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【発明の名称】 テープ化電子部品のカバーフィルム巻取り装置
【発明者】 【氏名】近藤 義之

【氏名】久野 時行

【氏名】武藤 康雄

【氏名】津田 護

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置本体と、その装置本体に回転軸線まわりに回転可能に支持されたリール支持部材と、そのリール支持部材に相対回転可能に嵌合され、テープ化電子部品のカバーフィルムを巻き取る巻取りリールと、それらリール支持部材と巻取りリールとの間に設けられ、通常は両者を一体的に回転させるが、予め定められた大きさ以上の相対回転トルクが加えられた場合には相対回転を許容する摩擦係合装置と、前記リール支持部材を、前記巻取りリールによる前記カバーフィルムの巻取り方向に回転駆動するとともに逆向きの回転を阻止する回転駆動装置とを含むことを特徴とするテープ化電子部品のカバーフィルム巻取り装置。
【請求項2】 前記リール支持部材と前記巻取りリールとが外周面と内周面とにおいて互いに相対回転可能に嵌合され、それら外周面と内周面との一方に形成された環状溝に摩擦リングが、外周面と内周面とが嵌合されない状態では一部が前記環状溝から突出する状態で配設されることにより前記摩擦係合装置が構成された請求項1記載のカバーフィルム巻取り装置。
【請求項3】 前記リール支持部材と前記巻取りリールとが外周面と内周面とにおいて互いに相対回転可能に嵌合され、それら外周面と内周面との一方に形成された環状溝に、摩擦部材と弾性部材とが、摩擦部材が弾性部材の弾性力により前記外周面と前記内周面との他方に押し付けられる状態で配設されることにより前記摩擦係合装置が構成された請求項1記載のカバーフィルム巻取り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテープ化電子部品のカバーフィルム巻取り装置に関するものであり、特に、一方向クラッチによって巻取りリールの巻取り方向とは逆向きの回転が阻止されるカバーフィルム巻取り装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テープ化電子部品は、電子部品がテープに保持されたものである。例えば、キャリヤテープに等間隔に形成された部品収容凹部の各々に電子部品が収容され、それら部品収容凹部の開口がキャリヤテープに貼り付けられたカバーフィルムによって塞がれることにより、キャリヤテープ送り時に電子部品が部品収容凹部から飛び出さないようにされるのであり、電子部品が電子部品装着装置等に供給される際にカバーフィルムがキャリヤテープから剥がされ、カバーフィルム巻取り装置によって巻き取られる。
【0003】カバーフィルム巻取り装置の一種に、回転駆動装置の回転の巻取りリールへの伝達をラチェット装置および一方向クラッチにより許容,阻止し、巻取りリールにカバーフィルムを巻き取らせるものがある。このカバーフィルム巻取り装置において巻取りリールは、支持軸に回転可能に支持されるとともに、その回転軸線を中心とする外周円上にラチェット歯が形成されている。また、回転駆動装置は、支持軸に回転可能に支持された巻取りレバーを有する。巻取りレバーはスプリングによってカバーフィルム巻取り方向に付勢され、テープ化電子部品の送りに伴って回転させられるようになっている。駆動レバーには、ラチェット歯に係合する爪部材が回動可能に取り付けられるとともに、スプリングによってラチェット歯と噛み合う向きに付勢されている。一方向クラッチは巻取りリールと支持軸との間に設けられ、巻取りリールのカバーフィルム巻取り方向の回転は許容するが、逆向きの回転は阻止する。
【0004】このカバーフィルム巻取り装置においては、巻取りレバーがカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回動させられるとき、爪部材がラチェット歯を乗り越えて移動し、巻取りレバーがカバーフィルム巻取り方向に回動させられるとき、爪部材がラチェット歯に噛み合ったままの状態で回動することにより巻取りリールが回転させられ、カバーフィルムを巻き取る。爪部材がラチェット歯を乗り越えて移動するときには、巻取りリールの回転は一方向クラッチにより阻止されており、カバーフィルムが巻き戻されることはなく、巻取りリールはカバーフィルム巻取り時のみに回転させられてカバーフィルムを所定長さずつ巻き取る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このカバーフィルム巻取り装置ににおいて、一方向クラッチにその逆転防止機能を解除する機構を設ければ、巻取りリールをカバーフィルム巻取り方向とは逆方向に回転させることが可能となるが、逆転防止機能の解除機構を操作しなければならず、操作が面倒である。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑み、巻取りリールを必要に応じて容易に逆方向に回転させることができるカバーフィルム巻取り装置を提供することを課題として為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカバーフィルム巻取り装置は、上記の課題を解決するために、(a)装置本体と、(b)その装置本体に回転軸線まわりに回転可能に支持されたリール支持部材と、(c)そのリール支持部材に相対回転可能に嵌合され、テープ化電子部品のカバーフィルムを巻き取る巻取りリールと、(d)それらリール支持部材と巻取りリールとの間に設けられ、通常は両者を一体的に回転させるが、予め定められた大きさ以上の相対回転トルクが加えられた場合には相対回転を許容する摩擦係合装置と、(e)前記リール支持部材を、前記巻取りリールによる前記カバーフィルムの巻取り方向に回転駆動するとともに逆向きの回転を阻止する回転駆動装置とを含むように構成される。本発明の好ましい態様においては、前記リール支持部材と前記巻取りリールとが外周面と内周面とにおいて互いに相対回転可能に嵌合され、それら外周面と内周面との一方に形成された環状溝に摩擦リングが、外周面と内周面とが嵌合されない状態では一部が前記環状溝から突出する状態で配設されることにより前記摩擦係合装置が構成される。また、別の好ましい態様においては、前記リール支持部材と前記巻取りリールとが外周面と内周面とにおいて互いに相対回転可能に嵌合され、それら外周面と内周面との一方に形成された環状溝に、摩擦部材と弾性部材とが、摩擦部材が弾性部材の弾性力により前記外周面と前記内周面との他方に押し付けられる状態で配設されることにより前記摩擦係合装置が構成される。
【0008】
【作用】このように構成されたカバーフィルム巻取り装置において、回転駆動装置によりリール支持部材が巻取りリールによるカバーフィルムの巻取り方向に回転させられれば、そのリール支持部材と摩擦係合装置により摩擦係合させられている巻取りリールも巻取り方向に回転させられ、カバーフィルムの巻取りが行われる。一方、巻取りリールをカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回転させる必要が生じた場合には、巻取りリールに摩擦係合装置の摩擦力に対応するトルクより大きい相対回転トルクを加えれば、逆向きに回転させることができる。このとき、回転駆動装置が巻取りリールの逆向きの回転を阻止するため、巻取りリールのみを逆向きに回転させることができる。
【0009】
【発明の効果】このように、巻取りリールをリール支持部材に摩擦係合させるとともに、回転駆動装置を、リール支持部材をカバーフィルムの巻取り方向に回転駆動するとともに逆向きの回転を阻止するものとすれば、回転駆動装置により巻取りリールをカバーフィルムの巻取り方向に回転させてカバーフィルムの巻取りを行うことができるとともに、必要に応じて巻取りリールに逆向きに一定以上のトルクを加えれば、巻取りリールを容易に逆回転させることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図2には、本発明の一実施例であるカバーフィルム巻取り装置10を備えた部品供給カートリッジ12が示されている。この部品供給カートリッジ12により供給される電子部品14は、図3に示すようにテープ化電子部品16とされている。テープ化電子部品16は、キャリヤテープ18とカバーフィルム20(図2参照)とによって、リード線を有しないチップ状の電子部品14がテーピングされたものである。
【0011】キャリヤテープ18は、図4に示すように、貫通穴22が長手方向に沿って等ピッチで形成された紙テープ24の下面に薄いボトムフィルム26が貼り付けられて貫通穴22の開口を塞ぎ、上向きに開口する電子部品収容凹部28が設けられて電子部品14を収容するものである。薄くて透明なカバーフィルム20は紙テープ24の上面に貼り付けられて電子部品収容凹部28の開口を覆っている。また、紙テープ24を貫通して送り穴30が長手方向に沿って等ピッチで形成されている。このテープ化電子部品16は図示しない供給リールに巻き付けられている。
【0012】部品供給カートリッジ12のカートリッジ本体50は概して細長い板状を成し、長手方向と厚さ方向とが水平となる姿勢で立てて設置される。テープ化電子部品16はカートリッジ本体50の上面に載せられるとともにカバー52が被せられ、図2に示す送り装置54によってX軸方向と直交するY軸方向に一定ピッチ、すなわち電子部品収容凹部28の中心間のピッチに等しい距離ずつ送られる。
【0013】送り装置54は、カートリッジ本体50に固定の支持軸56によりテープ化電子部品16の送り方向と直交する水平軸線まわりに回転可能に支持されたスプロケット58を有しており、スプロケット58の歯60は、キャリヤテープ18に形成された送り穴30に係合させられる。スプロケット58には、スプロケット58より小径のラチェットホイール62が同心にかつ相対回転不能に取り付けられている。
【0014】支持軸56にはまた、三角形状の回動板64が回動可能に取り付けられている。回動板64にはラチェット爪66が軸68によって回動可能に取り付けられるとともに、軸68との間に配設されたスプリング(図示省略)によってラチェットホイール62の歯70に係合する向きに付勢されている。このラチェット爪66は、回動板64が図2において反時計方向に回動させられるときには歯70に係合した状態を保ち、回動板64が時計方向に回動させられるとき、歯70を乗り越えるものとされている。
【0015】また、カートリッジ本体50にはストッパレバー74が軸76によって回動可能に取り付けられ、カートリッジ本体50との間に配設されたスプリング78によりラチェットホイール62の歯70に係合する向きに付勢されている。ストッパレバー74は、ラチェットホイール62の反時計方向の回転は許容するが、時計方向の回転は阻止する。
【0016】上記回動板64にはまた、テープ駆動板82の一端部が軸84により回動可能に連結され、テープ駆動板82の他端部は駆動レバー86に軸88により回動可能に連結されている。駆動レバー86は、カートリッジ本体50に固定のブラケット90に軸92によって回動可能に取り付けられるとともに、その下端部とカートリッジ本体50との間に配設されスプリング94によって、図2において時計方向に回動する向きに付勢されている。また、駆動レバー86は、図示しないカム装置によって回動させられる操作レバー96により図2において反時計方向に回動させられる。
【0017】駆動レバー86の時計方向の回動限度は、ラチェット爪66がカートリッジ本体50に設けられた下向きの突部112に当接することにより規定される。突部112が駆動レバー86のテープ化電子部品送り時の回動限度を規定するストッパを構成しているのである。したがって、後述するように、駆動レバー86の時計方向の回動によりテープ化電子部品16およびカバー52が前進させられるのであるが、カバーフィルム20を剥がされた少なくとも1個の電子部品収容凹部28のうち、先頭のものに収容された電子部品14は常に同じ位置、すなわち部品吸着ヘッド110の真下の部品取出し位置へ移動させられる。また、駆動レバー86は反時計方向へは、操作レバー96により決まった位置へ強制的に回動させられるが、この回動端位置は駆動レバー86のブラケット90に対する取付位置の変更によって変えることができる。
【0018】駆動レバー86は、図2において軸92が挿入されている穴とは別の穴108においてもブラケット90に取り付けられるようになっており、それにより駆動レバー86の下端部の移動距離が変わり、ラチェット爪66が乗り越える歯70の数を変えてテープ化電子部品16の送りピッチを変えることができるようになっているのである。駆動レバー86のブラケット90に対する取付位置はテープ化電子部品16の送りピッチに応じて選択される。
【0019】部品吸着ヘッド110は、図示しないインデックステーブルに取り付けられている。インデックステーブルには、複数の部品吸着ヘッド110が等角度間隔に、かつ昇降可能に取り付けられており、インデックステーブルの間欠回転により、部品吸着ヘッド110は順次部品供給位置,部品装着位置等へ移動させられて電子部品14を部品供給カートリッジ12から取り出し、プリント基板に装着する。部品供給位置および部品装着位置にはそれぞれ、部品吸着ヘッド110を昇降させる昇降装置が設けられており、部品吸着ヘッド110を昇降させ、電子部品14の取出し,装着を行わせる。
【0020】また、部品供給位置には、カートリッジ移動用テーブルがインデックステーブルの回転方向と接する方向に移動可能に設けられており、カートリッジ移動用テーブル上に部品供給カートリッジ12が複数搭載され、カートリッジ移動用テープの移動により、複数の部品供給カートリッジ12のうちの1つが部品供給位置に位置決めされる。この位置決めは、インデックステーブルの間欠回転中に行われ、テープ化電子部品16の送りおよびカバーフィルム20の巻取りはインデックステーブルの停止中に行われる。前記操作レバー96を回動させるカム装置がそのように構成されているのであり、また、後述するように、部品吸着ヘッド110の昇降は、テープ化電子部品16の送りおよびカバーフィルム20の巻取りと関連して行われるようにされている。
【0021】駆動レバー86のテープ駆動板82が連結された部分とスプリング94が係合させられた部分との間には、カバー駆動板98の一端部が軸100により回動可能に連結され、カバー駆動板98の他端部には前記カバー52がピン102によって回動可能に連結されている。ピン102はカートリッジ本体50を幅方向に貫通して形成された長穴104に嵌合されており、カバー52のカートリッジ本体50に対する相対移動が許容される。
【0022】カバー52は断面形状がコの字形を成す部材であり、カートリッジ本体50に被せられ、テープ化電子部品16は、カートリッジ本体50の先端部においてカートリッジ本体50の上面とカバー52とに挟まれつつ送られる。カバー52には、図5に示すように、テープ化電子部品16の送り方向と直交する方向に延びるスリット114が設けられ、キャリヤテープ28から剥がされたカバーフィルム20はこのスリット114を通って引き出され、巻取りリール116(図2参照)に巻き取られる。
【0023】また、カバー52のキャリヤテープ18に形成された送り穴30に対応する部分には長穴118が形成されてスプロケット58の歯60との干渉が回避されている。さらに、カバー52のスリット114より先端側には矩形の開口120が形成され、ここから電子部品14が部品吸着ノズル110によって取り出されるようになっている。開口120のテープ化電子部品送り方向において上流側の部分には、薄い舌片124が設けられるとともに、舌片124には下流側に開口するU字形の切欠126が設けられている。この切欠126のテープ化電子部品16の送り方向と直交する方向の寸法は、電子部品14の同方向の寸法より小さくされている。
【0024】カバー52は、カートリッジ本体50に回動可能に取り付けられるとともに、スプリング(図示省略)により付勢されたカバー押さえ132により下方へ押さえられ、テープ化電子部品16のカバーフィルム20が剥がされる前の部分においてはカバーフィルム20に接触させられ、カバーフィルム20が剥がされた後の部分においては紙テープ24の上面に接触させられる。
【0025】キャリヤテープ18から剥がされたカバーフィルム20は、図2に示すようにブラケット90に回転可能に取り付けられた固定ローラ140と、前記駆動レバー86に取り付けられた移動ローラ142とに巻き掛けられた後、巻取りリール116によって巻き取られる。移動ローラ142は、駆動レバー86のテープ送り方向上流側の端面に突設されたくの字形のアーム部144の屈曲部に回転可能に取り付けられ、駆動レバー86と共に回動するようにされている。
【0026】巻取りリール116は、前記ブラケット90に固定の支持軸150に取り付けられている。支持軸150には、図1に示すようにカラー151を介して巻取りレバー152が回動可能に取り付けられている。巻取りレバー152はカラー151の一端部に嵌合固定され、カラー151において支持軸150に回動可能に嵌合されている。
【0027】巻取りレバー152はV字形を成し、一方のアーム部154は、前記駆動レバー86に突設されたアーム部144の先端に対向させられ、他方のアーム部156とブラケット90との間に配設されたスプリング158により、図2において時計方向に付勢されている。
【0028】支持軸150には、図1に示すように、第1一方向クラッチ160および第2一方向クラッチ162を介してリール支持部材164が回転可能に支持されている。第1一方向クラッチ160はカラー151の他端部とリール支持部材164との間に設けられ、巻取りレバー152のリール支持部材164に対するカバーフィルム巻取り方向(図2において時計方向)の相対回転は阻止するが、逆向きの相対回転は許容する。また、第2一方向クラッチ162は、支持軸150のカラー151からの突出端部とリール支持部材164との間に設けられ、リール支持部材164のカバーフィルム巻取り方向の回転は許容するが、逆向きの回転は阻止する。
【0029】リール支持部材164は概して円筒状を成し、その外周面には円環状溝166が形成されてOリング168が嵌合されるとともに、巻取りリール116が嵌合されている。巻取りリール116は、それぞれ円板状を成すリール本体170と、リール蓋172とを有する。リール本体170は、その中心部に形成された円筒状の嵌合部174において、円環状溝166から僅かに突出させられたOリング168を弾性変形させて円環状溝166内に押し込みつつリール支持部材164に嵌合させられ、リール支持部材164に摩擦係合させられている。
【0030】リール蓋172は、その中心部に形成された円筒状の嵌合部176においてリール本体170の嵌合部174の外側に嵌合されている。リール蓋172の嵌合部176より外周側には円筒状のカバーフィルム巻付け突部178が突設されており、カバーフィルム20はリール本体170とリール蓋172との間においてカバーフィルム巻付け突部178に巻き付けられる。
【0031】次に作動を説明する。前記操作レバー96が駆動レバー86から離れる向きに回動させられれば、駆動レバー86はスプリング94により付勢されて図2において時計方向に回動させられ、テープ駆動板82が前進させられる。それにより回動板64が反時計方向に回動させられるとともに、ラチェット爪66が突部112に当たるまで回動板64と共に移動してラチェットホイール62を回転させ、スプロケット58が回転させられてテープ化電子部品16を送る。また、駆動レバー86の回動によりカバー駆動板98も同時に前進させられ、カバー52がテープ化電子部品16と共に前進させられる。
【0032】また、移動ローラ142が移動し、固定ローラ140と巻取りリール116との間に位置するカバーフィルム20にゆるみを与える。このゆるみ量はテープ化電子部品16の1ピッチの送り長さに相当する長さ以上となるようにされており、テープ化電子部品16はカバーフィルム20が剥がされることなく送られる。
【0033】駆動レバー86の回動に伴って巻取りレバー152には、図2において反時計方向、すなわちカバーフィルム巻取り方向とは逆方向へ回動する向きの力が加えられる。巻取りレバー152のカバーフィルム巻取り方向とは逆向きの回転は第1一方向クラッチ160により許容され、リール支持部材164の同方向への回転は第2一方向クラッチ162によって阻止されているため、巻取りレバー152のみが回動し、リール支持部材164および巻取りリール116は回転しない。
【0034】このようなテープ化電子部品16の送りにより、カバーフィルム20を剥がされた少なくとも1個の電子部品収容凹部28のうち、先頭のものに収容された電子部品14がカバー52の切欠126内に位置するとともに、電子部品14の送り方向と直交する方向の両端部が舌片124により覆われて電子部品収容凹部28からの飛び出しを防止された状態で部品吸着ヘッド110の真下の部品取出し位置へ送られる。部品供給カートリッジ12は、この状態でインデックステーブルの間欠回転により部品吸着ヘッド110が部品供給位置へ移動させられて電子部品14を取り出すのを待つ。
【0035】部品吸着ヘッド110が下降させられて電子部品14を取り出すとき、部品供給カートリッジ12のカバー52が後退させられる。このときには、操作レバー96が図2において時計方向に回動させられて駆動レバー86が反時計方向へ回動させられ、テープ駆動板82およびカバー駆動板98が後退させられる。このときラチェット爪66はラチェットホイール62の歯70を乗り越えるのみでラチェットホイール62を回転させず、テープ化電子部品16は後退させられず、カバー52のみが後退させられて電子部品14が切欠126から外れ、部品吸着ヘッド110が電子部品14を部品収容凹部28から取り出し得る状態となる。また、次の電子部品14が切欠126内に位置する状態となる。
【0036】このカバー52の後退と同期して部品吸着ヘッド110が下降させられる。部品吸着ヘッド110は、舌片124が後退して電子部品14から外れた状態となる前に電子部品14に接触するタイミングで下降させられる。電子部品14は舌片124により覆われて電子部品収容凹部28からの飛び出しを防止されつつ部品吸着ヘッド110により吸着されるのであり、舌片124が電子部品14から外れる位置まで後退した後、部品吸着ヘッド110が上昇させられて電子部品14を電子部品収容凹部28から取り出す。
【0037】カバー52を後退させるべく駆動レバー86が回動させられるとき、移動ローラ142が図2において左方へ移動し、先にテープ化電子部品16の送り時に与えたカバーフィルム20のゆるみを解消する。それと並行して巻取りレバー152がスプリング158により付勢され、図2において時計方向に回動する向きの力が加えられる。
【0038】巻取りレバー152のリール支持部材164に対するカバーフィルム巻取り方向の相対回転は第1一方向クラッチ160によって阻止されており、第2一方向クラッチ162はリール支持部材164のカバーフィルム巻取り方向の回転を許容するため、巻取りレバー152がスプリング158により引っ張られるとき、巻取りレバー152およびリール支持部材164が一体的に回転するとともに、リール支持部材164に摩擦係合させられた巻取りリール116も回転させられ、カバーフィルム20をテープ化電子部品16の1ピッチ分巻き取る。
【0039】なお、巻取りリール116に巻き取られたカバーフィルム20の巻径が大きくなるにつれて、テープ化電子部品16の1ピッチ分だけカバーフィルム20を巻き取るのに必要な巻取りリール116の回転角度が小さくなる。この回転角度の変化は、アーム部144とアーム部154との隙間の大きさの変化によって吸収される。カバーフィルム20が1ピッチ分剥がされた後は、カバーフィルム20の張力がスプリング158の付勢力より大きくなり、巻取りリール116および巻取りレバー152が回動しなくなって、アーム部144とアーム部154との間に隙間が生ずるのであるが、その時期がカバーフィルム20の外径が大きくなるほど早くなるのである。
【0040】このように部品吸着ヘッド110が電子部品14を取り出した後、操作レバー96の反時計方向への回動により駆動レバー86が図2において時計方向へ回動させられ、カバーフィルム20を剥がされた少なくとも1個の電子部品収容凹部28のうち、先頭のものに収容された電子部品14が部品取出し位置へ送られて次の取出しを待つ。
【0041】巻取りリール116をカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回転させることが必要な場合には、カバーフィルム巻取り方向とは逆向きであって、リール支持部材164との間の摩擦力を超える大きさの相対回転トルクを巻取りリール116に加えればよい。
【0042】巻取りリール116をカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回転させることは、種々の場合に必要となる。例えば、巻取りリール116を支持軸150に取り付ける際にカバーフィルム20を巻き取りつつ取付けを行う場合、逆向きに回転させることができなければ、取付けのために巻き取った分を戻すことができず、その巻取り分のカバーフィルム20により覆われていた個所の電子部品14を部品取出し位置に戻すことができず、無駄になる。そのため、巻取りリール116をカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回転させ、カバーフィルムを巻き戻すとともに電子部品16を部品取出し位置に戻して無駄を無くすことが必要である。また、逆向きに回転させることができなければ、巻取りリール116の取付け,取外しの作業がやり難い。
【0043】巻取りリール116はリール支持部材164に摩擦係合させられており、また、リール支持部材164のカバーフィルム巻取り方向とは逆向きの回転は第2一方向クラッチ162によって阻止されているため、リール支持部材164との間の摩擦力を超える相対回転トルクを加えれば巻取りリール116をリール支持部材164に対して相対的にカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回転させることができ、巻取りリール116の取付け時の電子部品16の無駄をなくし、また、取付け,取外し時の作業性が向上する。なお、巻取りリール116をカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回転させる操作は、作業者が行ってもよく、自動的に行われるようにしてもよい。
【0044】以上の説明から明らかなように、本実施例においては、ブラケット90が装置本体を構成し、Oリング168が摩擦係合装置を構成し、巻取りレバー152が駆動部材を構成するとともに、駆動レバー86およびスプリング158と共に回転駆動装置を構成している。
【0045】なお、上記実施例において摩擦係合装置は1個のOリング168によって構成されていたが、2個以上のOリングを巻取りリールの回転軸線に平行な方向に並べて摩擦係合装置としてもよく、あるいは四角形等、断面形状が円以外のゴムリングを少なくとも1個設けて摩擦係合装置としてもよい。
【0046】また、上記実施例において摩擦係合装置はOリング168により構成されており、構造が簡単で安価である利点があるが、巻取りリールとリール支持部材との一方に摩擦部材を他方に接触離間可能に取り付け、その摩擦部材を弾性部材により接触方向に付勢するものなど、巻取りりリールとリール支持部材との間に摩擦力を生じさせるものであれば採用が可能である。
【0047】例えば、図6に示すように、リール支持部材190にその外周面に開口する円環状溝192を設けて摩擦係合装置194を配設する。摩擦係合装置194は、弾性部材としてのばね部材196と、ばね部材196に固着された摩擦部材としてのゴム板198とを有する。ばね部材196は、図6および図8に示すように、円筒状の本体部200と、本体部200の中心線方向の一端部から外向きにかつ本体部200の他端部側へ曲げられた6個の支持片202とを有する。これら6個の支持片202は等角度間隔を隔てた位置に互に隙間を有して設けられ、各支持片202の外側面にそれぞれゴム板198が固着されている。
【0048】本体部200の支持片202が設けられた側とは反対側の端部のうち、2個の支持片202に各々対応する位置には、それぞれ係合片204が設けられている。
【0049】リール支持部材190には、円環状溝192の一方の溝側面に開口し、上記支持片202の本体部200との境である屈曲部208が嵌入する浅い円環状の嵌合溝210が形成されるとともに、円環状溝192の嵌合溝210が形成された側とは反対側の溝側面に開口し、前記係合片204が係合する係合溝212が形成されている。さらに、リール支持部材190には、ばね部材196を円環状溝192内に配設したとき、ばね部材196の回転を阻止するためのピン216を嵌合するピン穴218が形成されるとともに、ばね部材196が円環状溝192内に配設されたとき、前記2個の係合片204に対応する位置にはそれぞれ、係合溝212とリール支持部材190の端面とに開口する工具挿入穴220が形成され、係合片204の係合溝212への係合を解除し得るようにされている。さらに、リール支持部材190の円環状溝192が形成された部分の外周面は、リール支持部材190の中心線に対する傾斜角が、自由状態にあるばね部材196の支持片202の本体部200に対する傾斜角より小さいテーパ外周面222とされている。
【0050】また、巻取りリール224のリール本体226のリール支持部材190に嵌合される嵌合部228の内周面は、リール支持部材190のテーパ外周面222と同じ傾斜のテーパ内周面230とされている。
【0051】摩擦係合装置194を円環状溝192内に配設するときには、図7に示すように、ばね部材196の係合片204の先端部および屈曲部208を円環状溝192の溝側面に沿わせつつ押し込む。係合片204が係合溝212に至れば、係合片204が係合溝212内に嵌入するとともに、弾性により屈曲部208が嵌合溝210内に嵌入させられ、ばね部材196は抜出し不能に円環状溝192内に取り付けられる。この状態でピン216をピン穴218から挿入し、ばね部材196の隣接する2個の支持片204間に嵌入させてばね部材196の回転を阻止する。
【0052】このように摩擦係合装置194を円環状溝192内に配設した状態では、ゴム板198の表面側の部分は円環状溝192の外へ突出しており、巻取りリール224をリール本体226の嵌合部228においてリール支持部材190に嵌合するとき、テーパ内周面230が斜面の効果によりばね部材196の支持片202を弾性変形させ、ゴム板198を円環状溝192側へ移動させる。そのため、ゴム板198はばね部材196の付勢力によりテーパ内周面230に押し付けられ、それらの間に摩擦抵抗が生じ、通常はリール支持部材190と巻取りリール224とを一体的に回転させる。また、巻取りリール224に、リール支持部材190との間の摩擦力を超える相対回転トルクを加えれば、巻取りリール224をリール支持部材190に対してカバーフィルム巻取り方向とは逆向きに回転させることができる。摩擦係合装置194を円環状溝192から取り外す場合には、工具挿入穴220から工具を挿入し、係合片204を変形させ、係合溝212から押し出して円環状溝192から取り出す。
【0053】なお、ばね部材196にゴム板198を設けることは不可欠ではなく、ばね部材の支持片を直接巻取りリール224に摩擦係合させてもよい。
【0054】また、摩擦係合装置はリール支持部材に限らず、巻取りリール側に設けてもよく、あるいは両者に設けてもよい。
【0055】さらに、上記実施例において部品吸着ヘッド110はインデックステーブルに設けられ、部品供給カートリッジ12はテープ化電子部品16の送り方向と直交する方向に移動可能なものとされていたが、部品吸着ヘッド110と部品供給カートリッジとのいずれか一方が部品供給カートリッジが並ぶ方向に移動させられ、他方が部品供給カートリッジが並ぶ方向と交差する方向に移動させられる電子部品装着装置のカバーフィルム巻取り装置や、部品供給カートリッジは移動不能に設けられ、部品吸着ヘッドが一平面内の任意の位置へ移動可能に設けられた電子部品装着装置のカバーフィルム巻取り装置にも本発明を適用することができる。
【0056】その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【出願人】 【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
【出願日】 平成5年9月30日(1993.9.30)
【代理人】 【識別番号】100079669
【弁理士】
【氏名又は名称】神戸 典和 (外2名)
【公開番号】 特開2000−332490(P2000−332490A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願2000−103398(P2000−103398)