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【発明の名称】 電気的接点、それを用いた電気部品およびそれを用いた電気的接続装置
【発明者】 【氏名】宮崎 千春

【氏名】岡 尚人

【氏名】神田 光彦

【氏名】内田 雄

【氏名】富山 勝巳

【要約】 【課題】製造が容易でかつ、高密度な部品実装が可能な導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に供することができる電気的接点、それを用いた電気部品およびそれを用いた電気的接続装置を得る。

【解決手段】平坦な導電性表面101cに設けられた凹部101dの側壁101eか導電性表面101cから突出した突出部分104aを有する弾性接点部材104が垂直な方向に弾性変位する。弾性接点部材104は、先細でもよく、先端部の形状が曲面あるいは鈍角を形成してもよい。記弾性接点部材104が、導体と当接する突起部を備えてもよく、あるいは導体側に突起部を設けてもよい。い。また、凹部101dが、弾性接点部材104と当接する突起部を備えてもよい。突起部が金属から構成されもよい。弾性接点部材間の間隔をシールドあるいは使用したい電磁波の波長の1/10以下にしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平坦な導電性表面を持つ電気部品に設けられ、上記電気部品の上記導電性表面を回路基板の導体に電気的に接続するための電気的接点であって、上記導電性表面に設けられ、側壁を有する凹部と、上記凹部の上記側壁の一部からほぼ上記導電性表面に沿って延びて、上記導電性表面から突出した突出部分を有し、少なくとも上記突出部分が上記導電性表面に対して垂直な方向に弾性変位し得、上記導体に弾性的に接触して電気的接続を確立する弾性接点部材とを備えた電気的接点。
【請求項2】 上記凹部が、上記導電性表面から後退した後退面を備えたことを特徴とする請求項1記載の電気的接点。
【請求項3】 上記凹部が、上記導電性表面を横切る溝を構成することを特徴とする請求項1あるいは2記載の電気的接点。
【請求項4】 上記凹部が、上記導電性表面を横切り、閉端を有する溝を構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項5】 上記弾性接点部材が平板状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項6】 上記弾性接点部材が根元部から先端部に向かって先細に延びていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項7】 上記弾性接点部材の上記先端部の形状が曲面あるいは鈍角を形成していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項8】 上記弾性接点部材が、電気的に接続しうる上記導体と対向する位置に、上記弾性接点部材が弾性変位した状態で上記導体と当接する突起部を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項9】 上記弾性接点部材が、上記凹部の上記後退面と対向する位置に、上記弾性接点部材が弾性変位した状態で上記後退面と当接する突起部を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項10】 上記凹部が、上記弾性接点部材と対向する位置に、上記弾性接点部材が弾性変位した状態で上記弾性接点部材と当接する突起部を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項11】 上記突起部が金属から構成されたことを特徴とする請求項8乃至10記載のいずれかに記載の電気的接点。
【請求項12】 複数の請求項1乃至11のいずれかに記載の上記弾性接点部材を備え、上記弾性接点部材間の間隔をシールドあるいは使用したい電磁波の波長の1/10以下にしたことを特徴とする電気部品。
【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の電気的接点を備えた導電性のあるシールドケースから構成された電気部品。
【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかに記載の電気的接点あるいは電気部品をを有する第1の電気部品と、上記弾性接点部材と当接する突起部をもつ上記導体を有する第2の電気部品とを備えた電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気的接点、それを用いた電気部品およびそれを用いた電気的接続装置に関するもので、例えば、シールドケース等の導電性ユニットの電気的接点、およびこれらとプリント基板や金属筐体等のグランド導体との電気的接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図17は、特開平4−346296号公報に示された従来の導電性ユニットであるシールドケースとプリント基板のグランド導体との電気的接続構造である。図において、1はケース、2は表カバー、3はプリント基板、4は裏カバー、6は舌状部、7は穴、9は突起部、10はスルーホール、12は取り付け部、12aは雌ネジ、14は絶縁シート、16は止めネジ、17は円ボス部、119は接触片、120は弾性接触部材である。
【0003】次に動作について説明する。このような構成によるシールドケースとプリント基板との電気的接続構造は、裏カバー4の内側の周囲に櫛歯状の接触片19を備えた金属製の弾性接触部材20がスポット溶接によって複数個固定されている。この弾性接触部材20を用いて裏カバー4とプリント基板3の接地パターンとを電気的に接続するものである。
【0004】また、図18は、特開平10−4284号公報に示された従来の導電性ユニットであるシールドカバーとプリント基板のグランド導体であるグランドパターンとの電気的接続構造である。図において、51はプリント基板、52はグランドパターン、53はシールドカバー、54は接触片、55は爪片、56は貫通穴である。
【0005】次に動作について説明する。このような構成による導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造は、プリント基板51上のグランドパターン52とシールドカバー53に形成した接触片54との接触を安定的に保つために、接触片54をシールドカバー53の端面より外側に張り出させてL字状またはT字状に一体に形成し、かつ、シールドカバー53の端面と平行な片部54aを下方に折り曲げることで、プリント基板51のグランドパターン52と接触させるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造は以上のように構成されており、図17に示すような接続構造では、接触片19を備えた金属製の弾性接触部材20をスポット溶接によって複数個固定する手間がかかる。
【0007】また、図17に示すような接続構造では、弾性接触部材20が裏カバー4の内側に張り出させているため、あるいは図18に示すような接続構造では、接触片54がシールドカバー53の端面より外側に張り出しているため、高密度な部品実装が困難であるという問題点があった。
【0008】この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、製造が容易でかつ、高密度な部品実装が可能な導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に供することができる電気的接点、それを用いた電気部品およびそれを用いた電気的接続装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電気的接点は、平坦な導電性表面を持つ電気部品に設けられ、電気部品の導電性表面を回路基板の導体に電気的に接続するための電気的接点であって、導電性表面に設けられ、側壁を有する凹部と、凹部の側壁の一部からほぼ導電性表面に沿って延びて、導電性表面から突出した突出部分を有し、少なくとも突出部分が導電性表面に対して垂直な方向に弾性変位し得、導体に弾性的に接触して電気的接続を確立する弾性接点部材とを備えたものである。
【0010】また、この発明に係る電気的接点は、凹部が、導電性表面から後退した後退面を備えたものである。
【0011】また、この発明に係る電気的接点は、凹部が、導電性表面を横切る溝を構成するものである。
【0012】また、この発明に係る電気的接点は、凹部が、導電性表面を横切り、閉端を有する溝を構成するものである。
【0013】また、この発明に係る電気的接点は、弾性接点部材が平板状である。
【0014】また、この発明に係る電気的接点は、弾性接点部材が根元部から先端部に向かって先細に延びている。
【0015】また、この発明に係る電気的接点は、弾性接点部材の先端部の形状が曲面あるいは鈍角を形成している。
【0016】また、この発明に係る電気的接点は、弾性接点部材が、電気的に接続しうる導体と対向する位置に、弾性接点部材が弾性変位した状態で導体と当接する突起部を備えたものである。
【0017】また、この発明に係る電気的接点は、弾性接点部材が、凹部の後退面と対向する位置に、弾性接点部材が弾性変位した状態で後退面と当接する突起を備えたものである。
【0018】また、この発明に係る電気的接点は、凹部が、弾性接点部材と対向する位置に、弾性接点部材が弾性変位した状態で弾性接点部材と当接する突起を備えたものである。
【0019】また、この発明に係る電気的接点は、突起が金属から構成されたものである。
【0020】また、この発明に係る電気部品は、請求項1乃至11のいずれかに記載の複数の弾性接点部材を備え、弾性接点部材間の間隔をシールドあるいは使用したい電磁波の波長の1/10以下にしたものである。
【0021】また、この発明に係る電気部品は、請求項1乃至12のいずれかに記載の電気的接点を備えた導電性のあるシールドケースから構成されたものである。
【0022】また、この発明に係る電気的接続装置は、請求項1乃至13のいずれかに記載の電気的接点あるいは電気部品を有する第1の電気部品と、弾性接点部材と当接する突起部をもつ導体を有する第2の電気部品とを備えたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る電気的接点を有する電気部品である導電性ユニットと導体を有する回路基板であるプリント基板との組立斜視図であり、図2は図1の導電性ユニットの電気的接点の側面図である。
【0024】まず、図1において、導電性ユニットとプリント基板上の電気的グランドを形成するグランド導体との電気的接続構造について説明する。プラスチック等の絶縁物の表面を無電界メッキや蒸着等で導電処理した升形のシールドケースである導電性ユニット101の側面101aの端部101bは、平坦な導電性表面101cが形成されている。導電性表面101cには、導電性表面101cを横切る複数の凹部である矩形の溝101dが四方に設けられている。この溝101dの部分を拡大した図2に示すように、溝101dは、導電性表面101cから直角に延びた2つの側壁101eおよび導電性表面101cと平行で、導電性表面101cの面に対して後退した面である後退面101fから形成されている。
【0025】一方の側壁101eには、射出成形等により導電性ユニット101と一体形成された矩形の平板状の弾性接点部材104が設けられている。プリント基板100上には、グランドパターンを形成したグランド導体111が設けられている。弾性接点部材104は、側壁101eの一部からほぼ導電性表面101cに沿って延びて、導電性表面101cから突出した突出部分104aを有し、突出部分104aが導電性表面101cに対して垂直な方向(A方向)に弾性変位し得、プリント基板100上に形成されたグランド導体111に弾性的に接触して電気的接続を確立している。
【0026】導電性ユニット101は、ねじの締結力により弾性接点部材104の先端104bがA方向に変位した状態でプリント基板100上に固定されている。したがって、弾性接点部材104は弾性力が付勢された状態でプリント基板100上のグランド導体111と電気的に接続している。
【0027】このように、弾性接点部材104は、導電性ユニット101の導電性表面101c内であり、導電性ユニット101の側面101aの内側あるいは外側に張り出すことがないため、プリント基板100の高密度な部品実装を妨げるようなスペースをとることもなく、導電性ユニット101をコンパクトなものにできる。弾性接点部材104をスポット溶接する作業も不要である。
【0028】なお、導電性ユニット101とプリント基板100との固定は、導電性ユニット101に設けられた図示しない爪をプリント基板100に設けられた図示しない挿入穴に挿入した後折り曲げて行ってもよく、あるいは導電性ユニット101を図示しない外部ケースによりプリント基板100に圧着してもよい。また、導電性ユニット101の形状は升形に限らず内側に間仕切りや補強用リブが立ったものでもよい。さらに、導電性ユニット101はシールドケースに限らずグランド導体111と接続する必要がある電気回路を組み込んだものでもよい。電気的接点が接続する導体は、プリント基板100上に形成されたパターンに限らず金属筐体等であってもよい。また、弾性接点部材104は、導電性ユニット101の側面の端部に設けなくても、内部の間仕切りや補強用リブに形成してもよい。
【0029】図1に示す導電性ユニット101の側面101aの肉厚tが厚い場合あるいは導電性ユニット101が升状でなく、中実の直方体の一部をくり抜いて開口を設けたものである場合、比較的幅の広い導電性表面101cが形成される。このような場合の電気的接点の変形例を図3および4に示す。図3においては、溝101dの側壁101eの一部のみ弾性接点部材104が設けられている点が図2と異なる。図4においては、導電性表面101cに導電性表面101cを横切り、閉端を有する直方体状の溝101gが設けられ、溝101gの側壁101eに弾性接点部材104が設けられている点が図2と異なる。このような構造により、導電性表面101cが比較的幅の広い場合であっても、プリント基板100上のグランド導体111の幅に合わせて、導電性ユニット101とグランド導体111とを電気的に接続できる。
【0030】実施の形態2.図5は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に用いられる導電性ユニットの弾性接点部材付近を示す斜視図であり、図6には図5のVI-VI断面図を示す。この実施の形態は、導電性ユニットの導電性表面が薄い平面である場合に適用できるものである。
【0031】図5において、導電性ユニット201の導電性表面201cは、薄い平板上に形成され、導電性表面201cの長手方向に直角である横断方向の中央付近には、導電性表面201cから直角に延びた側壁201eを有する穴201dである凹部が打ち抜かれている。側壁201eの一部からほぼ導電性表面201cに沿って延びて、導電性表面201cから突出した突出部分204aを有し、突出部分204aが導電性表面201cに対して垂直な方向(A方向)に弾性変位し得る弾性接点部材204が矩形の平板状に形成されている。
【0032】実施の形態3.図7は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に用いられる導電性ユニットの弾性接点部材付近を示す斜視図であり、弾性接点部材の形状のみが図2と異なる。図において、弾性接点部材104のプリント基板100のグランド導体111と接触する側104bには、半球状の突起部105が弾性接点部材104と一体に成形されている。この突起部105がグランド導体111と接触し、弾性接点部材104は弾性力が付勢された状態でグランド導体111と電気的に接続する。
【0033】このように構成することにより、弾性接点部材104のうち突起部105の部分でグランド導体111と確実に接触するので、意図する箇所で安定的に導電性ユニット101とグランド導体111とを電気的に接続することができる。なお、突起105は半球状でなくてもよく、半円筒状のものでもよい。
【0034】実施の形態4.図8は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に用いられる導電性ユニットの弾性接点部材付近を示す斜視図であり、弾性接点部材の形状のみが図2と異なる。図において、弾性接点部材104のグランド導体111と接触する側104bには、例えば銅(Cu)からなる球状の金属体が、半球の部分が露出している突起部106を形成した状態で埋め込まれ接着剤で固定されている。この突起部106がグランド導体111と接触し、弾性接点部材104は弾性力が付勢された状態でグランド導体111と電気的に接続する。
【0035】このように構成することにより、導電性ユニット101の表面の導電処理が剥がれてしまっても確実に導電性ユニット101とグランド導体111とを電気的に接続することができ、耐振動性に優れ、導電性ユニット101を何回着脱しても電気的接続の性能が劣化しない。また、グランド導体111と接触する突起部106が金属製なので、突起部106の変形による電気的接続の性能劣化を防止することができる。なお、突起部106を形成する球状の金属体は、インサートモールドにより弾性接点部材104と一体に成形してもよい。
【0036】実施の形態5.図9は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造の側面図であり、グランド導体上に突起部である接続用部材107が設けられている点が図2と異なる。図において、プリント基板100上に形成されたグランドパターンであるグランド導体111に実装機等により略半球状の導電性のある接続用部材107を実装し、リフローによる半田付けをすることによりグランド導体111上に突起部が形成されている。
【0037】このように構成することにより、グランド導体111上の接続用部材107により導電性ユニット101の弾性接点部材104と確実に接触するので、意図する箇所で安定的に導電性ユニット101とグランド導体111とを電気的に接続することができる。
【0038】実施の形態6.図10は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に用いられる導電性ユニットの弾性接点部材付近を示す斜視図であり、弾性接点部材の形状のみが図8と異なる。図において、弾性接点部材204は、図8に対し、側壁101e近傍の根元部204cが太く、根元部204cから先端部204dに向かって先細形状に形成されている。
【0039】このように構成することにより、導電性ユニット101と一体形成した弾性接点部材204は、根元部204cの機械的強度が増し導電性ユニット101とプリント基板100との着脱時の変形に伴う弾性接点部材204のひび割れ等を防止することができる。
【0040】実施の形態7.図11は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に用いられる導電性ユニットの弾性接点部材付近を示す斜視図であり、弾性接点部材の形状のみが図8と異なる。図において、弾性接点部材304は、図8に対し先端部304dの形状が、例えば円弧である曲面を形成している。
【0041】このように構成することにより、弾性接点部材304の先端部304dの形状が矩形や先の尖った鋭角形状をしていないので、弾性接点部材304の導電処理を行う際に、導電処理がなされない不備がなくなり均一に導電処理することができる。また、弾性接点部材の先端部が矩形だった場合に発生する角部のバリによって導電性ユニット101とグランド導体111との接触が不安定になる現象を防止することができる。なお、先端部304dは、先端部304dに稜線をもつ鈍角に交わる2つの平面により形成されていてもよい。
【0042】実施の形態8.図12は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に用いられる導電性ユニットの弾性接点部材付近を示す斜視図であり、凹部101dの後退面101fの形状のみが図7と異なる。図において、導電性ユニット101には、グランド導体111と接続する突起部105を備える面104cとは反対側の面である面104dと対向する位置に、半球状の突起部108が導電性ユニット101と一体に成形されている。導電性ユニット101は、ねじの締結力により弾性接点部材104がA方向に変位した状態でプリント基板100上に固定された場合に、弾性接点部材104が弾性変位した状態で、弾性接点部材104の突起部105がプリント基板100上のグランド導体111と当接し電気的に接続するとともに、面104dにおいて導電性ユニット101の突起部108と当接するように構成されている。
【0043】このように構成することにより、弾性接点部材104の根元部104eに変形等によるクラックが発生した場合でも、弾性接点部材104の面104dにおいて突起部108と接触しているので、導電性ユニット101とグランド導体111との電気的な接続を維持することができる。また、弾性接点部材104はA方向に所定の変位しかできないので、過度の変形を抑制することができ、弾性接点部材104の破損を防止できる。
【0044】実施の形態9.図12では導電性ユニット101の後退面101f側に突起部108を設けたが、弾性接点部材104の突起部105を備えた面104cと反対側の面105dに突起部を設けても同様な効果を奏することができ、その実施例を図13に示す。図において、弾性接点部材204は、凹部101dの後退面101fと対向する位置に、弾性接点部材204が弾性変位した状態で後退面101fと当接する突起部109を備えている。
【0045】実施の形態10.図14は、この発明の別の実施の形態である導電性ユニットとグランド導体との電気的接続構造に用いられる導電性ユニットの弾性接点部材付近を示す斜視図であり、突起部として金属製の突起を別個に設けている点が図12と異なる。図において、導電性ユニット101の後退面101fには、例えば銅(Cu)からなる球状の金属体が、半球の部分が露出している突起部208を形成した状態で埋め込まれ接着剤で固定されている。
【0046】このように構成することにより、突起部208は表面だけでなく全体が導電作用を有するので、表面が剥離しても確実に導電性ユニット101とグランド導体111とを電気的に接続することができ、耐振動性に優れ、導電性ユニット101を何回着脱しても電気的接続の性能が劣化しない。突起部208の変形による電気的接続の性能劣化を防止することができる。
【0047】実施の形態11.上述した実施の形態では、導電性ユニット101は、プラスチック等の絶縁物の表面を導電性処理したシールドケースであったが、鋼板、アルミ等の金属を用いたシールドケースでもよい。
【0048】このように構成することにより、導電ユニット101とグランド導体111との電気的接続を確実に行うことができ、耐振動性に優れ、何回着脱しても性能が劣化しない導電性ユニット101を提供することができる。なお、金属製の導電ユニット101のグランド導体111との接触部分に腐食防止用のめっきを施してもよい。これにより金属製の導電ユニット101は接触部分で腐食しないので、電磁波シールド効果が低下することがない。また、導電ユニット101がアルミ製の場合、接触部分で発生するマイグレーションを防止できる。
【0049】実施の形態12.図15はこの発明の別の実施の形態である導電性ユニットの斜視図であり、グランド導体を電気的に接続する導電性ユニット101の弾性接点部材104の間隔間隔が、シールドしたい電磁波あるいは使用する電磁波の波長λの1/10以下にしたものである。図16は、電磁波の波長に対する導電性ユニットに設けられた弾性接点部材間の間隔の比の違いによる電磁波シールド効果を示したグラフである。これは、例えばUSAのICT所属(Interference Control Technologies Inc.)のDona1d R.J.White,Michel Mardiguian著の「電磁波シールド(E1ectromagnetic Shie1ding)」,1988,第7章の10ページに記載された開口部を有するシールド部材の特性を示す以下の式1を基にしたグラフである。
SE=97−201og(L*f)十201og{1+ln(L/S)} (式1)
ここで、SE:シールド効果[dB]
L:開口部の長さ(弾性接点部材の間隔)[mm]
S:開口部の高さ(弾性接点部材の凹部の高さ)[mm]
f:周波数[MHz]
を表す。式1の周波数fを850MHz、開口部の高さSを1mmとした場合のシールド効果を図16に示す。図16に破線で示すように、電磁波の波長に対する導電性ユニットに設けられた弾性接点部材104間の間隔(バネの間隔)の比を1/10以下すなわち、導電性ユニットに設けられた弾性接点部材104間の間隔を例えばシールドしたい電磁波の波長の1/10以下にすることにより、シールド効果を20dB以上確保することができる。
【0050】このように構成することにより、シールドしたい電磁波あるいは使用する電磁波に対し充分な電気性能を保証することができる。
【0051】
【発明の効果】この発明に係る電気的接点によれば、平坦な導電性表面を持つ電気部品に設けられ、電気部品の導電性表面を回路基板の導体に電気的に接続するための電気的接点であって、導電性表面に設けられ、側壁を有する凹部と、凹部の側壁の一部からほぼ導電性表面に沿って延びて、導電性表面から突出した突出部分を有し、少なくとも突出部分が導電性表面に対して垂直な方向に弾性変位し得、導体に弾性的に接触して電気的接続を確立する弾性接点部材とを備えているので、導電性表面の内側あるいは外側に張り出すことがないため、電気的に接続されるプリント基板の高密度な部品実装を妨げるようなスペースをとることもなく、製造が容易でかつ、高密度な部品実装が可能な電気的接点を提供できるとともに、シールドケース等の導電性ユニットの導電性表面が薄いものにも適用できる電気的接点を提供できる。
【0052】また、この発明に係る電気的接点によれば、凹部が、導電性表面から後退した後退面を備えているので、導電性表面の内側あるいは外側に張り出すことがないため、電気的に接続されるプリント基板の高密度な部品実装を妨げるようなスペースをとることもなく、製造が容易でかつ、高密度な部品実装が可能な電気的接点を提供できる。
【0053】また、この発明に係る電気的接点によれば、凹部が、導電性表面を横切る溝を構成するので、導電性ユニットの肉厚が厚い場合あるいは導電性ユニットが升状でなく、中実の直方体の一部をくり抜いて開口を設けたものである場合にも適用可能な電気的接点を提供できる。
【0054】また、この発明に係る電気的接点によれば、凹部が、導電性表面を横切り、閉端を有する溝を構成するするので、導電性ユニットの肉厚が厚い場合あるいは導電性ユニットが升状でなく、中実の直方体の一部をくり抜いて開口を設けたものである場合にも適用可能な電気的接点を提供できる。
【0055】また、この発明に係る電気的接点によれば、弾性接点部材が平板状であるので弾性接点部材の製造が容易である。
【0056】また、この発明に係る電気的接点によれば、弾性接点部材が根元部から先端部に向かって先細に延びているので、根元部の機械的強度が増し弾性接点部材の変形に伴うひび割れ等を防止することができる。
【0057】また、この発明に係る電気的接点によれば、弾性接点部材の先端部の形状が曲面あるいは鈍角を形成しているので、弾性接点部材の導電処理もれがなくなり均一に導電処理することができる。
【0058】また、この発明に係る電気的接点によれば、弾性接点部材が、電気的に接続しうる導体と対向する位置に、弾性接点部材が弾性変位した状態で導体と当接する突起部を備えているので、弾性接点部材のうち突起部の部分で回路基板の導体と確実に接触するので、意図する箇所で安定的な電気的接続が可能な電気的接点を提供できる。
【0059】また、この発明に係る電気的接点によれば、弾性接点部材が、凹部の後退面と対向する位置に、弾性接点部材が弾性変位した状態で後退面と当接する突起を備えているので、弾性接点部材の根元部に変形等によるクラックが発生した場合でも、弾性接点部材が凹部の後退面と接触しているので、回路基板の導体との電気的な接続を維持することができる。また、弾性接点部材の過度の変形を抑制することができ、弾性接点部材の破損を防止できる。
【0060】また、この発明に係る電気的接点によれば、凹部が、弾性接点部材と対向する位置に、弾性接点部材が弾性変位した状態で弾性接点部材と当接する突起を備えているので、弾性接点部材の根元部に変形等によるクラックが発生した場合でも、弾性接点部材が凹部の後退面と接触しているので、回路基板の導体との電気的な接続を維持することができる。また、弾性接点部材の過度の変形を抑制することができ、弾性接点部材の破損を防止できる。
【0061】また、この発明に係る電気的接点によれば、突起が金属から構成されているので、導電性ユニットの表面の導電処理が剥がれてしまっても確実に回路基板の導体との電気的な接続を維持することができ、耐振動性に優れ、導電性ユニットを何回着脱しても電気的接続の性能が劣化しない。突起部の変形による電気的接続の性能劣化を防止することができる。
【0062】また、この発明に係る電気部品によれば、弾性接点部材間の間隔をシールドあるいは使用したい電磁波の波長の1/10以下にしているので、シールドしたい電磁波あるいは使用する電磁波に対し充分な電気性能を保証することができる。
【0063】また、この発明に係る電気部品によれば、この発明に係る電気的接点を用いた導電性のあるシールドケースから構成されているので、導電性表面の内側あるいは外側に張り出すことがないため、電気的に接続されるプリント基板の高密度な部品実装を妨げるようなスペースをとることもなく、製造が容易でかつ、高密度な部品実装が可能である。
【0064】また、この発明に係る電気的接続装置によれば、弾性接点部材と当接する導体が、弾性接点部材と当接する突起部を備えているので、意図する箇所で安定的な電気的接続が可能な電気的接続装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年5月7日(1999.5.7)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外7名)
【公開番号】 特開2000−323885(P2000−323885A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−127228