| 【発明の名称】 |
電磁妨害シールド |
| 【発明者】 |
【氏名】トーマス・ダブリュ・イヴス
【氏名】ドナルド・ピー・ローリング
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| 【要約】 |
【課題】所望のEMIシールドと空気流の特性を達成することのできるEMIシールドを提供する。
【解決手段】本発明の一実施例によれば、金属板と、その金属板から延びる金属導波管のアレイとを含むEMIシールドが提供される。導波管は、一般に円形または長方形の管として構成され、金属板の穴に固定され、EMIシールド用の導波管と空気流の通路として働く。シールドは、個別の板とその板に接着または固定された管とを使用して、あるいは管を板から押出し成形した一体部品として製造することができる。所望のEMIシールドと空気流の特性を達成するための必要に応じて、板と管を組み合せたシールドを順々に上に(または横に並べて)積み重ねることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】貫通する複数の穴を有する金属板と、前記板に固定され、前記穴の位置で前記板から延びる複数の金属導波管と、を備えて成る電磁妨害シールド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、電子システムにおける電磁妨害(EMI)シールドに関し、より詳細には、ディスク・ドライブ・アレイおよび類似のデータ記憶製品におけるEMIシールドに関する。 【0002】 【従来の技術】多くの電子装置に使用される電子回路の動作には、望ましくない浮遊電磁放射を伴うことがある。浮遊電磁放射すなわち「雑音」は、周囲の装置の動作を妨げることがある。その結果、電子装置を電子雑音からシールドすることが重要である。 【0003】大容量記憶の業界は、可変容量記憶を実現するために、安価または独立した記憶装置の冗長アレイ(RAID)を使用している。RAIDシステムは、相互接続されたディスク・ドライブを使用して、所望の大容量記憶容量を達成する。この手法により、ある容量のディスク・ドライブを製造し、同じかまたは異なる容量のドライブとまとめて、必要な記憶容量を実現することができる。RAIDシステムは、特別な記憶要件を満たすように個別に設計したディスク・ドライブを製造する必要をなくす。RAIDシステムにおける各ディスク・ドライブは、通常、操作と取付けのために個別のモジュールに収容される。このモジュールは、ディスク・ドライブのアレイを収容しかつドライブの電気相互接続用のソケットやプラグイン式その他の接続を提供するさらに大きい筐体にはめ込まれ、そこから取り出される。データの読取りおよび書込み動作のために、制御装置が相互接続を調整して、選択したディスク・ドライブへのアクセスを制御する。 【0004】各モジュールは、プラスチックのハウジングを含み、ほとんどの場合、なんらかのタイプの金属EMIシールドを含む。金属シールドは、ハウジング内またはまわりに位置決めされた金属板、パネル、部分的筐体などとして構成されることが多い。金属は、モジュールから出る浮遊電子信号ならびにモジュールのまわりから入る浮遊信号を減衰させる。減衰の程度は、金属シールドの量と配置によって増大する。たとえば、閉じた金属ボックスは、優れたシールドを提供する。しかしながら、ハウジングは、また、動作中に装置を冷却するのに十分な空気流を可能にしなければならない。したがって、必要な程度の冷却空気流を提供するために、ハウジングとシールドに適切な開口部がなければならない。前述のRAIDシステムのようなアレイ記憶製品は、新しい「ファイバ・チャネル」シリアル接続性プロトコルとそれらの高い動作周波数とを含むため、適切なEMIシールドと冷却空気流を提供する筐体を設計し作成することがより困難になる。EMIの減衰と空気流に対する低い抵抗との有効なバランスを提供する課題の1つの解決策は、参照により全体が本明細書に組み込まれた「An Improved EMI/RF Shielded Ventilation Device」と題する特許出願番号第09/232,270号に記載されている。特許出願番号第09/232,270号は、多数の穴がパネルを貫通した比較的厚い金属通風パネルについて説明している。この穴は、冷却空気の流れを可能にしながら電磁放射を減衰させてEMIシールドを実現する導波管として機能する。このパネルは、特許出願番号第09/232,270号に記載されたようなチキソトロープ射出成形プロセスを使用して作成することができ、あるいはこのパネルは、ダイカストで製造したり固体金属ブロックから機械加工したりすることができる。穴の数と近さのために、そのような通風パネルのダイカストによる製造は困難で、チキソトロープ成形と機械加工は高価なことがあることが分かっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、所望のEMIシールドと空気流の特性を達成することのできるEMIシールドを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、金属板と、その金属板から延びる金属導波管のアレイとを含むEMIシールドを対象とする。導波管は、一般に円形または長方形の管として構成され、金属板の穴に固定され、EMIシールド用の導波管と空気流の通路として働く。EMIシールドは、個別の板とその板に接着または固定された管とを使用して、あるいは管を板から押出し成形した一体部品として製造することができる。所望のEMIシールドと空気流の特性を達成するための必要に応じて、板と管を組み合せたシールドを順々に上に(または横に並べて)積み重ねることができる。このような新しいEMIシールドの設計および製造技術を、電子装置のハウジングやモジュールその他の筐体の製造に組み込むことは、原料の減少、従来の機械設備の使用、および製造および組立時間の短縮により、製造コストを最小にするのに役立つことが期待される。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は、前面パネル12がEMIシールドとして構成されたディスク・ドライブなどの電子回路用の筐体10を示す。前面パネル12の全体に、複数の開口部14が形成される。後でより詳細に説明するように、開口部14は、冷却用の空気流の通路、およびEMIシールド用の導波管としてはたらく。この明細書および特許請求の範囲に使用されているような導波管という用語は、広く電磁放射を減衰させる穴を構成する任意の構造を指す。筐体10の後部に沿って空気流の開口部16が形成される。図2および3に関して後で説明するように、一群のハウジング・ユニットの筐体10への取付けと取外しを容易にするために、前面パネル12上になんらかのタイプのエジェクタ・ラッチ15が使用される。 【0008】図2および3は、本発明を使用することができるデータ記憶システム18の1つの例を示す。図2および3を参照すると、データ記憶システム18は、ハウジング24に収容されたRAIDデータ記憶システムに使用されるディスク・ドライブ・モジュールなどの一群の個別の装置モジュール20および22を含む。図2は、ハウジング24の前部を示す。図3は、ハウジング24の後部を示す。各モジュール20および22内の電子装置は、前面パネル12がEMIシールドとして構成された図1に示したものと類似の筐体10に収容される。また、システム18は、たとえば、電源26および28、バッテリ・バックアップ・ユニット30および32、冷却ファン・モジュール34および36、入力/出力モジュール38および40を含む。電源26および28は、システム18に必要な電力を提供する。バッテリ・バックアップ・ユニット30および32は、電源26および28のうちの1つまたは複数が故障した場合に代替電源を提供する。ファン・モジュール34および36は、ハウジング24内に空気を循環させて構成要素を冷却する。入力/出力モジュール38および40は、システム構成要素が外部装置と通信することを可能にする。また、電源26および28ならびにバッテリバックアップ30および32の前面パネル12は、EMIシールドとして構成される。 【0009】図4は、管状の導波管インサート42を使用して開口部14を構成する前面パネル12の1つの実施形態を示す。図4を参照すると、金属板46に穴44が形成される。穴44に円形の金属管42が差し込まれ保持される。また、図5には、管42、穴44、および板46を示す。図5の左上部分の穴44は、これらの構成要素の詳細を示すために空のままにした。次に図4〜図7を参照すると、管42は、一方端48の外側に沿ってフレアが付けられることが好ましく、穴44は、管を板46に適切に位置決めし保持するのに役立つように前面50が面取りされる。端48の管42の内側は、より一様な開口を提供するため、図6に最もよく示したように、小さな勾配つき遷移領域49まで管の内径を平坦に(円錐形ではなく)作成することができる。管42は、任意の適切な技術を使用して、穴44内に、溶接、締付け、接着、あるいは固定することができる。 【0010】前面パネル12の代替実施形態において、管状導波管52は、図8および9に示したように金属板46から直接押出し成形あるいは形成される。 【0011】図10に示した本発明の第3の実施形態において、図10に参照番号54で示した前述の板/管アセンブリが、所望の導波管および空気流の特性を達成するために必要なように互いに上または横に積み重ねられる。この実施形態は、図8および9に示された管の設計で特に有効なことがあり、管52の長さは、板46の厚さと延性によって制限される。 【0012】図11に示した本発明の第4の実施形態において、方形の管56が使用される。 【0013】管42、52および56のサイズと形状は、パネルが使用される特定の装置、モジュール、およびシステムのEMIシールドと空気流の要件によって決まる。パネル12のシールド有効性は、導波管の設計原理により決定される。導波管は、ある一定の「カットオフ」周波数よりも上の電磁放射を伝える構造である。電磁放射がカットオフ周波数よりも低い場合、導波管は、信号を急激に減衰させる。電磁放射がカットオフ周波数よりも高い場合、信号は、導波管を容易に通り抜ける。 【0014】図1〜10に示したような円形導波管の場合、カットオフ周波数は、次の式(1)によって決定される。 【0015】 fc(Hz)=6.9×109 / d (1) 【0016】ここで、dは、導波管のインチで表した直径である。シールド有効性Sは、次に式(2)によって決定される。 【0017】S (dB)=32×t/d (2) 【0018】ここで、dは、導波管のインチで表した直径、tは、導波管のインチで表した長さである。本発明のように多数の導波管が使用されるとき、シールド有効性は、導波管のサイズと数に依存する。すべて同じサイズの導波管を密に配置した場合、シールド有効性は、次の式(3)によって決定される。 【0019】 S(dB)=(32×t/d)−10log(n) (3) 【0020】ここで、nは、対角線方向の導波管の開口部の数である。導波管の設計原理のより詳細な説明は、参照によりさらなる背景として本明細書に組み込まれたヘンリー W.オット(Henry W. Ott)による「NOISE REDUCTION TECHNIQUES IN ELECTRONIC SYSTEMS」、Wiley-Interscience (2d ed. 1986)に見られる。 【0021】長くかつ細い導波管が、最も大きなシールド有効性とより高いカットオフ周波数を提供することが分かる。長くかつ細い導波管は、当然ながら、空気流の通路として能力が低い。ディスク・ドライブ・モジュールの前面パネルとして使用に適した導波管の寸法の1組の例は、方形導波管を使用した特許出願第09/232,270号に記載されている。特許出願第09/232,270号は、たとえば、各導波管が5mm×5mm×10mmの36個の方形導波管を対角線上に備えEMIシールドおよび空気流パネルが、47%の空気流の開口と、22,940MHzのカットオフ周波数と、33dBのシールド有効性を有することを開示している。10mm×10mm×20mmのより大きな導波管を21個有するパネルは、より大きい空気流の72%の開口面積を有するが、カットオフ周波数とシールド有効性は、わずか11,016MHzと28dBである。これらは、使用することができる様々なサイズ、形状および密度の変数のうちの2つの例にすぎない。導波管のサイズ、形状および密度は、特定の装置、モジュールおよびシステムのEMIシールドと空気流の要件に依存する。 【0022】板46と導波管は42は、オットによる「NOISE REDUCTION TECHNIQUES IN ELECTRONIC SYSTEMS」、Wiley-Interscience (2d ed. 1986)に記載されたような金属などの適切な材料で作成されるべきである。板46、管42および52の厚さは、板と管の製造に使用される技術によって異なる。新しい設計は、高周波電磁放射が主に導波管の外表面に沿って減衰する「表皮効果」を考慮する。したがって、ファイバ・チャネル接続性プロトコルを使用する装置の高い周波数において、きわめて薄い壁の導波管を使用して有効なEMIシールドを達成することができる。 【0023】本発明を、以上の実施形態に関連して示し説明したが、本発明の精神および意図から逸脱することなく他の形態および詳細を作成することができることを理解されたい。前述のデータ記憶システム18およびシステム18の構成要素は、本発明を使用することができる多くの種類の電子回路とシステムのうちのほんの1つを示す。本発明は、モジュールなどの筐体の前面パネルに制限されない。また、本発明のシールド装置の構造およびそのような装置を製造する技術は、有効なEMIシールドと冷却空気流に必要かまたは望ましいように、システムのハウジングあるいはキャビネットや空間のために、個別のモジュール用の筐体の側面、上面、下面または背面に組み込むことができる。導波管は、板からまっすぐに延びる円形または長方形の管に制限されない。他の断面形状を使用することができ、いくつかの用途では、管が板から90°以外の角度で延びることが必要かまたは望ましいことある。 【0024】以上、本発明の実施例について詳述したが、以下、本発明の各実施態様の例を示す。 【0025】[実施態様1]貫通する複数の穴(44)を有する金属板(46)と、前記板(46)に固定され、前記穴の位置で前記板(46)から延びる複数の金属導波管(42,52または56)と、を備えて成る電磁妨害シールド。 【0026】[実施態様2]前記導波管(42,52または56)が、管(42,52または56)を備えて成ることを特徴とする、実施態様1に記載のシールド。 【0027】[実施態様3]前記板(46)が面(50)を有し、前記導波管(42,52または56)が、前記板(46)から前記面(50)に対し実質的に垂直に延びていることを特徴とする、実施態様1に記載のシールド。 【0028】[実施態様4]前記導波管(42または56)が、前記板(46)に取り付けられた個別の部品であることを特徴とする、実施態様1に記載のシールド。 【0029】[実施態様5]前記導波管(52)が、前記板(46)と一体的な部品であることを特徴とする、実施態様1に記載のシールド。 【0030】[実施態様6]互いに平行に配置され、貫通する複数の穴(44)をそれぞれ有する第1と第2の金属板(46)と、前記穴の位置において前記第1の板(46)から前記第2の板(46)まで延び、前記板(46)を通りかつその間に開口を形成する第1の複数の金属導波管(42,52または56)と、前記第2の板(46)から前記第1の複数の金属導波管(42,52または56)と反対に延びる第2の複数の金属導波管(42,52または56)と、を備えて成る電磁妨害シールド。 【0031】[実施態様7]閉じた領域を構成するように配置された複数の壁を有する電磁妨害シールド筐体(10)であって、該壁(12)のうちの少なくとも1つは金属板(46)を有し、該金属板(46)は、貫通する複数の穴(44)と、該穴(44)に固定され前記金属板(46)から前記閉じた領域の方に延びる複数の薄い壁の金属管(42,52または56)とを有している、電磁妨害シールド筐体(10)。 【0032】[実施態様8]前記板(46)が面(50)を有し、前記管(42,52または56)が、前記板(46)から前記面(50)に対し実質的に垂直に延びていることを特徴とする、実施態様7に記載のシールド。 【0033】[実施態様9]電磁妨害シールドされた電子モジュール(20または22)であって、電磁放射を発生する能力のある電子装置と、前記電子装置を少なくとも部分的に囲む、複数の壁を有するハウジング(10)であって、その壁の少なくとも1つは金属板(46)を有し、該金属板(46)は、貫通する複数の穴(44)と、該穴(44)に固定され前記金属板(46)から内側方向に延びる複数の金属導波管(42,52または56)とを有する、ハウジングと、を備えて成る電子モジュール(20)。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いることにより、所望のEMIシールドと空気流の特性を達成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398038580 【氏名又は名称】ヒューレット・パッカード・カンパニー 【氏名又は名称原語表記】HEWLETT−PACKARD COMPANY
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| 【出願日】 |
平成12年2月2日(2000.2.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078053 【弁理士】 【氏名又は名称】上野 英夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−236192(P2000−236192A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月29日(2000.8.29) |
| 【出願番号】 |
特願2000−25734(P2000−25734) |
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