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【発明の名称】 実装部品検査装置
【発明者】 【氏名】奥原 聰一

【氏名】藤井 良樹

【要約】 【課題】電子部品のリード間に存在する異物を正確に検出する。

【解決手段】観測位置の上方に撮像部5を配置するとともに、この撮像部と観測位置との間に投光部5を配置し、観測位置におかれた検査対象の部品1Tに所定の入射角を持つ光を照射しつつ撮像を行う。投光部5は、円環状の光源9の内側に筒状の遮光部10を配置した構成のもので、遮光部10の周面の一部に透光部25を設けることにより、部品1Tに対する光の照射方向が制限されている。この透光部25からの光が部品1Tのリード27の長さ方向に沿う方位角の方向から照射されるように、投光部5と部品1Tとの位置関係を調整して撮像を行い、得られた画像を処理して、各リード27の間隙28内にはんだクズが存在しないかどうかを判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数本のリードを有する電子部品がはんだ付けされた基板を観測位置へ導入して、前記電子部品の実装状態を検査するための装置であって、観測位置の上方に撮像方向を下方に向けて配備される撮像手段と、前記撮像手段より低い所定の高さ位置に設けられ、前記観測位置に対し所定の方位角の方向から光を照射する投光手段と、前記投光手段からの光が検査対象の電子部品のリードの長さ方向に沿う方位角の方向から照射されるように、観測位置に対する投光手段の相対的な位置を調整する位置調整手段と、前記位置調整のなされた照明下で観測位置からの反射光を撮像して得られた画像を処理する画像処理手段とを具備し、前記投光手段は、前記観測位置に対し全方位から照明を施すことが可能に配備される円環状の光源と、この光源から観測位置への光を遮るための遮光手段とを含んでおり、前記遮光手段には、前記光源の所定位置に対応させて、周方向に所定幅の広がりを有する光を通過させるための光通過部が形成されて成る実装部品検査装置。
【請求項2】 複数本のリードを有する電子部品がはんだ付けされた基板を観測位置へ導入して、前記電子部品の実装状態を検査するための装置であって、観測位置の上方に撮像方向を下方に向けて配備される撮像手段と、前記撮像手段より低い所定の高さ位置に設けられ、この観測位置に対し複数の方位角の方向からそれぞれ光を照射する投光手段と、前記投光手段による照明下で観測位置からの反射光を撮像して得られた画像を処理する画像処理手段とを具備し、前記投光手段は、前記観測位置に全方位から照明を施すことが可能に配備される円環状の光源と、この光源から観測位置への光を遮るための遮光手段とを含んでおり、前記遮光手段には、前記光源の複数位置に対応させて、それぞれ周方向に所定幅の広がりを有する光を通過させるための光通過部が形成されて成る実装部品検査装置。
【請求項3】 前記遮光手段には、前記光源の周方向に沿う90度毎の各位置に対応させて4個の光通過部が形成されて成る請求項2に記載された実装部品検査装置。
【請求項4】 請求項1または2に記載された実装部品検査装置であって、前記撮像手段の前方または投光手段には、所定波長範囲の光を遮光するフィルタが配備されて成る実装部品検査装置。
【請求項5】 請求項1または2に記載された実装部品検査装置であって、前記投光手段と撮像手段との間には、前記観測位置に対し、前記投光手段による光よりも急な角度で入射する光を照射するための第2の投光手段が配備されて成る実装部品検査装置。
【請求項6】 請求項1または2に記載された実装部品検査装置であって、さらに前記画像処理手段による画像処理結果から電子部品のリード間におけるはんだクズの有無を判別する判別手段を具備して成る実装部品検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、画像処理の技術を用いて基板上に実装された電子部品の実装状態を検査するための技術分野に属するもので、特に、QFPのような複数本のリードを有する電子部品について、はんだ付け後のリード間の状態が良好であるかどうかを判別するための技術に関連する。
【0002】
【従来の技術】基板上に実装された電子部品が適正にはんだ付けされているか否かを検査するための装置として、従来、図13に示すように、観測位置の上方にレンズ面を下方に向けて配備されるCCDカメラ103(以下単に「カメラ103」という)と、このカメラ103の光軸を取り囲むように配備される円環状の光源102と、カメラ103からの画像を取り込んで検査用の画像データを生成する制御装置(図示せず)とを具備するものが存在する。
【0003】前記した円環状の光源102は、カメラ103の観測位置から見た仰角が約50〜70度の角度範囲内に設置されて、全方位から光を照射する。制御装置は、この照明下で得られた画像を2値化処理するなどして、基板上のはんだ付け部位やリードの画像を抽出する。さらに制御装置内で自動検査を行う場合は、この抽出結果をあらかじめ用意されたティーチングデータと比較して、部品の実装位置やはんだ付け状態の適否を判定し、その判定結果を外部に出力する。また検査員の目視による検査を行う場合は、前記画像処理による抽出結果をモニタに表示して、目視検査が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでQFPのように、多数のリードが密に配置されている電子部品の場合、印刷されたクリームはんだの一部が実装工程などではがれるなどして生じた微小なはんだクズが、はんだ付け後のリード間に残ることがある。このようなはんだクズを放置したままで基板を使用すると、リード間が短絡して回路に誤動作が生じる虞がある。特に精密な機器に搭載する基板については、この種のはんだクズの見逃しは、致命的な誤動作につながる虞があり、基板を搭載する前に十分なチェックを行って、はんだクズを除去する必要がある。
【0005】この種のはんだクズは30〜100ミクロン程度の微小な物体である上、リード間のわずかな間隙に入り込み、しかも半球体や糸状体など種々の形状をとる。したがって図13(1)に示すような球面を有するはんだクズ100であれば、傾斜角θが10〜20度程度になる面からの反射光がカメラ103に導かれるから、このはんだクズ100の検出が可能となる。ところが図13(2)に示すように、20度より急な傾斜角θをもってリード101間に挟み込まれているはんだクズ100については、その表面からの反射光はカメラ103に到達しない方向に進んでしまい、観測が不可能となる。
【0006】また図14(1)(2)に示すように、はんだクズ100がリード間隙104の奥深くに入り込んでしまうと、光源102から照射される各方向からの光のうち、リード101の並び方向Pに沿う光ははんだクズ100に照射されるが、それ以外の方向からの光ははんだクズ100には到達しない。特にリード101の並び方向に対して垂直な方向Q,Rからの光は、リード間隙104に影を発生させて、前記方向Pから入射した光を弱めてしまい、結果的にはんだクズ100の観測は困難となる。
【0007】また部品のはんだ付けには、ペーストや潤滑剤として多量のフラックスが用いられるが、はんだ付け後の基板にもこのフラックスが残ってしまうので、リード間やその周辺に残存しているフラックスからの反射光がカメラに入射してしまい、はんだクズとの区別が困難になることがある。
【0008】さらに近年では、表面と裏面との間に配線パターンの形成された中間層を挟み込むようにした多層基板が生成されているが、この種の基板に照明光を施すと、中間層の配線パターンが透過されてカメラレンズに写り込んでしまい、画像上でのはんだクズと中間層パターンとの区別が困難になるという問題も発生している。
【0009】この発明は上記問題に着目してなされたもので、電子部品のリード間に存在するはんだクズなどの異物を正確に検出して、検査精度を大幅に向上させることを技術課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる実装部品検査装置は、観測位置の上方に撮像方向を下方に向けて配備される撮像手段と、撮像手段より低い所定の高さ位置に設けられ、前記観測位置に対し所定の方位角の方向から光を照射する投光手段と、前記投光手段からの光が検査対象の電子部品のリードの長さ方向に沿う方位角の方向から照射されるように、観測位置に対する投光手段の相対的な位置を調整する位置調整手段と、前記位置調整のなされた照明下で観測位置からの反射光を撮像して得られた画像を処理する画像処理手段とを具備している。前記投光手段は、前記観測位置に対し全方位から照明を施すことが可能に配備される円環状の光源と、この光源から観測位置への光を遮るための遮光手段とを含んだ構成のもので、遮光手段には、前記光源の所定位置に対応させて、周方向に所定幅の広がりを有する光を通過させるための光通過部が形成されている。
【0011】請求項2の発明にかかる実装部品検査装置は、請求項1と同様の撮像手段と、撮像手段より低い所定の高さ位置に設けられ、この観測位置に対し複数の方位角の方向からそれぞれ光を照射する投光手段と、前記投光手段による照明下で観測位置からの反射光を撮像して得られた画像を処理する画像処理手段とを具備している。また投光手段は、請求項1と同様の円環状の光源と遮光手段とを含むものであるが、遮光手段には、前記光源の複数位置に対応させて、それぞれ周方向に所定幅の広がりを有する光を通過させるための光通過部が形成される。
【0012】請求項3の発明では、請求項2の構成の遮光手段に、前記光源の周方向に沿う90度毎の各位置に対応させて4個の光通過部を形成する。
【0013】請求項4の発明では、請求項1または2の構成において、前記撮像手段の前方または投光手段に、所定波長範囲の光を遮光するフィルタを配備している。
【0014】請求項5の発明では、請求項1または2の構成において、投光手段と撮像手段との間に、前記観測位置に対し、前記投光手段による光よりも急な角度で入射する光を照射するための第2の投光手段を配備する。
【0015】請求項6の発明では、請求項1または2の構成に、さらに画像処理手段による画像処理結果から電子部品のリード間におけるはんだクズの有無を判別する判別手段を設けている。
【0016】
【作用】請求項1の発明によれば、投光手段により、検査対象の電子部品のリードの長さ方向に沿う方位角の方向から光を照射するので、リードに遮られることなく、リード間の奥にまで十分な照明を施すことが可能となる。また撮像手段および投光手段の高さ位置を調整することにより、前記図13(2)に示したような急な角度をもってリード間に挟み込まれたはんだクズからの反射光を撮像手段に入射させることも可能である。
【0017】請求項2の発明では、観測位置に対し複数の方位角の方向からそれぞれ光を照射する構成の投光手段を導入しているので、一連に並ぶリードの組数に応じて照射方向の数を設定することにより、部品の向きや照明方向を変動させることなしに、固定された照明条件の下で各リード間に十分な照明を施すことが可能となる。
【0018】請求項3の発明によれば、投光手段から観測位置に対し、90度毎の各方位角の方向から光が照射されるので、QFPを検査対象とする場合、部品本体の各角部に同時に照明光を照射して、各辺毎のリードの間隙に十分な照明を施すことが可能となる。
【0019】請求項4の発明によれば、多層基板上にはんだ付された電子部品を検査対象とする場合に、撮像手段の前方または投光手段に配備されたフィルタを用いて中間層の配線パターンからの反射光に対応する波長の光を遮蔽することにより、この中間層の配線パターンが画像上に出現するのが回避される。
【0020】請求項5の発明によれば、第2の投光手段により、第1の投光手段による照射光よりも急な入射角度を持つ光を照射することにより、第1の投光手段からの光の強度が落ち、その影響でフラックスからの反射光も弱められる。
【0021】請求項6の発明によれば、画像処理結果を用いてリード間におけるはんだクズの有無が判別されるので、リード間のはんだクズを検出するための検査の自動化が実現する。
【0022】
【実施例】図1は、この発明の一実施例にかかる実装部品検査装置の全体構成を示す。この実装部品検査装置は、はんだ付け処理後の部品実装基板1Tを導入して、各実装部品2Tのはんだ付け状態の適否を自動的に判別するほか、特にQFPのような多数のリードを具備する部品2Tについて、リード間におけるはんだクズの有無を判別する機能を有するもので、X軸テーブル部3,Y軸テーブル部4,投光部5,撮像部6,制御処理部7などを構成として含んでいる。なお図中、1Sは、検査に先立つティーチング時に用いられる基準基板であって、実装状態、はんだ付け状態がともに良好な部品2Sが実装されている。
【0023】前記X軸テーブル部3およびY軸テーブル部4は、それぞれ制御処理部7からの制御信号に基づいて動作するモータ(図示せず)を備えており、これらモータの駆動によりX軸テーブル部3が投光部5および撮像部6をX軸方向へ移動させ、またY軸テーブル部4が基板1S,1Tを支持するコンベヤ8をY軸方向へ移動させる。
【0024】前記投光部5は、所定大きさの径を有する円環状の白色光源9と、後記する遮光部10とにより形成される。前記光源9は、観測位置に対し、所定の入射角を有する光を全方位から照射することが可能なように、観測位置の真上位置に中心を合わせて、径方向を水平にして配備される。
【0025】前記撮像部6はモノクロ画像生成用のCCDカメラであって、観測位置の真上位置に撮像方向を下方に向けて位置決めされる。これにより観測対象である基板1S,1Tの表面からの反射光が撮像部6により撮像されてアナログ量の濃淡画像信号が生成され、制御処理部7へ供給される。
【0026】制御処理部7は、CPU11を制御主体として、画像入力部12,メモリ13,撮像コントローラ14,画像処理部15,XYテーブルコントローラ16,判定部17,ティーチングテーブル18,入力部19,表示部20,プリンタ21,送受信部22,フロッピーディスク装置23などを構成として含んでいる。
【0027】画像入力部12は、撮像部6からの濃淡画像信号を入力してディジタル信号に変換するためのもので、メモリ13には、ディジタル量の濃淡画像データや、この濃淡画像データから生成される判定用の2値画像を、個別に記憶するための画像データ格納エリアなどが設定されている。
【0028】撮像コントローラ14は、投光部5および撮像部6をCPU11に接続するインターフェイスなどを備え、CPU11からの命令に基づき投光部5の投光量を調整したり、撮像部6の出力バランスを保つなどの制御を行う。
【0029】XYテーブルコントローラ16は、前記X軸テーブル部3およびY軸テーブル部4をCPU11に接続するインターフェイスなどを備え、CPU11の出力に基づき、X軸テーブル部3およびY軸テーブル部4の移動動作を制御する。
【0030】ティーチングテーブル18には、検査情報として、画像上のリードやはんだのパターンを抽出するための2値化しきい値,部品毎の検査領域の設定位置,各検査領域内の画像パターンの良否を判定するための判定基準などが格納されている。なおこれらの情報は、検査に先立ち、前記基準基板1Sを撮像して得られた画像を用いて、オペレータにより教示されるもので、検査時には、CPU11を介して、画像処理部15や判定部17などに供給される。
【0031】画像処理部15は、前記検査情報のうちの2値化しきい値を供給されて、メモリ13に格納された濃淡画像データを2値化処理し、各検査領域毎に、リードやはんだ付け部位の面積,形状,位置などの特徴パラメータを抽出する。
【0032】判定部17は、ティーチングテーブル18より判定処理用の基準値などの供給を受け、前記画像処理部15により抽出された各特徴パラメータを被検査データとして取り込んで、検査領域毎に基準値と比較してはんだ付部位の良否やリード間におけるはんだクズの有無などを判定する。CPU11は、各検査領域毎の判定結果を総合して、被検査基板1Tが良品か否かを判定し、その判定結果を表示部20やプリンタ21,あるいは送受信部22に出力する。
【0033】前記入力部19は、検査情報や基準基板1Sおよび被検査基板1Tに関するデータを入力するためのもので、キーボードやマウスなどにより構成される。
【0034】表示部20はCRTディスプレイなどであって、CPU11から画像データ,検査結果,キー入力データなどが供給されたとき、これを表示画面上に表示する。またプリンタ21は、CPU11から検査結果などが供給されたとき、これを予め決められた書式でプリントアウトする。またフロッピーディスク装置23は、検査結果をフロッピーディスクに記録したり、装置動作に関わるプログラムや各種設定データなどを外部から取り込む際に用いられる。
【0035】送受信部22は、後段の修正工程などに対し、データの送受信を行うためのもので、被検査基板1Tについて不良が検出された場合には、その不良部位や不良内容に関するデータが送信される。
【0036】この実施例の実装部品検査装置は、リード間の微小間隙に残存するはんだクズを精度良く検出するために、前記投光部5の光源9を、観測位置に対し、仰角が15〜70度の角度範囲内に配置するとともに、光源9の内側に遮光部10を配備して、照射光の方位を制限するようにしている。
【0037】前記遮光部10は、図2に示すように、透光性を有する樹脂により形成された上下開口の円筒枠体24の内周面に、光吸収素材による無反射シート26を貼設した構成をとる。枠体24の内径は、撮像部6の視野を妨げないように、前記光源9の内径よりやや小さい程度の大きさに設定されるとともに、周面の所定位置には、約45度の角度範囲にわたって無反射シート26が貼られていない透光部25が形成されている。
【0038】図3は、前記投光部5の構成例および部品に対する投光方向を概略化して示す。なお図3(1)のOは検査対象の部品1Tの中心位置であって、この中心位置Oを基準にした場合の方位角が0度となる方向を矢印Vにより、また方位角が90度となる方向を矢印Hによりそれぞれ示してある(以下の説明に用いる方位角は、すべてこの図示のVH座標系に準じたものである)。
【0039】図3の実施例では、前記遮光部10の透光部25の中心位置を所定の方位角の方向(図示では270度の方位角の方向)に合わせて配置することにより、検査対象の部品1Tに対し、この方位角の方向からのみ光を照射するようにしている(図3(1)(2))。この場合、図3(3)に示すように、前記方位角の方向を部品1Tのリード27の長さ方向に沿う方向に合わせて光を照射すれば、一列に並ぶ各リード27の間隙28に対し、奥部にまで均等かつ指向性のある光が照射されるようになり、図14に示したようなリード27の根元間に挟み込まれたはんだクズ100に対しても、リード27に遮られることなく十分な光を照射することができる。
【0040】また複数の円環状光源を用いるなどして、観測位置に対し、上方の15〜70度の角度範囲にわたって方位の限定された光を照射するようにすれば、特に水平面に対し10〜37.5度の角度で傾斜するはんだクズを、精度よく検出することができ、前記図13(1)(2)に示したいずれのはんだクズ100にも、対応することができる。
【0041】なおリード27や図示しないはんだ付け部位についても、上記の条件で光を照射することにより、観測するのに十分な反射光を撮像部6に入射させることができるので、部品実装位置やはんだ付け状態などの適否判定も、問題なく実施することができる。
【0042】ところで部品実装基板においては、QFPのような電子部品は、通常、部品本体の各辺の方向を基板の幅、長さ方向に合わせて配置されるから、上記実施例においては、観測位置に対し、被検査基板1Tを回転ずれのない状態に位置決めして、0度,90度,180度,270度のいずれかの方位角に相当する方向から光を照射すれば良い。また実際にこの機構によりQFPのような部品1Tのリード間隙28を観測する場合は、部品1Tに対し、90度毎の各方位角の方向から順次光を照射する必要があるから、投光部5全体もしくは遮光部10のみを所定角度ずつ回転させる機構を設けるか、あるいは被検査基板1Tを回転テーブルなどにより回転可能に設置する必要がある。
【0043】図4は、投光部5の他の構成を、部品に対する投光方向とともに示す。この実施例では、前記遮光部10に、45度,135度,225度,315度の各方位角に対応させて、4個の透光部25を形成している。各透光部25は、図4(1)に示すように、それぞれ前記した方位を中心に、時計回り、半時計回りの各方向に10度ずつの幅をもたせた大きさに形成されている。また光源9は、前記と同様、観測位置に対し、仰角が15〜70度の角度範囲内に配置される。
【0044】上記構成の投光部5によれば、特にQFPを検査対象とする場合に、図4(3)に示すように、部品本体30の各角部30A,30B,30C,30Dに向けて同時に光を照射することが可能となるので、投光部5または被検査基板1Tを回転させるための機構は不要となり、照明条件を固定したまま4辺の各リード間隙28を観測することができる。また部品本体30の各辺に対し、それぞれその辺を挟む各角部に同じ光量の光が照射されるが、リード27の並び方向に垂直となる方向からの光は照射されないので、各リード間隙28に影が発生する虞がない。したがって各リード27の間隙28に十分な照明を施すことができ、間隙28内のはんだクズを正確に検出することができる。
【0045】なお上記実施例では、遮光部10に4個の透光部25を設けているが、これに限らず、例えば部品本体30の各辺に対し、それぞれ前記図3に示した光の照射範囲に対応する方位角、すなわち22.5度,67.5度,112.5度,157.5度,202.5度,247.5度,292.5度,337.5度の各方位角の方向に対応する8個の透光部25から光を照射してもよい。またLSIのように対向する2辺のみにリードが配備される部品を検査対象とする場合は、2個の透光部25が180度おきに形成された遮光部10を用いればよい。
【0046】さらに透光部25を遮光用塗料の塗布されたシャッタ板などにより開閉可能に構成すれば、検査対象の部品に応じて透光部25の数を変動させ、光の照射方向を増減することができる。また投光部5全体または遮光部10を回転させるなどして透光部25の位置を変動可能に設定すれば、部品が傾いた状態で実装されているような特殊な基板にも対応することができる。
【0047】またこの発明に用いられる投光部5は、必ずしも円環状の光源9と遮光部10による構成をとる必要はなく、たとえば円筒フード内の所定位置に、所定個のLEDを周方向に沿って配列した構成のものを、用いてもよい。
【0048】図5(1)は検査対象のQFPを示し、図5(2)はこのQFPの濃淡画像から生成された検査用の2値画像を拡大して示す。なお図5(2)では輝度の高いリードやはんだの部分を認識しやすいように白黒反転させ、白画素の部分を黒で、黒画素の部分を白で、それぞれ示してある。
【0049】検査時には、図示のように、部品本体30の各辺の長さ方向に沿って、それぞれ部品本体30の一部および複数本のリード27を含むような複数の検査領域Rが設定され、各検査領域R毎に2値画像が生成されて処理される。処理時には、2値画像上の各リード間隙28Aにそれぞれはんだクズ検出用のウィンドウWが設定され、各ウィンドウW内の画素データがチェックされるもので、図5(2)に示すように、ウィンドウW内に白画素の画像領域31が検出されると、この画像領域31は、はんだクズに相当するものであると判断される。
【0050】ところで被検査基板1Tが前記した多層基板である場合は、図6に示すように、照明により中間層の配線パターンが透過してカメラレンズに写り込み、2値画像上でのはんだクズ31と中間層パターン32の区別が困難になるという問題が生じる。またリード間隙やその近傍に多量のフラックスが残存していると、そのフラックスからも強い光が反射するようになり、その結果、図7に示すように、2値画像には、フラックスからの反射光像33がノイズとして出現するようになる。
【0051】図8(1)(2)は、前記図6に示した問題を解決するための構成を示す。図8(1)の実施例では、投光部5について、前記遮光部10の透光部25に赤色光除去用のカラーフィルタ34を設けている。また図8(2)の実施例では、遮光部10の透光部25はそのままにして、撮像部6のレンズ6Aの前方に同様のカラーフィルタ34を配置している。
【0052】多層基板の中間層パターンは、銅箔により形成されるため赤茶色をしており、この中間層に白色光を照射すると、図9の曲線35に示すような波長分布の反射光が得られる。したがって前記カラーフィルタ34として、例えば斜線で示す波長領域内の光をカットする特性のものを用れば、中間層パターンからの反射光の大部分が撮像部6に入射しなくなり、検査用の2値画像への中間パターンの出現を回避することができる。なお図中、36は、撮像部6により観測される光の範囲を示す波長分布の曲線である。
【0053】図10は、上記図7に示した問題を解決するための構成を示す。この実施例では、前記投光部5を、光源9の上方位置にさらに径の小さい円環状の白色光源37を配置するとともに、この第2の光源37からの光を、減光フィルタ38を介して観測位置に照射するように構成している。
【0054】各光源9,37は、それぞれ中心位置を撮像部6の光軸に合わせて配置されており、第1の光源9は、前記遮光部10により、観測位置に対し上方15〜45度の角度範囲からの光を照射可能に配置される。一方、第2の光源37は、観測位置から見て中心位置が約65度の仰角に対応する高さ位置に配置され、またこの光源37からの光の照射範囲は、減光フィルタ38により、観測位置の上方70〜90度の角度範囲に限定される。
【0055】前記減光フィルタ38は、所定の色彩光(例えば緑色光)のみを通過させるようなプラスチック製のカラーフィルタ材、または光の透過率の低いスモーク材を型成形して成るもので、図10(1)(2)に示すように、円錐の上部を切り欠いた形状の中空の傾斜筒部38Aの下端に、第2の光源37の外径に応じた幅の鍔部38Bが連続形成されて成る。第2の光源37から発せられた各方位毎の白色光は、減光フィルタ38の鍔部38Bおよび傾斜筒部38Aの外周面を通過して緑色の波長領域の光のみに減光され、観測位置に向けて照射される。なお前記傾斜筒部38Aの中空部分は、撮像部の視野を確保するのに十分な径大きさに形成されている。
【0056】第1の光源9の内側には、前記した各実施例と同様の遮光部10が配置されており、観測位置に対し、第1の光源9から方位の限定された光が照射されるとともに、第2の光源37から前記減光フィルタ38を介した所定の色彩光(例えば緑色光)が全方位にわたって照射されることになる。第1の光源9の光量と、減光フィルタ38を介した第2の光源37からの光の光量は、ほぼ同一になるように調整されており、観測位置により急峻な角度で入射する第2の光源37からの光により、はんだクズ検出用の第1の光源9からの光の強度が弱められ、フラックスからの反射光が抑えられる。
【0057】なお投光部5の構成は上記に限らず、例えば2個の円環状光源により、観測位置の上方15〜70度の角度範囲にわたって方位の限定された光を照射するとともに、これら光源の上方位置に、第3の光源および減光フィルタを設けて、方位の限定されない減光用の光を照射するようにしてもよい。
【0058】図11は、前記制御処理部7により検査に先立ち実施されるティーチングの手順を示す。まず同図のST1,2において、オペレータは入力部19を操作して教示対象とする基板名の登録を行った後、基板サイズをキー入力し、さらにST3で、基準基板1SをY軸テーブル4上にセットしてスタート操作を行う。
【0059】つぎのST4では、その基準基板1Sの原点と右上および左下の各角部を撮像部6にて撮像させ、各角部の座標位置により実際の基準基板1Sのサイズを入力する。これに応じてCPU11は、X軸テーブル部3およびY軸テーブル部4を制御して、基準基板1Sを初期位置に位置出しする。
【0060】前記基準基板1Sは、部品実装位置に所定の部品2Sが適正にはんだ付けされ、かつQFPなどの部品2Sの各リード間にはんだクズのない良好な品質を有するものである。この基準基板1Sが初期位置に位置決めされると、CPU11は、つぎのST5で撮像部6により基準基板1Sの各部品2Sを撮像し、部品の実装位置や部品種別にかかる教示を行う。
【0061】つぎのST6では、前記部品2Sについて、はんだ付け部位などに応じた数の検査領域が教示され、さらにST7では、各検査領域における2値化しきい値や検査時の判定基準などが教示される。以下同様に、基準基板1S上のすべての部品について、上記ST5〜7の手順が実行されると、ST8が「YES」となり、ティーチングを終了する。
【0062】図12は、被検査基板1Tに対する自動検査の手順を示す。同図のST1,2で、オペレータは、検査すべき基板名を選択して基板検査の開始操作を行い、つぎのST3で実装部品検査装置への被検査基板1Tの供給をチェックする。その判定が「YES」であれば、コンベヤ8が作動して、Y軸テーブル部4に被検査基板1Tが搬入され、前記ティーチングテーブル18内のティーチングデータを用いた自動検査が開始される(ST4,5)。
【0063】ST5において、CPU11は、X軸テーブル部3およびY軸テーブル部4を制御して、被検査基板1T上の1番目の部品2Tに対し、撮像部6の視野を位置決めして撮像を行わせ、所定位置に検査領域を設定する。そしてこの検査領域内を教示された2値化しきい値により2値化した後、定められた位置に検査用のウィンドウを設定して、そのウィンドウ内の2値パターンを判定基準と照合し、部品の実装状態の適否を判定する。
【0064】さらに、この検査領域においてリード間のはんだクズを検出する必要がある場合は、CPU11は、図5(2)に示したように、画像上の各リード間隙28AにウィンドウWを設定し、ウィンドウW内の白画素の有無をチェックする。
【0065】このような検査が被検査基板1T上の全ての部品2Tにつき繰り返し実行された結果、いずれかの検査領域で実装状態の不良やはんだクズが検出されるとST6の判定が「NO」となり、その不良部位と不良内容とが表示部20に表示、あるいはプリンタ21や送受信部22より出力され(ST7)、しかる後に被検査基板1Tは、Y軸テーブル部4より搬出される(ST8)。かくして同様の検査手順が全ての被検査基板1Tにつき実行されると、ST9の判定が「YES」となって、検査が終了する。
【0066】なおここでは、自動検査を行う実装部品検査装置にこの発明を適用した例について説明したが、この発明はこれに限らず、係員が画像を目視することにより検査を行う目視検査装置にも適用することができる。また実施例の実装部品検査装置では、撮像部6にモノクロカメラを用いて濃淡画像処理を行うようにしているが、これに限らず、カラー画像処理を行うタイプの検査装置にも、この発明を適用することが可能である。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明では、検査対象の電子部品のリードの長さ方向に沿う方位角の方向から光を照射することによりリード間の奥にまで十分な照明を施すことが可能となり、撮像手段および投光手段の高さ位置を調整することにより、種々の状態をもってリード間に挟み込まれたはんだクズを、精度良く検出することができる。
【0068】請求項2の発明では、観測位置に対し複数の方位角の方向からそれぞれ光を照射する構成の投光手段を導入しているので、一連に並ぶリードの組数に応じて照射方向の数を設定することにより、固定された照明条件の下で各リード間に十分な照明を施すことが可能となり、この種検査の効率を向上することができる。また部品の向きや照明方向を変動させるための機構も不要となる。
【0069】請求項3の発明では、投光手段から観測位置に対し、90度毎の各方位角の方向から光が照射されるので、QFPを検査対象とする場合、部品本体の各角部に同時に照明光を照射して、各辺毎のリード間に十分な照明を施すことが可能となる。よって固定された照明条件の下でQFPの各リード間を、効率よく、かつ精度良く検査することができる。
【0070】請求項4の発明では、多層基板上にはんだ付された電子部品を検査対象とする場合に、撮像手段の前方または投光手段に配備されたフィルタを用いて中間層の配線パターンからの反射光に対応する波長の光を遮蔽することができ、多層基板に対する検査精度を大幅に向上させることができる。
【0071】請求項5の発明では、第2の投光手段により、第1の投光手段による照射光よりも急な入射角度を持つ光を照射することにより、フラックスによるノイズを除去して、はんだクズの検出精度をさらに向上させることができる。
【0072】請求項6の発明では、画像処理結果を用いてリード間におけるはんだクズの有無を判別するようにしたので、リード間のはんだクズを精度良く検出可能な自動検査装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】 【識別番号】100078916
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 由充
【公開番号】 特開2000−252700(P2000−252700A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−51083