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【発明の名称】 チップ形テーピング用部品供給器
【発明者】 【氏名】福沢 浩三

【氏名】由森 政美

【要約】 【課題】電子部品の稼動率を上げることのできるチップ形テーピング用部品の供給器を得ること。

【解決手段】テープガイドにテープ剥がし具12を取り付ける。このテープ剥がし具12には、カバーテープ4の片側の接合部の内側を切り込む切り込み刃13bと、カバーテープ4をテーピングベースから捲る捲り刃13aを前端に設ける。チップ形テーピングがリールから送られてくると、テープ剥がし具12の切り込み刃13bでカバーテープの片側の接合部の内側に切り込みを入れ、次いで、捲り刃13aでカバーテープをテーピングベースから剥がす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片側に送り穴が連続形成され電子部品を挿着する窪穴が他側に連続形成されるテーピングベースと、このテーピングベースの表面に添設され少なくとも片側が前記テーピングベースに接合されるカバーテープでなるチップ形テーピングが順送面に載置され、前記送り穴に係合して前記チップ形テーピングを順送するスプロケットと前記順送されるチップ形テーピングを案内するテープガイドを備えたチップ形テーピング用部品供給器において、前記テーピングベースから前記カバーテープを剥離する剥離具を前記テープガイドに設けたことを特徴とするチップ形テーピング用部品供給器。
【請求項2】 先端に切り込み部を備えた案内部と、前端に捲り刃を備えた底部でなる剥がし部と、この剥がし部の片側に固定され前記案内部との間に案内溝を形成する案内板とで前記剥離具を構成したことを特徴とする請求項1記載のチップ形テーピング用部品供給器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ形テーピング用部品供給器に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来のチップ形テーピング用部品供給器の一例を示す斜視図、図6は、図5で示したチップ形テーピング用部品供給器に対して後述する図1に示すように組み込まれたチップ形テーピング用リール8を示す拡大詳細図である。
【0003】図5において、アルミニウム材の精密鋳造で製作された略帯板状の枠9aの中間部の背面側には、支持板17Bの下部が図示しない一対の頭付ピンを介してかしめられ立設されている。
【0004】この支持板17Bの更に裏面には、送りレバー15Bがねじ付ピン15aを介して回転自在に取り付けられ、この送りレバー15Bには、左側中間部に貫設されたピン15bに対してナイロン材のカラーが挿入されている。支持板17Bの右側の下部にも、ピン17aを介してナイロン材のカラーが挿入されている。
【0005】支持板17Bの図5において左端には、透明な樹脂材から注型成形で製作された巻取りリール11がピン11aを介して取り付けられ、このピン11aには、V字状のレバーを構成する片側レバー11bと他側レバー11cの共通の基端が挿入されている。
【0006】このうち、他側レバー11cの先端は、送りレバー15の左端から左側に突き出た図示しない送り腕の下端面に当接している。片側レバー11bの下端には、伸張状態の引張りばね18の左側のフック部が係止され、この引張りばね18の右端のフック部は、支持板17Bの下部に固定されたピンに係止されている。片側レバー11bの中間部の左端には、支持板17Bの左端から左側に突き出た図示しないストッパが係合している。
【0007】枠9aの上面には、この枠9aの左端に対して、後述する図1で示すように取り付けられた図6に示すチップ形テーピング用リール8から供給されたチップ形テーピング7が載置されている。なお、このチップ形テーピング7は、日本電子機械工業会規格(EIAJ、RC−1009B)で寸法などが規定されている。
【0008】枠9aの右端には、図5のF矢視拡大図を示す図7に示すように、テープガイド10Bが下端のピンを介して取り付けられ、チップ形テーピング7は、テープガイド10Bの上端の縦断面が逆U字状の部分で覆われ案内されている。
【0009】図8において、チップ形テーピング7は、片側に送り穴1aが等間隔に連続的に形成されたテーピングベース1と、このテーピングベース1に連続的に等間隔に形成され角形の窪穴2に挿入されたチップ形電子部品3と、このチップ形電子部品3の上面に載置され、両側の接合部4aがテーピングベース1に接合された透明なカバーテープ4で構成されている。
【0010】枠9aの右端の裏面には、スプロケット5が図5の破線で示すように取り付けられ、このスプロケット5の軸には、図示しないレバーの基端が固定され、このレバーの先端には、図示しない帯板状のリンクの片側が連結され、このリンクの他側は、送りレバー15の右端の下部に連結されている。枠9aの右端の下部には、図示しない爪の基端が連結され、この爪の先端は、スプロケット5の歯に噛み合っている。
【0011】枠9aの上端には、後述する図1の左端のチップ形テーピングリール8から送られてきて、図5の左側から矢印Eに示すように供給されるチップ形テーピングの右端の送り穴1aには、スプロケット5の歯が嵌合している。
【0012】このように構成されたチップ形テーピング用部品供給器9Bは、プリント基板に電子部品を実装する実装機に対して電子部品の種類の数(例えば、20から30個)だけ所定の位置に並べて取り付けられる。実装機は、X軸,Y軸でプリント基板を駆動し、回転軸でチップ形電子部品を吸着してプリント基板に実装する。
【0013】チップ形テーピング7は、送りレバー15の上端が図5の矢印Gで示すように実装機で押されて、ピン15aを軸に時計方向に揺動することで、矢印Gで示す右方向にスプロケット5を介して送り穴1aのピッチで送られる。
【0014】すなわち、送りレバー15が矢印Gで示す方向に所定の角度駆動されると、この送りレバー15の下端に左端が連結されたリンクが駆動され、このリンクの右端に連結されたレバーが反時計方向に揺動して、スプロケット5が歯の1ピッチづつ回転する。
【0015】一方、巻き取りリール11は、この巻き取りリール11のピン11aとともに回転する他側レバー11cの先端が、送りレバー15の揺動によって図5において反時計方向に引張りばね8を介して揺動することで、矢印Hで示すように所定の角度づつ回転する。
【0016】チップ形テーピング7は、チップ形テーピング用部品供給器の段取り作業において、テープガイド10Bの中間部に形成された打抜穴の位置でカバーテープ4が剥離され、図7に示すように上方に導き出された後、図5に示すようにピン17aに挿入されたカラーとこの上方のピン15bに挿入されたカラーを経て、巻き取りリール11に巻き付けられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように構成されたチップ形テーピング用部品供給器においては、図8で示したカバーテープ4をテーピングベース1から剥がして、図7に示すようにテープガイド10Bの打抜穴から上方に引き出し、図5に示す巻き取りリール11に捲き付ける段取り作業に時間がかかる。
【0018】すなわち、プリント基板の実装機に取り付けられるこのチップ形テーピング用部品供給器9Bは、プリント基板によっては30個に及ぶ場合もあり、このチップ形テーピング用部品供給器9Bにテーピングベース1を図5に示すように取り付ける段取り時間は、供給器1個あたり約1分を要し、したがって30個の場合には30分を要する。
【0019】一方、プリント基板への電子部品の実装時間は、電子部品の数が600 個の場合でも基板10枚では約20分となるので、実装時間(稼動時間)よりも段取り時間の方が長くなり、多種少量生産では、実装機の稼動率向上を図るうえでの障害となる。
【0020】そのため、部品供給器9Bにチップ形テーピング7を組み付ける段取り作業と実装機の操作を分けて、段取り作業者を増やす方法や、チップ形テーピング用部品供給器9Bの数を増やして、使用頻度の高いチップ形テーピング7をチップ形テーピング用部品供給器9Bに常時組み付けておくことによって、実装機の稼動率を挙げる方法も考えられるが、このうち、前者の方法は、実装機を増設する度に段取り作業者を増やす必要がある。
【0021】一方、後者の方法では、当初はよいが、次々に開発される新形のチップ形電子部品3を実装する新規設計のプリント板と数年前に設計したプリント板を混在して生産する多品種少量生産では、異なるプリント板のチップ部品の共通使用率が低いので、部品供給器の数が膨大となり、その中からの挿出に時間がかかる。そこで、本発明は部品供給器の数を増やすことなく、実装機の稼動率を上げることのできる部品供給器を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明は、片側に送り穴が連続形成され電子部品を挿着する窪穴が他側に連続形成されるテーピングベースと、このテーピングベースの表面に添設され少なくとも片側がテーピングベースに接合されるカバーテープでなるチップ形テーピングが順送面に載置され、送り穴に係合してチップ形テーピングを順送するスプロケットと順送されるチップ形テーピングを案内するテープガイドを備えたチップ形テーピング用部品供給器において、テーピングベースからカバーテープを剥離する剥離具をテープガイドに設けたことを特徴とする。
【0023】請求項2に対応する発明は、先端に切り込み部を備えた案内部と、前端に捲り刃を備えた底部でなる剥がし部と、この剥がし部の片側に固定され案内部との間に案内溝を形成する案内板とで剥離具を構成したことを特徴とする。
【0024】このような手段によって、請求項1に対応する発明では、カバーテープをテーピングベースから剥離する作業を剥離具によって行う。また、請求項2に対応する発明では、切り込み部と捲り刃を前端に備えた剥離具でカバーテープの剥離作業を行う。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明のチップ形テーピング用部品供給器の一実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明のチップ形テーピング用部品供給器の一実施例を示す斜視図で、従来の技術で示した図5に対応する図である。また、図2は、図1のA部拡大詳細図で、従来の技術で示した図7に対応する図、図3は、図2の拡大平面図、図4は、図2及び図3で示したテープ剥がし具12の拡大図で、(b)は平面図、(a)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は前面図、(e)は(b)のB−B断面図、(f)は同じくC−C断面図である。
【0026】このうち、図1,図2及び図3において、従来の技術で示した図5及び図7,図8と異なるところは、テープガイドに対して、図4で示すテープ剥がし具を取り付けたことと、図5で示した巻き取りリール11を省いたことで、この結果、送りレバー15Aと支持板17Aの形状も単純化されている。
【0027】図2及び図3において、テープガイド10Aの中間部には、詳細を図4で示すテープ剥がし具12が図1及び図2において背面側の固定部で固定されている。このテープ剥がし具12は、以下説明する剥がし部13Aとこの剥がし部13Aにスポット溶接された案内板13Bで構成されている。
【0028】このうち、剥がし部13Aの図4(a),(b),(c)において前端の下部には、下端にナイフエッジ部を形成した切り込み刃13bの基端がろう付されている。
【0029】剥がし部13Aは、底部13dとこの底部13dの図4(b)において右側に折り曲げて弧状に形成した案内部13eと、底部13dの左端に形成した固定部13fで構成し、このうち底部13dの前端の斜面部には、捲り刃13dがろう付されている。
【0030】底部13dの左側の後部には、図4(d)においてL字形に形成された案内板13Bの下端がスポット溶接で接合されている。この剥がし部13Aは、固定部13fに形成した取付穴13cに挿入した一対の小ねじを介して、テープガイド10Aに固定される。
【0031】このような剥がし具12がテープガイド10Aに取り付けられたチップ形テーピング用部品供給器においては、図1で示すホルダ16に支持されたチップ形テーピング用リール8から引き出されて、枠9aの上面に載置されるチップ形テーピング7は、まず、前端がテープ剥がし具12の先端と対置する位置で、テープガイド10Aで押えられる。
【0032】このテープガイド10Aで押えられたチップ形テーピング7は、作業者が送りレバー15Aを繰り返し操作することで、順送面を移動し、剥がし具の先端の切り込み刃13Bによって、図3に示すカバーテープ4は片側の接合部4aの内側が切り込まれる。
【0033】これと同時に、電子部品の実装機で駆動される送りレバー15Aに連動して、スプロケット5で送られるチップ形テーピング7の透明なカバーテープ4は、剥がし具12の前端の捲り刃13aによって底部13dの上面にすくい上げられ、先端の図4(d)において右端は、剥がし部13eと底部13dとで形成する弧状の曲面によって上方に持ち上げられる。
【0034】すると、このカバーテープは、図4(d)に示すように、左側の案内板13Bと剥がし部13Aの案内部13eの間に形成された溝に案内されて、枠9aの先端からこの先端の下側に設置された回収箱に落下する。
【0035】したがって、従来の技術で示した巻き取りリール11やピン15b,17aが不要で、送りレバー15Aと支持板17Aが簡素化され、このチップ形テーピング用部品供給器が例えば30個取り付けられる実装機への取付空間を減らすことができるだけでなく、カバーテープ4を図7で示すように剥がして巻き取りリールに巻き付ける作業を省くことができる。
【0036】したがって、手作業による実装機の段取り時間を短縮することができるので、作業員を減らすことができ、多種少量生産における実装機の稼動率を上げることができ、実装機の据付に要する空間を減らすことができる。
【0037】
【発明の効果】以上、請求項1に対応する発明によれば、片側に送り穴が連続形成され電子部品を挿着する窪穴が他側に連続形成されるテーピングベースと、このテーピングベースの表面に添設され少なくとも片側がテーピングベースに接合されるカバーテープでなるチップ形テーピングが順送面に載置され、送り穴に係合してチップ形テーピングを順送するスプロケットと順送されるチップ形テーピングを案内するテープガイドを備えたチップ形テーピング用部品供給器において、テーピングベースからカバーテープを剥離する剥離具をテープガイドに設けることで、カバーテープをテーピングベースから剥離する作業を剥離具によって行ったので、実装機の段取り時間を短縮し、稼動率を上げることのできるチップ形テーピング用部品供給器を得ることができる。
【0038】請求項2に対応する発明によれば、先端に切り込み部を備えた案内部と、前端に捲り刃を備えた底部でなる剥がし部と、この剥がし部の片側に固定され案内部との間に案内溝を形成する案内板とで剥離具を構成することで、切り込み部と捲り刃を前端に備えた剥離具でカバーテープの剥離作業を行ったので、実装機の段取り時間を短縮し、稼動率を上げることのできるチップ形テーピング用部品供給器を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000220996
【氏名又は名称】東芝エフエーシステムエンジニアリング株式会社
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成11年4月2日(1999.4.2)
【代理人】 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外1名)
【公開番号】 特開2000−294986(P2000−294986A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−96040