| 【発明の名称】 |
マイクロ波発振器ICの実装構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 匡稔
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| 【要約】 |
【課題】局部発振器モジュールにおいて、温度変動の下でもマイクロ波発振器ICの接地状態を維持し、安定した発振周波数を得る。
【解決手段】マイクロ波発振器IC1を搭載接続したプリント基板2を間に挟んで上下2つのシールドケース4,5を固着しプリント基板2との接地を得、マイクロ波発振器IC1の周縁部1aを上側のシールドケース4方向から板ばね3により押圧してマイクロ波発振器IC1とプリント基板2を密着させる。板ばね3は、天面部及び天面部から下方向に延出してICの周縁部1aを押圧する複数の脚部を有してマイクロ波発振器IC1に覆い被さる。温度変動によるマイクロ波発振器IC1の基板とプリント基板2の膨張率の差を板ばね3のばね弾性が吸収し、両者のグランド面は接触を保ちつつ連続的に相対位置を変えうる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリント基板に搭載接続したマイクロ波発振器ICを上下2つのシールドケース内に実装する局部発振器モジュールであって、前記プリント基板を間に挟んで上下2つの前記シールドケースを固着し前記プリント基板との接地を得るとともに、前記マイクロ波発振器ICの周縁部を上側の前記シールドケース方向からばね弾性体により押圧して前記マイクロ波発振器ICと前記プリント基板とを密着させるべくしたことを特徴とするマイクロ波発振器ICの実装構造。 【請求項2】 前記ばね弾性体は板ばねからなり、前記上側のシールドケースに当接する天面部及びその天面部から下方向に延出して前記マイクロ波発振器ICの周縁部を押圧する複数の脚部とを有して前記マイクロ波発振器ICに覆い被さる形状をなすことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波発振器ICの実装構造。 【請求項3】 前記天面部から下方向に延出する前記複数の脚部が前記マイクロ波発振器ICの4側面に沿うべく方形状に延出し、前記マイクロ波発振器ICの外囲ケースとの間にがたつきが生じない寸法差を呈するものであることを特徴とする請求項2記載のマイクロ波発振器ICの実装構造。 【請求項4】 前記複数の脚部がくの字状または弓形状に曲げ加工されていることを特徴とする請求項2または3に記載のマイクロ波発振器ICの実装構造。 【請求項5】 方形状に延出する前記脚部が、方形の1方向もしくは2方向において単数のみ延出することを特徴とする請求項3または4に記載のマイクロ波発振器ICの実装構造。 【請求項6】 単数のみ延出する前記脚部が、前記マイクロ波発振器ICとの位置決めの作用を有することを特徴とする請求項5記載のマイクロ波発振器ICの実装構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高周波で用いられるマイクロ波発振器ICの実装構造に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的にマイクロ波通信分野では、周波数変換器における局部発振器の周波数(位相)が十分安定であることが重要である。 【0003】この目的のために、マイクロ波発振器ICを高安定基準信号源に位相同期させて局部発振器を構成している。またマイクロ波発振器ICをプリント基板に搭載接続して局部発振器モジュールを形成している。 【0004】従来、局部発振器モジュールにおいて、マイクロ波発振器ICの実装構造は、図6及び図7に示すようになっている。 【0005】図6に示す従来技術では、マイクロ波発振器IC11をプリント基板12に搭載接続し、上側から抑え金具13を被せ、ねじ14を用いて抑え金具13とプリント基板12を締結固定するようになっている。 【0006】また図7に示す従来技術では、プリント基板12に搭載したマイクロ波発振器IC11の側面を、半田15によりプリント基板12に半田付けすることにより固定するようになっている。 【0007】これら従来技術のいずれの場合も、マイクロ波発振器IC11の底面とプリント基板12とを十分に密着させ、接地電位の共通化を図っている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来のマイクロ波発振器ICの実装構造においては、次の如き問題がある。 【0009】(1)図6に示した従来技術のように、ねじを用いて締結固定する場合、抑え金具のために実装面積が拡大してしまう。 【0010】(2)図7に示した従来技術のように、底面の数個所を半田付けにより固定する場合、温度変化時に、ある時点で発振周波数が急峻に変化する。 【0011】一般に、発振周波数の変動速度が位相同期ループの追従範囲内で生じた場合には、系はすみやかにその変動を追従するため伝送系に影響は及ばないが、追従範囲以上のスピードで生じた場合には、局部発振器の周波数飛びもしくは位相飛びとなり、伝送品質に影響を及ぼす可能性がある。 【0012】発振周波数の急峻な変動は以下のメカニズムで説明される。 【0013】図7のような従来の半田付けによる実装構造においては、温度変化があった場合、マイクロ波発振器IC11の底面とプリント基板12は、膨張率の差により両グランド面が相対的に位置を変えようとする。しかし、半田15により固定されているため、特にマイクロ波発振器IC11の底部では連続的に相対位置を変えることができないため、半田15で固定されている点を中心にストレスが蓄積していくことになる。 【0014】そのストレスが限界値を超えたとき、ストレスを別のモードに解放するため、マイクロ波発振器IC11とプリント基板12の接地状態が急峻に変化する。温度一定の下ではマイクロ波発振器IC11の発振周波数は、マイクロ波発振器IC11とプリント基板12の間の接地状態で決まる負荷条件の下で安定している。 【0015】しかし、上述した接地状態の急峻な変化は、等価的にマイクロ波発振器IC11の底面とプリント基板12の間の接地電位の急峻な変化となり、これはマイクロ波発振器IC11の負荷変動と等価であるので、マイクロ波発振器IC11の発振周波数が急峻に変化することになる。 【0016】また、図6のような従来の実装構造においても、ねじ締結による固定であるため、マイクロ波発振器IC11とプリント基板12の間の相対的な位置は、容易には変えることができず、従って上記と同様な問題が生じる。 【0017】そこで本発明の目的は、温度変動の下でも安定した発振周波数(位相)を得ることのできるマイクロ波発振器ICの実装構造を提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波発振器ICの実装構造は、プリント基板に搭載接続したマイクロ波発振器ICを上下2つのシールドケース内に実装する局部発振器モジュールであって、前記プリント基板を間に挟んで上下2つの前記シールドケースを固着し前記プリント基板との接地を得るとともに、前記マイクロ波発振器ICの周縁部を上側の前記シールドケース方向からばね弾性体により押圧して前記マイクロ波発振器ICと前記プリント基板とを密着させるべくしたものである。 【0019】このマイクロ波発振器ICの実装構造において、前記ばね弾性体は板ばねからなり、前記上側のシールドケースに当接する天面部及びその天面部から下方向に延出して前記マイクロ波発振器ICの周縁部を押圧する複数の脚部とを有して前記マイクロ波発振器ICに覆い被さる形状をなすことが好ましい。 【0020】また前記天面部から下方向に延出する前記複数の脚部が前記マイクロ波発振器ICの4側面に沿うべく方形状に延出し、前記マイクロ波発振器ICの外囲ケースとの間にがたつきが生じない寸法差を呈するものであってもよく、さらに前記複数の脚部がくの字状または弓形状に曲げ加工されていることが好ましい。 【0021】また方形状に延出する前記脚部が、方形の1方向もしくは2方向において単数のみ延出するもの、あるいは単数のみ延出する前記脚部が、前記マイクロ波発振器ICとの位置決めの作用を有するものであってもよい。 【0022】このように本発明は、局部発振器モジュールにおいてシールドケースとマイクロ波発振器ICの間にばね弾性体(特に板ばね)を介在させ、そのばね弾性によりマイクロ波発振器ICをプリント基板に押さえ付けて密着させる構成である。 【0023】従ってモジュール全体に温度変化があり、マイクロ波発振器ICの基板とプリント基板の膨張率の度合に差が生じた場合でも、両者の膨張率の差をばね弾性体が吸収することにより、両者のグランド面は一定の接触を保ちながら連続的に相対位置を変えることができるため、マイクロ波発振器ICの接地状態を安定に維持し、接地状態の急峻な変化を生じることがない。また、温度変化時の発振周波数の変動を通常の位相同期ループバンド内に収まるゆっくりとしたものにすることが可能であり、発振周波数(位相)は位相同期ループによって常に安定に保たれるので、発振周波数変動を穏やかにすることができ、伝送系に影響を及ぼさない。さらに、半田付けやねじ止めといった工程を省略でき、マイクロ波発振器ICを押さえるための大きな部品を必要としないので、実装コスト及び実装面積を小さくすることができる。 【0024】 【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照して説明する。 【0025】図1は本発明の実施の形態の分解斜視図、図2はこの実施の形態の組立状態を示し、図1のA−A線に沿った断面図である。図3ないし図5は本発明におけるばね弾性体である板ばねのそれぞれ第1ないし第3の実施の形態を示す側面図である。 【0026】この実施の形態によるマイクロ波発振器ICの実装構造は、図1及び図2に示すように、マイクロ波発振器IC1、プリント基板2、ばね弾性体としての板ばね3、上下のシールドケース4,5及びねじ6とから構成され、図2で示す組立状態にて局部発振器モジュールを形成する。 【0027】上面にマイクロ波発振器IC1を搭載接続したプリント基板2を、上下2つのシールドケース4,5内に実装する。シールドケース4,5は内部で発生したマイクロ波の漏れを防ぐためのケースであり、プリント基板2を間に挟んで上下のシールドケース4,5をねじ6により締結固定し、プリント基板2との接地をとると同時に外部への電磁波の漏れを防ぐ。 【0028】ここで、以下に詳細に説明する図3ないし図5に示すようなばね弾性体としての板ばね3を、上側のシールドケース4とマイクロ波発振器IC1との間に介在させ、この板ばね3のばね弾性によってマイクロ波発振器IC1がプリント基板2側に押さえ付けられる。なお詳しくは、図1及び図2に示すように、板ばね3の下端部がマイクロ波発振器IC1の基板の周縁部1aの部位を押さえ付けるようになっている。 【0029】次に、ばね弾性体としての板ばね3の形状について説明する。 【0030】板ばね3の基本形状は、天面部と、この天面部から下方に延出してマイクロ波発振器IC1に覆い被さるごとき脚部とを有してなり、言わば蓋のない箱を開口部側を下向きにしてマイクロ波発振器IC1に被せる形状となっている。 【0031】図3は板ばね3の第1の実施の形態を示す図で、同図(a)及び(b)は図1のそれぞれA−A線方向及びB−B線方向から見た側面図である。 【0032】この板ばね3は、天面部31と、天面部31から下方に延出する複数の脚部32aないし36a及び32bないし36bを有し、かつこれら複数の脚部はマイクロ波発振器IC1の外囲ケースの4側面に沿うように方形状に延出し、長手方向の2側面にはそれぞれ3本の脚部32aないし34a及び32bないし34bが、また短手方向の2側面にはそれぞれ2本の脚部35a,36a及び35b,36bが延出する。 【0033】延出した各脚部からなる方形状の長手方向の幅L1及び短手方向の幅L2は、マイクロ波発振器IC1の外囲のシールドカバーの長手方向及び短手方向の幅より若干大きめの寸法とし、マイクロ波発振器IC1に覆い被さったときに、マイクロ波発振器IC1との間に長手、短手いずれの方向にもがたつきが生じないような寸法となっている。従って、各脚部の下端部がマイクロ波発振器IC1の基板の周縁部1a(図1及び図2参照)に当接する形となる。 【0034】また各脚部の高さ寸法Hは、マイクロ波発振器IC1の基板の周縁部1aと上側のシールドケース4の下面との間の寸法(図2に示す寸法G)より若干大きな寸法となっている。さらに、延出した各脚部は、方形状の外側に向かってくの字状に曲げ加工がされている。 【0035】このような形状の第1の実施の形態の板ばね3を、図1及び図2に示すように、マイクロ波発振器IC1に覆い被さるように置き、プリント基板2を挟んで上下のシールドケース4,5をねじ6により締結固定すると、天面部31がシールドケース4の下面に当接して押されるため、各脚部がマイクロ波発振器IC1の基板の周縁部1aを押すこととなり、各脚部のばね弾性が作用することによって、マイクロ波発振器IC1がプリント基板2側に押さえ付けられる。 【0036】このように、板ばね3のばね弾性によりマイクロ波発振器IC1の基板には常にシールドケース4からの押圧力がかかり、マイクロ波発振器IC1の基板とプリント基板2とを密着させるようになっているため、マイクロ波発振器IC1とプリント基板2は常に安定した接地状態を維持することとなる。 【0037】この実施の形態の構造によれば、局部発振器モジュール全体に温度変化があり、マイクロ波発振器IC1の基板とプリント基板2の膨張率の度合に差が生じた場合でも、両者の膨張率の差を板ばね3のばね弾性が吸収することにより、両者のグランド面は一定の接触を保ちながら連続的に相対位置を変えることができるため、マイクロ波発振器IC1の接地状態を安定に維持し、接地状態の急峻な変化を生じることがない。 【0038】従って、温度による発振周波数変動を十分穏やかにすることができ、伝送系に影響を及ぼすような発振周波数の急峻な変化は起こらない。つまり、温度変化時の発振周波数の変動を通常の位相同期ループバンド内に収まるゆっくりとしたものにすることが可能であり、発振周波数(位相)は位相同期ループによって常に安定に保たれるので、伝送系に影響を及ぼさない。 【0039】さらに、マイクロ波発振器IC1をプリント基板2に固定するための半田付けやねじ止めといった工程を省略できると共に、マイクロ波発振器IC1を押さえるための抑え金具を必要としないので、実装に関わるコストや実装面積も小さくすることができる。 【0040】次に、ばね弾性体としての板ばね3は、その形状・構成を種々変更して実施することができる。 【0041】図4(a)及び(b)は板ばね3の第2の実施の形態を示す側面図である。 【0042】この第2の実施の形態の板ばね3は、第1の実施の形態のものと同じく天面部31から複数の脚部が方形状に延出しているが、第1の実施の形態の場合と異なるのは、短手方向の2側面から延出するのがそれぞれ脚部37a,37bの1本(単数)のみであることである。 【0043】マイクロ波発振器IC1の大きさや長・短方向の寸法比、あるいは接地状態の確保に必要な押圧力などの諸条件に応じて、この第2の実施の形態のように単数の脚部を有する板ばね3の構成としてもよい。なお図4に示すものの変形例として、単数の脚部37aとした短手方向に隣り合う長手方向の一方のみの脚部を単数とする構成としてもよい。 【0044】図5は板ばね3の第3の実施の形態を示す側面図である。 【0045】この第3の実施の形態の板ばね3は、短手方向のみ(あるいは長手方向のみ)にそれぞれ設けた単数の脚部38a及び脚部38bが、その高さ寸法H1が板ばね3本体の高さ寸法Hよりも短く、その下端部はマイクロ波発振器IC1の基板の周縁部1aまで達しない形となっている。これは図3(a)に示した長手方向の幅寸法L1を決定する役割のみを有するためのものであり、マイクロ波発振器IC1に覆い被せたときに長手方向の位置決めをするためのストッパの作用を有する。なお、マイクロ波発振器IC1に押圧力を与えるばね弾性は、高さ寸法Hを有する他の脚部がその作用を発揮するので問題はない。 【0046】また、板ばね3の第1の実施の形態において、天面部から延出した各脚部が方形状の外側に向かってくの字状に曲げ加工されていると説明したが、くの字状に代わって弓形状に曲げ加工されていてもよく、これらのことは第2及び第3の実施の形態の板ばね3においても適用される。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、局部発振器モジュールにおいてシールドケースとマイクロ波発振器ICの間にばね弾性体(特に板ばね)を介在させ、そのばね弾性によりマイクロ波発振器ICをプリント基板に押さえ付けて密着させる構成としたため、次の様な効果を有する。 【0048】(1)マイクロ波発振器ICの接地状態を安定に維持できる。 【0049】モジュール全体に温度変化があり、マイクロ波発振器ICの基板とプリント基板の膨張率の度合に差が生じた場合でも、両者の膨張率の差をばね弾性体が吸収することにより、両者のグランド面は一定の接触を保ちながら連続的に相対位置を変えることができるため、マイクロ波発振器ICの接地状態を安定に維持し、接地状態の急峻な変化を生じることがない。 【0050】(2)発振周波数変動を穏やかにすることができる。 【0051】温度変化時の発振周波数の変動を通常の位相同期ループバンド内に収まるゆっくりとしたものにすることが可能であり、発振周波数(位相)は位相同期ループによって常に安定に保たれるので、伝送系に影響を及ぼさない。 【0052】(3)実装コスト及び実装面積を小さくできる。 【0053】半田付けやねじ止めといった工程を省略でき、マイクロ波発振器ICを押さえるための大きな部品を必要としない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004237 【氏名又は名称】日本電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月24日(1999.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082935 【弁理士】 【氏名又は名称】京本 直樹 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−332480(P2000−332480A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−143580 |
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