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【発明の名称】 制御機器の基板保持装置
【発明者】 【氏名】野林 春彦

【氏名】岩田 浩三

【要約】 【課題】基板のケースへの収容の際に寸法誤差等を吸収しつつ固定が簡単、確実なものとすること。

【解決手段】2分割構成のカバー21及び基台11からなるケースによれば、基台11にプリント基板31を載置したのちカバー21を組付けることにより、カバー21に形成された突出部25の先端が弾性変形されプリント基板31の穴部32を基台11側に押付け、かつ突出部25の先端が穴部32を通って基台11の挿嵌穴部15に嵌入される。このように、プリント基板31の穴部32に対応して、カバー21に突出部25及び基台11に挿嵌穴部15が形成されていることで、プリント基板31をカバー21及び基台11からなるケースに簡単、かつ確実に固定し収容することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の電子部品を実装すると共に、その周縁面の所定位置に所定寸法からなる複数の穴部を穿設した基板と、前記基板を収容するよう2分割構成で、片方には、先端が略円錐テーパ状の円柱形状で、前記基板の前記穴部への挿入によって弾性変形し径寸法が変更自在な突出部を形成し、他方には、前記突出部を前記基板の前記穴部を通して組付けた際の先端径寸法と略同寸法の挿嵌穴部を形成したケースとを具備することを特徴とする制御機器の基板保持装置。
【請求項2】 前記突出部は、樹脂製で先端側から根元側に向けてスリット状の切込部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の制御機器の基板保持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子部品を実装する基板をケースに収容してなる電子制御機器等の制御機器の基板保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、制御機器の基板保持装置に関連する先行技術文献としては、特開平8−335785号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、基板をケースに収容する際、基板に対して上下2分割で組合わされるケースの対向する内壁面に形成された複数の突出部(押さえリブ)にて基板をケースの中央部分にその内壁面の弾性変形を利用して挟持させ固定する技術が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のものでは、ケースの内壁面で先端が平坦に形成された複数の突出部にて基板を挟持するため、例えば、突出部毎の長さ寸法に誤差があると基板に反りが発生し、曲げ応力により基板に形成された配線パターンや実装された電子部品のはんだ付け部分等が損傷するという不具合があった。また、外部機器の相手側コネクタと電気的に接続するためのコネクタ部材を基板に配設するような構成では、相手側コネクタの挿抜時にコネクタ部材を介して基板に対して例えば、その基板面に平行な力がかかると突出部の先端が平坦であるため基板が動くという現象が起こる。このため、基板面が突出部にて擦られ配線パターンや電子部品等が損傷するという不具合も生じる。
【0004】そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、基板のケースへの収容に際し、寸法誤差等を吸収しつつ固定が簡単、かつ確実であり、収容状態で基板面方向に力がかかっても基板に悪影響を及ぼすことがなく、更に、基板のケースからの取外しも容易な制御機器の基板保持装置の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の制御機器の基板保持装置によれば、2分割構成からなるケースのうち、一方に基板を載置したのち残りの片方を組付けることにより、ケースの片方に形成された突出部の先端が弾性変形され基板の穴部を押付け、突出部の先端が穴部を通って他方の挿嵌穴部に嵌入される。このように、基板の穴部に対応して、ケースの片方に突出部及び他方に挿嵌穴部が形成され、突出部と挿嵌穴部とが基板の穴部を通って組合わされるだけであるため、基板がケース側から曲げ応力等を受けることなく簡単、かつ確実に固定され収容されると共に、基板は表裏が挟持状態で固定されているだけなので取外しも容易である。
【0006】請求項2の制御機器の基板保持装置では、突出部がケースの片方と同時に樹脂成形され、その突出部の先端にはスリット状の切込部が形成されている。このように、スリット状の切込部が形成された突出部の先端が弾性変形にて径寸法が変更自在とされていることで、基板が2分割構成からなるケースに簡単、かつ確実に固定され収容される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0008】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる制御機器の基板保持装置の構成を示す分解斜視図である。なお、本実施例ではプリント基板に形成された配線パターンや実装された電子部品等は省略されている。
【0009】図1において、電子制御機器100のケースは、樹脂製の略直方体形状で上側のカバー21と下側の基台11との上下2分割構成からなる。このカバー21と基台11との間にプリント基板31を組付けるため、基台11側の内壁面に沿ってプリント基板31の板厚に相当する段部13が設けられている。この段部13にはプリント基板31に穿たれた穴部32と同じ位置となるよう挿嵌穴部15が形成されている。また、基台11の左右の外周側面には突部12が形成されている。ここで、プリント基板31の穴部32は、本実施例のように、基板製造上に必要な位置決め穴を兼用すれば基板面積を有効利用できるため好ましいが、別に設けることもできる。
【0010】カバー21の外周側面には基台11の突部12に対応して組付完了で挿嵌状態となる嵌着部22が形成されている。また、カバー21の内壁面から基台11の挿嵌穴部15側に向け先端が略円錐テーパ状からなる円柱形状の4本の突出部25が形成されている。この突出部25は先端側から根元側に向けてスリット状に切込部26が形成され、本実施例では先端側が4分割形状とされている。そして、プリント基板31には外部機器と電気的に接続するためのコネクタ部材35がねじ等にて固定されており、組付完了状態でカバー21側のコネクタ用切欠部23からコネクタ部材35の相手側コネクタ(図示略)との接続端子側が外部に臨む状態とされる。
【0011】次に、このように構成された電子制御機器100の組付けについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図2は図1の要部構成を示す部分断面図であって、図2(a)はカバー21の突出部25とプリント基板31の穴部32及び基台11の挿嵌穴部15との組付以前の状態を示し、図2(b)は組付完了状態を示す。なお、プリント基板31の穴部32はカバー21の突出部25の先端形状に合わせ所定の角度にて広がるテーパ形状とされている。
【0012】まず、基台11の内壁面に沿って設けられた段部13にプリント基板31が載置され基板面方向に仮固定される。次に、基台11の左右の外周側面に形成された突部12に対応したカバー21の外周側面に形成された嵌着部22が組付方向に圧挿される。このとき、図2(a)に示すように、プリント基板31の周縁面に穿たれた穴部32と同じ位置となるよう基台11に形成された挿嵌穴部15に対応してカバー21に形成された突出部25が臨む位置となる。
【0013】こののち、図2(b)に示すように、カバー21の突出部25の先端がプリント基板31の穴部32に押付けられる。すると、突出部25の先端が弾性変形されプリント基板31の穴部32の径寸法に倣うよう切込部26が径方向に押縮められる。そして、突出部25の先端が基台11の挿嵌穴部15内に嵌入される。
【0014】このように、カバー21の嵌着部22が基台11の突部12に挿嵌された組付完了状態では、プリント基板31はカバー21に形成された突出部25にて基台11側に押付けられ挟持されると共に、その基板面方向に対しても固定されることとなる。これにより、電子制御機器100のケースを構成する基台11及びカバー21の中間にプリント基板31が確実に固定され収容されることとなる。また、カバー21の突出部25がプリント基板31側からの反力で上方向に押上げられるため、基台11の突部12とカバー21の嵌着部22とが確実に固定され、基台11とカバー21とがガタツキなく組付けられることとなる。
【0015】ここで、カバー21の内壁面から形成されている突出部25の長さは、基台11の突部12及びカバー21の嵌着部22の組付完了状態で、図2(b)に示すように、突出部25の先端がプリント基板31を基台11側に押付けた状態を保持できるよう余裕を以て設定されている。そこで、突出部25の長さが多少長くなってもその先端による弾性変形にて吸収できるよう切込部26の幅が設定されている。
【0016】このように、本実施例の電子制御機器100の基板保持装置は、複数の電子部品を実装すると共に、その周縁面の所定位置に所定寸法からなる4つ(複数)の穴部32を穿設したプリント基板31と、プリント基板31を収容するよう2分割構成で、片方のカバー21には、先端が略円錐テーパ状の円柱形状で、プリント基板31の穴部32への挿入によって弾性変形し径寸法が変更自在な突出部25を形成し、他方の基台11には、突出部25をプリント基板31の穴部32を通して組付けた際の先端径寸法と略同寸法の挿嵌穴部15を形成したカバー21及び基台11からなるケースとを具備するものである。
【0017】したがって、2分割構成のカバー21及び基台11からなるケースによれば、基台11にプリント基板31を載置したのちカバー21を組付けることにより、カバー21に形成された突出部25の先端が弾性変形されプリント基板31の穴部32を基台11側に押付け、かつ突出部25の先端が穴部32を通って基台11の挿嵌穴部15に嵌入される。このように、プリント基板31の穴部32に対応して、カバー21に突出部25及び基台11に挿嵌穴部15が形成されていることで、プリント基板31をカバー21及び基台11からなるケースに簡単、かつ確実に固定し収容することができる。また、プリント基板31のカバー21及び基台11からなるケースへの収容状態で、相手側コネクタの挿抜時にコネクタ部材を介してプリント基板31に基板面方向に平行に力がかかってもプリント基板31は動くことがないため配線パターンや電子部品等が損傷するというような悪影響を及ぼすことがない。そして、プリント基板31は挟持され固定されているだけであるためカバー21及び基台11からなるケースを分解するだけで無理なく容易に取外すことができる。
【0018】また、本実施例の電子制御機器100の基板保持装置は、突出部25が樹脂製で先端側から根元側に向けてスリット状の切込部26を形成したものである。このため、カバー21と同時に突出部25を樹脂成形でき、突出部25のスリット状の切込部26による弾性変形によってプリント基板31をカバー21及び基台11からなるケースに簡単、かつ確実に固定し収容することができる。
【0019】ところで、上記実施例では、樹脂製からなるカバー21に突出部25が一体的に形成された構成としたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、突出部25の先端が弾性変形により径寸法が変更自在であればよく、その材質はゴム等であってもよい。また、基台11の材質については、樹脂製に限らずアルミニウム等の金属製であってもよい。
【0020】更に、上記実施例の電子制御機器100のケースでは、プリント基板31の基板面積とその収容される寸法とが一致する構成について述べたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、図3に示すような電子制御機器200の構成を採用することもできる。なお、図中、上述の実施例と同様の構成または相当部分からなるものについては同一符号及び同一記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0021】図3において、電子制御機器200は基台11′及びカバー21′にてケースが構成され、上述の電子制御機器100の約2倍の容積を有している。カバー21′の内壁面には基台11′の挿嵌穴部15側に向け先端が略円錐テーパ状からなる円柱形状の6本の突出部25が形成されている。このように2分割構成された電子制御機器200のカバー21′と基台11′からなるケースには、上述の実施例と同じ大きさの実線にて示す基板面積からなるプリント基板31またはこのプリント基板31に二点鎖線にて示す基板面積を追加した大きさの基板面積からなるプリント基板31′の何れか1つが収容可能である。即ち、このような構成によれば、同じケースを利用し大きさが異なるプリント基板31,31′を適宜、選択的に収容し組付けることができ、ケースの汎用性が増大しコストダウンを達成することができる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】 【識別番号】100089738
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 武尚
【公開番号】 特開2000−252652(P2000−252652A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−50063