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【発明の名称】 電子機器の放熱装置
【発明者】 【氏名】諫山 徳行

【氏名】小林 正幸

【要約】 【課題】ヒートパイプを使用した電子機器の放熱装置において、受熱部と放熱部とを同一部品で構成することにより小型の放熱装置を提供すること。

【解決手段】ベースプレート部2とフイン3とを一体形成し、このベースプレート部2にヒートパイプ5を埋め込み、ベースプレート部2に発熱電子部品6を実装し、ヒートパイプ5の熱輸送力を利用してベースプレート部2に熱拡散し、このベースプレート部2の熱をベースプレート部2と一体形成したフイン3より放熱することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ベースプレート部とフインとを一体形成し、このベースプレート部にヒートパイプを埋め込み、ベースプレート部に発熱電子部品を実装し、ヒートパイプの熱輸送力を利用してベースプレート部に熱拡散し、このベースプレート部の熱をベースプレート部と一体形成したフインより放熱することを特徴とする電子機器の放熱装置。
【請求項2】ベースプレート部の部品実装面の下部にヒートパイプ埋め込み用溝を形成し、この溝に沿ってヒートパイプを埋設し、このヒートパイプの上に発熱電子部品を実装し、ベースプレート部の熱をベースプレート部と一体形成されたフインより放熱することを特徴とする電子機器の放熱装置。
【請求項3】ヒートパイプ埋め込み用溝を形成したベースプレート部とフインを一体化した電子機器用筐体の一部としたことを特徴とする電子機器の放熱装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒートパイプを使用した電子機器の放熱装置に係り、特に受熱部と放熱部とを同一部品で構成した小型の放熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばパワートランジスタや、電源用のダイオードなどの発熱電気部品を冷却するとき、図7に示す如く、金属製のベースプレート71の上に発熱電気部品70−1、70−2、70−3を実装し、ベースプレート71の中には水冷用配管72を設ける。そしてこの水冷用配管72の入口73から出口74に対して水を流入排出して水冷用配管72の中に水を循環させ、この水により発熱電気部品の熱を放熱することが行われてきた。
【0003】また、このような水冷用配管に替えて、ヒートパイプを用いて発熱部より熱移動を速やかに行い、冷却部より放熱することも良く用いられてきた。例えば特開平6−276741号公報、特開平7−169889号公報、特開平7−263601号公報、特開平7−294168号公報等には、このようなヒートパイプを用いたヒートシンクが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水冷用配管を用いて冷却する場合には、水冷用配管をベースプレートの中に施すことが必要のため、配管方法にコストがかかり、製造コストが高くなり、また大規模な装置を必要となるなど問題点があった。
【0005】しかも水を冷媒として使用するために腐食性が懸念され、水温、水量等の管理など冷媒循環コントロールが難しいという問題点もある。
【0006】また水冷用配管に替えてヒートパイプを使用する場合でも、前記各公開公報に記載されたように、受熱部と放熱部とが分離独立された構造になっており、そのため構造が複雑で小型化の障害となっていた。
【0007】なお、ヒートパイプを使用した冷却装置において、受熱部と放熱部とを近づけ、受熱部の上部に放熱部を設けた例として、特開平9−331177号公報、特開平10−267570号公報に記載されたものがある。しかしこれらのものは、受熱部のすぐ上部に放熱部を設けた例であり、いずれも受熱部と放熱部とが分離独立した別部材で構成されており、やはり省スペース化の面で弊害となっている。
【0008】従って本発明の目的は前記弊害を改善するために、ヒートパイプを使用した放熱装置において、受熱部と放熱部とを分離独立した別部品で構成せず、これらを一つの部品で構成した電子機器の放熱装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の原理図を図1に示す。図1において、1はヒートシンクであってベースプレート部2とフイン3を具備する。4は溝でありその内部にはヒートパイプ5が配置されている。そしてこのヒートパイプ5の上に、電力用整流器、パワートランジスタの如き熱源6が位置している。
【0010】本発明の前記目的は下記の構成により達成される。
(1)ベースプレート部とフインとを一体形成し、このベースプレート部にヒートパイプを埋め込み、ベースプレート部に発熱電子部品を実装し、ヒートパイプの熱輸送力を利用してベースプレート部全面に熱拡散し、このベースプレート部の熱をベースプレート部と一体形成したフインより放熱することを特徴とする。
【0011】(2)ベースプレート部の部品実装面の下部にヒートパイプ埋め込み用溝を形成し、この溝に沿ってヒートパイプを埋設し、このヒートパイプの上に発熱電子部品を実装し、ベースプレート部の熱をベースプレート部と一体形成されたフインより放熱することを特徴とする。
【0012】(3)ヒートパイプ埋め込み用溝を形成したベースプレート部とフインを一体化した電子機器用筐体の一部としたことを特徴とする。
【0013】これにより下記の作用効果を奏することができる。
(1)フインと一体形成されたベースプレート部にヒートパイプを埋め込み、ベースプレート部に発熱電子部品を実装したので、ベースプレート部全体に発熱電子部品からの熱拡散を促進し、局所的な熱集中を防ぎ、ベースプレート部と一体形成されたフインにより効率的に放熱することができる。
【0014】(2)フインと一体形成されたベースプレート部の部品実装面の下部にヒートパイプ埋め込み用溝を形成し、この溝に沿ってヒートパイプを埋設し、このヒートパイプの上に発熱部品を実装したので、ベースプレート部全体に発熱部品からの熱拡散を促進し、局所的に熱集中を防ぎ、ベースプレート部と一体形成されたフインにより効率的に放熱することができる。
【0015】ベースプレート部の溝内にヒートパイプがあるため、冷却水等の配管スペースが不要となり、省スペースが可能となる。またヒートパイプ受熱部と発熱部品及びベースプレートとフインとの熱的な接続用部材が不要のため、省スペース、製造工程数、製造コストの削減が可能となる。ベースプレート部に溝を形成してヒートパイプを埋め込んだので、省スペースが可能となる。
【0016】(3)ベースプレート部とフインを一体化した筐体を形成し、またベースプレート部にヒートパイプを埋め込み、ベースプレート部に発熱電子部品を実装したので、風通しの悪い筐体内に発熱電子部品を配置し、これを筐体を使用して効率的に放熱することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1及び図2にもとづき説明する。図1は本発明の一実施の形態であり、図2は本発明の一実施の形態においてヒートパイプの配置状態を示すヒートパイプ配置状態説明図である。
【0018】図中、1はヒートシンク、2はベースプレート部、3はフイン、4は溝、5はヒートパイプ、6は熱源、10はばね部材、11は熱伝導シート、12はばね部材である。
【0019】ヒートシンク1は熱源6が発生した熱をベースプレート部2に拡散し、フイン3から放熱するものであり、ベースプレート部2とフイン3とが一部品として一体形成されたものであり、Mg合金製である。これに限らずその他Al合金、銅等の放熱特性の良い金属材料で構成することもできる。この例では軽いことに重点をおいたのでMg合金を使用した。
【0020】ベースプレート部2はヒートシンク1のベース部分を構成するものであり、このベースプレート部2はヒートパイプ5を埋設するためたの溝4が形成されている。
【0021】フイン3はヒートシンク1の放熱部分を構成するものであり、ベースプレート部2と一体で構成されている。溝4はベースプレート部2に形成され、ヒートパイプ5が埋め込まれるものである。
【0022】ヒートパイプ5は熱源6が発生した熱をベースプレート部2にその熱輸送力により熱を拡散し、局部的な熱集中を防止するものである。熱原6は、パワートランジスタや電力用整流器の如く、使用にもとづき多量の熱を発生するものである。
【0023】図1に示す如く、ヒートシンク1をベースプレート部2と多数のフイン3と、溝4とをダイキャスト等により一体成型して構成する。なおベースプレート部2とフイン3をダイキャスト等により一体成型した後に溝4を切削加工により形成することもできる。
【0024】この溝4は、その内部に埋設されるヒートパイプ5がガタツキなく収まるように形成する。そしてベースプレート部2全体にこの溝4が行き渡るように設けることが熱の拡散能力を良くする。この溝4は、図1の例ではベースプレート部2に合わせて平面上に設けられている。
【0025】そしてこの溝4の中にヒートパイプ5を埋設する。ヒートパイプ5を溝4の中に埋設するとき、圧入もしくは他の部材で押さえる方がよい。図2(A)に示す如く、燐青銅やステンレスの如きばね性を有するばね材10で押さえてもよい。なお、このような構成は、例えば溝4の端部付近で溝4からヒートパイプ5が浮き易いような部分に使用すればよい。また図2(B)に示す如く、熱源6の下部により上からヒートパイプ5を押さえつけるときは、ヒートパイプ5は溝4の中に埋設されるとともに、ヒートパイプ5と熱源6とが密着接触し、熱伝導力も向上する。
【0026】またヒートパイプ5と溝4とのガタツキを吸収し、ヒートパイプ5を熱源6に密着させるために、図2(C)に示す如く、ヒートパイプ5と溝4の底面との間に熱伝導シート11を挿入してもよく、図2(D)に示す如く、ヒートパイプ5と溝4の底面との間にバネ部材12を挿入してもよい。
【0027】前記熱伝導シート11は例えばシリコンゴムを用いることができる。この熱伝導シート11は、溝4の深さのバラツキの存在によるヒートパイプ5と熱源6との接触不良の発生を防止することができる。前記バネ部材12は例えば燐青銅やステンレスを使用することができる。
【0028】またヒートパイプ5は、必ずしも偏平のものでなくとも丸状のものでもよいが、熱源6の熱を効率よく伝導するためには偏平のものが望ましい。
【0029】ヒートパイプ5の上に熱源6を設置する。これによりヒートパイプ5を熱源6とベースプレート部2で挟みあわせるように熱源6を設置することになる。熱源6の設置の仕方としては、ベースプレート部2へのネジ止めでもよく、バネ性を有する他の部材等で固定してもよい。熱源6の配置はヒートパイプ5上に直列でも並列でも配置可能である。
【0030】またヒートパイプ5はベースプレート部2上の熱源6が実装されていない空き場所まで延ばすことにより、伝熱部材としてのベースプレート部2をさらに効率よく利用することができ、良好な熱拡散効果を発揮できる。
【0031】熱源6から発生された熱は、ヒートパイプ5による熱輸送力によりヒートパイプ5全体に熱がゆき渡る。そしてこの熱がヒートパイプ5から受熱部であるベースプレート部2に移動し、ベースプレート部2と一体形成される放熱部として作用するフイン3を通して空気中に放熱される。
【0032】このようにヒートパイプ5の装着部であるベースプレート部2と、フイン3を一部品として一体形成したのでこれらの間には熱的抵抗が存在せず、しかも受熱部と放熱部との距離が近くなり、効率よく良好な放熱効果を得ることができる。
【0033】本発明の第2の実施の形態を図3にもとづき説明する。図3(A)は本発明の第2の実施の形態を示し、同(B)は同(A)のa部分拡大図を示し、同(C)は第2の実施の形態における熱源配置状態説明図である。
【0034】図2において他図と同記号は同一部を示し、20はヒートシンク、20−1はベースプレート部、20−2はフイン、21は拡大穴部である。
【0035】図2では、ヒートシンク20をベースプレート部20−1とフイン20−2を一体形成することにより構成するとともに、そのベースプレート部20−1に拡大穴部21を形成する。拡大穴部21の下方には、溝が設けられ、ヒートパイプ5が配置されている。このヒートパイプ5は、図3(A)に示す如く、ベースプレート部20−1に形成された溝4に配置されるヒートパイプ5と連続したものが配置される。
【0036】図3(C)に示す如く、熱源6の高さをh1 としたとき、これより高さの大きいh2 の熱源6−1を配置する場合、拡大穴部21内にヒートパイプ5と接触するように配置することにより、ヒートシンク20上に設置した状態での熱源6、6−1の高さを、その低い方の熱原6に揃えることができる。このようにして高さの大きな熱源6−1でもヒートシンク20上に設置した場合の見かけの高さを低く抑えることができるので、設置し易い状態に構成することができるとともに、ヒートパイプ5を利用して放熱効果を向上したものを提供できる。
【0037】なお図3(A)で示したものは、フイン20−2の両側にベースプレート部を一体形成した例を示し、下方のベースプレート部上に、同様に熱源6を配置した例を示している。
【0038】本発明の第3の実施の形態を図4にもとづき説明する。第3の実施の形態では、図4に示す如く、ヒートシンク30を、中央に位置した複数のフイン30−2の両側にベースプレート部30−1、30−1を形成する。前記各実施の形態と同様にこれらベースプレート部30−1とフイン30−2とは一体形成されている。
【0039】各上下ベースプレート部30−1、30−1には、上方のベースプレート部30−1において示した如く、溝4が形成され、その中にヒートパイプ5が配置され、このヒートパイプ5の上に熱源6が実装されている。下方のベースプレート部30−1でも同様に溝4が形成され、その中にヒートパイプ5が配置され、熱源6が実装される。このように構成することにより、両側の各ベースプレート部30−1に拡散された熱がその中間のフイン30−2に集約され、効率よく放熱されることになる。
【0040】本発明の第4の実施の形態を図5にもとづき説明する。第4の実施の形態では、フインの内部にもヒートパイプを配置したものである。図5において、5及び5−1はヒートパイプ、40はヒートシンク、40−1はベースプレート部、40−2はフインである。
【0041】ヒートシンク40は、ベースプレート部40−1とフイン40−2とを一体形成したものである。ベースプレート部40−1には、前記各実施の形態と同様に溝4が形成されその中にヒートパイプ5が配置されている。
【0042】またフイン40−2には、その一部に補助的にヒートパイプ5−1が配置されている。このヒートパイプ5−1は、フイン40−2に穴をあけ、この穴にヒートパイプ5−1を圧入することによりベースプレート部40−1と垂直方向に埋め込みすることができる。このようにしてヒートパイプ5と併用してヒートパイプ5−1を使用することができるので、ベースプレート部40−1からフイン40−2への熱伝導をさらに促進することができ、放熱効果を向上することができる。
【0043】本発明の第5の実施の形態を図6にもとづき説明する。図6(A)は本発明の第5の実施の形態を示し、同(B)は同(A)における側壁57、58部分を除去してその内部をわかり易くした説明図である。
【0044】図6において、50はヒートシンク筐体、52はベースプレート部、53はフイン、54は溝、55はヒートパイプ、56は熱源、57、58は側壁である。
【0045】ヒートシンク筐体50はその内部にパワートランジスタ等の熱源56を設置するとともにこの熱源56から発生した熱を効果的に放熱するものであり、ベースプレート部52、フイン53、側壁57、58が一体形成されるものである。
【0046】ベースプレート部52には、溝54が形成されてこれにヒートパイプ55が配置されている。そしてこのヒートパイプ55上には熱源56が設置され、熱源56から発生した熱はヒートパイプ55により熱輸送され、ベースプレート部52に拡散される。そしてフイン53により放熱されるとともに側壁57、58からも放熱される。
【0047】なおヒートシンク筐体50は、その内部に配置された熱源56に外部からのゴミ等が付着して汚れることを防止するため、図示省略した蓋により密封する。この密封した状態でもヒートパイプの存在と、フインにより効果的に熱源56から発生した熱を外部に放熱することができる。このとき側壁からも放熱される。勿論密封しない状態で使用することもできる。このとき側壁からも放熱される。
【0048】ところで本発明ではヒートパイプは溝に配置した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベースプレート部の横より穴をあけてこれにヒートパイプを圧入することもできる。
【0049】またヒートパイプはかならずしも偏平のものでなくともよく、丸いもの等でも使用できるが、熱源の熱を効率よく伝えるためには偏平のものが望ましい。ベースプレート部に溝を形成してヒートパイプを埋め込むため省スペースが可能となる。
【0050】ベースプレート部全面にヒートパイプの熱輸送力により熱を拡散し、ヒートシンク全体を利用して放熱するため熱拡散を促進し、局所的な熱集中を防ぐことができる。また前記実施例としては個別に説明したが、それぞれ図1〜図6に示したものを組み合わせても効果を発揮できる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば下記の作用効果を奏することができる。
(1)フインと一体形成されたベースプレート部にヒートパイプを埋め込み、ベースプレート部に発熱電子部品を実装したので、ベースプレート部全体に発熱電子部品からの熱拡散を促進し、局所的な熱集中を防ぎ、ベースプレート部と一体形成されたフインにより効率的に放熱することができる。
【0052】(2)フインと一体形成されたベースプレート部の部品実装面の下部にヒートパイプ埋め込み用溝を形成し、この溝に沿ってヒートパイプを埋設し、このヒートパイプの上に発熱部品を実装したので、ベースプレート部全体に発熱部品からの熱拡散を促進し、局所的に熱集中を防ぎ、ベースプレート部と一体形成されたフインにより効率的に放熱することができる。
【0053】ベースプレート部の溝内にヒートパイプがあるため、冷却水等の配管スペースが不要となり、省スペースが可能となる。またヒートパイプ受熱部と発熱部品及びベースプレートとフインとの熱的な接続用部材が不要のため、省スペース、製造工程数、製造コストの削減が可能となる。ベースプレート部に溝を形成してヒートパイプを埋め込んだので、省スペースが可能となる。
【0054】(3)ベースプレート部とフインを一体化した筐体を形成し、またベースプレート部にヒートパイプを埋め込み、ベースプレート部に発熱電子部品を実装したので、風通しの悪い筐体内に発熱電子部品を配置し、これを筐体を使用して効率的に放熱することができる。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成11年3月15日(1999.3.15)
【代理人】 【識別番号】100083297
【弁理士】
【氏名又は名称】山谷 晧榮 (外2名)
【公開番号】 特開2000−269676(P2000−269676A)
【公開日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願番号】 特願平11−68124