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【発明の名称】 電線に対する輻射ノイズ抑制構造
【発明者】 【氏名】志満津 仁

【要約】 【課題】電線に対する輻射ノイズを安価に抑制するための輻射ノイズ抑制構造を提供することを課題とする。

【解決手段】電線に対する輻射ノイズ抑制構造は、ノイズ発生源の回路基板4に接続される電線(ワイヤーハーネス2)を通すための溝3aを電磁シールド性を有するケース3の表面に形成することである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ノイズ発生源である電気回路に接続される電線を配置するための凹部を前記電気回路を収納する電磁シールド性を有するケースの表面に形成した電線に対する輻射ノイズ抑制構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路から発生するノイズが電気回路に接続される電線に輻射されることを抑制する輻射ノイズ抑制構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両搭載のバッテリから12ボルト直流電圧を入力し、この入力電圧を100ボルト、50あるいは60ヘルツの交流電圧に変換して出力する電源装置が車両に設けられていることがある。図2は、回路基板63に構成されたスイッチングレギュレータ回路やインバータ回路からなる電源装置62の斜視図である。図2に示すように、この電源装置62の場合は、図示していないバッテリからの12ボルト直流電圧を供給するワイヤーハーネス61が接続される入力コネクタ64を回路基板63の後部に取り付けるとともに、100ボルト、50あるいは60ヘルツの交流電圧を供給するコンセント65と接続される出力コネクタ66を回路基板63の前部に取り付けたものである。しかしながら、上記電源装置62の場合、入力コネクタ64と出力コネクタ66の二つのコネクタが必要であるため、部品点数の増加に伴うコストアップを伴う。更に、入力コネクタ64と出力コネクタ66とを取り付けるためのスペースが回路基板63に必要になり、回路基板63の奥行き寸法を大きくする必要があるとともにケース67の奥行き寸法を大きくする必要がある。そのため、回路基板63の面積増加に伴うコストと、ケース67の容積増加に伴うコストとがアップするという問題がある。
【0003】図3に示した電源装置51は、上記コストアップを回避するため、上記入力コネクタ64と出力コネクタ66の二つのコネクタを一体化した入出力コネクタ54を用いている。上記電源装置51は、ケース52に収納された回路基板53に上記入出力コネクタ54が取り付けられている。入出力コネクタ54には、図示していないバッテリからの12ボルト直流電圧がワイヤーハーネス55を介して供給され、入出力コネクタ54から回路基板53に入力される。上記回路基板53にはスイッチングレギュレータ回路やインバータ回路が構成されており、これらの回路により上記12ボルト直流電圧は100ボルト、50あるいは60ヘルツの交流電圧に変換される。そして、この交流電圧は入出力コネクタ54を介してケース52に取り付けられたコンセント56に供給される。スイッチングレギュレータ回路やインバータ回路におけるスイッチング制御時に発生するノイズがワイヤーハーネス55にノイズが輻射されることを抑制するため、L字形をした鋼板製のノイズ遮蔽板57がワイヤーハーネス55と回路基板53の間に設けられている。このノイズ遮蔽板57によりワイヤーハーネス55に対する輻射ノイズが抑制され、ワイヤーハーネス55を介して他の電子機器にノイズが侵入されることが防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の電源装置51の場合、ノイズ遮蔽板57を必要とするため、ノイズ遮蔽板57自体の材料コストと、ノイズ遮蔽板57を取り付けるためのコストとがコストアップの要因になり、電源装置51のコストが高くなるという問題がある。
【0005】そこで本発明では、回路基板の面積増加や、ケースの容積増加や、部品点数の増加をしなくても、電線に対する輻射ノイズを安価に抑制することが可能な輻射ノイズ抑制構造を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明では、電線に対する輻射ノイズ抑制構造を請求項1に記載したように構成することである。請求項1に記載の発明によれば、電気回路に接続される電線は電磁シールド性を有するケースの表面に形成された凹部に配置されるため、電気回路と離間される。また、電気回路から発生するノイズはケースで電磁シールドされるため、電線に対する輻射ノイズのレベルが抑制される。この場合、ケースの表面に電線配置用の凹部を形成するのみであるから回路基板の面積増加や、ケースの容積増加や、部品点数の増加は無く、安価に電線に対する輻射ノイズを抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、先端にコネクタ2aが取り付けられたワイヤーハーネス(電線)2を介して車両のバッテリ(図示せず)から12ボルト直流電圧を入力し、この入力電圧を100ボルト、50あるいは60ヘルツの交流電圧に変換して出力する1DINサイズの電源装置1を斜視図で示したものである。尚、この電源装置1は車両のセンターコンソールボックス等に取り付けられて、例えば車内でテレビを見るときの電源電圧を供給する。
【0008】図1に示すように、電源装置1のケース3に回路基板4が収納されており、回路基板4の前部に入出力コネクタ5が取り付けられている。この入出力コネクタ5の入力電極には、図示していないバッテリからの12ボルト直流電圧がワイヤーハーネス2を介して供給され、入出力コネクタ5の入力電極から回路基板4に入力される。上記回路基板4にはスイッチングレギュレータ回路やインバータ回路が構成されており、これらの回路により上記12ボルト直流電圧は100ボルト、50あるいは60ヘルツの交流電圧に変換される。この交流電圧は入出力コネクタ5の出力電極を介してケース3に取り付けられたコンセント6に供給される。前記従来の技術の欄でも説明したように、一般に、上記スイッチングレギュレータ回路やインバータ回路におけるスイッチング制御時にノイズが発生する。このノイズがワイヤーハーネス2に輻射された場合は、ワイヤーハーネス2を介して車両に搭載された他の電子機器に侵入し、他の電子機器を誤動作させることがある。そのため、上記スイッチング制御時に発生するノイズがワイヤーハーネス2にできるだけ輻射されないようにするための手段が必要になる。
【0009】前記ケース3は電磁シールド性を有する例えば薄板状の鋼板で作られており、図1に示すように、ケース3の上面にワイヤーハーネス2を通すための溝(断面形状が凹形)3aが形成されている。そして、溝3aの前端部にワイヤーハーネス2をケース3の内部に挿通するための孔3bがあけられている。
【0010】以上のように、ケース3の上面に溝3aを形成し、溝3aにワイヤーハーネス2を通したうえ、溝3aの前端部にあけられた孔3bからワイヤーハーネス2をケース3の内部に挿通させ、回路基板4の前部に取り付けられた入出力コネクタ5の入力電極に接続するように構成したため、ワイヤーハーネス2が回路基板4と並行する部分は回路基板4と離間する距離が大きくなるとともに、ケース3は前述のように電磁シールド性があるため、回路基板4から発生したノイズがワイヤーハーネス2に輻射されるノイズレベルが極めて小さくなる。尚、電源装置1を車両のセンターコンソールボックス等に取り付ける場合は他のオーディオ機器と重ねられて配置されるため、電源装置1は、1DINサイズにする必要があるとともに、上面を平面にする必要があるため、前記溝3aをケース3の上面に形成した。尚、溝3aにワイヤーハーネス2を通した状態で、必要があれば、ワイヤーハーネス2をバンドクランパーなどを用いて固定してもよい。
【0011】このように、ワイヤーハーネス2に対する輻射ノイズが抑制されるため、ワイヤーハーネス2を介して他の電子機器に侵入するノイズのレベルが小さくなり、他の電子機器を誤動作させるという問題を防止することができる。
【0012】尚、本発明の実施の形態では、前記溝3aをケース3の上面に形成した例について説明したが、溝3aはケース3の上面に限らず、側面、あるいは下面に形成してもよい。また、ケース3のコーナー部にワイヤーハーネス2を配置する断面L字の凹部を形成してもよい。また、本発明の実施の形態では、電源装置1における輻射ノイズ抑制構造について説明したが、本発明は、電源装置に限らず、ノイズが発生される電気回路を有して電気回路にワイヤーハーネス(電線、ケーブル等を含む)が接続される電子機器全般に適用される。
【0013】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、回路基板の面積増加や、ケースの容積増加や、部品点数の増加をしなくても、電線に対する輻射ノイズを安価に抑制することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機製作所
【出願日】 平成11年2月22日(1999.2.22)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外6名)
【公開番号】 特開2000−244172(P2000−244172A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−43482