取付穴へガイドするものである。
【0037】この挿入ガイド5とその駆動に関連する主要な機構を図6に示している。図6では挿入ガイドに関連する機構以外は省略されている。図6に最もよく示されているように、挿入ガイド5は第1アーム6及び第2アーム7のリンク機構を介して支持ブロック30に連結されている。第1アーム6の一端は枢軸61周りに枢動可能に支持ブロック30側に連結されている。第1アーム6の他端は枢軸62周りに枢動可能に挿入ガイド5に連結されている。第2アーム7は枢軸71周りに枢動可能に支持ブロック30に連結されている。第2アーム7は挿入ガイド5と直結されてはおらず、第2アームに設けられた角穴73が挿入ガイド5に設けられたピン52を受容しているのみである。
【0038】第2アーム7の挿入ガイド5より外れた位置(即ち挿入ガイド5とは重ならない位置)である左上端の位置にローラ72が回転自在に取り付けられている。ローラ72の外周はローラフック41の凹溝411に嵌合している。第2アーム7はほぼ四辺形の角穴73を備える、挿入ガイド5に設けられたピン52は穴73を挿通し第2アーム7の手前に突出する。さらに、挿入ガイド5の上部右側には軸54が設けられ、該軸54にはローラ55が回転自在に取り付けられている。一方、支持ブロック30上にピン51を設けている。ピン51とピン52のそれぞれには周溝を設けばね掛けとし、ピン51とピン52との間に引っ張りばね53を張架している。従って引っ張りばね53はピン51とピン52を互いに対して近づく方向に常時付勢する。
【0039】次に図7a及び図7bを参照して、挿入ガイド5の機構の詳細について説明する。図7a及び図7bは共に挿入ガイド5を側面(図6の右方向)から見た図である。挿入ガイド5の先端部は中央の固定部材501とその両側の可動部材502および503からなる。可動部材502および503はそれぞれ軸502aおよび503aを中心として微少角度枢動できるようになっている。なお図で右側の可動部材の先端部は二股に分かれている。可動部材502及び503のそれぞれの外側には上部に斜面510aを有する突起510が取り着けられている。
【0040】図7a,7bから見て取れるように、挿入ガイド5は第2アーム7の一端部7aにより両側から挟まれている。第2アーム7の一端部7aは、図7aに示された位置と図7bに示された位置との間で挿入ガイド5に対して摺動可能である。図7aに示された状態から、第2アーム7の一端部7aが下方にスライドすると、やがて該一端部7aのアンダーカットされた部分70aが突起510の斜面510aに乗り上げ、可動部材502および503に対して内向きの力を加える。これにより可動部材502および503はそれぞれの軸周りに枢動し、図7bに示す状態となる。挿入ガイドはこの動作により、図7bに示される挿入ガイドの先端部に形成されるガイド孔505a、505b、505cに電子部品のリード線を挟んで保持する。また逆に図7bの状態から第2アームの一端部7bが上方にスライドすることによって図7aの状態に復帰し、この際挿入ガイドはガイド孔505a、505b、505cにおける電子部品のリードの保持を解放する。
【0041】図1に示されるように、前記ベースプレート10には第1の支点台12が固着され、また、第2の支点台13がねじ止めで固定されている。第1の支点台12に設けられた軸14でレバー15の中程の部分を枢支し、レバー15が軸14を支点にして図1の紙面に平行な方向に揺動自在となるようにする。またレバー15の左端にはローラ16が回転自在に取り付けられている。
【0042】一方、第2の支点台13にエアシリンダ17の後端が揺動自在に取り付けられている。エアシリンダ17の前端から突出するピストンロッドには継ぎ手18が固定されている。レバー15の右端と継ぎ手18とにそれぞれ設けられた穴どうしが軸19によって揺動自在に連結されている。エアシリンダ17には図示しない空圧回路が接続されており、空圧回路からエアーを供給してエアシリンダ17のピストンロッドを出し入れすると、レバー15が軸14を支点にして揺動する構成である。
【0043】図1乃至図3に示す如く、メインシャフト3のボールベアリング21より上に環装した円筒303の外周に、上スライダー80がその中心穴に嵌着した円筒状のブシュ800と共に環装されている。上スライダー80はメインシャフト3の軸方向に摺動自在である。上スライダー80の上部は鍔802と鍔803及びその間に溝801を備える。鍔803の下方には外径が円形のボス804が延在している。前記ローラ16の外周が上スライダー80の溝801に嵌入し係合している。前記レバー15が軸14を支点にして揺動するとメインシャフト3の軸方向に上スライダー80が摺動する。即ち、前記空圧回路からエアーを供給してエアシリンダ17のピストンロッドを出し入れすると、レバー15が軸14を支点にして揺動しメインシャフト3の軸方向に上スライダー80が摺動する構成である。
【0044】図2乃至図3に示す如く、メインシャフト3は中心で軸方向に貫通する穴304を有している。押し棒31は穴304に嵌挿され、その上端は挿入装置本体が備える昇降手段と連結されている。押し棒31の下端にはキャップ31Sあるいは31Lが着脱自在に付加される、キャップ31Sは厚みの小さい(小径の)電子部品Sに適し、キャップ31Lは大径の電子部品Lに適する形状と材質とする。例えば、図4のキャップ31Sは電子部品Sの頭部に適応した形状にしてあり、図5のキャップ31Lは下端面を平らにして電子部品Lの頭部が広い状態に対応している。また、メインシャフト3の外周に、軸方向に延在する細長い凹溝305が形成されている。凹溝305はメインシャフト3の軸方向にスロット状に延長しており内部にカム8を収容する。カム8は凹溝305内をメインシャフト3の軸方向に摺動自在である。カム8は上端がメインシャフト3の外径より出た突出部84を備える、突出部84は上スライダー80のボス804の内周部分に接しておりボルト85でボス804に固着されている。従って、メインシャフト3に対して上スライダー80が上下に摺動するとカム8は凹溝305内を軸方向に摺動する。
【0045】図4乃至図5において、メインシャフト3の下端にある支持ブロック30と挿入ガイド5の部分を拡大して示す、カム8は凹溝305の底305aに接して摺動自在であり、挿入ガイド5は仮想線で示す第1アーム6と枢軸61,62を介して支持ブロック30に支持され、さらにピン51,52に張架された引っ張りばね53が常にピン51,52に近づける方向に付勢している。凹溝305の最下端には段差部306があり、カム8の存在しない部分(即ちカム8の下端よりも下の位置)において、引っ張りばね53に付勢される挿入ガイド5の当接部501が段差部306に当接して位置が決まる。
【0046】カム8の下端は凹溝305の底からの高さが低いカム面81である。続いてカム面81から徐々に高くなり高いカム面83に連続的に接続するカム曲面82がある。カム面81とカム曲面82とカム面83は挿入ガイド5のローラ55を支持できる位置にある。カム8は凹溝305の底に接しており、そのカム面81,82,83においてローラ55を支持する。引っ張りばね53は常に挿入ガイド5を当接部501が段差部306に当接するか、ローラ55がカム面81あるいはカム曲面82あるいはカム面83に支持される状態に付勢している。
【0047】なお、以上の説明において挿入ガイド5を支持ブロック30に連結する各アーム等は支持ブロック30の前面にあるものを示したが、支持ブロック30の背面側にも同様の機構が設けられている。
【0048】次に、本発明の実施の形態における動作について説明する。
【0049】まず、厚みの小さい(小径の)電子部品Sをプリント基板9に対して挿入する場合の挿入ガイド5の動きについて述べる。この場合には、空圧回路の制御でエアシリンダ17のピストンロッドは最も引っ込ませた状態としておく。ピストンロッドと継ぎ手18は図1において実線で示される状態になっている。レバー15も実線で示されるの状態であり、上スライダー80は実線の位置に下降している。同様の状態を断面図で示すのが図2でありレバー15は仮想線で表されている。上スライダー80が下降しているとボス804に固着しているカム8も下降した位置になる。図2に示す挿入ガイド5を中心に拡大して示すのが図4であるが、図1と図2と図4において実線で示す挿入ガイド5は支持ブロック30に対して最も下降した位置(第1の位置あるいは下降位置)にある。この位置において挿入ガイドは挟持している電子部品Sのリード線をプリント基板9の取付穴に案内する。この状態で当接部501は段差部306に当接している。また、挿入ガイドは電子部品Sのリード線を保持している。この電子部品Sは部品取付装置の動作の前段階で挿入ヘッド1がプリント基板9から上昇しているときに、受け渡しヘッド111(図8)のチャックから渡されたものである。電子部品Sの頭部には押し棒31のキャップ31Sが接している。図1,2,4は挿入ヘッド1が下降し挿入ガイド5が保持するリード線の先端が取付穴91に挿入された状態を示している。
【0050】続いて、挿入ヘッド1は下降したままで挿入ガイド5が支持ブロック30に対する上昇位置(第2の位置)へ復帰動作し、押し棒31は引き続き下降しキャップ31Sが電子部品Sの頭部を押し、電子部品Sのリード線を取付穴91に所定の位置まで挿入すると、プリント基板9の裏面に突出するリード線を電子部品挿入装置のクリンチ部150(図8)のクリンチヘッド151が折り曲げて固定する。この時の挿入ガイド5の支持ブロック30に対する上昇位置への復帰動作に際しては、エアシリンダ17のピストンロッドを最も引っ込ませた状態が継続される。従ってカム8も下降した位置に保たれる。この位置関係において、挿入装置本体が備えるプッシャ90が仮想線90’の位置に出てくると、プッシャ面901が仮想線901’の位置に出てローラ45を仮想線45’の位置まで押す。レバー43は引っ張りばね48の付勢に抗して仮想線43’の位置に揺動し、ローラ44が仮想線44’の位置に上昇すると、下スライダー40は仮想線40’の位置まで上昇する。下スライダー40に固着されたローラフック41も仮想線41’の位置まで上昇する。これにより、ローラフック41の凹溝411に嵌合しているローラ72も仮想線72’の位置まで上昇し、これに伴って第2アーム7は枢軸71を支点として仮想線7’の位置に揺動する。
【0051】第2アーム7が揺動する際、はじめのうちは第2アーム7に設けられた穴73の辺731とピン52の外周が離間しているため、第2アーム7は挿入ガイドのピン52に力を加えることなく単独で揺動し、挿入アーム7と挿入ガイド5との相対位置が変化する。この相対位置の変化は図7bに示した状態から図7aに示した状態への変化に対応し、これに伴って挿入ガイド5は電子部品Sのリード線の保持を解く。第2アーム7が更に揺動を続け穴73の辺731がピン52の外径に当接すると、第2アーム7はピン52を引っ張りばね53の付勢に抗して押す。
【0052】以上の過程により、プッシャ90が仮想線90’の位置に出ると挿入ガイド5は仮想線5’の位置まで上昇する。
【0053】図2と図4において、挿入ガイド5が仮想線5’の位置まで上昇するとローラ55は仮想線55’の位置まで上昇する。この間カム8は下降した位置のままであり、上昇するローラ55はこの位置のカム8に対して、カム面81からカム曲面82を経てカム面83にそれぞれ当接しながら移動する。この状態で押し棒31は引き続き下降しキャップ31Sが電子部品Sの頭部を押し、リード線の挿入を実施しながら、プッシャ90を前進させることにより挿入ガイド5を上昇させる。
【0054】以上の過程において、挿入ガイド5の移動軌跡はカム面81,82,83に従動するローラ55(および第1アーム6による拘束)により規定され、図2及び図4に実線5で示された状態(第1の位置あるいは下降位置)から仮想線5’で示された状態(第2の位置あるいは上昇位置)へ移行する軌跡となる。これは厚みの小さい(小径の)電子部品Sに対応して、逃げの小さい(即ちプリント基板に平行な方向の移動の少ない)軌跡となる。このため、挿入ガイドの逃げのためのスペースが小さくてよいので、厚みの小さい(小径の)電子部品Sについてはプリント基板9に対して高密度実装が可能である。
【0055】以上の動作によりプリント基板への電子部品Sの挿入が完了すると、その後、押し棒31を上昇させながら、挿入ヘッド1全体が上方に引き上げられる。挿入ヘッド1が最上位置で停止すると受け渡しヘッド111が次に挿入すべき電子部品を運んで来る。そこで挿入ヘッド1のプッシャ90を後退させることにより、挿入ガイドが下降し、挿入ヘッド1本体に対する最下降位置5において該部品のリード線を挟持する。その後受け渡しヘッドがチャックを開いて電子部品を解放し、挿入ヘッドから離れると、挿入ヘッド1は下降されて図1に示す状態に戻り、次の部品挿入サイクルを開始する。
【0056】なお、連続して厚みの小さい(小径の)電子部品Sをプリント基板9に実装する場合は、カム8を下降した位置に維持し続けてよい。即ちエアシリンダ17のピストンロッドを出し入れする切り換え動作を要しない。
【0057】続いて、大径の電子部品Lをプリント基板9に対して挿入する場合の挿入ガイド5の動きについて述べる。この場合には、空圧回路の制御でエアシリンダ17のピストンロッドを最も出した状態としておく。このとき、継ぎ手18に連結する軸19は図1において仮想線19’で示される位置になり、レバー15は仮想線15’の状態であり、上スライダー80は仮想線80’の位置に上昇している。同様の状態を断面図で示すのが図3であり仮想線15’はレバー15の位置である。上スライダー80が上昇しているとボス804に固着しているカム8も上昇した位置になる。
【0058】図3に示す挿入ガイド5を中心に拡大して示すのが図5であるが、図3と図5において実線で示す挿入ガイド5は支持ブロック30に対して最も下降した位置(第1の位置あるいは下降位置)にある。この位置において挿入ガイドは挟持している電子部品Lのリード線をプリント基板9の取付穴に案内する。この状態では、当接部501が段差部306に当接している。また、挿入ガイドは電子部品Lのリード線を保持している。この電子部品Lは部品取付装置の動作の前段階で挿入ヘッド1がプリント基板9から上昇しているときに、受け渡しヘッド111のチャックから渡されたものである。電子部品Lの頭部には押し棒31のキャップ31Lが接している。図3、図5は挿入ヘッド1が下降し挿入ガイド5が保持するリード線の先端が取付穴91に挿入された状態を示している。
【0059】続いて、挿入ヘッド1は下降したままで挿入ガイド5が支持ブロック30に対する上昇位置(第2の位置)へ復帰動作し、押し棒31は引き続き下降しキャップ31Lが電子部品Lの頭部を押し、電子部品Lのリード線を取付穴91に所定の位置まで挿入すると、プリント基板9の裏面に突出するリード線を電子部品挿入装置のクリンチ部150のクリンチヘッド151が折り曲げて固定する。この時の挿入ガイド5の支持ブロック30に対する上昇位置への復帰動作に際しては、エアシリンダ17のピストンロッドを最も出した状態が継続される。従ってカム8も上昇した位置に保たれる。この位置関係において、挿入装置本体が備えるプッシャ90が仮想線90’の位置に出てくると、プッシャ面901が仮想線901’の位置に出てローラ45を仮想線45’の位置まで押す。レバー43は引っ張りばね48の付勢に抗して仮想線43’の位置に揺動し、ローラ44が仮想線44’の位置に上昇すると、下スライダー40は仮想線40’の位置まで上昇する。下スライダー40に固着されたローラフック41も仮想線41’の位置まで上昇する。これによりローラフック41の凹溝411に嵌合しているローラ72も仮想線72’の位置まで上昇し、これに伴って第2アーム7は枢軸71を支点として仮想線7’の位置に揺動する。
【0060】第2アーム7が揺動する際、はじめのうちは第2アーム7に設けられた穴73の辺731とピン52の外周が離間しているため、第2アーム7は挿入ガイドのピンに力を加えることなく単独で揺動し、第2アーム7と挿入ガイド5との相対位置が変化する。この相対位置の変化は図7bに示した状態から図7aに示した状態への変化に対応し、これに伴って挿入ガイド5は電子部品Lのリード線の保持を解く。第2アーム7が更に揺動を続け辺731がピン52の外径に当接すると、第2アーム7はピン52を引っ張りばね53の付勢に抗して押す。
【0061】以上の過程により、プッシャ90が仮想線90’の位置に出ると挿入ガイド5は仮想線5’’の位置まで上昇する。
【0062】図3と図5において、挿入ガイド5が仮想線5’’の位置まで上昇するとローラ55は仮想線55’’の位置まで上昇する。カム8は上昇した位置のままであり、上昇するローラ55は、はじめは当接部501に、その後カム面81に当接しながら移動する。この状態で押し棒31は引き続き下降しキャップ31Lが電子部品Lの頭部を押し、リード線の挿入を実施しながら、プッシャ90を前進させることにより挿入ガイド5を上昇させる。
【0063】以上の過程において、挿入ガイド5の移動軌跡は当接部501とカム面81に従動するローラ55(および第1アーム6による拘束)によって規定され、挿入ガイド5の下端の軌跡は図3及び図4に実線5で示された状態(第1の位置あるいは下降位置)から仮想線5’’で示された状態(第2の位置あるいは上昇位置)へ移行する軌跡となる。これは大径の電子部品Lに対応して、逃げの大きい(即ちプリント基板に平行な方向の移動の大きい)軌跡となる。このため、大径の電子部品Lについても、挿入ガイド5の復帰動作時に挿入ガイド5と電子部品Lとの干渉がおこらず、小径の電子部品用のものと同一の挿入ガイド5を用いてプリント基板9に挿入を実行できる。
【0064】以上の動作によりプリント基板への電子部品Lの挿入が完了すると、その後、押し棒31を上昇させながら、挿入ヘッド1全体が上方に引き上げられる。挿入ヘッド1が最上位置で停止すると受け渡しヘッド111が次に挿入すべき電子部品を運んで来る。そこで挿入ヘッド1のプッシャ90を後退させることにより、挿入ガイドが下降し、挿入ヘッド1本体に対する最下降位置5において該部品のリード線を挟持する。その後受け渡しヘッドがチャックを開いて電子部品を解放し、挿入ヘッドから離れると、挿入ヘッド1は下降されて図1に示す状態に戻り、次の部品挿入サイクルを開始する。
【0065】なお、連続して大径の電子部品Lをプリント基板9に実装する場合は、カム8を上昇した位置に維持し続けてよい。即ちエアシリンダ17のピストンロッドを出し入れする切り換え動作を要しない。
【0066】挿入ガイド5が受け渡しヘッド111のチャックから電子部品SまたはLを受け取る際には挿入ヘッド1はその最上昇位置にある。その状態で受け渡しヘッド111から電子部品を受け取るために、挿入ガイドは常に所定の位置に位置しなければならない。以上に説明した装置においては、カム8の位置に関わらず、即ち挿入ガイドの上昇軌跡が小径の電子部品Sに対応した逃げの小さい軌跡をとるか大径の電子部品Lに対応した逃げの大きい軌跡をとるかに関わらず、挿入ガイドが受け渡しヘッドから電子部品を受け取る際の位置は同一の位置(即ち挿入ヘッド本体に対して図1〜5の参照番号5で示される実線で描かれた位置)とすることができる。従って、連続して同じ大きさの電子部品(電子部品Sまたは電子部品L)を取り付ける場合には、移動軌跡の切り替え動作を要せず、取付ヘッドの動作サイクル中にエアシリンダ17のピストンロッドを出し入れしてカム8の位置を切り替える動作をする必要がない。
【0067】なお、以上の実施の形態ではカム8の位置を最も上と最も下の2カ所で切り替えることにより、挿入ガイドの移動軌跡を2種類に切り替えているが、カム位置を3カ所以上で切り替えて上昇軌跡を3種類以上とする事も可能である。
【0068】また、以上の実施の形態においては同一のカムの位置を変更することで、挿入ガイドの上昇時にカム従動部としてのローラ55が接するカム面を変更して挿入ガイドの上昇軌跡を変更しているが、これを複数のカムを用いてそれらを切り替えることによりカム従動部が接するカム面を変更することも可能である。
【0069】ここで上記の「課題を解決するための手段」で述べた本発明の要素と以上に説明した実施形態における構成要素との対応を説明する。
【0070】プッシャ90、レバー43、下スライダー40、ローラ72,第2アーム7を含む機構が挿入ガイドの第1の位置(下降位置)と第2の位置(上昇位置)とのあいだの移動を担う機構であり、挿入ガイド移動手段を構成する。
【0071】また、電子部品SまたはLの頂部を下方に押して電子部品のリード線をプリント基板の取付穴に押し込む押し棒31が電子部品押圧手段を構成する。
【0072】また、エアシリンダ17、レバー15、上スライダー80を含む機構がカム8の位置をメインシャフト3内でカムの位置を変更させる機構であり、カム位置変更手段を構成する。
【0073】また、挿入ガイド5上に設けられた55が挿入ガイドの上昇時にカム8のカム面81,82,83に当接してこれらのカム形状に従動しており、これが下部従動部に相当する。この実施形態では動きをなめらかにするために回転可能なローラ式の従動部としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ローラではない固定式のカム従動部としてもよい。
【0074】更に、支持ブロック30に設けられたピン51と挿入ガイドに取り付けられたピン52との間に張架された引っ張りばね53が両ピンを近づける方向に付勢しており、これによりカム従動部としてのローラ55がカム8に付勢状態で当接するように維持されており、これらを含む機構が付勢手段を構成する。この付勢手段についても実施形態のような引っ張りばねに限るものではなく、カム従動部をカムに対して付勢状態で当接させるものであれば、その他の弾性部材あるいはそれ以外の手段を用いてもよい。
【0075】いずれにしてもここに説明した実施形態は発明の単なる例示であり、本発明はその細部に限定されるものではない。
【0076】
【発明の効果】本発明の電子部品挿入ヘッドでは、カムの位置を変更するのみで、挿入ガイドが第1位置から第2位置に移動する際の(即ち挿入ガイドの上昇時の)移動軌跡を変更可能である。即ち、電子部品の厚みや径に応じて挿入ガイドが上昇し退避する軌跡を変更可能であるが、前記カムのカム面やカム曲面を変更するだけで多様な軌跡を現出することが可能であり、挿入ヘッドの設計で軌跡が決定する場合に比べてはるかに柔軟な、即ち軌跡の設定の自由度の高い構成である。
【0077】また、挿入ガイドが受け渡しチャックから電子部品を受け取る位置で元に戻す必要がなく、厚みや径が同種の電子部品が継続する場合は退避する軌跡を変更する動作が毎回ないので、より安定した動作かつ高速度が得られる、また、退避する軌跡を変更する動作時間割り付けも従来より余裕があり、挿入ガイド等の交換を行うことなく予め設定したプログラムによる選択で小径から大径までの電子部品を自動挿入可能な利点がある。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成12年2月24日(2000.2.24)
【代理人】 【識別番号】100064447
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 正夫 (外12名)
【公開番号】 特開2000−332498(P2000−332498A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願2000−47147(P2000−47147)