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【発明の名称】 トレイフィーダによる電子部品の供給方法
【発明者】 【氏名】山内 純

【氏名】田中 勇次

【要約】 【課題】部品補給時の実装動作中断時間を短縮し、稼働率を向上させることができるトレイフィーダによる電子部品の供給方法を提供すること。

【解決手段】マガジン4Aから順次パレット3を取り出して移載ヘッド12によるピックアップ位置に供給するトレイフィーダによる電子部品の供給方法において、使用量が多い種類の電子部品については複数のパレットをマガジン4に収納しておき、部品切れが発生したならば当該パレットをマガジン4Aとは別個に設けられた補給部6に排出してパレット3に対して新たに電子部品を補給するとともに、同一種類の電子部品を格納する他のパレットを予備マガジン4Bから引き出して供給し、新たに電子部品が補給されたパレットを予備マガジン4Bに収納する。これにより、部品補給時の実装動作中断時間を短縮することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】電子部品が格納されたトレイを保持するパレットを収納した容器から順次パレットを取り出して電子部品実装装置の移載ヘッドによるピックアップ位置に供給する電子部品供給用のトレイフィーダによる電子部品の供給方法であって、所定種類の電子部品については、同一種類の電子部品を格納する複数のパレットを前記容器に収納する工程と、1つの種類の電子部品について部品切れが発生したならば当該電子部品を格納したパレットを前記容器とは別個に設けられた補給部に排出し、次いでこのパレットに対して新たに電子部品を補給する工程と、当該電子部品と同一種類の電子部品を格納する他のパレットを前記容器から引き出して電子部品のピックアップ位置に供給する工程と、前記他のパレットを前記ピックアップ位置に供給したならば、前記新たに電子部品が補給されたパレットを前記他のパレットが収納されていた位置に収納する工程とを含むことを特徴とするトレイフィーダによる電子部品の供給方法。
【請求項2】前記同一種類の電子部品を格納する他のパレットを前記容器から引き出して電子部品のピックアップ位置に供給する替わりに、新たに電子部品の補給が完了し前記補給部に存在するパレットを電子部品のピックアップ位置に供給することを特徴とする請求項1記載のトレイフィーダによる電子部品の供給方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品が格納されたトレイを電子部品実装装置の移載ヘッドによるピックアップ位置に供給するトレイフィーダによる電子部品の供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品実装装置において、半導体チップなどの電子部品を供給する方法として、トレイフィーダを用いる方法が知られている。このトレイフィーダは複数の電子部品を平面状に格納したトレイをマガジンなどの容器に収納しておき、使用順に応じてトレイを順次マガジンから取り出し、移載ヘッドのピックアップ位置に供給するものである。
【0003】このトレイフィーダによる電子部品の供給においては、トレイ上の複数の電子部品を順次ピックアップしてゆき、1つのトレイが空になったならば新たなトレイと入れ換える部品補給が行われる。従来この部品補給に際しては、トレイが空になる都度部品切れを報知して実装装置を停止させて補給を行うか、もしくは使用量の多い種類については同一種類の電子部品を格納したパレット予めマガジンに複数収納して予備のトレイを準備しておき、1つのトレイが空になると同一種類の他のパレットを引き出してピックアップ位置に供給するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記予備のトレイを準備する場合においても、従来は単に同一のマガジン内に複数のパレットを収納しておくのみであったため、これらのパレットの部品切れの際には、部品補給のためにこれらのパレットを入れ換える間は実装動作を長時間中断させる必要があった。この結果、部品切れによって実装装置の稼働率が低下し生産性向上が妨げられるという問題点があった。
【0005】そこで本発明は、部品補給時の実装動作中断時間を短縮し、稼働率を向上させることができるトレイフィーダによる電子部品の供給方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のトレイフィーダによる電子部品の供給方法は、電子部品が格納されたトレイを保持するパレットを収納した容器から順次パレットを取り出して電子部品実装装置の移載ヘッドによるピックアップ位置に供給する電子部品供給用のトレイフィーダによる電子部品の供給方法であって、所定種類の電子部品については、同一種類の電子部品を格納する複数のパレットを前記容器に収納する工程と、1つの種類の電子部品について部品切れが発生したならば当該電子部品を格納したパレットを前記容器とは別個に設けられた補給部に排出し、次いでこのパレットに対して新たに電子部品を補給する工程と、当該電子部品と同一種類の電子部品を格納する他のパレットを前記容器から引き出して電子部品のピックアップ位置に供給する工程と、前記他のパレットを前記ピックアップ位置に供給したならば、前記新たに電子部品が補給されたパレットを前記他のパレットが収納されていた位置に収納する工程とを含む。
【0007】請求項2記載のトレイフィーダによる電子部品の供給方法は、請求項1記載のトレイフィーダによる電子部品の供給方法であって、前記同一種類の電子部品を格納する他のパレットを前記容器から引き出して電子部品のピックアップ位置に供給する替わりに、新たに電子部品の補給が完了し前記補給部に存在するパレットを電子部品のピックアップ位置に供給するようにした。
【0008】本発明によれば、所定種類の電子部品については、同一種類の電子部品を格納する複数のパレットを前記容器に収納しておき、1つの種類の電子部品について部品切れが発生したならば当該電子部品を格納したパレットを前記容器とは別個に設けられた補給部に排出し、この補給部を介して新たに部品補給されたパレットを戻し入れることにより、部品補給時の実装動作中断時間を短縮することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の一実施の形態のトレイフィーダの斜視図、図1(b)は同トレイフィーダの電子部品実装装置への連結状態を示す図、図2は同トレイフィーダの側面図、図3は同トレイフィーダのマガジンおよび引き出し部の斜視図、図4は同トレイフィーダのマガジンおよびパレットの平面図、図5(a),(b),(c),(d)は同トレイフィーダの部品補給動作の説明図である。
【0010】まず図1を参照してトレイフィーダの全体構造について説明する。図1(a)において、トレイフィーダ1には中心線CLに対して左右対称に同一構成のパレット供給機構が配設されている。パレット3には電子部品が格子状に多数格納されたトレイ2が装着され、パレット3はマガジン4内に段積み状態で収納される。左右それぞれのパレット供給機構には2セットのマガジン4が上下方向に固定配置されている。マガジン4の電子部品実装装置側(図1(a)において手前側)には、マガジン4からパレット3を引き出して載置する引き出し部5が配設されている。引き出し部5は、昇降手段である昇降部7によって昇降自在となっている。
【0011】上側のマガジン4の上方には、実装されずに排出される電子部品を収容する未実装部品排出部8が配設され、さらに未実装部品排出部8の上方には、電子部品の補給部6が配設されている。電子部品部品の補給部6は、電子部品がピックアップされた後の空トレイを保持したパレットの取り出し、および電子部品補給後のパレットを再投入する。
【0012】前記各要素はカバーケース9内に収められており、補給部6の上方は開閉自在なカバー10が設けられている。同様にマガジン4の後背部側にも開閉可能な扉が設けられ、マガジン4の装着・取り外しおよびマガジン4内へのパレット3の収納が行えるようになっている。
【0013】図1(b)に示すように、トレイフィーダ1は電子部品実装装置11と連結して使用される。引き出し部5の上昇位置は、移載ヘッド12による電子部品のピックアップ位置となっており、マガジン4から順次引き出されたパレット3は、引き出し部5を上昇させることにより、移載ヘッド12のピックアップ位置に供給される。そしてパレット3に保持されたトレイ2内の電子部品は移載ヘッド12によってピックアップされ、実装部に位置決めされた基板13に実装される。
【0014】次にトレイフィーダの各部の構造を説明する。図2において、トレイフィーダ1はキャスター20A,20Bによって横移動自在に支持されたベース部材21に、フレーム22,23を立設した構造となっている。フレーム22にはモータ24および送りねじ25を備えた昇降部7が配設されており、昇降部7を駆動することにより引き出し部5が昇降する。またフレーム22には、トレイフィーダ1のレベル出し用のローラ26が設けられている。ローラ26を電子部品実装装置に設けられたレベル合わせ部に乗り上げさせることにより、トレイフィーダ1のレベルは電子部品実装装置の基準レベルに合致する。
【0015】フレーム23にはマガジン収容部30が固着されており、マガジン収容部30内には、上下2個のマガジン4が収容されている。マガジン収容部30の背後には扉31が設けられ、扉31を開閉することによりマガジン4の取り付け、取り出しが行えるようになっている。マガジン収容部30内に複数のマガジン4を備えることにより、より多様なパレットの配膳を行うことができるとともに、一方のマガジンを使用して実装作業を継続している間にも他方のマガジンを取り出してパレットの補給・交換を行うことができるという利点がある。マガジン収容部30の上方には、未実装部品排出部8および補給部6が設けられている。未実装部品排出部8および補給部6の機能については後述する。
【0016】次に図3、図4を参照してマガジン4内に収納されるパレット3およびパレット3を引き出して載置する引き出し部5について説明する。図3に示すようにマガジン4内には多数のラック(図示せず)に段積みされて複数のパレット3が収納されている。パレット3には電子部品Pが格子状に多数格納されたトレイ2が装着されている。パレット3の前端部(図3において左側)には切り欠きを有する係合部3aが設けられている。
【0017】マガジン4の前方には上下方向に縦通した2つのガイド部材36が配設されている。マガジン4の前方で昇降動作を行う引き出し部5のテーブル5aの前端部には、ガイド部材36に沿って摺動するスライド部材35が設けられており、テーブル5aはマガジン4に対して所定位置を保った状態で昇降動作を行うようになっている。
【0018】引き出し部5はモータ34によって駆動されるパレット移動機構を備えており、モータ34を駆動することにより、テーブル5a上で移動ブロック32が矢印方向に往復動する。移動ブロック32には2個のローラ33が設けられており、ローラ33をパレット3の係合部3aのきり欠き部に係合させた状態で、移動ブロック32を往復動させることにより、図4に示すようにマガジン4内のパレット3をテーブル5a上に引き出し、またテーブル5a上のパレット3をマガジン4内に押送して収納することができる。このパレット3の往復動において、テーブル5aに設けられたガイドレール37および上下に縦通するガイド部材36によってパレット3の位置が規制される。
【0019】この電子部品供給用のトレイフィーダは上記のように構成されており、以下動作について説明する。まず図1において、電子部品が格納されたトレイ2を保持したパレット3をマガジン4内の所定の収納位置に収納する。所定のパレット3のマガジン4への収納作業、マガジン4のマガジン収納部30への装着作業が完了して電子部品実装装置が起動され実装動作が開始すると、まず引き出し部5は所定の電子部品のパレット3の高さ位置に上下移動する。次いで、図4に示すように移動ブロック32のローラ33がパレット3の係合部3aに係合した状態で、パレット移動機構を駆動して移動ブロック32を実装装置側へ移動させることにより、パレット3は引き出し部5のテーブル5a上に引き出される。
【0020】この後引き出し部5はピックアップ位置まで上昇して停止する。この状態で図1(b)に示すように、電子部品実装装置11の移載ヘッド12が引き出し部5上に移動し、ここで吸着ノズルにより引き出し部5上のパレット3に保持されたトレイ2から電子部品をピックアップする。その後移載ヘッド12は基板13上に移動して、電子部品を基板13へ実装する。
【0021】次に図5を参照して、部品切れ時の部品補給動作について説明する。図5(a)において、マガジン収容部30には、通常供給用のマガジン4Aと予備用のマガジン4Bが配置されており、使用量が多い所定種類の電子部品については、同一種類の電子部品を格納する複数のパレットがマガジン4A、4Bに収納される。実装動作の開始時にはまず通常供給用のマガジン4Aからパレット3が引き出し部5によって引き出され、引き出し部5が上昇することにより、移載ヘッド12に電子部品が供給される。
【0022】パレット3から電子部品をピックアップして基板に実装する実装動作を継続する過程において、1つの種類の電子部品について部品切れを生じパレット3に装着されたトレイ2が空になった場合には、部品補給動作が行われる。この補給動作においては、空になったトレイ2が装着されたパレット3は、当初収納されていたマガジン4Aではなく、図5(b)に示すように補給部6に排出される。このとき作業者には部品補給を行う必要がある旨の報知がなされる。
【0023】この後作業者はこの報知を承けて、図5(c)に示すように、補給部6に排出されたパレット3を取り出し、部品補給作業を行う。この間、引き出し部5は下降して予備のマガジン4Bから部品切れを生じた電子部品と同一種類の電子部品を格納したトレイ2を有する他のパレット3を引き出し、再びピックアップ位置まで上昇して移載ヘッド12に電子部品を供給する(図5(a)の状態参照)。
【0024】そして作業者による部品補給が完了して当該パレット3が補給部6に再投入され、その旨の信号が入力されたならば、図5(d)に示すように、引き出し部5は再投入されたパレット3を補給部6から引き出し、下降して予備のマガジン4Bに当該パレット3を収納する。すなわち、新たに部品補給されたパレット3は予備としてマガジン4Bに収納され、部品切れ時に引き出された他のパレット3が収納されていた位置に戻し入れされる。そして他のパレット3の替わりに、新たに予備のパレットとしてマガジン4B内で待機する。
【0025】なお、この部品切れ時に作業者による部品補給が速やかに行われ、次回に当該部品を使用する際に当該パレット3について部品補給作業が既に完了しているならば、予備のマガジン4Bからパレットを引き出すことは行わず、既に補給部6に投入されて当該部品使用時に補給部6に存在する補給済みのパレット3をそのまま使用して部品供給を行う。
【0026】このように、同一種類の電子部品を格納する複数のパレットをマガジン4Aとマガジン4Bに分けて収納しておき、電子部品の部品切れ時には部品切れのパレットをマガジンとは別個に設けられた補給部6に排出するとともに、予備のマガジン4Bから当該部品切れの電子部品を格納したパレットを取り出すことにより、部品切れ時の部品供給を速やかに行って実装動作中断時間を最小に短縮することができる。また、部品補給後のパレットは予備のマガジン4Bに戻し入れるようにしており、常に予備の電子部品が準備された状態にしてあるため、予備部品供給のために実装装置を停止する必要がない。
【0027】なお、本実施の形態では、パレットを収納するマガジンとして、通常供給用のマガジン4Aと予備のマガジン4Bを別個に備えた例を示しているが、同一のマガジン内を通常供給区画と予備区画とに分けてパレットを収納するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、所定種類の電子部品については、同一種類の電子部品を格納する複数のパレットを前記容器に収納しておき、1つの種類の電子部品の部品切れが発生したならば当該電子部品を格納したパレットを前記容器とは別個に設けられた部品補給部に排出し、この部品供給部を介して新たに部品補給されたパレットを戻し入れるようにしたので、部品補給時の実装動作中断時間を短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年4月22日(1999.4.22)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−307291(P2000−307291A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−114465